元の文
現役時代はDMFとしてアルゼンチン、スペイン、イタリアでプレー。時にはファールすらためらわずに使い相手の攻撃を食い止めることから「悪党」のニックネームで親しまれた。アトレティコ時代にリーガとコパの2冠、ラツィオではセリエA優勝を成し遂げた。
アルゼンチンで監督キャリアをスタートし、2011年にアトレティコの監督に就任。アトレティコはレアルやバルサより戦力で劣るにも関わらず、鉄壁の守備を誇り彼らと互角に戦う集団を作り上げた。
戦術はカウンター型で、11人全員で隙のない4-4-2の守備陣形を構築し、そこから一気にボールを運んで相手ゴールに迫る。守備をサボる選手は1人もおらず、全員がシメオネの兵士として任務をこなす集団である。
スペインカタルーニャ地方で生まれる。13才でバルサの下部組織に入団し、当時バルサを率いていたクライフに見いだされ、弱冠20才でトップチーム昇格を果たす。その後もスタメンに定着し、12年に渡りバルサの司令塔として君臨した。
プレースタイルはパサー型のDMFであり、低い位置から一気にCFまでボールを通してしまうパスセンスを持っていた。シャビ、イニエスタ、セスクなど名だたるテクニシャンはみな彼を尊敬していた。
監督としても天才的な実力を発揮し、率いたチームはほとんどが勝率７割を超える。タイトル獲得はもちろん、バルサ監督時代にメッシをRWGから中央にコンバートして得点能力を開花させたり、「偽サイドバック」「５レーン理論」といった新たな戦術理論を生み出すなど、サッカー界への影響は計り知れない。
一方彼がポゼッション信者だからなのか、彼が作るチームはどれもボールを刈り取るカウンターサッカーに弱い傾向にあり、17-18シーズンCLではクロップ率いるリバプールに5-1で大敗してまった。
彼のリベンジに、目が離せない。
16年間,392試合の現役生活のほとんどを生まれ故郷のルーマニアで過ごす。OMF、STが本職で、ルーマニア代表としても36試合に出場。ユーロ2008などに出場し、親善試合で日本と対戦したこともある。
現在はFCSBの監督である。このクラブは一般的にはステアウア・ブカレストの名前で知られ、ルーマニアで１，２を争う強豪である。
ヨアヒム・レーヴ（あだ名がヨギのためヨギ・レーヴとも呼ばれる）はドイツ代表監督である。サッカー最強国に名前が挙がるドイツの代表監督の座に10年以上君臨し続けるイケメンの名将。
サッカー大国ドイツの監督には珍しく、現役時代のドイツA代表経験はゼロで、ビッグクラブを率いた経験もなく代表コーチから昇格した。
しかし腕は確かでW杯優勝も成し遂げており、選手・ファンからの信頼も厚い。
フォメはウイイレでは4-2-3-1で固定されているが、現実では４バックや３バック、１アンカーや２ボランチなど多彩な戦術を使いこなす。レーヴの手の内を読まれない変幻自在な戦い方も、ドイツが強豪でありつづけるゆえんだろう。
ペケルマン
現役時代はアルゼンチンやコロンビアでプレーした小柄なMF。ケガが原因で28才で引退してからは家族を養うためにタクシーの運転手をしながらコーチをするなど、かなり苦労したようだ。
監督としては選手との人間関係を非常に重視する。貧しい家庭で食事を取れない選手がいればクラブに支援を要請し、時には元教え子の選手をいいクラブに移籍させるために記者に頭を下げて宣伝してもらったりする。その謙虚な人柄で選手からは熱烈な支持を得ている。
監督としての手腕もよく、南米最優秀監督賞を３年連続で受賞したことも。ただしやや小心な傾向もあり、大舞台で負けそうになるとパニックになるのか変な交代策に走ったりする。どうやら試合前の分析に長けるタイプのようだ。
