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B-52・エピソード

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B-52のエピソード

周りのことにはあまり関心がなく、

面倒くさがり屋だが、時には外的要因によって戦闘に巻き込まれることもある。

戦闘用の機械として扱われるが、本人は普通の人間になりたいと思っている。


Ⅰ プログラム始動


契約期限切れ、再接続不能。

御侍の生命徴候の消失を確認。原因不明。

御侍の位置確認、失敗。


起動操作、拒否。





かつての僕なら、御侍の命令がなければどこへも行かず、何もしなかった。

元の位置にとどまり、御侍による始動操作を待った。

考えなければ、苦悩することもない。


しかしあの時、既に殺された御侍から指示を受けることができなくなり、自分で何とかしなければならない状況だった。


当時の僕にとってそれは厄介なことだった。

長い時間動かずにいれば、機械の体は強ばって動きが鈍くなる。自分が何をすべきか分からない僕は、機械なら自分から行動する必要はないと思っていた。


あの頃、僕はただの機械だった。

機械だから、仕事の開始には起動してもらう必要がある。





僕は聞き慣れない声と慌ただしい足音が近づいてくるのを耳にした。


「金庫を見つけたぞ、宝石を持っていけ」

声の主が僕を見つけて近づいてきた。

「ん?これはなんだ?」

彼は赤毛の食霊で、派手な服を着ていた。

そしてその仲間は盗賊のような格好をしていた。


「お、あれか、あいつの食霊か。ほとんど話をせず、あいつの言葉にしか反応しないらしい。御侍が死んだ今となっちゃガラクタに過ぎないな」

「良く調べてるね。あんたを知ってる奴は大泥棒って言うが知らない奴が見たら探偵だって思うぜ」

「お褒めの言葉をありがとう――ブツはいただいた。行くぞ」


僕は彼をじっと見つめ、ピクリとも動かなかった。

彼は手を伸ばして僕の腕や顔、眼帯、そして機械の翼に触れた。僕の視線は彼の手の動きを追ったが、体の他の部分はやはり全く動かなかった。


「待て、こいつを連れて行く」

彼は手を引っ込め、興味深そうに僕を観察した。


「ご主人が死んだ今、こいつはただのスクラップなのか、それとも優秀なおもちゃになれるのか――座れ、食霊」



食霊より指令受領。

指示確認、座れ。

目標および動作指令確認、実行。



命令され、僕はそれに従って座った。

相手は御侍ではなかったが。


彼は続けていくつかの指令を下した。

横になれ、立て、後ろを向け、ジャンプしろ……

僕が全ての命令に従うのを確認すると、

彼は傍で見ていた者が唖然とするような命令を下した。


――仲間の盗賊を殺して青い宝石を持ってこい。




盗賊は裏切ったパスタを罵り、一方で僕に命乞いをしながら逃げ惑った。

しかし僕は既に彼を殺せという指令を受領していた。

矛盾する指令を選択することはできない。

ただ優先者が誰かを判断するだけだ。

現在の優先者は――赤毛の食霊。


僕は盗賊を殺し、宝石を彼に渡した。

彼はまるで、欲しかったおもちゃをやっと手に入れた子供のように喜んだ。

いやそれ以上に熱狂的に。


「ははははよくできたおもちゃだ!お前の名を教えてくれ。一緒に来い。力を存分に発揮させてやる!」

食霊の異常な笑い声が響く中、僕は淡々と自分の名を告げる。

「僕は……B-52


Ⅱ 異変

体の動きが……鈍い。

羽と腕が正常に動かない。


今回の戦闘相手はとても素早く、自分の気配を隠す能力に長けている。

何度か受けた背後からの不意打ちにも、まったく気が付かなかった。

相手が近づいてから防御しようとしても遅かった。


機械の翼が飛行中に抗議の声を上げたため、

使用を諦めパスタ――僕を連れだした赤毛の食霊―がいる別館まで歩いていくことにした。


にぎやかな街の往来には人が多く、動きの鈍い僕を気に留める者は誰もいなかった。

後ろから制御を失った馬車の音が聞こえてきて、群衆は四方八方へ逃げていき、道路の真ん中には僕と転倒した少女だけが残された。


「助けて!誰か彼女を助けて!」

大声で助けを求める声が聞こえた。

その時は気づいていなかったが、僕は命令も受けていないのに翼を広げ、道の真ん中にいた少女を抱いて空中へ舞い上がった。

ちょうどその時、馬車が足元を通過していった。


危険は去ったものの、無理やり動かしたことで機械の翼は機能を失い、僕は少女を抱いたまま落下した。

落下する途中、胸に抱えた少女を優先的に保護すべきと判断し、僕は彼女を抱いて仰向けになり、自分をクッション代わりにして地面にぶつかった。


重力の衝撃を受けて僕の頭は一瞬真っ白になり、目からは火花、右腕は言うことが聞かなくなりだらりと垂れ下がった。



プログラム判定――なぜ彼女を助けた?

