メイン・ストーリー・61地震〜68巨影
61.地震
突然の危機だが、皆は闇市場と北荒集落を守ると決めた。(ステージ:26-4)
主人公「じゃ、港のためにも行動開始!」
オリビア「調べたんだが、ここは海産物が豊富のようだ。でも付近の海域は港の所有になっていて、勝手に魚を取ることは禁止されているんだ。」
主人公「なら、他へ行くまでですね、パティ、近くに魚を捕れる場所は?」
パティ「西南では大丈夫だ。」
イキ「おお……あの白い建物のところか? わかりやすいな。」
パティ「昔から堕神がいるせいで人通りも少ない道なの、今は堕神が騒ぎ出したから、もっと危険かもしれない。」
主人公「じゃ、みんな気をつけていきましょう。」
***
しばらくして、皆は「白い建物」の下にたどり着いた。近くで見るとそれは建物ではなく、巨大生物の白骨死体であった。
ライス「大きいです!」
イキ「あの牙! 生きていたら、おっかないだろうなぁ!」
ミスラ「外形からして、古代堕神ーー鯨呑かしら?」
イキ「鯨呑? 古代堕神?」
ミスラ「以前資料で見たのを思い出したの。もとは海に棲んでいたのが、四百年前に陸に上がって、パラータの町一つを破壊したと。パラータの人々はその存在を恐れ、北に移住したと。それででてきたのが北荒集落よ。」
主人公「とてつもなく強い堕神だったんだ……なら、どうして死んだんでしょう?」
ライス「魚みたいに、自ら上がったら、生きられなかったとか……」
パティ「いいえ、殺されたの。」
ライス「え?」
皆が驚いてると、足元の砂地が突然揺れだした。揺れはだんだん激しくなり、鯨呑の骸骨も揺れている。
イキ「じ、地震!?」
主人公「と、突然……!?」
パティ「うぁ……!!」
ライス「パティさん、大丈夫?」
パティ「……『あれ』が目を覚まそうとしている……」
主人公「……あれって、あなたが言っていた……?」
パティ「……そう、四百年以上前に……鯨呑を殺した堕神ーー蜃楼。」
ミスラ「蜃楼!? あの伝説の堕神?」
62.蜃楼
これほど大きな鯨呑も食べられるとは、伝説の堕神ーー蜃楼とは一体どのような存在?
主人公「伝説の堕神?大層な称号を持ってるんですね〜。」
パティ「蜃楼は鯨呑と同等以上の巨大な堕神で、四百年前に鯨呑を殺してからは海へは帰らず、パラータの砂漠に身を潜めた。あまりにも巨大で、当時の人間では太刀打ちできなかった。パラータが滅ぼさてしまう恐れがあった。だから私が自分の力で封印したの。」
オリビア「道理でギルドが何百年もこいつを探し当てられなかったわけだ、それほどのものを封印するなんて、確かにあなたは普通の人間ではないようだ。」
ライス「でもパティさん、どうして、蜃楼をそのまま、倒さなかったの?」
パティ「……」
主人公「神の辞書にも不可能はあるってことですね〜」
ミスラ「冗談言ってる場合じゃないでしょ、蜃楼が目を醒ましかけている、闇市港が北荒集落を守れるようにしてあげなきゃ!」
オリビア「ぐずぐずしていられないな、すぐに行動しよう、急いで食材を港に運ぶんだ!」
***
イキ「このぐらいあれば足りるかな?」
オリビア「数日間は持つだろう。」
ライス「これだけあれば、充分です。」
主人公「食材が腐ってしまうとまずいですし、すぐに出発しよう!」
パティ「うぁ……!!」
ミスラ「また地震だ……パティ、大丈夫?」
ライス「御侍様、地震が来ると、パティさんも苦しそうです。」
オリビア「パティ、大丈夫か?」
パティ「……子民が……無数の子民が……私に祈っている……」
主人公「祈っている?」
ミスラ「神は人の信仰のために存在し、人は神に祈ることで神から力を得ているの、神は普通は力を発揮しても衰弱することはないんだけど……パティ、まさかパラータに人が住むようになってから、ずっと彼らの祈りを聞いてきたの?」
パティ「……」
主人公「パラータの人々が何百年も神に祈り続けてきたせいで、もう神には力が残されていないってこと?」
パティ「……普段は……何とかなっているけれど今回は……北荒集落の民に……危険が迫っている……!」
