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メイン・ストーリー・69相談〜80不安抹消

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パラータ後編

69.相談

蜃楼が蘇った。壊滅的な力が構築される前に消滅させるために、皆は対策を検討し始める。


 砂漠の国――パラータ

 ○○は北荒集落を脅かすカルラの群れを倒した。その後、パティはその恐るべし存在……蜃楼(しんろう)がもう傍まで来ていると感じ取った。


パティ:蜃楼が目を覚ました……はぁ……

イキ:何でため息なんかつくんだよ?ぼくたちが一緒に戦えば、倒せるだろ?

パティ:……あなたは人間だし、『無邪気』故だと許しましょう。

イキ:あ?

ライス:あの……古代堕神って、そんなにすごいんですか?

オリビア:神でさえ頭を痛めるような存在だ。私たちに戦う義務があるとはいえ、正直命をかけてまでやりたいとは思わない。

パティ:いいえ、まだチャンスがあるかもしれません。蜃楼は目覚めたばかりです。まだ全盛期の力を取り戻してない。全力で攻めれば、滅ぼせるかもしれない……。

主人公:『かも』?

パティ:これ以外に方法はないでしょう。私も力を解放し、可能な限りあなたたちを助けます。一刻を争います、急ぎましょう。

主人公:待って。パティ、君はついてこないでいいよ。

パティ:え?何故ですか?

主人公:集落はまだ安全とは言えない。それにここの人たちは、きっと君から離れないよ。蜃楼の件は私たちに任せて。

パティ:○○、それはカルラのような堕神ではないわ。あなたたちだけでは勝てない!

主人公:安心していいよ。もしも手に負えなかったら、すぐ逃げるからさ。

パティ:あぁそう。こんなに心配したのに……バカみたいですね。


70.対策

砂丘を越え、はるかに望め、天を摩する巨大な蜃楼はそこにある。どう消滅するかは、今の難題となった。


 北荒集落から出て、王城の廃墟から少し離れた砂丘へと着いた。風化した建築を通り抜け、微かに見える巨大な影に○○たちは息を呑んだ。


イキ:あの巨城……まさか蜃楼じゃないよな?何を食べて育ったんだ!?

主人公:少なくとも甘いお菓子じゃないのは確かだろうね……

ミスラ:ねぇ、これからどうしよう?

オリビア:パティは弱っていて協力を仰げない。目の前のこやつは今までの堕神と違って、私たちでは相手にならない。

主人公:だから意見の擦り合わせをしよう。そうしたら必ず蜃楼をなんとかする方法を見つけられるよ。まず闇雲に戦おうとしても無駄だ。蜃楼の前では私たちは蟻のようなちっぽけな存在……戦うには弱点を探さないとね。

イキ:あいつは城を背負ってて、体も頑丈そうだ。弱点はどこだ?

ミスラ:あそこよ……


 ミスラは蜃楼の膨らんだ頭を指す。


主人公:頭って……天まで貫きそうな高さだよ。とてもあれに触れられるとは思えない。

イキ:蜃楼の背負っている城に入って、その一番上まで登ればよくない?

ミスラ:登る……そうね、それならいけるかも……

主人公:確かに!その方法ならいけそうだ!しかも城門はちょうど尻尾の近く……あの門を破壊すれば中に入れそうだ。

イキ:でも、どうやって門を壊す?

主人公:パラータとグルイラオ辺境にはまだ若干の攻城兵器が残っているとオリビアが言ってたよね?イキ、ミスラを連れて食霊たちに兵器を操縦させて。それで城門を壊そう。

イキ:おおお!

オリビア:いい考えだ。だがあの体型だ、容易に門へは近づけないだろう。翼でもあれば別だがな。門を壊してもあそこまで行く方法がない。

主人公:私に任せといて。まずは門を壊そう。

イキ:けど、ここから門は結構離れてるぞ。どうやって門が壊れたかわかるか?

ミスラ:コホン!それについては問題ないわ、ほら。


 ミスラは妙なものを取り出した。


主人公:これは?