コロンビア代表を６年前から率いており、ブラジルW杯では日本と同じ組になった。しかし日本はコロンビアの敵ではなく、ハメスロドリゲスを前半は温存、後半40分に43才のGKを投入（W杯最年長出場記録を更新するため）など、ナメプともいえる采配をしながらも日本を一蹴しベスト８に進出した。ロシアW杯でも同組で日本の前に立ちふさがるが、日本はどこまで食らいつけるだろうか。
バルベルデ
現役時代はFWとして主にビルバオでプレー。バルサにも２年ほど所属したが、スタメンレベルではなかったようだ。
去年５月にバルサの監督に就任したが、ネイマールの退団による攻撃力の大幅低下、新加入のデンべレの長期離脱など、波乱の幕開けであった。
そこから戦術変更で見事に持ち直し、CLは敗退したもののリーガでは無敗優勝も視野に入れている。
彼の監督としての強みは修正力と的確な采配にある。ネイマールの抜けた穴を埋めるという難題に直面したが、4-4-2を使って守備を整備し、むしろネイマールがいた時より守備を安定させた。
5月7日のレアルとのクラシコでも、最後のクラシコ出場となったイニエスタを試合途中で下げてパウリーニョを入れ守備を固めるという冷静な采配で、退場者を出して不利だった状況を好転させドローに持ち込んだ。
モウリーニョ
現役時代はポルトガル２部でプレーしたMF。
自身を「スペシャル・ワン」と称し、勝つためであれば敵の監督への挑発すら平気で行う問題児な一面も持つ。しかし、そのビッグマウスに見合うだけのことを成し遂げてきたカリスマが彼である。
UEFAのチームオブ・ザ・イヤーに唯一４度も選ばれている、リーグ戦のホームで150試合連続無敗記録を持つ、インテルでセリエA優勝、チェルシーでプレミア優勝、レアルでリーガ優勝など、実績は他の監督をはるかにしのぐ。
戦術は4-3-3をもっとも好むが、他の戦術も幅広く使うことができる。
唯一の欠点は長期プランを描くのが苦手で目の前の戦いのことしか考えられない面があることであり、チェルシーやレアルでは３年目にチーム状態が著しく悪化して解任されている。
現在指揮３年目のマンUでもチーム状況はファンの期待を下回っているが、果たしてスペシャル・ワンはこの苦境を乗り越えられるだろうか。
このように指揮官としては有能ではあるが、CLでローマに大逆転を許し敗退したため、今後バルサの監督を続けられるかは不透明な状況である。
スコラーリ
監督キャリアは実に３５年を超える大ベテラン。率いたチームも２０を超える。
守備は組織的に、攻撃は自由に展開するチーム作りを好む。ブラジル代表監督時にはロマーリオを外すなど、規律を守らない選手にはスターでも容赦しない。トップチーム出場経験のない若手をいきなりスタメンで起用するなど埋もれている選手の発掘もうまい。
ブラジルW杯時にはブラジル代表を率いていたが準決勝でドイツに1-7で大敗し「ミネイロンの惨劇」と呼ばれている。しかし、戦術面などで一流の監督であることは間違いないだろう。
クロップ
現役時代はマインツなどでプレー。&color(#0566c2){自他共に認める平凡な選手だった。
しかし監督としては一流である}。ピッチを選手が走り回るアグレッシブな守備と高速カウンターで得点を量産するチーム作りを得意とし、ユーモアを交えたコミュニケーションで選手やファンの心をつかんでしまうのだ。
マインツを指揮し史上初の１部昇格、ドルトムント監督時代にはバイエルンを破りリーグ２連覇を果たし、17-18シーズンはリバプールを躍進させCL準優勝にまで導いた。
これからのクロップのキャリアに、目が離せない。
チッチ
本名よりもあだ名の「チッチ」の方が浸透している監督。
現役時代はほぼ無名の存在だったが、監督としての腕は超一流。
主にブラジルのクラブを率い25年以上のキャリアを積み、コリンチャンス時代のクラブW杯制覇など輝かしい実績を残し、2016年ブラジル代表監督に就任。