ライス「危険……つまり、北荒集落が堕神の襲撃に逢うという事ですか?」
主人公「じゃ、早く戻ろう、北荒集落を守るために食材の調達に来たのに、守れないんじゃ骨折り損になってしまう!」
63.親友
尸骸(しがい)になろうとも、鯨呑の巨大な体は変わらない。その大きさを目のあたりにすると、驚嘆しない者はない。(ステージ:27-4)
主人公「………………うわ。こんな遠くから見ても、やっぱり大きいなぁ!」
イキ「えっ、あの骸骨が?」
ミスラ「鯨呑だよ!」
オリビア「名前はどうでもいいじゃないか、もうただの骨だしな。何百年も野ざらしになって、今やパラータの砂漠と一体化している。」
ライス「風景……みたいな?」
パティ「鯨呑はまだ絶滅していない。」
イキ「え? 生きている鯨呑ってまだいるの?」
パティ「はい、ここの海域で。蜃楼以外のものは何でも呑み込むの……」
ミスラ「そういえば、航海記録で読んだことがある。冒険家が遠洋で遭遇して、同行した船を丸呑みにするのを目撃したとか。」
イキ「ま、丸呑み? 反撃する時間もないじゃないか、すごい食欲、ミスラといい勝負だ。」
ミスラ「……」
イキ「わあ!」
主人公「航海でまだ出くわしていないってことは、運がいいということかな。」
パティ「ティアラの海には未発見の生物や堕神がまだたくさんいるの。人間は様々な生きる術を培ってきたけど、未知の領域に足を踏み入れるのは、常に命がけよ。」
ミスラ「……はい……うんうん! パティ、いいこと言いますね、未知の世界への冒険は確かに命がけの覚悟が必要よ!」
パティ「え、えっと……冒険?」
ミスラ「パラータの神は知的好奇心にあふれていた! 大発見よ、意見をもっと聞かせてもらえるかしら!?」
パティ「え、私は……その……」
イキ「ミスラ、パティは弱っているんだ、ゆっくりさせてやれ……」
主人公「大発見はおめでとう。でもミスラ、このままだとティアラ史上初の神を殺した人間になりますよ?」
64.王城の過去
帰る途中、ライスは遠くの廃墟に気付いた。(ステージ:27-8)
ライス「御侍様、あれを!」
主人公「は……廃墟?」
イキ「さっきの地震のせいかな?それにしてもひどい壊れ方だ。」
ミスラ「いや、そんな新しいものじゃない。遠くからでもわかる。」
主人公「じゃ、昔堕神に破壊された町か?」
パティ「いいえ、人間に破壊されたの。」
主人公「え?」
ミスラ「三年前に御国とグルイラオとの間で起こった戦争?」
オリビア「いいや、二百八十二年前の第一次辺境戦争による廃墟だろう。グルイラオはバサラ山に大量の投石機を設置し、パラータの旧王城を一気に破壊したんだが、その廃墟がここに残っていたとはな。」
イキ「パラータの人たちはなぜここに王城を再建せず、遷都しちゃったのかな?」
パティ「一つはパラータ聖王が、ここは再び戦争が起きれば危ないとみて放棄することにしたの。二つ目は……」
オリビア「二つ目は、パラータ王室はこんな重要性の低い場所に金をつぎ込みたくなかった。」
主人公「と、いうと?」
オリビア「政治関係の話さ。」
イキ「政治?」
パティ「それはね……グルイラオとパラータの暗戦に関係があるんだけど、今は言わないでおきましょう。」
イキ「もったいぶるなよ、教えてくれたっていいだろう?」
オリビア「政治なんて、関わると後々面倒だ、それより料理御侍の仕事に専念すべきだ。」
65.全員出勤 碧月二十一日 闇市港
海に帰る途中、カルラの数が増え、地震が頻繁に怒った。何かを予兆しているようだ。
ライス「御侍様、カルラの数が増えたようです……」
主人公「うん、まるで蜂の巣をつついたような騒ぎになってる。」
イキ「北荒集落に向かっている……何があるんだ?」
オリビア「ともかくこれはチャンスだ、帰り道でなるべくカルラを倒していこう、北荒集落の警備の負担が少しでも軽くなるように。」
主人公「ライス、パティを頼むよ、堕神がいっぱいいるから、はぐれないように。」
ライス「うん!」
***
碧月二十一日
闇市港
イキ「闇市港はそれほどの被害は受けていないようだ、よかったな。」