ミスラ:二つの竹筒を糸で繋いで双方で持つの。糸電話だと思ってくれたらいいわ。竹筒に向かって話すと、お互いの声が聞けるのよ。昔、おじいさんに教わったの。そこで、幻晶石の霊力で使って、新たな糸電話を作ってみたわ!これを持ってたら、多少距離が離れても、お互いの声が聞けるはずよ。

イキ:え、それ、すごくない!?

主人公:うん!ミスラ、すごいな!魔導学院で学んだのは食べることだけじゃなかったみたいだ。

ミスラ:そんなの当たり前でしょ……って、ちょっと待って。○○、今、相当ひどいこと言ったわね!?

主人公:コホン!まぁそれはさておき――イキとミスラはこれから、城を攻めるための兵器を探しに行ってくれる?私とオリビアは蜃楼と近寄せる方法を探しながら、連絡を待つから。それじゃあ――攻城戦、スタート!!


71.弘法も筆の誤り

順調に計画を施すために、ミスラとイキは攻城戦線に行って使える兵器を探す。


 イキとミスラは攻城戦に赴いた……

 辺境戦争で、ここはグルイラオ側の拠点となり、パラータ王城を破壊するために大量の兵器が配置された。長きに渡って兵器の一部はここに捨て置かれている。


イキ:ミスラ、ここだよね?

ミスラ:軍がいろんなものを残していったみたいだわ……あっ、この投石器はまだ使えるみたい!

イキ:投石器!いいぞ!こいつなら絶対に城門をぶっ壊せる!

イキ:けど……ここは蜃楼から離れてる。命中するかどうか以前に、きっと届かない気がする。

ミスラ:心配しないで。グルイラオの投石器は幻晶石の動力会社が開発したんだから。幻晶石で投石器の回転を増幅したら、威力と射程が増加するはずよ。

ミスラ:つまり、この老朽化した投石器が壊れるまでは、撃ちたい場所に撃てるってこと。

イキ:そんなに強いのか!?じゃあどうする?

ミスラ:これに関する工具の本を読んだことあるわ。歯車の回転を増幅させるのと測量は私に任せて。あなたは投石器を操縦してちょうだい。

イキ:よし、紹興酒竹飯、手伝ってくれ!

竹飯:しゃー!おもしろいことやるのか!?

紹興酒:あぁ?何が面白いんだ?こんなつまんねぇこと、俺様にさせるんじゃねぇ。

イキ:なんでもいいから、あそこの大きな石をここに運んで――ん?何か聞こえる……。

カルラ:この匂い……人間の、匂いだ……

ミスラ:カルラ!?

イキ:チッ、タイミングが悪かったな!ミスラ、あいつらは任せた。堕神はぼくが倒す!


***


イキ:へへっ!ミスラ、こっちは片づいたぞ。そっちは?

ミスラ:終わったわ。

イキ:よし、じゃあ竹飯、いけっー!

竹飯:っしゃー!!


 竹飯は機械を移動させる。幻晶石によって歯車を増幅して回転させ、膨大なエネルギーで設置された巨大な石が遠くの蜃楼に向かって放たれた。


竹飯:これで御侍の頼みは終わりか?

イキ:まだだ。次は何をしてもらうんだ?

ミスラ:ん……そうだ、○○には避難してもらった?

イキ:避難って?何の話だ?

ミスラ:………………イキ。

イキ:えぇと……あっー!忘れてた!ミスラ、この竹筒はどう使うんだっけ、今から○○に連絡する!


72.火遊び

巨石を投げ出した後、イキはあなたにすぐ回避するように通知するのを忘れたことに気づいた。その結果……


 その頃――


主人公:うわぁ――近づけば近づくほど山のような圧力を感じるな。

オリビア:ああ。もうミスラとイキは攻城戦を始めてるはずだ。はやく隠れよう。

主人公:なぜ隠れる?

オリビア:……攻城するとしたら、投石車ぐらいしかないだろう。彼女たちの攻撃が必ず的に命中できるとでも思うか?

主人公:えっ?こ、怖いこと言わないでよ……

ライス:御侍さま、竹筒が振動してます!