ブラジル代表監督は世界一プレッシャーがかかるといっても過言ではない重責であるが、温かく落ち着いて人と接し、戦術面も卓越しているために人々はみな彼を支持している。
自らヨーロッパからアジアまで旅して試合を観戦し、SNSやtwitterを駆使して選手と連絡を密に取ることで、ネイマールなどの扱いにくいテクニシャン達からも信頼されている。
戦術面では攻守の切り替えの早いサッカーを得意とし、中盤の激しいプレスでボールを奪ってから一気に攻撃を展開する。
調子が上がらなかった代表チームを一気に立て直し、W杯南米予選では２年近く無敗という驚異的な成績を残した。
しかしW杯本戦ではフィジカルの強いFWの不在、キャプテンシーを発揮できる精神的支柱を欠いていたことなどが響きベスト８に散った。
「チッチ」という愛称で親しまれている。
現役時代はほぼ無名の存在だったが、監督になって以降は主にブラジルのクラブを率い25年以上のキャリアを積み、コリンチャンス時代のクラブW杯制覇など輝かしい実績を残す。
2016年にはブラジル代表監督に就任。常に温かく落ち着いて人と接し、戦術面も卓越しているために国民の多くは彼を支持している。また、ヨーロッパからアジアまで自らの足で試合を観戦し、選手と連絡を密に取ることでネイマールなどの癖の強い選手からも信頼されている。
戦術面では攻守の切り替えの早いサッカーを得意とし、中盤の激しいプレスでボールを奪ってから一気に攻撃を展開する。
W杯南米予選では調子が上がらなかった代表チームを一気に立て直し、２年近く無敗という驚異的な成績を残した。
しかしW杯本戦ではフィジカルの強いFWの不在、キャプテンシーを発揮できる精神的支柱を欠いていたことなどが響きベスト８に散った。
アッレグリ
現役時代はMFでイタリア中堅クラブでプレー。
2008年にセリエAカリアリの監督に就任。貧弱な戦力で善戦し、年間最優秀監督賞を受賞。
2010年にミランの監督に就任。イブラやチアゴ・シウヴァなどを率いてリーグ優勝を果たした。
2014年ユヴェントス監督就任。ピルロやポグバなど、替えの利かないスターが毎年チームから抜けていく簡単ではない状況の中でも勝ち続け、リーグ４連覇を達成した。
多彩な戦術を使いこなすが、選手を縛ることはせず、むしろ自由を与える方を好む。「創造性のないサッカーは、コンピューターでギャンブルするのと同じだ。面白くないよ」というセリフからもわかる通り、情熱や直感を重視する一風変わった人物でもある。
また、型にはまらない柔軟な采配も彼の魅力である。CF専門だったマンジュキッチをLMFにコンバートして成功したり、試合中にチームの柱が負傷してもフォーメーションを変えて何事もなかったかのように勝ち切ってしまうなど、その対応力がユーヴェの強さを支えている。
ジダン
偉大なるバロンドーラ―のフランスの英雄。アルジェリアからの移民2世として生まれ、OMFとしてプレー。強靭なフィジカルと「両足にシルクの手袋をつけている」と称される柔らかいボールタッチ、自身の代名詞であるルーレットなどの多彩なフェイントなどを武器に活躍し、レアルでのCL制覇、フランスW杯での優勝などを成し遂げた。
引退後2016年にレアルの監督に就任。C・ロナウドのようなスターでも絶対に従う圧倒的なカリスマ性と、様々なフォーメーションを使いつつ大きなミスをしない采配でCL連覇などの偉業を成し遂げた。
ピッチの上では怒ってファウルするなど感情を表に出すが、普段の人柄は無口でシャイであり、「自身がファンのテニス選手とホテルで隣の部屋になったのに、恥ずかしがって会いに行けなかった」などのエピソードがある。また、「私がサッカーをする時考えていたのは昨日の自分を超えることだけだった」など、その哲学は真のプロフェッショナルでもある。
