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ウォッカ・エピソード

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ウォッカのエピソード

北の極地から来たスラヴ人の少女。根っからの頑固者で人から理解されがたいが、雪の精霊のような可愛らしい外見の持ち主。そのため彼女を慕う人は多い。しかしずっとそばにいるのはあの鷹だけである。


Ⅰ 改変

私の御侍がいた国は酒を愛する国、酒に無心な人たちは一日中酒を水のように飲んでいる。


私の御侍は、北国の人間特有の豪気と快活に溢れて、いつも人をいい気分にさせる明るい笑顔をしている。この氷に覆われた土地でまるで太陽のように輝いている。


最初の生活は平凡だったが、まるで彼が言ってた必ずいい結末を迎える御伽話のようだった。


毎日真面目に仕事をした後、酒場或いは暖かい部屋の中で家族や友人たちと一杯。軽い酔いのなかで穏やかで美しい未来に思いを馳せる。


でもまさに御伽話のように、穏やかな日常はいつも過酷な物事に乱される。


天災がもたらした物資の欠乏は人々を追い詰めつつあって、このような状況下での税金の上昇は平民にとってまるで死の勧告だった。


御侍様のご両親は早々に他界した。そばには幼い妹だけ残された。

彼の勤勉さは元々兄妹二人の食い扶持を賄うのに足りるほどであったが、このようなご時勢では、どれだけ努力しても、妹にいい生活をさせられなかった。


弱い子供はその大人しさだけでこの残酷な時代に優遇されるはずがない。

この時代では、飢餓も、寒冷も、努力で何とかなるかもしれないだろう。

でも疫病だけはどうにもならない、薬がなければ元々体の弱かった子供を治せるはずがない。


私は今でも覚えている。あの大人しくてかわいらしかった子が、私の手を握って『お姉ちゃん』って呼んでくれる光景を、あの子がせっかくもらった飴玉を私にくれた時の笑顔を。

でもその子は病の苦しみに耐えかねて、日に日に弱くなっていた。


そして私は忘れられない、あの日、あの子がこの世でもっとも深い眠りについたあの日。

いつも明るい笑顔を忘れない御侍が、骨に皮が被ってるだけまでに痩せ細ったあの子を抱きしめて、男の面目など気にせず呼吸ができないほどに大泣きしたあの日のことを。


「お兄ちゃんを……よろしくね……」

その小さな手は私の指を軽く握って、兄と同じような温かい笑顔で私に言った。


娘が目を閉じた時、男はヒステリーみたいに泣きじゃくった。

私は悲しみに満ちたその部屋から出て、霧に覆われた空を見上げた。


御侍様があの子の遺体を抱えて出てきた後も、人を窒息させられそうな雰囲気は去らなかった。

御侍のいつもの笑顔は重々しい顔に変わって、私を見やる。


ウォッカ、今のこの国は非合理的だ。俺はそれを変えなければならない。俺と一緒に来い。必ず新しい未来を見せてやる」


私は思わず、差し伸べられてきた彼の手を掴んだ。


Ⅱ 始まり

革命の火種は瞬く間に、この荒れ果てた土地で燎原の火を引き起こした。


最初の人間が手を振り翳して悲しみに叫んだその瞬間、この国の政権はすでに破滅の運命を避けられない。


革命は思ってたよりもずっと簡単だった、それほど多くの血は流れなかった。

飢餓と悪政に虐げられてきた多くの人々は、すぐ革命の陣営に加わって、自らそのきつく閉ざされた城門を開けた。


仲間の犠牲は最小限に抑えられた。同胞たちの殺し合いもなかった。


御侍をはじめとする革命軍を阻むものはほとんどなかった。




最初の重苦しい雰囲気も、だんだんと明るくなっていた情勢に和らげられた。

行軍する途中で、私たちはたまに篝火を囲んで香ばしい焼肉を楽しんだり、きつい酒で冷え切った体を温めたりしながら、革命が成功し、国が解放された未来に思いを馳せていた。