主人公:おっ、それはきっとミスラたちからの連絡だ。これ……耳をくっつければいいのかな?

イキ:『おーいっ!○○、聞こえるか?』

主人公:おおっ、イキの声が聞こえる。そっちはちゃんと聞こえてる?

イキ:『○○、急を要する。今さっき石を投げた。急いで避難してほしい……あー!なんでもいいから、今すぐどこかに隠れてくれっー!』

主人公:えっ?もう石を投げた!?

オリビア:信じたくないが……○○、顔を上げて上を見ろ。


 オリビアが示した方向を見ると、空には黒点がうっすらと見えた。それがだんだん大きくなってくる。距離があっても、それはかなり大きな石だとわかった。


オリビア:見たな?じゃあ、私は先に行く。

主人公:え、ちょっと待ってっ!!わぁああ!!


 ――ドーン!!!

 ○○の後ろから大きな音が響く。慌てて振り返るとそこには、砂地に埋もれた大きな石があった。そのときの衝撃で舞った砂が○○に降り注ぎ、そこに埋まってしまった。


ライス:お、御侍さまぁ!

主人公:あああー!まったくもうっ!なんなんだよ、これっ!殺されそうになったぞ!?

オリビア:その石……間違いなく幻晶石で歯車の回転を増幅したな。さっきおぬしがもう少し近寄っていたら、恐らく内臓まで潰されていただろう。

主人公:……オリビア、わかったから。冷や汗がすごい……!っていうか、ちょっと!イキ!!

イキ:『○○ー?もしもしー?さっきすごい音がしたよな?もしかして当たっちゃった?』

主人公:そうだね!危うく私が仕留められるところだったよ!もっとしっかり狙ってくれる!?

イキ:『えっ?ああ、要するに狙いがズレてたってこと?ごめんな、○○。あはは、はははは……』

主人公:………………

イキ:『じゃ、気を取り直して、もう一回!今度はしっかり狙うからっ!』

主人公:頼んだよ……これ以上、砂を被るのはごめんだからね!

オリビア:ふむ、○○は料理御侍として力をつけてはきたが……まだ軍事経験はゼロに等しいな。

主人公:軍で戦うことはこの先もないでしょ……とにかく、もっと離れなくちゃ。行こう、オリビア。


 蜃楼から離れるために歩き出したが、そのとき突然、カルラ族の叫び声が空に響き渡った。


主人公:あれ?やつらの頭はやっつけたよな?

オリビア:きっと集団から離れた個体だ。念のため、カルラ退治を優先したほうがいい。


***


主人公:よし、全部倒したぞっ!

ライス:御侍さま、また石が飛んで来ました!

主人公:おおお、当たるか?当てろぉー!当たれぇー!当たっちまえー!

オリビア:○○、いったい何を騒いでる?

主人公:念動力を使った。きっとうまくいくぞ!

オリビア:さてはおぬし、アホだな……?


 ――ドーン!!!

 また大きな音がした。今度こそ石は確実に蜃楼が背負った城門に当たっただろう。○○とオリビアは靄が晴れた先に、古い城門が開かれているのを確認した。


オリビア:………………

主人公:へへっ……!

オリビア:次の計画はどうした?ヘラヘラしてると、暴食の口にぶち込むぞ?

主人公:……コホン、そんな怖いこと言わないでも話しますから。それで、次の計画ですが。少し手間がかかります。


73.不意打ち

前期準備ようやく完成した。あなたは蜃楼に載せている王城を登ることに決めた。しかし事はそんなに簡単ではなかった。


オリビア:もったいぶるな。早く言え。

主人公:ええと……とりあえずB-52を呼びます。

オリビア:彼を呼んでどうする?

主人公:B-52は飛べるでしょ?だから、彼に上まで連れてってもらったらどうかなーって。

オリビア:おぬし、それは冗談か?そもそも、B-52の翼は人を運ぶためについている訳じゃないぞ。

主人公:えっ?ダメだった?

ライス:御侍さま、ライスが上までお連れします!どうぞ遠慮なく頼ってください!

