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紫陽花と雨宿り・ストーリー・3-8・4-2

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クエスト3-8

晴れた日の昼 紗良御侍の家

 紗良の部屋から、話を終えたうな丼が出てくる。水信玄餅はそんなうな丼に近づいた。

水信玄餅:御侍様は大丈夫ですか。

うな丼:ああ、眠ったよ。

水信玄餅:これからあなたはまた食材調達に行くのだろうか。

うな丼:そのつもりだが。

水信玄餅:だったら、私も一緒に行きたい。

うな丼:一緒にって……堕神が出たらどうする。

水信玄餅:戦えばいい。

うな丼:その恰好で?

水信玄餅:このままでも、私はひとりで戦えます。

水信玄餅:私は、あなたと少し話がしたいのです。お願いします。

うな丼:……ふん。お友達はどうする?

水信玄餅流しそうめんがあんな状態です。彼は少しここで休んでいた方がいいでしょう。

水信玄餅猫まんま、どうか流しそうめんと一緒にいてやってください。

猫まんま:君は大丈夫か?

水信玄餅:私は大丈夫。これで結構強いのだ。

猫まんま:それはよく知っている。わかった、ではここは吾輩に任せて行くが良い。

水信玄餅:恩に着る。

水信玄餅うな丼、お待たせしました。行きましょう。

晴れた日の昼 桜の島 郊外

 食材を調達するためにやってきたのは、紗良の家から程近い場所にある河原付近であった。

水信玄餅:あの、うな丼……。押して頂かなくとも、自分で操作できますから。

うな丼:別に気にしなくていい。それよりお前、さっきの戦闘はどういうことだ。

水信玄餅:何か問題がありましたか? 私はしっかり役目を果たしたつもりでした。

うな丼:戦い方があまりに無謀だ。迷わず突っ込んでいったな、あれは一歩間違えば死んでいた。

水信玄餅:あのような弱い堕神に殺される私ではない。このあたりに出るような堕神、たとえ立てなくとも問題は――

うな丼:そういうことではない。お前、死んでもいいと思っているだろう。

水信玄餅:な……!?

うな丼:図星か。そうしたら紗良が助かると思ったか?