篝火によって、皆の顔が淡い赤色に染められて、暖かく感じられた。

皆が酒を貪っていくあの日、私もともに戦う戦友たちに囲まれて、思いの外たくさん飲んでしまった。


あの後のことはあまり覚えていない、仲間たちの話では、私はかなり酔ったらしい。


酔った私はまるで性格が変わったように、戦友たちを引っ張って歌って踊ったり、肩を組んでわけのわからない話をしたりしたらしい。


まさかこの私があのように酔ってしまうとは、俄かには信じられなかったが。以前よりずっと親しげに話しかけてきた戦友たちの態度から見て、どうやら嘘じゃなかった……


戦友たちの笑顔に囲まれて、戸惑ったりもしたが、いつの間にか私も共に笑っていた。


革命が成功した暁には、あの頃の生活に戻れるでしょうか。


Ⅲ 終わり

革命の炎は燎原の勢いで腐敗した政権を燃やし尽くした。


我々は考えたこともない場所に足を踏み入れた。


ここではただ貴族の女性に白くて滑らかな肌を保たせるためだけに、貴重な牛乳をバスタブに充満させた。

そしてただ少し砂糖を入れすぎただけで、苦労知らずの貴族たちはその貴重な食事をバケツに棄てた。


その貴族たちは贅沢の限りを尽くした故に『平民』たちの怒りが、彼らを夢から覚めさせた。

彼らの恐怖と怒りに満ちた表情をみて、私は我々こそがこの美しい夢を壊した悪党とさえ錯覚してしまった。


王都での戦いは他の町のように簡単ではなかった、この場所には、この国と民衆に寄生する寄生虫で満ちているから。彼らは自分の利益を守るために必死に戦った。


しかし、彼らの敗北はすでに決まった、これを覆すことは誰にもできない。

我々は投降した貴族たちを一時的に見逃した。

自分の罪を頑として認めない人たちもいた。

この期に及んで、彼らは馬鹿馬鹿しい貴族の誇りを捨てられず、頑なに投降しなかった。


アンドレは私の腕に立って、優美な両翼を広げて空を飛んだ。鋭い目で土地の隅々まで探して、逃げ隠れていた貴族を次々と見つけだした。


綺麗な靴と邪魔なドレスを着た貴族たちは、遠くまで逃げられるはずがない。彼らは次々と仲間たちによって捕らえられ、隠れてるやつらもアンドレの鋭い目を逃れられなかった。


アンドレが旋回していたところで、私たちは隠れていた貴族を見つけた。私は親しげに私の頬に擦り寄ってきたアンドレを撫でた。


檻に閉じ込められている人たちの中に、人間ではない存在がいた。

彼女はその主人と同じように綺麗なドレスを身に付けていた。まるでガラスの後ろで綺麗に陳列された商品みたいで、手の付けようがなかった。同時に、壊れやすいもののように――


脆い。


御侍は無関係な人間を傷つけるのを好ましく思わない。たとえこの貴族たちが労働にぜんぜん見合わない生活をしていたとしても、彼はこの罪人とさえ言える人たちを傷つけたくはなかった。


「我々は虐殺をしに来たんじゃない。この国を変えるために来たんだ。彼らにはもう抵抗する力がない。普通に生きる権利がある」


その言葉は、心に憎しみしか残っていない人々を説得するのに足りなかった。

彼らの目にある怒りを見て私はわかった。この人たちは簡単にその貴族たちを許すことはないだろう。


御侍と共に生活してきた私は、長い間この仲間たちと一緒に戦ってきた。


時々の喜びが私に忘れさせたかもしれない、この人たちの心に深く埋め込まれたのはどれほどの憎しみかを。

御侍の手が背中に隠れて私に合図をした、何をするつもりなのかすぐわかった。


その罪は権力者の罪。

特権を享受する彼ら以外の人たちには多少な罪はあれど、関係ないといえるだろう。


私は誰にも気付かれず、こっそりこの場を去った。が、私が貴族たちを勾留する場所に来たとき、残烈とさえ言える光景が私の目に映った。


新政権を認めたくない、自分の傲慢も捨てたくない貴族たちは、その最後の反抗で革命軍に永遠の汚名を着せた。


罪を認めさせ、政権の譲渡事項を記した文書は、ゴミのようにぐちゃぐちゃに揉まれて、流れた血は文字を溶かした。


私が錆びた臭いに満ちた部屋を開けたとき、一人の女が徐々に温度を失っていた死体の下に隠れていたのに気付いた。


彼女はきっと怖かっただろう。私の喉を引き裂きたい衝動に駆られても、自分の御侍の死体の下に隠れなければならない。その赤い目は憎しみに満ちていた。


地面で冷たくなっていた死体を見て私は思わず眉を顰めた。


これは、本当に御侍と私が求める……改革なのか……


私の視線はその震えてる女と一瞬合った。


彼女は立ち上がり、唇を噛み締めて、手を血の色が引くほど握り締めて、私をまっすぐに見つめた。

私は何かを言おうとしたが、やめた。


もし、私がここに来たのは彼らを逃がすためといったら、挑発としか思われないだろう。


御侍の仲間たちは、貴族の血で自分たちが受けてきた苦しみを洗い流したいだろうが。

御侍は、彼らは贅沢をしていたけど、我々を苦しめてきた元凶ではないから見逃すべきと思っていたから、私をこっそり彼らを逃がすように仕向けた。


しかし、彼らは私がやってくる前に既に最悪の方法でその意思を表明したと、誰が予想できよう。


私はその恐ろしい部屋に鍵をかけず、私に従う兵士たちを連れて、ここから離れた。


Ⅳ 立ち去る

理念が一致したから同盟になれた。理念が衝突すれば犠牲も起こる。


権力は人を惑わせ、かつての仲間や戦友にすら敵意を向けさせる。


御侍は仲間たちを警戒したりしなかった。故に彼は渡された毒酒を疑いもせずに飲んだ。何が起こったのかを理解することすらできずに、彼はこの世を去った。


私はまだぬくもりが残ってた死体を抱いて、周りの人たちを見やった。共に戦ってきた戦友たちは、もう私の知ってた人たちではなかった。


権勢、金銭、人間の心を汚染するこの二つの物の攻勢下で、彼らは自分を保てなかった。御侍は惑わされなかったとしても、きっと変わらないと信じてた仲間たちの変化に気付かなかった。