主人公:その小さい体で、大きく出たなぁ……だいたいさ、ライスは飛べないでしょ。

オリビア:それがおぬしの計画か?だったら『次の計画』は失敗に終わったということだな。

天ぷら:ちょっと待てぇっ!

ライス:てんぷら?

天ぷら:御侍、俺に任せてくれないか!?

主人公:え?天ぷら、空を飛べるの?

天ぷら:しない。

主人公:だったら今は引っ込んでてくれる?忙しいんだ、こっちは。

天ぷら:まーまー、無下にする前に俺の話を聞いてくれ。確かに俺は飛べないけどさ、自慢の腕力がある。俺にかかりゃ、200kg以内なら、あっという間に遠くまで飛ばしてやるぜ!

主人公:えっと……

主人公:……

主人公:わっ!?


 すぐに○○は反応できない。言われていることがすぐに理解できなかった。しかし天ぷらはそんな○○を有無を言わさずがっしりと担ぎ上げ、力いっぱい蜃楼に向かって投げつけた。


主人公:ああああーっ!!?


 容赦なく投げ出された○○の声がだんだん遠ざかっていく…………


ライス:お、御侍さま!

天ぷら:ははっ!見たか、これが俺――天ぷら様の千鈞(せんきん)の力だぜ!

オリビア:天ぷら。おぬしの力は確かにすごい。だが、この状況、理解しているのか?

天ぷら:え?何か問題あったか?

オリビア:おぬしの御侍は人間だ。あのように投げられたら、ただじゃすまない。最悪死ぬかもしれないな……。

天ぷら:えっ?あの程度で死ぬか!?嘘だろ……そこまで脆いか、○○は。

ライス:あ……

天ぷら:おい!?ライス!?御侍は大丈夫だって!よし、これから○○を助けに行くぞ!お前も一緒に来い!

オリビア:君たちの茶番はすごいな。呆れを通り越して感心するよ。


74.城を登る

空中を飛翔したあと、ようやく味噌汁の助けの元に安全に着陸した。奥深い王城廃墟を見て、あなたは最上階に向かって進む。


 天ぷらに蜃楼に向かって投げられて、○○は空を猛スピードで飛んでいる。


主人公:(風が強くて口が開けられない。目も同じだ……!天ぷらの奴、よくもやってくれたな!このスピードだと蜃楼にぶつかって死ぬぞ!)

味噌汁:御侍ーっ!

主人公:(味噌汁!?)


 ○○は城門前で手を振っている味噌汁の姿を発見する。味噌汁は勢いよくジャンプし、○○を引き寄せる。そしてそのまま城門前に着地する。


味噌汁:ふぅ……危なかったな、御侍。御侍?おい、大丈夫か?もしかして、泣いてる?


 ○○は大きく息を吸いこんだ。体はようやく感覚を取り戻し、鼓動が早鐘を鳴らす。震える両手は味噌汁の袈裟をしっかりと握っていた。


主人公:……お、驚いたけど、私は鋼の心臓を持つ強者だから!な、泣いたりしないよ!?で、でもちょっとだけ待って……腰を抜かしているみたいだ。……ところで味噌汁、君はどうやってここまで上がってきたの?

味噌汁:御侍の傍に現れるなんて容易いことだ。拙僧は○○の食霊だからな。

天ぷら:御侍!御侍!はぁ、はぁっ!ほら、見ろライス!やっぱり御侍は無事だったろ!

主人公:天ぷらも来たのか。って、どうしてライスも一緒なの?

天ぷらライスがあんたのこと心配して倒れたからさ。だからライスも連れてきた……と、そうだ!こうやってあんたと一緒にこの城を登ってくればよかったのか。そうしたらあんたを投げなくて済んだ……。

主人公:天ぷら……ちょっとそこに立って。一発殴らせてくれる?

天ぷら:あー……悪かったよ、御侍。反省したから殴るのは勘弁してくれ。味噌汁ライスを頼む。俺は先に行くぜ!また後でな、御侍!