水信玄餅:な、何の話だ。

うな丼:紗良から聞いた。お前は御侍の力を吸う化け物だと。

うな丼:一体誰からそのような迷い事を吹き込まれたかは知らぬが……紗良の体は、お前の存在に関わらず、残り僅かだ。

うな丼:拙者たちが堕神に襲われた話は知っていると思うが。そのとき、紗良は死ななかったのが奇跡だ。

うな丼:あれは、料理御侍としての才能がありすぎた。本来なら死ぬような怪我だったのに、生き延びてしまった。

水信玄餅:そんな……死ななかったのが悪いことのように。

うな丼:悪いことではない。だが……その結果、彼女は苦しむことになった。

うな丼:ともあれ、死んでいてもおかしくない傷を負いながら、あれは生きている。

うな丼:お前がいくら生気を奪おうとしたところで、そう簡単に死ねる女ではない。

うな丼:それに、お前がいて死ねるなら、あいつは幸せだろう。

水信玄餅:……。

うな丼:よくわからないという顔だな。

うな丼:あれは、お前が来てからよく笑うようになった。

うな丼:毎日死んだような顔をしながら、水信玄餅を作っていたというのにな。

 そこでうな丼は再び車椅子を押し始める。

うな丼:お前の御侍について、拙者が知っていることを教えてやろう。

うな丼:紗良は、幼い頃から料理御侍としての才能があった。

うな丼:最初は、それで家族を幸せにしてやれる、とその力をそれこそ神からのギフトのように感じていた。

うな丼:だが、紗良の才能は他と比べて群を抜いていた。そのせいで、悪いやつらに目をつけられた。

うな丼:そいつらに両親を人質に取られ、望まぬままに紗良は、沢山の食霊を召喚させられた。

うな丼:そんな状態で召喚した食霊と心を通わすことなどできるはずもなく、彼女の心は苛まれ続けた。

うな丼:弟の方は料理御侍としての才能がまったくなく、姉にばかり負担をかけ続けた……そのことで、やはり弟の心も苛まれ続けた。

うな丼:その後、両親は殺され、弟までも殺されそうになり、紗良は弟を連れて逃げた。

うな丼:逃げるために召喚した食霊も多くいたらしいが、彼女はどんな食霊を召喚したかすら記憶にない。

うな丼:生きるためにたくさんの食霊を犠牲にしたと、いまでもあれは悔やんでいる……。

うな丼:だから、彼女はもう二度と食霊を召喚しないと誓った。弟と二人、細々とでいいから生きていけたらよいと。

うな丼:そんな彼女がお前を召喚したんだ。正直驚いた。

うな丼:お前が来てから、あれは良く笑っている。紗央が死んでから、久しく見ていなかった顔だ。

うな丼:お前が生気をどれほど奪おうが、あれの命はそう変わらぬよ。それと引き換えに笑って死ねるなら、それ以上の幸せはなかろう。

水信玄餅:……うな丼は、御侍様を好きなのか?

うな丼:またそれか。

うな丼:紗央に――御侍に頼まれたからだと言っただろう? 食霊として、御侍の命令には従うものだ。

水信玄餅:それは、そうかもしれぬが。

うな丼:もし、あれに何か抱く感情があるとすれば。

うな丼:それは同情か、もしくは家族のそれと似たものか……。

うな丼:あれは、あまりに哀れな女だ。最後くらい幸せになってもらいたいものだな。

水信玄餅:……うな丼。私は、御侍様に悪いことをしてしまった。

うな丼:なんだ、突然。

水信玄餅:そのような……悲しい過去を背負っているとは知らず、ひどい言葉を浴びせた。

うな丼:ほう?

水信玄餅:化け物である私の気持ちなど御侍様にはわからない、と……私は、御侍様が辛い感情を抱いているなど、微塵も思わなかったのだ。

水信玄餅:(……御侍様は、いつだって笑っていたから。まさか、そんな)

うな丼:まぁ、あれは料理御侍としての才能はあるが、確かに化け物ではないからな。

うな丼:もしお前が自分で言う通りの化け物なら、そりゃあ気持ちがわからなくても仕方があるまい。

水信玄餅:ひどいではないか、そのように茶化すなど……!

うな丼:お前が言った『ひどいこと』なんてものは、その程度のものだ。

うな丼:それほど世の中にはひどいことなどありはしない。すべては捉え方次第ってことだ。

水信玄餅:そんなことはない! うな丼も言ったではないか、御侍様はあまりに哀れだ、と。

うな丼:だからって、じめじめと悲しんで俯いて生きねばならぬ道理はござらん。

うな丼:辛いと嘆き悲しむことと、それを背負って生きることはまた別の話だ。

水信玄餅:……うな丼の言うことが、私にはよくわからない。

うな丼:別に拙者の言うことが正しい訳ではない。己が嫌になるほど考えよ。そして納得のいく答えを見つけたらよい。

うな丼:食霊の時間は長い。いくらでも悩めばよいさ。後悔せぬようにな。

水信玄餅は、うな丼の言うことを……。

・<選択肢・上>考えてみた。うな丼+15

・<選択肢・中>考えない。流しそうめん+5

・<選択肢・下>よくわからない。+流しそうめん15

クエスト4-2

雨降る午後 紗良御侍の家

流しそうめん:あの、すみません。少しお話したいことがあります。今、よろしいでしょうか?

 流しそうめんは、台所で夕飯の下準備をしていた紗良に声を掛ける。

紗良:なんだ? 料理しながらで良いなら話してくれ。

流しそうめん:その……水信玄餅のことなんですけど。彼は自分のことを『化け物』だって言ってます。どう思いますか?

紗良:ふむ……まさかそんな話を真面目に聞かれるとは思わなかった。

流しそうめん水信玄餅は、そのことを真剣に悩んでいます。だから、俺も真面目に考えます。

 そこで紗良は手を動かすのを止め、流しそうめんに振り返る。

紗良:君は真面目だな。まぁ、不真面目よりはよほどましだろう。

紗良:それで『化け物』のことだったか。

 コクンと流しそうめんが頷いたのを確認して、紗良は肩を落とした。

紗良:あの子が現れてから特別体調を崩したということはないからな。だから、気にしていない、というのが答えか。

流しそうめん:その……知り合いに聞きました。水信玄餅は昔、料理御侍ギルド桜の島支部長の娘にさらわれたって。

紗良:……そうか。それは事実だな。私もその頃、桜の支部の料理御侍として世話になりだした頃だったから、良く知っている。

紗良:いろいろと外聞を慮る事件だった。すべて病んだ結果の事故として済まされたが……あれが人間相手だったら、そうはならなかっただろうな。

紗良:人間だろうが食霊だろうが、感情があれば同じように傷つくのに、まったく妙な話だ。

流しそうめん:では、あなたも水信玄餅が『化け物』だというのは勘違いだと?