命令確認――当該指令は未受領


――助けたいと思ったから。



あの叫び声を聞いて、僕の体はプログラムの呪縛から解かれた。


「……お、お兄ちゃん!」


僕は何か見えない力に引き寄せられるのを感じ、耳に幼さの残る声がこだました。


「お兄ちゃん、大丈夫?」

「……大丈夫」


少女が体から降りると、僕は地面に手をついてゆっくりと起き上がった。

試しに機械の翼を動かしてみたが、やはり抗議の声が上がった。


「ありがとうお兄ちゃん……その羽、壊れちゃったの?」


少女は壊れてしまった僕の右腕を抱えてこちらを見上げた。


「お兄ちゃんの羽、パパが作ってる時計によく似てる……ねえ、パパに修理させてよ!」


今の状況で事件に遭遇すれば、僕に反撃する力はない。

さっき僕が救った少女が、僕の部品を修理できると言っている。


試してみよう。


「お兄ちゃん?」

「ああ、連れて行ってもらうよ」


Ⅲ 現実と夢

少女は僕を家に連れ帰った。

彼女の父親は街で有名な時計職人で、僕が損傷しているのに彼の娘を助けようとしたことが、翼の故障の原因だと言い、

僕に誠意を示そうとした。


しかし僕は、彼が僕に感謝しているのか、僕の翼の機械に興味があるのか判然としなかった。


僕は椅子に座り、一言も言葉を発さずに、時計職人が損傷した部品を換えるのを待った。


「お兄ちゃんの羽、こんなになっちゃって、痛い?」

「痛くないよ」

「えっ?お兄ちゃんは時計みたいに、ケガしても痛くないのね。いいなあ。あたし転んでケガするたびにすごく痛いの」

「…………」


後ろから時計職人の声がし、気まずい白けた空気を破った。

「こら、生きた人と時計は違うよ。痛くないわけないだろう?」

「お兄ちゃん、本当は痛いんだ」

「お前を心配させないように我慢して言わないだけだよ」


違う。

少女の言ったように、僕は痛くないんだ。

機械がどうやって痛みを感じるのだ。


しかし僕はこの言葉を口に出せなかった。

会話はまだ続いていたが、僕は意識が朦朧としてきた。


「誰でもお前のように、ちょっとケガしただけで、わあわあ泣いたりしないんだよ」

「わあ!パパひどい!あたし、泣かないもん!今日落っこちたときも1適も涙を流さなかったよ!」


少女は飛び跳ねながら父親にあっかんべえをし、それから何を話したのか、2人は一緒に笑い出した。

それに彼女は僕の口元を指でつつき、僕にも笑い顔を作らせようとしたんだ……




耳をつんざく叫び声が僕を思い出から引きずり出した。

目の前にあるのは、時計でいっぱいの店ではなくきらびやかな商人の家で、床に置かれた死体はまだ温かかった。


僕のミッションは―商人を殺して、青い宝石をナイフラストに持って帰ることだ。


商人の妻には、戦いが上手くない食霊がついていた。

その食霊が消える前に放った全力の一撃は、僕に大きな損傷を与えた。


戦闘を始めた時にはわからなかったが、商人の娘をつかまえた時、僕は部品が壊れているのに気づいた。

彼女は床下に隠れれば、僕の追撃を躱せると考えたようだ。


僕は彼女がずっともがいていると思っていたが、僕の炎を恐れてか、身体が硬直し、ぶるぶる震えている。


わからない、どうしてミッションを実行しようとするとこういうことが起きるんだ?

目の前の、恐怖におびえる少女のせいか?

それとも、彼女を捕まえてから、僕の機械の翼がまた故障しているのに気づいたからか?