 天ぷらは○○の今にも呪い殺してきそうな眼差しに耐えかねて慌てて逃げ出した。それと同時に、味噌汁に預けられたライスはぼんやりと目を開ける。そして、ライスは御侍に手を伸ばした。


ライス:御侍さま!うぅ……御侍さま、大丈夫、ですか?

主人公:すごく驚いたけど、ライス、私は大丈夫だよ。味噌汁が助けてくれたからね。

ライス:よ、よかったです。御侍さまは何かあったら、ライスは……

主人公:ライス、心配してくれてありがとう。でも、今は感動の再会をしている場合じゃない!


 頭上には壊れた城門が見え、足下では、うろこのような角質が蠢いている。これは蜃楼の体だ。城の中を覗くと、深くて暗い大広間が見えた。そこから時々蜃楼の重い呼吸音が聞こえてくる。周囲の壁にこだまして、ブンブンと残響を残している。この光景は目の当たりにしないと、現実のことだとは到底信じられない。


主人公:中に入ろう。目的は最上階だよ。


75.棲息

王城の内部くねくねと曲がりくねっていて、そして多くの小型堕神もここに生息している。あいつらは進む道に立ちはだかる障害である。


オリビア:『○○、聞こえるか?』

主人公:その声は……オリビア?

オリビア:『どうやら無事みたいだな?どうだ?上に行く道はありそうか?』

主人公:正面に階段がある。メインの通路みたいだ。あそこから上に行ってみようと思う。

オリビア:『ああ。蜃楼は今、動いているようだな。私は一緒に行けないから、外で観察を続ける。』

ライス:御侍さま、堕神の気配があります!

主人公:え?この蜃楼の中に堕神がいるの!?

オリビア:『この巨城には、堕神が寄生できる十分な空間がある。』

オリビア:『とにかく。最上階までの道は険しいだろう。気をつけて行け!何かあれば連絡する』


76.トラブル解決

どうやらもうすぐ最上階に到達するらしい、しかしその時意外に雷鳥カルラに遭遇した。片づけないと危険にあう恐れがある。


主人公:頂上までは遠いかな?

主人公:この状況だといつ堕神が現れてもおかしくない……一瞬の油断も許されないぞ。

ライス:御侍様、この先に間違いなく堕神がいます……

主人公:そっか。じゃあ、迂回しよう。堕神討伐をしに来た訳じゃないからね。最上階を目指さなくちゃ。時間の無駄はできない。

ライス:違います。御侍さま……この先に、雷鳥カルラがいます……

主人公:え!?雷鳥カルラ!?ここ、もしかして彼らの巣だったりする?

ライス:か、かもしれません……

主人公:危険だ。やっぱり戦おう。先手必勝だ!


77.正面対決

すべての障害を一掃した後、あなたはもうすぐ最上階に到達する。間違いなく、これが蜃楼だ。


 雷鳥カルラを倒して先に進むと、階段の突き当たりで古い木戸に塞がれる。暗い廊下の中で唯一隙間から光と風が漏れている――間違いない、ここが最上階だ。


主人公:これから、蜃楼と正面対決するのか……


 一瞬戸惑うも、○○はすぐに覚悟を決め、ドアを押し開いて外に出た。先ほどまでの重苦しい空気は風に吹き飛ばされる。見上げると、そこには広い空が見える。ここは、天にそびえる巨樹のような蜃楼の頭であった。


主人公:むむっ……あれは何かな?オリビア。

オリビア:『○○?最上階に着いたのか?』

主人公:うん。あいつの頭は私から少し遠いな。ちょっと協力してもらえないかな?B-52に攻撃させて。あいつの注意を引き付けてほしい。

オリビア:『わかった。』

ライス:御侍さま、わたしたち、勝てますか?