紗良:さて。真実はもう闇の中だが……何か水信玄餅にトラウマを植え付けたのは間違いないだろうな。

紗良:水信玄餅が大変だった話は私の耳にも届いていた。当時の関係者は歯がゆい想いをしただろう。

紗良:幸い、水信玄餅はその後、良い御侍に保護された。

紗良:それが『御館様』だろう。水信玄餅の発想は、とても面白い。

流しそうめん:あの、その話は水信玄餅にしないのですか?

紗良:お前の発想が面白いって?

流しそうめん:違います。その、桜の島の料理御侍たちの話です。その話を聞けば、彼は自分の誤解に気づけるかもしれない。

紗良:だが、それが本当に原因かどうかは私にはわからない。すべては推測だからな。

流しそうめん:……わかりました。では、俺から話します。あなたからも話を聞いたことを水信玄餅に言ってもいいですか?

紗良:別に構わないが……一度口に出したことだしな。

紗良:だが、随分辛そうな顔をしている。本当は、言いたくないのではないか?

流しそうめん:それは――

流しそうめん:その通りかもしれません。けれど、言わなかったら、俺は後悔をしそうで。

紗良:ふむ、何故?

流しそうめん:だって、俺は知っていたんだ。可能性かもしれないけれど、水信玄餅が悩んでいるその原因を。

流しそうめん:それなのに伝えないなんて、ひどい裏切りだ。こんな俺が水信玄餅の友達でいていいはずがない……!

紗良:君の理屈は正直よくわからないな……一切の過ちも許されないような間柄なら、それは友達ではないのではないか?

紗良:嘘をつきたくないというなら、正直に君の心の内を打ち明けたらいい。

紗良:それで終わる関係なら、君と水信玄餅は本当の意味で友達にはなれない。

紗良:残念ながらそういうこともある。相性というものがあるからな。

紗良:だが君たちは大丈夫だろう。水信玄餅も君も互いを大切な友と認識しているようだ。

紗良:多少衝突があろうが、うまく行くさ。頑張れ。

 ポン、と優しく紗良が流しそうめんの肩を叩いてくれる。

紗良:私がいなくなった後も、水信玄餅には君や猫まんまのような友人がいるなら、私も安心だ。

紗良:しつこく生きながらえてきたが、さすがにそろそろ天命も尽きるだろう。

紗良:そのときは、水信玄餅を頼む。彼はあまり生きるのが上手ではないようだからな。

 そう告げて、紗良は柔らかく微笑んだ。

雨降る夕方 紗良御侍の家

 それから程なくして、水信玄餅うな丼が食材を抱えて帰ってきた。

猫まんま:お帰り、水信玄餅うな丼もお疲れ様です。

うな丼:ふむ。今日はなかなか大漁であった!

水信玄餅流しそうめんは?

猫まんま:そこにいる。

流しそうめん:……。

 流しそうめんは何やらひとり考え込んでいるようだ。

水信玄餅流しそうめん、どうかしたのか。

流しそうめん:わっ!? み、水信玄餅!!

水信玄餅:そんなに驚いてどうした。何かあったか?

流しそうめん:……俺、お前に言いたいことがあってさ。

流しそうめん:言おうか言うまいか悩んでいたんだが。やっぱり、話すことにする。

 そこで流しそうめんは深呼吸をした。そして、真っ直ぐに水信玄餅と向き合う。

流しそうめん:昨日、俺と猫まんまで、お前の言う『化け物』について調べてみたんだ。

流しそうめん:探した限り、食霊が『化け物』と呼ばれていた例は見つからなかった。

流しそうめん:さんま先生や味噌汁天ぷらすき焼きにも聞いてみたが、やはりそうした食霊は知らないようだった。

水信玄餅:そうか……。

流しそうめん:もちろん、見つからなかったから『いない』ってことにはならないってのはわかってる。

流しそうめん:ただ、お前の場合は――違うんじゃないかと思った。

水信玄餅:私の場合は違う? 何故そんなことが言える?

