Gamerch
白黒wiki

【黒ウィズ】アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3

最終更新日時 :
1人が閲覧中
最終更新者:にゃん



目次


Story1 APO&VACCA

Story2 TRIALS

Story3 EXHIBITION

Story4 CHALLENGER

Story5 EXPECTATIONS




story1 APO&VACCA



ゾエよーし、よくやったお前ら!うちから4人も3rdステージ進出とは、嬉しい誤算じゃないか。

 3rdステージ前の休憩時間、ゾエルが君たちをねぎらいにきた。

ゾエだれでもいい。絶対に優勝するんだよ。いいな!

 参加してよくわかったが、これはただの娯楽だ。優勝にこだわる必要あるのだろうか?君はそうゾエルに問う。

ゾエあるに決まってんだろうが、この脳味噌×××優勝特典の、ルール追加権だよ!

アレイシアがナンバーズになったとはいえ、ウチはまだまだ上とぶつかりがちだ。都合のいいルールは××から手が出るってもんだ。

問題なのは、ゼウスⅠだな。あの×××××、さっさと落ちてくれりゃ良かったんだが。

Nあの方が優勝なさったら、英雄庁は終わりですものね。

Eええ、あんなルールだけは、追加させるわけにはいかないわ。

 そこまで言われるとは、ゼウスⅠはどんなルールを追加するつもりなのだろう。君は訊いてみようとしたが――

n1このゼウスⅠの噂話かい?いいぜ、どんどんしてくれよ。話せば話すほど、オレの虜ってことの証明だ。

ゾエ出やがったな、問題児。使いたい時には来ねえで、いらん時にばっかでしゃばりやがって。

n1相変わらずいい女だな、ゾエル。そんなにオレが恋しかったかい?

ゾエ会話しろ、会話!とにかく、テメエの×××××なルールだきゃあ追加させねえぞ。

さっきから言ってる、この男が追加しようとしているルールって、どんなものにゃ?

n1いい質問だ黒猫ちゃん。オレはただ、制服を変えたいだけさ。

制服?それだけにゃ?

n1いま着ているこいつもそうだが、どうも英雄庁のセンスってやつはダサすぎるだろう?アレンジ自由とはいえ、限度がある。

そこでこのゼウスⅠがデザインした、最高の制服の着用を、ルールで義務付けてやろうと思ってるのさ。

 英雄庁の終わりだとか言ってたのに、ただの制服だったなんて、みんなおおげさだな、と君は思った。

N魔法使いさん。いま、わたくしたちがおおげさだと思っていませんでしたこと?

Eこれは死活問題なのよ。Ⅰ様のセンスで制服が作られたら、だれもヒーロー活動なんてできなくなるわ。

 そこまで言われると、どんなセンスなのか気になる。君はゼウスⅠに、普段はどんな服を着ているのか、訊いてみた。

n1オレのプライペートが知りたいのかい?いけない子だ。いいぜ、見せてやるよ。これがオレのプライベートファッションさ。

 ……。

 ……なるほど、これは英雄庁の危機だ、と君は納得した。

Nご理解いただけましたわね?あんなセンスの制服になったら、ヒーロー総辞職もあり得ますわ!

Eええ。私もあんな服でヴィランと戦う勇気は持てそうにないわ。

A……なんかボク、あれはあれでカッコイイかもって思えてきた。

ENだっしゃしょか!

 ふたりはアレイシアの肩を揺さぶり頬を叩き、正気に戻そうとし始めてしまった。

n1悲しいな……オレを求めて、女たちはいつも争い合う……。仕方あるまい。オレはゼウスⅠなのだから……。

 ゼウスⅠは天を仰ぎながらそうつぶやき、去っていった。

と、とりあえず負けられない理由ができたにゃ!


 ***



n103rdステ――――ジ☆

というわけで、いよいよ選手も12名にまで絞られました。なんかナンバーズなのに負けたクソ雑魚がいたので解説に連れてきてみたよ。

n6アポロンⅥです。よろしくお願いします。

X。いまの発言について、後で話がある。放送が終わったら神卓の間に来るように。

n10え、この人、放送中に業務連絡してきた怖い……。ぼ、ぼく、疲れたから、ちょっと休んでくる。代理のおじさん、あとよろしくね☆

Vえ、待って待って。またおいら?なによ、もう、せっかくいい気分で飲んでたのに。

n6おお、我がおと……。

V(シーッ!お兄ちゃん、いちおう公務中は兄弟だってバレちゃだめでしょ!)