主人公:うーん、それはわからないな……城の中に隠れて、様子を見よう。


 そんな話をしていると、遠くから爆発音が聞こえてきた。そこには、怒りの形相の蜃楼が巨大な頭をこちらに向けて喚いている姿が見える。

 するとそこにB-52が現れた。○○の頭上を急速に通り過ぎ、蜃楼へと飛び込んだ。空中で素早く蜃楼の反撃を避けて、何度か攻撃をした後、○○のもとに舞い下りる。


主人公:随分早く来たね。

B-52:相手の注意を引くことに成功しました。この後は○○、君の番です。


78.漁夫に利を占められる

悪戦をしてきて、蜃楼の強い力に対してあなたは対策を考え直さなければならない。そんな時にメガフォンからミスラの声が伝わって来た。


 蜃楼は咆哮して、噴射した気流でこの場にいる全員を吹き飛ばそうとしたが、幸いにも背後の城壁に遮られ、なんとか耐えられた。


ライス:御侍さま!これ以上、もう耐えられません!

主人公:こんな攻撃じゃ、蜃楼を撫でてるみたいだ……みんな、早く城の中に戻ろう!


 再び通路に戻っても、蜃楼の攻撃は止まない。○○は溜息をついた。すると、オリビアの声が聞こえてくる。


オリビア:『○○、どうだった?』

主人公:一つわかったことがある……蜃楼はとても厄介だ。なんと口臭がとてつもなくキツイ!

オリビア:『冗談は結構。それより、何か弱点は見つけられなかったか?』

主人公:見つけられなかった。うろこは硬すぎて、ダメージを与えられない。眼球すら傷付けられなかった。うろこを破壊できる方法を見つけない限り、蜃楼を倒すなんて夢物語だね。

イキ:『……ああ。○○、ミスラが話したいって。』

主人公:あっ?

ミスラ:『○○、こっちでアルナが見つかったわ。』

主人公:えっ?じゃあ、すぐそこを離れないと!

ミスラ:『違うの、あなたの話を聞いてて、思いついたことがあるの。』

主人公:……もしかして、アルナをここに引き寄せて、蜃楼と喧嘩させるつもりじゃないよね?

ミスラ:『脅威だと感じたら必ず戦う。これは堕神の本能よ。私を信じて。』

オリビア:『仕方ないな。B-52、アルナを挑発してくれ。そして、蜃楼がいるところに誘導するんだ。』

オリビア:『○○、暫く持ちこたえてくれ。』

主人公:それしか、方法はないか……。わかった、ここはなんとかする。


***


主人公:『やった!成功したみたいだぞ!!』


 集まった食霊に集中攻撃されて急所を攻撃された蜃楼は、ついに沈黙した。

 蜃楼は悲痛な叫喚(きょうかん)をあげて、轟音と共に倒れてしまった。


主人公:や、やった!こんな大きな堕神を私がやっつけたなんて……えっ?


 すると突然○○の足下にある城が大きく揺れ始める。


ライス:御侍さま!ここ、崩れ落ちます……!

主人公:こんな時に!?

オリビア:『○○、この城はもう支えられなくなった。早くそこを離れて。』

主人公:そんなこといきなり言われても間に合わないよ!うわぁ――!!


 廃墟と化した王城は前触れもなく崩れる。○○は足元を支えていた地面を失い、そのまま膨大な土煙に飲まれてしまった。


79.新世界

蜃楼を撃退した。しかし危機はそれだけでは終わっていない。同時に、砂漠より南のパラータ新王城内に特殊な客を迎えた。


 パラータ南部

 終沙門城

 蜃楼が○○に倒されたあと、廃墟となった王城は完全に崩れた。その結果、○○の命が危険にさらされる。同じ頃、南部の新王城――終沙門城に、訪れた者がひとり。立派に飾り付けられた応接間から、床を松葉杖で叩く音が聞こえる。すると応接間の扉が開き、背の高い細身の男が入ってきた。


グリーンカレー:うん?麻辣ザリガニ?兄上がここに来るなんて、どういう風の吹き回しだ……?

麻辣ザリガニグリーンカレー、今回はグルイラオ皇室の挨拶とお礼で来た。あと、少し話がある。


 グリーンカレーは頷いて、護衛兵に退去を命じる。彼らが出て行くと、応接間にはグリーンカレー麻辣ザリガニだけが残った。


グリーンカレー:長い間お待ちしておりました、兄上。

麻辣ザリガニ:ああ。多くの仲間を覚醒させるのに、いろんなとこに行ってたから時間がかかっちまったぜ……てめぇの成果はどうだ?