流しそうめん:怒らないでくれ。その、あくまで可能性の話だ。

流しそうめん:それで……あー、その……だ。

猫まんま:吾輩のことを見られても困る。流しそうめんの好きにしたらいい。

流しそうめん:くっ……! 俺たちはさんま先生やすき焼きたちに話を聞いて、ある推測に辿り着いた。

流しそうめん:でも、その話をお前に伝えるべきか、俺は悩んでいる。

流しそうめん:伝えてしまったら、お前が悲しむかもしれない……。

流しそうめん:嘘は良くない! そう思ってはいるが、その上で、お前に悲しんでもらいたくないんだ……!

水信玄餅流しそうめん……。

猫まんま:彼は、少し正直すぎるな。まぁ、それが流しそうめんの良いところかもしれない。

 少し呆れた様子で猫まんまが言った。

流しそうめん:でも、言わないのは嘘だ! 俺はお前の苦痛を取り除く事実を手に入れたかもしれないのに、それを言わないなんて……!

水信玄餅:少し落ち着いてくれ、流しそうめん

水信玄餅:その、よくわからないが。君がそんなに辛そうにするなら、別に教えてくれなくてもいい。

流しそうめん:え……?

水信玄餅:君の言いたいことはわかった。いつか伝えてもいいと思ったら、そのとき教えてくれ。

流しそうめん:そ、それでいいのか……?

猫まんま:何故吾輩を見るのだ。そんなこと聞かれても困る。

流しそうめん:そうだな……。

 流しそうめんは、長い息を吐いた。

流しそうめん:俺の後悔は、嘘ではなかったのかもしれない。

流しそうめん:いや、嘘はよくないことだ。けど、俺が後悔していたのは、思ったことを伝えなかったことだったのかもしれない……。

流しそうめん水信玄餅

水信玄餅:な、なんだ?

流しそうめん:今は言うべきではないと思ったから言わない。

流しそうめん:でも嫌がらせをしようとか、辛い思いをさせたくないって思ってることはわかってほしい!

水信玄餅:そんなこと言われなくてもわかっている。改めて言われると逆に怖い……。

猫まんま流しそうめんは真面目なんだ。夕べもそれでさんま先生たちをくすぐったい気持ちにさせていた。

流しそうめん:なんだ、くすぐったい気持ちって。

猫まんま:まぁ……いずれ君にもわかるようになるよ。そのときはきっとものすごく恥ずかしいだろうけどね。

うな丼:……おい、拙者はそろそろ帰るぞ。また明日来る。

 それまで黙って話を聞いていたうな丼が、痺れを切らしたように声をあげる。

水信玄餅:あ、うな丼! 聞きたいことがあるのだが……。

水信玄餅:私が、御侍様にしてあげられることはないだろうか?

うな丼:なんだ、急に。

水信玄餅:私はここに召喚されてから、御侍様と一緒にご飯を食べているくらいで……何もしてあげていないのだ。

うな丼:それだけでも十分にしていると思うが。

水信玄餅:何か、御侍様が喜ぶことをしたいのだ。うな丼なら、それがわかるかと思ったのだが……。

うな丼:だったら、どこかに遊びに行くか。

水信玄餅:どこかって? 御侍様は体調が良くないし、あまり遠出は……。

うな丼:遠くである必要はあるまい? 近場であっても皆で行けば、あれはきっと喜ぶだろう。

水信玄餅:そうであれば良いが……。

うな丼:良かったらお主らも来ると良い。賑やかな方があいつは嬉しいだろう。

 うな丼流しそうめん猫まんまに向かって言った。

うな丼:では、またな。

 帰っていくうな丼を見送りながら水信玄餅は……。

・<選択肢・上>その日が楽しみになった。 流しそうめん+15

・<選択肢・中>うな丼に相談して良かったと思った。 うな丼+15

・<選択肢・下>今日は疲れたな、と思った。 うな丼+5


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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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