ミスラ「でも北荒集落はどうなったんだろう、パティの体は弱り続けている、もしかして……」
異国の行商人「や、お戻りになったのかね、無事で何よりだ。」
主人公「あなたは……」
異国の行商人「よそから来た商人だ。今日闇市港へ来て商売をしようとしていたら、巨大な堕神が北の方へ飛んで行ってね。パラータでの商売は危ないとは聞いていたが、まさか命がけとはね、くわばらくわばら。」
イキ「巨大な堕神……?」
パティ「……雷鳥カルラよ……!……子民に危険が迫っている……倒さなきゃ……」
ライス「パティさん、無理しないで!」
オリビア「人を助けるどころか、自分が倒れそうじゃないか!あんな依存心の強い人々にどうしてそこまでしてやるんだ!」
パティ「私は……パラータの神……人々の祈りを聞くために生まれたの、じゃなきゃ……存在する価値がない……!」
ライス「……」
主人公「神だというんなら、人間を教え導くだけで十分なんです。人間は君が思うほど弱い存在じゃない。ここで休んでください、北荒集落は任せて。」
パティ「だが……」
主人公「厄神を倒したら、サイモンのことはちゃんと教えてくださいね。」
66.過去の栄光
雷鳥カルラは北の集落へ行ったようだ。邪魔をしてくるカルラを倒して、すぐ追いつこう!(ステージ:30-4)
主人公「大量の……カルラの羽が散らばっている?」
ミスラ「みたいね。しかもこの量からして、結構大きいやつ。」
イキ「カルラって鳥なのか?そうとしか思えないけど。」
オリビア「鳥の形をした堕神だ。奴らが生まれた経歴はパラータらしいといえる。」
主人公「どういう意味だ?」
ミスラ「カルラはもとはパラータの少数民族が祀っていた神鳥で、肇始之神と同じく、信仰の対象だった。だけど混沌に寄生されてから、堕神になってしまった。」
イキ「犬神と同じじゃないか。でことは、話が通じる相手だってこと?」
オリビア「それはどうなんだろうな……」
67.吸血の悪
カルラは昔パラータの神鳥だったみたいだ。堕神になった今の姿は?(ステージ30-9)
歩き続けていた皆の前に、何かが散らばっていた。引き裂かれた生物の死骸のようで、あたりにはまだ新しい血痕が飛び散っている。
ミスラ「うっ……血生臭い、もしかして……?」
オリビア「人間か……カルラの群れにやられたのだろう。」
ライス「そ、そんな……!?」
主人公「生けるものはすべて狙う、なんて食欲…。」
ミスラ「う……ゲホゲホ……少なくとも、奴らは群れで活動し、人間、あるいはすべての生物を捕食すると……記録しなきゃ……」
イキ「吐いてまでも研究のための記録とは、熱心じゃないか?」
オリビア「どうやら話が通じる相手じゃないな、神といえど、欲に支配されたら他の堕神と変わらないのだろう。」
主人公「殺傷力のある堕神ですね、これが北荒集落に行ったら、みんなが危ない! もたもたしてられないようです、行きましょう!」
68.巨影 碧月二十一日 北荒集落
どうやら、雷鳥カルラが北荒集落に侵入したみたいだ。今すぐ撃退していき、住民を守ろう!
碧月二十一日
北荒集落
雷鳥カルラ「新しい……住処……」
イキ「北荒集落に住処を構えようなんて、甘いことは考えるなよ!」
ミスラ「パティが言っていた雷鳥カルラって、これ?」
オリビア「どうやらこいつが頭みたいだな。こいつを倒せば他のカルラもいなくなるだろう。」
主人公「よし、急ぎましょう、さらに被害が出る前に!」
***
雷鳥カルラ「うわぁ……に……人間め……!!」
イキ「やったぞ!」
ミスラ「残りのカルラも逃げて行ったわ、北荒集落はもう安全だ。」
雷鳥カルラを倒した皆が一息ついたところで、砂漠が再び揺れだした。
イキ「ま、また!?」
ライス「御侍様、あれを!」
ライスが慌てて指さした東南の方向では、破壊された巨大な町が地震でせり上がってこようとしている。まるで震える巨大生物のようだ。
イキ「あ、ありゃなんだ……!?」
オリビア「蜃楼……ついに目を覚ましてしまったか!」
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