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【白猫】Brave The Lion Story

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最終更新者:にゃん


その雄々しき剣士の強さを、
キミはどこまで引き出せるのか――!


2014年10月24日




目次


Story1 魔刃の咆哮、鳴り響く

Story2 魔性はびこる森の深きへ

Story3 泥に咲く花、ただ一輪

Story4 あせぬ想いのあるゆえに

Story5 泥にまにれて、なおも獅子1

Story6 泥にまにれて、なおも獅子2

Story7 おぞましき闇の侵略1

Story8 おぞましき闇の侵略2

Story9 穢れたまえ、壊れたまえ

Story10 散らせよ獅子吼、雨も泥も1

最終話 散らせよ獅子吼、雨も泥も2



登場人物


ダグラス・ウィンゲート cv.八代拓
魔力を操る剣技に長けた青年。気さくで、やや世話焼きなところがある。
クロエ
ルエル


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story1 魔刃の咆哮、鳴り響く!


ここね!魔物が大量発生してる森っていうのは!

早く退治して、平和にしないと……行きましょう、主人公!

<うなずいた、その瞬間――>

z――はあッ!

<突如として現れた青年が、気合も鋭く剣をー閃――ほとばしる魔力の刃が、キャトラの背後で咋裂する!>

ひぃーーーーっ!??な、ななななな、なにごとぉ~!?

<身をすくませるキャトラ。後ろで、魔刃の直撃を受けた!体の魔物が、力なく倒れ伏す。>

魔物――!忍び寄ってきていたの……

悪い、驚かせちまったな。とっさだったもんで、声かける余裕がなくってさ。

あ、うん……助けてくれて、ありがとね。派手なおにーさん。

<派手なおにーさん>じゃ、ちょいと締まらねえな。ダグラスって呼んでくれ。

んで――ひょっとして、あんたたちも魔物退治を引き受けたクチ?

はい。じゃあ、あなたもなんですね。

ちぃっとばかし、荒事の類が得意でね。飯のタネってわけ。

ちょっとどころじゃないじゃ~ん!すごかったわよ、さっきの技。よく、あんなことできるわね~!

<できちまう>もんでね。いちおう、<魔剣士ダグラス>で通ってる。

それより――あんたら、よけりゃあ共同戦線といかないか?

ちょいと急ぎたい事情があってな。この森にや、古い孤児院があるらしいんだ。

孤児院……ですか?そういう話は聞いてなかったですけど……

もう使われてないって話だからな。ただ、まだ住んでる人がいる、とも聞いてる……

早いトコ助けに行くには、力を合わせた方がいいと思うんだ。

わかりました。いっしょに行きましょう、ダグラスさん!

ああ。よろしく頼むぜ!




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story2 魔物はびこる森の深きへ



……こっちだな。

<ダグラスの左目が、かすかに輝く。すると彼は、迷うそぶりもなく、森の分かれ道を進んでいく――>

すご~い、なんでわかるの?

ちょっとした特異体質さ。オレは、どうにも魔力やソウルに敏感らしくてね。

<早足で先に進みながら、ダグラスは語る。>

場に残ったソウルを読み取ったり、誰かの気配を察したり……そういうのが<できちまう>のさ。

そうなんですか……冒険家向きの体質ですね!

かもな。実際、それで食えてるし。

それに……冒険家って、いろんなヤツがいるだろ。だから、こんな目や髪の色でも目立たなくってさ。

え、その髪、地毛だったの?

地毛、地毛。地毛でこの色。染めようが落とそうが、すぐこうなっちまうんだ。

それも、特異体質の影響……なんですか?

なんだろうな、たぶん。おかげで、こう……遊び人に見られるのが悩みでね。

確かに、パッと見、チャラそうだもんね~。

まあでも、冒険家だったら、変なヤツも大勢いるから、悪目立ちしなさそうね。

だったら、ダグラスさん、私たちの島に来ませんか?空を飛ぶ島なんですけど――

島が……飛んでる?マジか?

マジマジ~。飛行島って言ってね。変なヤツらが目白押しよ!アンタなんてフツーに見えるわ!

ヘえ……そいつはいいや。面白そうだな……今度、寄らせてもらうぜ。

<そのとき、がさり、と音がした――木陰から、魔物たちが姿を現したのだ。

それを目にして、ダグラスは、獅子が牙をむくように笑う。>

ただしこの森の魔物どもを、きっちり締め上げてから……な!



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story3 泥に咲く花、ただ一輪



さあて……どうやら、こっちの方角に誰かのソウルが――

……!

wはぁっ……、はぁっ……

<武器を手にしたエルフの女性が、木の幹にもたれかかり、荒い吐息を繰り返している……!>

だいじょうぶですか!?

