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ソフトクリーム・エピソード

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ソフトクリームのエピソード

冷たくさばさばしている少女。アイディアや想像力に満ちた生活が好きで、新しい物事には何でもトライしたい性格。保守的な人や物が好きではない。自身の持つ強力な冷気が、常に彼女の冷静さを保っており、好きか嫌いか、白黒はっきり言うタイプ。しかし好きになってしまった御侍の前ではたまらず溶けだしてしまい、とびきりの甘さを見せてしまう。


Ⅰ滅びよ世界

今はある意味最も良い時代ーー

精霊との闘いで勝利した人間は、みずからが支配する新世界を創りだした。


しかし、最も悪しき時代でもある。

堕神ーー精霊の呪いから生まれた悪しき奴らは、人間の領地を侵食し続けていた。


「君たち食霊っていうのはね、」

サイモンは機敏に頭を回転させ、難解な事を言いつつマッチに火を点けた。


「たとえば、君たちが火だとすれば、僕たちは火を生み出す摩擦熱。でも最終的に導火線に火を点けるのは君たち食霊さ」


彼は私をじっと見つめた。指先のマッチのゆらめく火が、彼の狡猾な目をギラリと照らす。


ソフトクリームちゃん、怖いかい?」

「別に怖くない!早く!なにが起こるか見たい!」


彼の難しい話より、実験の結果を知りたくて私の胸は高鳴る。


「ははっ、そういうところ、僕とそっくりだ!」


彼はマッチをスッと放り込んだ。燃えるマッチは導火器にすっぼりとはまり、導火線に火を灯した。メラメラとした光は導火線に沿って実験物の内部を疾走する。

その刹那、急にサイモンは私の手を強くつかんで外に走り出した。


大きな爆発音と共にサイモンが私の耳元で囁いた。


ーー「じゃあ、この世界を丸ごとぶっ壊そうか。」


でも、数分後。


「あー、また失敗だ!」


散らかった実験物の中を探してみたが、私たちが作り出そうとしたものは見つからなかった。


「そうガッカリしない。失敗は成功の元って言うだろ。」

サイモンが私を慰める。

「うん...そうだよね。君はなんでいつも私の欲しい言葉がわかるの?」

「だって僕は世界一の天才科学者だからさ。」


「なによ...まだ学生のくせに...あっ!誰かがゲートの氷陣を踏んだ!多分倉庫の管理員よ、早く逃げよう!」

「え?今日は一般開放日じゃないのかい?あいつ、アイドルのステージを観ているはずじゃ……」


私はサイモンの背中を押してその場を離れるよう促した。


「わからない……でも早くここから離れようよ!」

「まったく、まだ遊び足りないのに……そうだ、次のプランを思いついた。ソフトクリーム、僕は絶対教授になってここに専用の実験室を作るよ!そうすれば僕たちを邪魔する者は誰もいなくなる!」