グリーンカレー:パラータ聖王は二年前に病膏肓(やまいこうこう)に入りました。王室全体は相続権を争って殺戮を繰り返し、王権はもはや有名無実となりました。僕は先に王宮全員を我々の仲間――兄弟姉妹に挿げ替えました。パラータは現在、我々の手に落ちました。

麻辣ザリガニ:よくやった。だが、ここからがスタートだ。桜の島に行ったことあるか?人類は絶滅し、堕神に占領されている。これからはもっと慎重に行動しねぇとな。

グリーンカレー:はい。そういえば、サイモンがここに来たとき、契約の干渉装置が開発されたと言っていました。

麻辣ザリガニ:ほお?

グリーンカレー:食霊を召喚する魔動炉とは契約の枠組みが違います。新しいその装置は、都市の規模でその中にいるすべての食霊の契約を書き換えることができます。人間は僕たちをコントロールできなくなれば、屠殺を待つ羊と同等です。サイモンの話によると、彼は過去数年間にこの装置を世界各地に設置したらしいです。けれど……兄上が彼らの家族と親密にしているのは知っていますが、彼らはなぜ僕たちを助けてくれるのでしょう?

麻辣ザリガニ:……奴らは俺様たちを手伝ってるんじゃねぇ。奴らの行い、それ自体が計画の一部だ。

グリーンカレー:というと……?

麻辣ザリガニ:俺様は一応執行者の一人だった。奴らを殺したのは計画から逸脱したからだ。あと、もっといい選択肢が見つかったからだな。

グリーンカレー:なるほど……!僕たちの新世界ですか!


80.不安抹消

この時に麻辣ザリガニと相談しているグリーンカレーは、もう一つの報告を受けた。


 麻辣ザリガニグリーンカレーが話していると、ノックの音が聞こえた。護衛兵が恭しい態度で深々と頭を下げて応接間に入ってくる。


グリーンカレー:どうした?

付き人:グリーンカレー様、北部についての情報があります。数百年前からずっと旧王城の下に隠れていた蜃楼が復活いたしました。

グリーンカレー:太平の世には程遠いな……わかった、後で処理をする。

付き人:その蜃楼は倒されました。どうやら……人間に仕留められたようです。

グリーンカレー:人間だと……?わかった、下がれ。

麻辣ザリガニ:調べるまでもない。きっと○○だ。

グリーンカレー:兄上、何故そう思われますか?

麻辣ザリガニ:奴とは前に戦ったことがあった。そのときは一撃も耐えらねぇ虫けらだったのに、桜の島であいつはサイモンが改造した蛇君を退治しちまった。寿司によると○○は仲間を連れてパラータに来ているらしい。驚いたが、俺様たちはやるべきことをやるだけだ。

グリーンカレー:……あのような人間を残しておいたら、良くないことが起こるでしょう。兄上、奴を倒しますか?

麻辣ザリガニ:必要ねぇ。てめぇはここで王室の者たちを始末しろ。○○は、こっちでなんとかする。


 ザリガニは話し終えると、背後から奇妙な格好をした食霊が現れた。鮮やかな赤色の仮面で顔の下半分を隠したその男は、目つきが鋭く、まるで刃のようだった。


ペッパーシャコ:兄上……

グリーンカレー:……ここには兄上だけがいらしたのだと思っていました。

麻辣ザリガニ:奴はペッパーシャコ。普段は俺様の傍で身を隠している。○○の件はこいつに任せる。

ペッパーシャコ:承知……


 ペッパーシャコは淡々と答え、暗がりに消えていった。


グリーンカレー:パラータの話はこれで終わりです。兄上の計画が順調でしたら、僕からは特に言うべきことはありません。

麻辣ザリガニ:ご苦労。

グリーンカレー:このあとはどちらに向かわれる予定でしょうか?またサイモンを会いに行かれますか?

麻辣ザリガニ:いや、奴とはもう誰も会わなくてもいい。孵化の日が来れば、あの計画の真の首謀者が舞台裏から出てくるだろうしな。


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タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
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    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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