???

あなた、たちは……

魔物退治に来た冒険家よ!アンタは――

私は、クロエ。この森の孤児院の者よ。

突然、多くの魔物を率いた。巨大な魔獣が現れて……私では、多勢に無勢で……

そりゃそうだ。がんばりすぎだぜ、姉ちゃんよ。

魔物退治はオレが引き受ける。主人公たちは、この人を連れて森の外へ――

そういうわけにはいかないわ……!ここは、私の森だもの……私が、守らなきゃ……

気持ちはわかるけど――

……しょうがねえな。

へっ?いいの、ダグラス?そんなあっさり――

言っても無駄だろ。顔見りゃわかるこりゃ、死ぬほどガンコなタイプだぜ。

ただし、前には出させねえ。あんたが戦うのは、本当にどうしょうもないときだけだ。いいな?姉ちゃん。

……わかったわ。ありがとう――




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story4 あせぬ想いのあるゆえに



クロエさん、この森の孤児院はもう使われていないと聞いたんですけど――

五十年くらい前かしらね……魔物が森をうろつくようになって、危険だから院を閉めたの。

五十年前!?あ、そっか。クロエ、エルフなのよね。

そのとき孤児院にいた子供たちは、ちゃんと、どこかに引き取ってもらえたのかい?

ええ。幸い、近くの街に新しい孤児院が建てられたから、そちらに移ってもらったの。

……そりゃよかった。でも、じゃあなんで、あんたは森に住み続けてるんだ?

私はもともと、この森に住んでいたエルフなの。孤児院を始めたのは、森に捨てられる子が多かったからでね……

森に、捨てられる……ですか?そんなことが――

口減らし、ってヤツだろ。今はそうでもないけど、昔、この島じゃ、ひどい飢饉が続いててな……子供を養えない家も多かったんだ。

そうね……その通りだったわ。親に捨てられてしまった子たち……でも、みんなとてもいい子だった。

この森には、あの子たちとの思い出が、たくさんあるの。だから、ここを出てはゆけない――

外の世界にや面白いもんがたくさんあるんだ。魔物も増えてることだし移住を考えた方がいいと思うぜ。

ありがとう、ダグラス。でも……私はやっぱり、この森に骨を埋めるわ。

けどよ――

百年ほど前……

この地の貴族に、森からの立ち退きを要求されたことがあったの。

でも、そのとき……孤児院にいたミーチャって子が、貴族を説得してくれた……

子供が?どうやって?

それが、わからないの。

でも結果として――その子が貴族に引き取られる代わりに、立ち退きの要求は撤回されたわ。

だから……ミーチャが守ってくれた孤児院が、ここにあるから……私は、ここを離れられないの――




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story5 泥にまみれても、なおも獅子



デ、デカいの出たぁーっ!!あれが魔物を率いてるっていう魔獣!?

<毒々しくも禍々しい瘴気を全身から放つ魔獣が、じりじりと近づいてくる……>

なんて濃い瘴気なの……!

ヤツは、あの瘴気を防壁として、攻撃を防いでしまうのよ……

なるほどな。だが、どうやら瘴気の濃さにはムラがありそうだ。薄いところを探して狙えば……

――私がオトリになるわ。ヤツを引きつけるから、そのスキに弱点を探して!

だめです、クロエさん!危険すぎます!

覚悟の上よ。この森を……ミーチャの思いを、守るためだもの……!

……ホント、ガンコな姉ちゃんだ。

それであんたが死んだら――それこそ、そいつは泣くだろうよ!

<言って、前に出るダグラス。その左目が激しい魔力の光を放つ!>

――うぉおおおおおおおおッ!!

<ダグラスが凄絶な咆時を上げると、魔獣の瘴気が竜巻のごとくうなり、彼の左目へと吸い込まれていく!

それに呼応するように、獅子のタテガミにも似た長髪が虹色に輝き、ぞわりとうごめく――

やがて――すべての瘴気を吸って、ダグラスは、ぐらりとよろめいた。>

ちょ、ちょっと!アンタ――だいじょうぶなの!?

平気……さ!オレは、特異……体質だって、言った……ろ!

だからって、そんな――あんなの、人が耐えられるものじゃ――

<できちまう>のさ……オレには……な!

……!

これで、瘴気もクソもねえ。あの野郎を、好きなだけぶっ叩ける――

行こうぜ、主人公!力の限りに――ぶちかましてやるッ!!




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story6 泥にまみれて、なおも獅子



やったぁー!倒せたぁ~!!

