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【白猫】ホワイトビターアラカルト2019 Story

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最終更新者:にゃん


2019/03/14


目次


Story1 ちょっと話があるんだ

Story2 付き合ってくれるかな?

Story3 コーヒーでもいかがですか?

Story4 伝えたいことがある




登場人物


ザック・レヴィン cv.中島ヨシキ
貧民街で生まれた少年。冒険家に身をやつし革命の好機を伺う。
ノエル・アレス cv.三瓶由布子
アレス三兄弟の三男にして、知的な少年。かわいいものが大好き。
ルーファス・マイクロフト cv.水島大宙
元社長という経歴を持つ新米目険家。非常に有能な研究者でもある。
ディーン・バルト cv.逢坂良太
褒められることが人生の目標という騎士。称賛を求めて人助けを続ける。




story1 ちょっと話があるんだ


「よお、悪いな。急に呼び出しちまって。

今日はちょっとばかり大事な用があるんだよ。」

「お金なら貸せないよ。」

「あのなぁ、金借りるつもりなら直接行くよ。わざわざ呼び出すわけないだろ。

そりゃあ、貸してくれるって言うんなら、それに越したことはないけどな……」

「だからお金は貸しません!」

「冗談だよ。ほら、俺の財布を見てみろ。夢と希望がぎっしり詰まってるだろ。」

「つまり空っぽなのね。」

「まあ、そうとも言うな。」

「大丈夫?ちゃんとご飯とか食べてるの?」

「ああ、もちろん食ってるぜ。」

「道に落ちてるもの食べたらおなか壊すよ。」

「ンなわけないだろ!ちゃんと食ってるって!

実はな、この間からギターの練習を兼ねて、ライブハウスで雑用の仕事をしてるんだ。

そこで余った料理を頂いてるってわけさ。

今日もこれから仕事なんだぜ。」

「ふーん。だからギターケースを背負ってるのね。」

「いや、だからそんな話はどーでもいいよ。大事な用があるって言っただろ。」

「うん。何の用なの?」

「ほら、アレだ。この間、俺にチョコくれただろ?」

「あー、うん。食べてくれた?」

「ああ、ちゃんと食ったぜ。チョコってのは早く食わねーと、表面が真っ白になっちまうからな。

見た目がイマイチだが、味はそんなに悪くなかったぞ。」

「それって褒めてる?」

「で、ちゃんとお返ししなきゃいけねーなと思ってさ。ホラよ。」

「……なにこれ?」

「なにって……チョコのお返しだよ。

ホワイトデーってのは、飴玉を返す日なんだろ?」

「もしかして、これだけのために呼び出されたの?」

「な、大事な用だろ?」

「なんか納得いかないんですけど。」

「ああ?じゃあ、どうしろって言うんだよ?

飴玉ー個じゃ足りねーんなら、もうー個やるぜ。」

「そうだ。せっかくギターがあるんだから、何か弾いてよ。」

「はあ、冗談だろ。ここでか?やなこった!

「そういえば、この間、ダリル・キルブリッジのライブに行ってきたの。」

「なっ!ダリルのライブに行ったのか!?サイコーだったろ!」

「うん。圧倒されちゃった。」

「そうだろ、そうだろ。

ありゃあ歌なんてもんじゃない。文字通り魂の叫びさ。」

「演奏もよかったよ。特にあのギターソロが……」

「まあ、あのくらいなら俺だって……」

「じゃあ、聴かせて。」

「チッ……そうくるか?でも、ここで引き下がるわけにはいかないな。

だったら聴かせてやるぜ!」


「……と、まあ、こんな感じさ。」

「すごい。すごい。カッコいい!」

「そ、そんなに良かったか?」

「うん。なんか感動しちゃった!」

「まあ、その……なんだ……


この程度で良けりゃ、いつでも聴かせてやるぜ。気が向いたらな。

つーか俺、そろそろ仕事に行かねーと。」

「うん。ありがとう。頑張ってね。」

「今度、俺たち<4theレボリューション>がライプするときは招待するからよ。

絶対聴きに来いよな!




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story2 付き合ってくれるかな?


「あははっ、ジェットコースター楽しかったね!

今度は向こうに行ってみようよ!」

「待って。そんなに走らないで。」

「ホラ、急がないと置いてっちゃうよ。!」

「どうかした?」

「ううん、何でもないよ。ディラン兄によく似た人がいたんだ。でも人違いだね。

ごめん、ごめん。じゃあ次は何に乗ろうか?