「そうね!まずはここに忍び込んだ事がバレて退学にならないようにしないとね!」


私は空気中の水蒸気を凍らせ、雪の花で空飛ぶ絨毯を作った。私とサイモンは絨毯に乗って天窓から脱出した。

外の杉の上でウトウトしていたスズメたちが、絨毯に乗って飛んでいる私たちに驚いてチュンチュンと飛び去った。背後には管理員の怒鳴り声が聞こえる。


私とサイモンは目を合わせて笑った。

ーーこれは私の記憶。魔導学院で過ごした一番楽しい時間だった。


Ⅱ 創造

私は運がいい方だと思う。

なぜかというと初めて私を召喚したのが面白い奴だったから。


彼の名前はサイモン。彼は「世界一の天才科学者」だと言っているけど、

その威厳は残念ながら私の前でだけ輝いていた。


サイモンは同級生たちとあまり仲が良くなかった。彼はいつも「天才は孤独で理解者がいない」、「一般人と仲良くしてる暇なんてない」とか言ってる。


だから今日の一般開放日のように、生徒たちが世界中から集まってきた家族や友達とワイワイしている時でも、私たちはふたりっきりだ。


「ねぇサイモン、もう実験はできなくなっちゃったけど、これからどうする?」

「どこに行きたい?」

「うーん、あそこでやってる堕神武器展?それとも料理御侍の用品展とか?」

「全部僕の創作の模倣品だろ、時間の無駄。」

「じゃあ...アイドルのステージ?」

「それならどうすればパペットを踊らせられるか研究した方が有意義だね。」

「じゃあなにがしたいのよ。」

「そろそろ日も暮れてきたし、寮に戻ろうか。」

「......ちょっと!サイモン!」

「ん?」


少しイライラしながら振り向くと、キョトンとした表情で私を見つめていた。

私たちは学院の空を飛び回った。心地よい風が吹いている。


「今日は私の誕生日だよ!」

「えっ?風でよく聞こえない!」


サイモンは聞こえないフリをした。私が絨毯の雪の花を少しだけ崩すとーー


「おっと!ごめんごめん、ちゃんと聞いてるって!」

彼は大声で笑いながらそう言った。

「大丈夫!君の誕生日を忘れるわけがないだろう!寮に戻って、準備しておいたテントとコートを持ってーー」


彼はまるで指揮者みたいに、校外にある雪山の山頂を指した。


「あそこに行こう!どうだい?星がいっばい見えるんだ!」

「ほんと?行きたい!」


彼と一緒にいると毎日ドキドキする出来事がある。だから新鮮で楽しい。

私の誕生日は、魔導学院で一年に一度開催される一般開放日なのでとても覚えやすい。


もう何年も前の事になる。


当時のサイモンは、今のように他人の意見をあまり聞かないような学生ではなかった。

あの年の開放日、彼は他の生徒と同じく任務を受けたーー

新しい作品を創り、開放日の展示会で全世界のゲストに向けて商品を売り出すという任務だ。


先生も同級生たちもサイモンがどんな「危険物」を創りだすのかを心配していたけれど、サイモンは彼らの期待と不安を裏切った。


彼が以前創り上げたものは深い眠りについた堕神を呼び覚ますオルゴール、食霊が嗅ぐと制御不能になり幼児形態になってしまう香水など、いわゆる「危険物」だった。

しかし、今回は違った。


氷涙湖の水でクリームを生成し、溶けにくいアイスクリームを作った。そして卵を使った薄いサクサクのワッフルコーンにアイスを詰めた。


そう、私の元になる食べ物、ソフトクリームだった。


開放日当日、移動しながら片手で食べることができ、ゴミが出ないこの商品はバカ売れを記録した。


あまりに大人気だったので、サイモンは学院から氷涙湖の湖水を大量に使用できる許可をもらった。そして、彼は誰にも知られないよう、湖水に含まれた食用ではない幻晶石の成分を抽出して集めた。


開放日の最終日、彼は校史記念会館の裏にある廃棄された魔術炉工房で、幻晶石のエネルギーを含んだソフトクリームをもとに私を召喚したのだ。


「やぁ、ソフトクリームちゃん。僕はサイモン。ティアラワールドへようこそ。」


初めて会った時の彼は、エンジンオイルまみれの手を差し出して綺麗な目で真っすぐに私を見つめていた。


Ⅲ 星空の思い出

雪山の頂上。


私とサイモンはテントの中に座った。見上げた夜空に浮かんだ星が、初めて会った時の彼の瞳を思い出させた。

その瞳の輝きをうまく言葉にはできないけれど、今夜の星空にとても似ていたように思う。


「この星たちが私への誕生日プレゼント?」

「星は夜空を見上げる人々への、宇宙からの贈り物さ。そして、君はこの世界がくれた僕への贈り物だ。」


私は頰が熱くなった。


「口が上手いのね。星は触れないよ。」


サイモンは目を開けて右手を伸ばし、星を掴む仕草をした。


「これからは何度でもー緒に見に来よう。そして覚えるんだ」

「星を?全部?こんなにいっぱいあるのに、どうやって覚えるの?無理だよ。」

「やってみないとわからないじゃん。」


なんだって、試してみないとわからない。それが不可能に思えることでも。


「サイモン、今晩雪山に行かない?」

「今日は無理。課題が残ってるんだ。」


「サイモン、星を見に行かない?学院の屋上でいいから。」

「ごめん、今夜は実験データを記録しないといけないんだ...多分深夜まで倉庫に居ると思う。」


......

だんだん、わかってきた事があるーー

永遠に変わらないものなんてない。変化こそが宇宙の法則。

人も星も変化を止めることはない。小さな変化、大きな変化、全ては新しい光を求めて、変わり続ける。


私とサイモンもその法則から逃れる事はできなかった。


雪山から戻ってきて間もないある日、私とサイモンはまた天窓から校史記念会館の倉庫に忍び込んだ。


ここは私たちの秘密基地だ。たまに巡回している管理員のおじさんから逃げたり、私たちが忍び込んだ痕跡を野良猫やスズメの仕業に見せかけたりしながら、実験はとても順調に進んだ。


でも、ある日、私たちは招かれざる客に出くわした。

その人は学校の先生か、学院の偉い人のようだ。


「マズい……もしかすると退学になるかも……」


サイモンが連れていかれた時、私は不安に駆られた。

もしサイモンが退学になったら、私もー緒に魔導学院から出られるのかな?外の世界はここより楽しいのかな?


でもそれは取り越し苦労だった。

その人と長い時間話し合ったあとサイモンは、見た事のない屈託な笑顔を浮かべ戻ってきた。


「ははっ!言っただろ、僕は天才だって!」

彼は私に手の中の鍵を見せると、「ソフトクリーム、僕たち専用の実験室の鍵だよ!」と喜びを爆発させた。


すごく嬉しそうな彼を見て、私も嬉しいはずなのに、なぜだか不安になった。


Ⅳ 再会の約束

その日を境に、サイモンは別人へと変わってしまった。

彼はとても忙しくなった。倉庫で寝るのは日常茶飯事で、何日も飲まず食わずで色んなデータと機械を見ながらプップツと独り言をつぶやいた。


「空っぽだ……空か」

彼が何度もそうつぶやくのを耳にした。


サイモンが言うには、あの謎の男は無限の金と権力を提供する代わりに、食霊の誕生と生活について研究してくれと頼んできたらしい。

そして、サイモンはとある課題に取り組んだ。それが『空』だった。

(編集注:読みは『から』だと思われる)