僕の身体の中で、彼女の命を奪うことを阻止する力が生まれた。

もしかすると、この力が僕に場違いな昔のことを思い出させたのかもしれない。

こんなことはかつてなかった。

僕は動揺した。


選択することも、動くこともできなかった。

少女が僕の手から逃れても、僕は彼女を追おうとしなかった。彼女が逃げるのを見ながら、僕が考えたのは、「このことはパスタに言わないでおこう」

だった。




燃える青い炎は制御を失い、僕は霊力を取り戻すことができず、炎は絨毯を舐めていき、僕は炎に包囲された。


顔が見えなかったが少女が僕の後ろに現れた。

振り返ると、彼女の顔は別人に変わった。

男性、女性、老女、子ども……最後に僕の助けたあの子に変わり、僕の手を抱きしめてこう言った。


「お兄ちゃん痛くないの?お兄ちゃんは人間じゃないの?」


それから彼女は死んだ御侍に変わり、絶望したようにこう言った。

「お前は食霊なんかじゃない。ただの戦闘機械に過ぎない」


違う、僕は、人間になりたかった。

痛みを感じてみたかった。

人間に、なりたかった!


僕は何を叫んでいるのか、何をもがいているのか自分でもわからなかった。

何かが違うと感じていたが、それがどこから来るのかわからなかった。


少女の顔はまだ変化している。

乱れた声が耳元でこだましている。

かすかに、僕は聞き覚えのある雄叫びを聞いた。


「――B-52……B-52!目覚めるんだ!」


Ⅳ 答え

プログラムの休止から目覚めた僕は、目を開けてパスタを見た瞬間、これまで脳の中で回っていた記憶は夢だったとわかった。


僕はどうしてこんな夢を見たんだ?

僕はどうして夢の中であんなことを言ったんだ?

パスタがかんかんになって僕を詰問してきたので、その答えもわからず、考える時間もなかった。


「なぜ命令に背いた!お前は自分のやったことがどんな結果になったか知ってるのか!」

「……」

「説明する気はないようだな。なぜあの女の子を開放した!?」

「……」

パスタは顎を上げ、僕を見下ろした。

「お前は私のおもちゃだ。私の命令を聞いて行動しろ!それともあの俗物どものように捨てられて潰されたいか!」

 パスタの言う「潰す」とは、つまり死ぬことだ。

死ぬとは、生物の活性が失われることだ。

死ぬ過程で、多くの人が巨大な痛みを経験する。


痛み……

もしやそれは、生きている「人」の証明なのか?


パスタ、あなたは痛みを感じますか?」

「はぁ?こんな時に話題を変えようってのか?」

「いいえ」

ますますいらいらするパスタを見ながら僕は言った。

その言葉に、パスタは意外な表情を見せた。


「僕は人間の感覚を知りたいのです。死ぬこと、痛み……」


僕は確認したい。

僕が機械ではなく、生きた食霊だということを。

自我の意識を持った食霊、人間と同じ食霊だと。

あの少女の父親の言ったように、僕も痛みを感じる食霊なのだ。


この時のパスタの表情を上手く言い表すことはできない。

ちょうど、僕の今の迷いを言い表せないように。

それでも僕は、自分の疑問を口にすることを止められなかった。


僕は人が生きていると思う感覚を知りたい。

――痛みも含めて。


「知りたい?よし、わかった。じゃあお前もあの俗物どもと一緒に『潰して』やる!」



パスタが去ると、僕は邪神遺跡に向かった。

彼が行く前に僕に言ったんだ。

これは僕に答えを教えてくれる場所だと。


邪神遺跡は危険だ。

堕神との戦いは、食霊との戦いとは違う。

堕神は殺戮本能に従い、慈悲や心配する心はない。

奴らが群れをなして次々に襲ってくれば、僕の炎は早晩尽きるだろう。


僕はそこで死ぬことを受け入れてもかまわなかった。

遺跡の他に、僕が死ぬのを止めようとする食霊がいた。しかし僕はそれを拒否した。


僕の答えは、痛みを感じた時にわかるのかもしれない。

痛みは……きっと僕に答えをくれるだろう。


疲弊する戦いも、引き裂かれた傷もかまわない。

体力を使い果たし、霊力を燃焼し、目的を達成するまで決して休まない。



僕の願い、僕の真実、僕の存在……

きっと証明する。僕にも痛みがある。

人間と同じように痛みがある。

僕も、生きた食霊なのだと!