観覧車?メリーゴーラウンド?それとも……」

「今度はどうしたの?」

「あ、ううん。ヴィシャス兄がいたと思ったんだけど……気のせいだったみたい。

ごめん。えーと、何の話をしてたんだっけ?」

「疲れちゃったんじゃない?少し休憩しようよ。」

「うん、そうだね。じゃあソフトクリーム食べようよ!」


「このソフトクリーム、おいしいね!」

「元気になった?」

「うん!でもさ、ディラン兄もヴィシャス兄もひどいんだ。

僕が出かける直前まで『どこへ行くんだ?』『ー緒に行こうか?』ってしつこいんだよ。

だから、さっきは本当に着いてきたんじゃないかと思ってビックリしたよ。」

「二人ともあなたが心配なんだね。」

「心配しすぎだよ!いつまでも子ども扱いして、ホントやんなっちゃう。」

「ふふふ……」

「……あ、今、笑った?笑ったよね?

もういいよ。フンっだ!」

「ごめん、ごめん。でも違うの。ほら、口元にクリームがついてる。」

「えっ?」

「ふふ、取ってあげるね。」

「こういうところが子供っぽいって思われるんだよね。

いけない、いけない。こんなんじゃ……

すうU~~~~はぁ~~~~~

今日は急に呼び出しちゃって、ごめんね。」

「どうしたの、改まって?」

「わざわざー緒に来てもらったのは、僕が遊園地に行きたかったから……

……だけじゃないんだ。渡したいものがあるんだよ。」

「渡したいものって?」

「何だと思う?」

「う~ん、分からないな。」

「じゃあ、用意するから目をつむってて。いいって言うまで開けちゃダメだよ。」


「はい。目を開けていいよ。

じゃ~ん!見て見て。くまのぬいぐるみ!<シュテルフ>の新作なんだよ。可愛いでしょ!?

発売日に並んで手に入れたんだ。大変だったけど、ちゃんと2つゲットしたよ。

ひとつは僕のぶん……もうひとつは、僕からのプレゼント。」

「でも、どうして……?」

「ほら、この間、チョコレートをくれたでしょ?

とっても甘くておいしかった。だから、そのお礼だよ。

何を返そうかいろいろ悩んだんだけど……でされば、僕とお揃いのぬいぐるみを持っていてほしいなって……

受け取って……くれるかな?」

「うん、ありがとう。」

「あはっ、じゃあ、確かに渡したからね。

素敵な名前をつけて、たくさん、たくさん可愛がってあげて。」

「名前は『ノエル』にしようかな?」

「ええ~!それは勘弁してよ。」





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story3 コーヒーでもいかがですか?


「……寒くありませんか?

すみません。こんな所まで足を運んでもらって。」

「キレイ……」

「ええ、満天の星空……とても素敵ですよね。多くの星たちに見守られているようで、とても落ち着きます。

あ、お湯が沸いたようです。今、コーヒーを滝れますね。」

「コーヒーを飲もうって言うから、喫茶店かなにかに行くのかと……」

「まさかキャンプに来るとは思いませんでしたか?もし、驚かせてしまったら、ごめんなさい。

ただ、どうしてもこの景色を見てもらいたくて……」

「でも、どうして……」

「先日、僕なんかにチョコをくれたでしょう?

あまり甘すぎずとてもおいしかったです。何かお返しをしなきゃいけないと思っていろいろ考えたんですが……

こうしてたき火を囲んで、コーヒーを飲みながら、満天の星空を眺める。そんな時間があってもいいのかなと思いまして。

……はい。どうぞ。熱いから気をつけて。」

「ありがとう……」

「あまり期待はしないでくださいね。市販されている普通のコーヒーですから。

でも、夜の空気や風の音が味を引き立たせてくれます。

こればかりは街にいたら飲めません。」

「キャンプがお好きなんですか?」

「ええ、よくー人で来るんですよ。」

「あまりアウトドアのイメージがないから……」

「ははは。これでも冒険家なんだけどなぁ。」

「ごめんなさい。そんなつもりじゃ……」

「いえ、無理もありません。冒険家になる前は研究者だったわけですから。

ただ、子供のころから冒険家に憧れていましてね。気分だけでも味わいたくてよくキャンプに出かけたものです。」

「ふうん。そうなんですね……」

「起業してからも、社員たちを誘って、こうやってたき火を囲んで……

そう、あの頃の僕は……

うっ!あ、あの頃の僕ときたら……!」

「え……?」

「いろいろやらかしたなぁ……調子に乗りまくってたなぁ……

ああっ、ダメだ!過去が……過去が僕を襲ってくる!!」

「あ、あの……大丈夫ですか?」

「ハァ、ハァ、ハァ……すみません、取り乱しました。」

「……また、昔のことを?」

「ええ、ときどきこうなるんです……もう取り返しのつかない過去を悔やんでばかり……

もう二度と後悔はしたくない。二度とあの頃は振り返らない……そう思って冒険家になったのに……

僕は本当にダメな男です……」

「過去を振り返るのは……そんなにいけないことでしょうか?

それはあなたが今、前を向いてるからじゃありませんか?」

「前を向いているからこそ、過去を振り返ることができる、ですか……?