私は永久に目を閉じた御侍を見て震えた、御侍が妹さんを抱きしめたときの気持ちがわかった気がした。


そして……あの日牢屋で震えながら自分の御侍の傍で泣いていた食霊の気持ちもわかったような気がした。


それは恐怖のせいじゃなかった。


それは大切な人がなくなったのに復讐ができない自分自身に対する痛恨だった。


仲間たちの顔とその背後の兵士たちを見て、私は突然なくなった御侍に尋ねたくなってきた。


これは本当に……あなたが欲しかった……変化なのか……これは本当に……あなたが言ってた……未来なのか……


彼の体を連れて、私はかつて愛したこの土地を離れた。


幸いにも、彼らは離れる私に難癖を付けなかった。私は彼の体を連れ戻して、彼の愛する妹と同じ場所に埋葬した。


だけど、目標も帰る場所も失った私は、どうすればいい?


Ⅴ ウォッカ

ウォッカのいた国は、雪に覆われた雪の国だった。貴族たちの贅沢は天災が訪れたときに特に顕著であった。


双方の矛盾で、革命は必然的に起こった。


革命軍は止められることなくすべての都市を落とし、最後は王都だけとなった。


皮肉なことに、王都では状況をまったく知らない無数の貴族がいた。

彼らは最後のカーニバルを行っていた。そのカーニバルの後に待つのは破滅とも知らずに。


彼らの貴族として最も称賛すべきところは、絶境に立ってもその誇りを捨てなかったことだろう。





その後の出来事は正式に歴史に記録されていなかった。


しかし人々は少なからずともその静かな表面で中身の不穏を感じ取っただろう。


貴族たちは革命軍の統治を認めたくなかったから、革命軍の怒りをかって殺されたとか噂する人もいれば、彼らは自分の尊厳のために自殺したという人もいる。


いくら噂しても、それらはもう歴史の一ページとなった。


しかし、貴族の崩壊の後の革命軍の支配も長くは続かなかった。


金と権威に目が眩んだ彼らは、自らの手で優秀な指導者を殺した後、この国は偽りの公正を装って、徐々にかつての貴族が歩んできた道に戻った。


国の統治は単純で複雑な問題だ。粗忽の者たちの手の中で、一つの国の滅びに数年はかからなかった。






ウォッカB-52に出会ったとき、B-52は邪神の遺跡に向かってた途中だった。


一人で荒野を歩いていたウォッカの目には光がなく、その目には何も映っていなかった。


B-52が邪神遺跡に入ろうとしたその時、まるで世間のすべてに無関心な彼女は手を伸ばして彼を引き止めた。

「そのまま入ってはいけない」

B-52は困惑してるように彼女を見やった。


「これは僕の願いです。僕は人間の苦しみを理解したい。ここで答えが得られると教えられました」

「こんなところに、どんな答えが?」

「では答えは何処に?」

「……何処にもないでしょう」

「あなたも望んでた答えを得られなかったのでは?」

「……」


B-52は彼女に皮肉を言ったつもりはなかった。彼はただ彼が見たものを率直に言い出しただけだった。彼の目に映るウォッカは今の自分と何ら変わりなかった。それだけだ。


ウォッカは再びB-52が遺跡に入るのを阻止しなかった。彼女は自分の掌を見つめて、ふとあの日自分に差し伸べられたあの手を思い出した。


「御侍様……あなたが言ってた未来とは……いったいなんなのでしょう……」





ナイフラストのとある小さな町には、他の町でもよく聞くような馬鹿げた噂がある。


それらの中で最も有名なのは、路地の深いところでやってる小さな酒場である。


噂によれば、そこには特殊な席がある。その席の引き出しには封筒が置いてある。その封筒に内心もっとも深い願いを書けば、誰かがその願望を叶えてくれるそうだ。





清い鈴の音と共に、ウォッカは酒の香りが漂うこの酒場に入ってきた。彼女の側にいる鷹も、馴染みの故郷の酒の香りで興奮しているようだ。


彼女の顔は僅かに綻びた。


御侍が言ってた未来がまだ見えていないけど、かつての酒が飲めるなら、それも悪くないじゃない。


「氷を丸ごと入れたウォッカを一杯頼むわ。ありがとう」



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コメント (ウォッカ・エピソード)
  • 総コメント数9
  • 最終投稿日時 2019/03/20 11:32
新着スレッド(フードファンタジー攻略wiki)
ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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