突然これまで感じたことのない痛みが、僕の霊力の爆発の後に、全身を襲った。

その瞬間、僕は過去に戻り、あの少女に言った。


僕も痛みを感じる、君と同じだ。


しかし、遅すぎたのかもしれない。


痛い、身体のどこもかしこも。

動けない。


僕は地面に横たわった。

周囲からは次々と堕神が押し寄せてくる。

僕を助ける人はいないことを、僕は知っている。

霊力が消えていくのを感じる。

でも悲しくはない、むしろ清々しい。


なぜなら僕は、自分が生きた食霊だと、生きた――「人間」だとわかったから。


Ⅴ B-52カクテル

B-52は生まれた時、普通の食霊ではなかった。

彼の御侍は飛行機の設計士で、助手を召喚しようとして、なんと機械を召喚してしまったのだ。


そう、機械。

彼の御侍は彼をこう呼んだ。

指令がなければ、行動しない。物事を察して行動するのではなく、言われたことだけをやる。


もちろん、1つのこと――戦いだけを除いて。


堕神が跋扈する今日、陸地だけでなく、空も海も、堕神に占拠されてる。

爆撃機と称えられたB-52が担当した飛行機の護衛は、すばらしい出来映えで、運転士たちに完璧な戦闘ロボットと称えられた。


「食霊」は召喚された時は、自我の意識がある。

彼らは多かれ少なかれ御侍の影響を受け、新しい認識を持つが、少なくとも最初は「食霊」がどんな存在なのか、はっきりわかっている。


御侍や人間の影響を受け、B-52は自分の認識を修正し、自分を「食霊」ではなく、冷たく痛みも疲れも知らない「機械」だと認識するようになった。


しかしB-52の御侍は結局、めったに飛行機に乗らず、家で設計図を描いているときはB-52を書斎に置いておき、たまにちょっとした用事をさせる程度だった。


ある人が、B-52の御侍にプライベート飛行機の設計を依頼した。飛行機の前に「美しい花嫁」の彫刻をしその胸のネックレスに美しい青い宝石をつけるように頼んだ。


こうして、青い宝石がB-52の御侍の家に預けられたのである。


青い宝石は呪われた宝石で、これを所有する人は不幸な目に遭う。

しかし1万カラット近いこの美しい宝石には、常に多くの人が群がってきた。


あまり知られていないが、呪われているというのは事実ではなく、ある食霊がこれを手に入れたときに、偶然の出来事と結びつけて伝説を捏造したのだ。


この食霊は数年ごとに青い宝石を人に譲り、その所有者を殺して、宝石を取り返した。


B-52の御侍は巻き添えを食らったのだ。

しかしこれをきっかけとして、彼は機械から「人間」に変わった。


御侍が死んだとき、B-52はまだ指令によって行動する機械だった。

時間が経つにつれ、B-52は多くのミッションをこなし、多くの悲しみや喜びを目撃した。


人間のさまざまな感情が彼を包み、彼は指令の合理性を考えるようになった。

この時の彼は、まだ与えられた指令を拒絶できなかったが、種はすでに根を張り、土を破って芽吹くチャンスを待っているだけだった。


B-52は御侍の死因が、青い宝石だったのかわからない。


最初は確かに意識していなかった。

2度目に宝石を奪い返したとき、その中に存在する関係性に気づいた。

3度目に同じミッションを実行したとき、彼は1人の少女を解放した。

B-52パスタを殺したいと思わないのは、御侍の仇討ちのためなのか?


彼にはわからない。

彼にまだ自分の願望が生まれていないとき、彼の存在と思考はやはりパスタの命令によるものだった。

その中にある矛盾が知らず知らず彼の思考と変化を加速させたのだ。


パスタと対決したとき、なぜすぐに殺さなかったのか。

それは彼が初めて感じた願望が強烈なあまり、すべての注意力がその願望に向かってしまって、殺すことに思いが至らなかったからだ。


B-52は実際には痛みを感じないのではなく、最初に自分が機械だと認識したために、感覚が隠蔽されていただけなのである。

最後に彼に痛みを感じさせたのは死ではなく、壁を打ち破りたいという願いだった。


彼は信じる。

痛みによって、彼は自分が結局機械なのかどうかを確認できると。

まるで自殺のような行動によって、彼は自分が冷たく、痛みも疲れも知らない「機械」ではないと確認したのだ。


邪神の遺跡で、B-52は自分の意識が次第に身体を離れていくのを感じた。

まもなく感覚が消え去ろうとするとき、彼はかすかにある声を聞いた。


「ふぅ、間に合った。まだ消えてない……ブラウニー、彼を運んでくれたまえ。連れてって治療しよう。今は――戦略的撤退だ!」



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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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