理屈ではそうかもしれません。でも、本当にそれでいいんでしょうか?

僕は会社を潰して、社員たちを路頭に迷わせました……それだけじゃない。僕の研究が悪用されて、多くの人を傷つけた……

その罪は償いされるものじゃありません。」

「でも……あなたは冒険家ですよね?」

「……?」

「なら、今まで傷つけた人たちより、もっと多くの人たちを助けてあげたらいいじゃないですか。」

「…………」

「なんて、言うのは簡単ですよね……」

「は……ははは……」

「ごめんなさい。余計なこと言っちゃいました?」

「いえ、そんなことありませんよ。ほんの少し気が楽になりました。

ただ、それでもやっぱり僕はダメな男です……」

「…………」

「だから、あの頃を笑って話せる……そんな日が来るのはずっと先かもしれません。

でも、もしそんな日が来たら……

その時は……今のように話を聞いてもらえますか?」

「……私で良ければ。」

「それまで、見守っていただけると嬉しいです……この満天の星空のように……

ははは……何を言ってるんだろうな、僕。

あ、コーヒーがすっかり冷めてしまいましたね。

もうー度、滝れなおしましょうか?」






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story4 伝えたいことがある


「やあ、持たせたな!

騎士団の仕事が長引いちまったよ。それでもできるだけ待たせまいと、飛んで来たんだ。

そんな健気な俺を褒めてくれないか!」

「その前に……何か言うことがあるんじゃないの?」

「あれ?もしかして怒ってるのか?

そりゃこっちから呼び出して、遅刻したのは悪かったが、急いで来たのはホントなんだぜ。」

「…………」

「わかった!悪かった!すまん。このとーりだ!」

「本当に悪いと思ってる?」

「もちろんだとも!海より深く反省してるぞ!」

「まあ、いいわ。許してあげる。……で、何の用なの?」

「よくぞ聞いてくれた!今日、来てもらったのは、大事な用があったからなんだ。

この間、俺にチョコレートを渡してくれただろう?

あれはとてもおいしかった!神気道の鍛錬で疲れた体には、やはり甘いものが欠かせない!

そこでっ!今日、このホワイトデーに、何かお返しをしなければならない。そう考えたわけだ!」

「そんなの別にいいのに……」

「そうはいかない。礼を尽くして義を重んじる。これも騎士としてあるべき姿だからな。

というわけで君にこのワッフルを贈ろう!」

「わあ、すごい。おいしそう!」

「ははは。剣誓騎士団ご用達の菓子店の品さ。主に贈答用に使われる。それに、これだけじゃないぞ。」

「え、他にもあるの?」

「ああ、君を褒めてあげよう!」

「……はい?」

「俺っていつも誰かに褒められてるだろ?褒められるのはいいもんだぜ。明日への活力が涌いてくる!

だから今日は俺が君をたくさん褒めてあげようと思うんだ!心して聞いてくれ!

まず、そうだな……君はとても優しい人だ!なぜなら俺の遅刻をすんなりと許してくれた。

それに手作りのチョコレートは絶品だった!きっと君の作る料理は美味しいんだろう。

それから……そうだな……」

「…………」

「えーと、それから……」

「え、それだけ!?」

「いや、まだあるぞ!あるある!もっとある!

君を褒めるべき言葉はここまで出かかっているんだ。

でも、なんだろう……こうして目の前で言うのは難しいというか……

うーん。どう言えばいいんだろう……そう、例えば騎士団にキースって奴がいるんだ!

柄は悪いし、態度は悪いし、ずる賢いし、とにかくロクな男じゃない!

それでもあいつは決して友達を裏切らない。そこだけは褒めてやれる!

だが、それは決して本人に面と向かっては言わない!なぜなら俺が恥ずかしいからだ!

つまりはそういうことだ!分かってもらえるかなっ!?」

「じゃあ……この話はもう終わりなの?」

「あれ……また怒ってるのか?

だから、今言ったようにだな……本当にその人物を褒めるべき言葉っていうのは、心に秘めておくものであって……」

「…………」

「わかった。悪かった。言うよ、言うから!

えーと、今の俺が……君をー番褒めるとしたら……

…………」

「聞こえません。」

「あー、わかった。じゃあー回しか言わないからな!」

「ッ……!!」


「…………」

「……今のが、俺が思う君のー番いいところだ。

心からそう思ってる。覚えておいてくれ。」

「……ふふふ。」

「な、なんだ?ここは笑うところじゃないぞ!」

「ううん。人を褒めるって、案外、難しいでしょう?」

「む、確かに。俺も今までさんざん人に褒めてもらおうとしてきたが……実は大変な思いをさせてきたのかもしれないな。」

「それに気づいただけでも、偉い偉い。」

「ほ、ホントか!?

やった!俺、褒められたぞ!!」












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