リーダーがいなくなれば、あとは残った魔物を各個撃破するだけだ。ま、なんとでもならぁな。

ありがとう、みなさん……本当に、助かったわ。

礼はいいさ。こちとら、コレが仕事なんだから。

ダグラスさん……本当に、だいじょうぶですか?瘴気の影響は――

ヘーき、ヘーき。どーってこたないって。

それより魔物はまだ残ってるんだ。手分けして片づけに行こうぜ。な?


 ***


ふう……こっちはこれでだいたい終わりだな。

そうみたいね。もう魔物はいなさそう……

……なあ、姉ちゃん。さっきも言ったけど、早いとこ、この森を出た方が――

ミーチャ。

――!

<できちまう>……あの口グセ――あなた……ミーチャなんでしょう?

……………………

覚えてたのかよ、姉ちゃん。百年前の話だってのにさ。

やっぱり――そうなのね。でも……その姿は――

オレ、昔から特異体質だったろ。ソウルとか、魔力とか……いろいろ見えたりしてさ。

だから、あのとき、貴族にそれをアピールしたのさ。そしたら、『何かに使えるかもしれん』ってことで、取り引きが成立してね。

そっからは、まあ……オレの体質を利用して、いろんな魔法の実験台にされて……

おかげで、いろんな特技が身についた。寿命とか髪とか、無駄に伸びちまったりもしたけど。

そう……なのね――

ごめんなさい、ミーチャ……私が、止められなかったから……あなたに……すべてを、背負わせて――しまって……

気にすんなって。<できちまう>からにゃ……やらなきゃ気がすまないんでね。

それに……オレ、これでよかったって思ってるくらいだぜ。

こうして……自分自身の力で、姉ちゃんに恩返し<できる>ようになったんだからな……

ミーチャ……

今のオレは、ダグラスさ。魔剣士ダグラス。そうなるって……決めたんだ。

わかったわ……

でも……それでもあなたは、この森の子よ。だから……

……ああ。また、来るよ。何度でも……必ず。

今のオレなら、それが<できる>。だから、また……な?

姉ちゃん――……






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story7 おぞましき闇の侵略1


……あんたら!来てたのか!

ダグラスさん!じゃあ、やっぱり――

ああ。またぞろ、この森に魔物の群れが出たって聞いてな。急いで来たんだ。

この森、魔物をひきつけるような何かがあるのかしら……

わかんねえ。けど、今後も魔物が押し寄せる可能性はないとは言えねえな。

となると、やっぱり、クロエさんが心配ですね……

まったくだぜ。ったく、だから、とっとと森を出ろ、って言ったのに……!

ダグラスってば、クロエのことけっこう気にしてるよね~。ひょっとして、お熱ぅ~?

……キャトラって、たまにけっこう古い表現、使うよな……

そ、そんなことないもん!

おっと……魔物の気配だ行くぜ、主人公!!

……あれ?アタシ、はぐらかされた!?



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story8 おぞましき闇の侵略2



ダグラスさん、クロエさんのソウルは感じられますか……?

いや……

どうにも、感覚がおかしい……鼻が利かねえっていうかーこの森、妙に<濃すぎる>……

……私も、気になってました。森全体に、不思議な力が働いているんです。

それも――闇や瘴気に近い、禍々しい力が……

くそっ――この森に、いったい何か起こってやがるんだ?

あっ、クロエの孤児院!

姉ちゃんは?いるか!?

んー……

いないみたい……外に出たのかな?

そうか……

しょうがねえ。手がかりがない以上手分けして探す方が早いはずだ。

オレはあっちの方角を探してみる!あんたらはそっちを頼むぜ!

ちょっと、ダグラス――

……行っちゃった。ホント、クロエのことになると、熱心っていうかなんていうか……

きっと心配なのよ。ダグラスさん、優しい人だから。

そんだけかなぁ~。

とにかく、私たちも探しましょう。



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story9 穢れたまえ、壊れたまえ



どこだ――?クロエ姉ちゃんっ……!

……!あれは――

<森のなか、やや開けた空間――そこに、クロエの姿がある。

ぐったりとなって、闇の十字架に、ハリツケにされている……!>

姉ちゃんッ!

ミー……チャ――

???

おやおや、遅い到着ですねェ。もう少しで、この方が<美しく>なってしまうところでしたよ。

!?何者だ……てめえッ!

あら、怖い。まあまあ、そう殺気立たないで……♪

ワタシはルエル・サクラリッジ。<愉快な道化の影芝居>――<シャッテンシュピール>がひとりにございます。

<告げるルエルの身体から、すさまじく濃厚な瘴気が吹き出し、そこから魔物が生まれていく……!>

この森に放ったかわいいわが子が消されましたのでねェ。何事かと思って、調査に来たんですよ。

ほら、わざわざ来て差し上げたのですから、ちゃんともてなしてくださいねェ?さあさあ。

ふざけやがって……

ギャハハハハハ!