『空』はほぼ霊力を持たない食霊だとよく言っていた。彼らの出現は、食霊とは人間が創り出した霊力武器ではなく元々存在する生き物だという事を意味するらしい。

食霊のような未知の生物を召喚できるほどのエネルギーを持つ人類の想像力は、さぞかしすごいものなのだろう。

サイモンはどんどん研究にのめり込んでいった。この研究が進めば、この世界の霊力の秘密がわかると言うのだ。


初めの頃は彼の言っている事について少しは理解できた。だが実験の機密レベルはどんどん高くなり何もわからなくなった。


とうとうある日、私は倉庫の窓に飛び込もうとしたが、透明なシールドで弾かれてしまった。


その日、サイモンは日が暮れる頃に疲れ切った様子で倉庫から出てきた。

彼の目は真っ赤で、手入れのされていない無精ひげのせいでドッと老けたように見えた。まるで倉庫という人食いの魔物に、命を飲み込まれたように。

彼は申し訳なさそうに私を見つめた。


「ごめん、ソフトクリーム。今やってる実験はとても危険なんだ。もう倉庫には来ないでくれ。」

「邪魔しに行ったんじゃないよ。ただ......」


私は俯き、涙が溢れるのを見せないようにしたーー今日は開放日だよって、伝えたかっただけ。

私の誕生日、忘れちゃったの?


泣きたくなんてなかった。私は泣いた事など一度もない。

氷涙湖の氷は溶ける事がないから。だから、その力を受け継いだ私が泣くわけないんだ。

ソフトクリーム......」

サイモンは私の手をつかんだ。

「来てくれ。」


私はただサイモンについて歩いていった。彼はいつも二人で散歩したルートではなく、校史記念会館へと向かった。どの道を通ったのか、ある隠し扉に迪り着いた。


「ここから入れば見つからないんだ。しーっ、内緒だよ。」


彼は私を倉庫に連れてきてくれたのだ。

倉庫は既に、私が生まれた時とは全く違う景色になっていた。至る所で見た事もない機械が稼働し、本物の実験室になっていた。


サイモンは私の手を取りながら実験室の奥に向かい、望遠鏡みたいなものを渡してきた。


「ほら。覗いてごらん。」

「なに?万華鏡?」

「もっと面白いものだ。」


私は戸惑いながら望遠鏡を覗いてみる。

ーー視界が満天の星で埋められる。


あの晩、あの晩の雪山と同じ星空だ。幾千の星が空に咲いていて、とびきり眩しい星が二つ不規則に浮遊していた。


「ハッピーバースデー。」


サイモンの声がする。

彼の方を見た。目の前に彼の力のこもった笑顔がある。でもなぜか突然、嫌な予感がした。



「とびきり眩しい二つの星、見えた?」

サイモンは私の頭を撫でながら聞いた。彼の手は信じられないほど荒れていた。


「僕は、ここを離れるかもしれない。」

「覚えておいて。あの二つの星がーつになった時......戻ってくるから。」


Ⅴ ソフトクリーム

ナイフラストの魔導学院は全ティアラ大陸で最高レベルの学府である。


ここは天才の揺り籠。ソフトクリームの御侍もそのうちの一人だ。


彼は学院最年少で教授となり、学院内に専属の実験室を持っている。とある謎の投資家のサポートを受け、トップシークレットの食霊研究を行っている。


彼の研究は機密性が高く、ソフトクリームは自分の御侍と長い間会う事ができなかった。二人を遮るものがたった一面の壁のみだったとしても。


やがてサイモンの研究は実験室のみでは完結せず、学院を離れ長期のフィールドワークを始めた。ソフトクリームは彼と一緒に行くと言ったが、断られてしまった。


ソフトクリームは魔導学院に残った。サイモンが例の投資家に彼女の世話を依頼した事もあり、ソフトクリームは裕福な生活を過ごす事ができた。学院で自由に学科を選んで授業を受けることも許された。


彼女は人間の生徒と同じように、学院で学びたい事を学んだ。

時は過ぎていき、ある日、魔導学院はその年の一般開放日を迎えた。


ソフトクリームはいつものように彼女の万華鏡を手にして覗いてみる。するとあの二つの星が突然、衝突してーつになった。

彼女は胸の高鳴りを抑えながら、秘密実験室で改造された倉庫へと飛ぶように走った。


抜け道を通り隠し扉を開けると、そこにはサイモンがいた。


「ほ...本物?」


ソフトクリームは戸惑った。

目の前にいる人物の姿は、彼女の知る御侍とは別人のようだった。


「久しぶりだね、ソフトクリームちゃん。さて......僕と一緒に新しい世界を創らないか?」



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コメント (ソフトクリーム・エピソード)
  • 総コメント数11
  • 最終投稿日時 2020/12/25 14:54
新着スレッド(フードファンタジー攻略wiki)
ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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