そりゃそうです!道化ですから!ふざけることが仕事でしてねェ!いい仕事するでしょ~お?

さあさ、お立ち会い。このエルフの女性に、たぁ~っぷり瘴気を注いだら、どうなるか……♪

ッ……!させるかあッ!!

でもやっちゃぁ~う!ギャハハハハハ!止めたきゃ試してごらんなさあ~い……♪



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story10 散らせよ獅子吼、雨も泥も



――かあッ!!

<ルエルの放つ瘴気を吸って、ダグラスは強力な魔刃を放つ。

ルエルはそれを軽やかにかわし、ニヤリと悪らつに微笑んだ――>

ふむ……やはり。アナタ、瘴気を吸わねば生きてはいけない身体のようですねェ。

……ッ!

ミーチャ……、そんな――

化転融合臨説外法とは……いやはや、禁忌の術じゃないですか。おかわいそうに……♪

せめて、存分にごちそうして差し上げましょう!

<ルエルの全身から、膨大な瘴気が放たれダグラスの左目に吸い込まれていく……!>

ぐ――ああぁあああああーっ!ああっ……ああーっ……!あああああああぁああーッ!!

ギャハハハハハハ!いい、いい、美しいですよ、そのお顔!

人はやはり、散りざまこそ美しい!もっといいカオ、見せてください……♪

ギャハハハハハハハハ!


 ***


クロエ、こっちにはいなさそうね……

ダグラスさんの向かった方角にいるかもしれないわ。私たちも、そっちに――

……きゃあっ!?

<巨体を誇る魔獣が両目をらんらんと輝かせて立ちふさがる……!>

もー!こんなヤツの相手してるヒマなんてないってのに!

主人公!ソッコーで倒して、ダグラスと合流しましょ!



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最終話



ぐぉあああぁああああっ……あぐっ、うううっ、ああぁああッ!あ、が、うぁっ、あぐぁあぁあっ!

いいねいいねー、いいですねェ~♪どんどん壊れていってますよ……♪

ワタシねェ……好きなんですよ。確固たる秩序にもとづくモノが、ぼろっぼろのぐっちゃぐちゃにブッ壊れていくのを見るのがねェ!

まあ、アナタ、禁呪やら何やらで、そもそもけっこうぐちゃぐちゃなんですけどね……♪

それでもまっとうな人間がましくあがいている!そこがいい!

まったく、ぐちゃぐちゃにしがいがあるというもの……♪ギャハハハハ!

が、アあっ、ひっ、ひいいああっ、あぅああああぁああーッ……!

ミーチャ――ミーチャぁ……!

<苦しみもだえるダグラスの姿に、クロエが悲痛の涙をこぼす――

――その瞬間。

ダグラスの左目に――突如、ぎらりと苛烈な光がまたたいた!>

……その、人は……!

その人は……オレの姉ちゃんだ!大事でッ……大切なッ!たったひとりの、姉ちゃんだッ!!

それを――泣かせてッ!!

た だ で す む と お も う ん じゃ……ねぇぇええええーーーーッ!!

<瘴気がー気に吸われきる――ダグラスの髪が、虹色に輝く!

誇りある獅子の猛り立つように――ぞわりと震え、燃え上がる!>

……ッ!?なんだ、これは……貴様ー瘴気を、いったい何に換えた!

決まってんだろ――言わせんなッ!

<疾駆するダグラス――虹の光の宿る刃で、ルエルを狙う。ルエルは瘴気の障壁を展開するが、大さく後ろに吹き飛ばされる――>

お~い!ダグラス、クロエ~!

チ――魔獣ごときでは、足止めもできぬか。

クソめが――ああ、気分が悪い……こうも汚らしいものを見せられては!

<うめいた直後、ルエルは影に沈み、その姿を完全に消し去った……

クロエをハリツケにしていた闇も消え――ダグラスは、あわててクロエに駆け寄り、抱き止める。>

姉ちゃんッ!!

ミーチャ…………あなた――

黙ってて……ごめん。ホント、オレ……こんなこんなになっちまって……でも――

虹――

え……

あなたの見せてくれた虹……とても、きれいだったわ――ミーチャ……

<ダグラスの腕のなかで微笑んで――クロエは、青年の頬を、そっとやわらかくなでる。>

昔から、何も変わらない。あなたはいつだって、きれいなものを見せてくれる……何よりも、きれいな光を……

姉ちゃん……

姉ちゃん――オレ……オレさ……!!

<そんなふたりの上に――>

ね……主人公。見える?あれ……

<小さな虹が、架かっていた。

ふたりを――ひとつ屋根の下に、守り置くように……>





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