n6(そ、そうだったな。危ないところだった。ただの知り合いということにしよう)

n6んん、君とカーニバルの解説ができるとは嬉しいかぎりだ、ヴァッカリオ……さん。

Vはいはい、おいら通りすがりのヴァッカさんです。実はアポさんとは飲み友達なのよ。なんかごめんね、みんな~。

n6なぜいまので歓声が……?まあよい。さて、3rdステージの解説といこう。ヴァッカリオ……さん、資料はこれだ。

Vはいはい、と。へえ、3rdステージは……ヘラクレスの12の難行?

n6市民の皆様もよくご存知のように、英雄ヘラクレスはアポロン神の神託によりミュケナイ王に仕え、数多の試練を受けました。

Vそれが12の難行だよね。3rdステージは、それを模したものってわけね。

n6現在、勝ち残っている12名には、それぞれ異なる試練が与えられます。制限時間内に試練をクリアできれば次のステージに進出です。

Vこれさあ、どの試練になるかによって、難易度けっこう違わない?相性ってもんもあるしさ。

n6いざヴィランと戦う時、相性が悪かった、という言い訳はヒーローには許されません。不測の事態に対応できなければならないのです。

Vそりゃごもっとも。勝ち残った12人のヒーローちゃん。幸運を祈ってるよ~。

しかし、12の難行が題材ってのはいいね。子供に大人気のお話だもん。

n6私の弟も、子供のころはこのお話が大好きでした。当時、私は学業を続けながらヒーローをしており、なかなか休みが取れなかったのですが――

家に帰って、ヘラクレスになりきった弟と、12の難行ごっこをすると、不思議と疲れが取れたものでした。

V(なんか急に恥ずかしい話はじめた……。ていうかこの状況下でおいらの話するんだ……)

n6弟はアポロンⅥごっこもよくしていました。私は敵役で参加したのですが、自分が倒したヴィランの役を演じるのはなんともおかしく――

Vまだ続くの!?ねえ、ちょっと、だれか止めないの?カーニバルの解説しなきゃでしょ。

 しかし、なぜか視聴数が爆増したため、アポロンⅥを止める者はだれもいなかった――



TOP↑

story



 3rdステージの参加者は、ー堂に会してカードを引いていた。それによって、試練の内容が決まるのだ。

Aボクは……ステュムパリデスの鳥退治だ。

E私は……ケルベロスの生け捕り?行き先はハデス区……。なんか不吉な予感……。

Nわたくしは……ネメアの獅子退治。……手強そうですわね。

n9なにが来たってすぐ片付けっけど……。ふうん、ケリュネイアの鹿の捕獲ね。

n7ヘスペリデスの黄金の林檎の入手……。アトラス神のあの話か。

n1このゼウスⅠに、ヒッポリュテの腰帯を手に入れろときたか。面白いじゃないか。

 君の引いたカードには、「アウゲイアスの牛小屋掃除」と書かれていた。掃除……なんか自分だけ違うな……と君は思った。

 カードにはそれぞれ、行き先が示されている。そこで目的が告げられるらしい。

Aよーし、今度は1位を取るぞおおお!

n1残念だが、今度もオレがナンバー1だ。なぜならば、オレが1位を取るからだ。

Nここを勝ち抜ければ、上位入賞ですわ。ファイトですわ、わたくし。

 号砲が鳴らされ、各々の試練の場所へ向けて、ヒーローたちはスタジアムを飛び出した。


 ***


 オリュンポリス各地に散らばる試練の場所へ、ヒーローたちは次々とたどり着いた。


A着いたぞ。なにすればいいんだろ?

zお待ちしておりました。それでは説明させていただきます。

アレス零様には、これより英雄ヘラクレスとおなじ方法で、鳥を飛び立たせていただきます。


E着いたけど……ここ、ハデスフォースの本部よね?

zよく来ました、ハデスD962、貴方がお相手とは、嬉しく思います。

E副隊長!?まさか、ケルベロスの生け捕りって……。

zそうです。このハデスフォース副隊長、ハデスA001を倒してみせなさい!


N指定の場所はここですけれど……ネメアの獅子、こんなところにいるのかしら?

コリ安心しろよ、ネー。ちゃんといるぜ。

Nあら、コリーヌ。なにして……その姿は?

コリいまのウチはコリーヌじゃねえ!バイトテロクレスだ!さあ、ウチからネメアの獅子を奪ってみせな!


 カーニバルには、多数の協力者がいる。特別刑務所に収容された模範囚も、刑期の短縮を条件に協力することがある。

n9ま、この場所を指定された時点でそんな気はしてたけど、やっぱりね。で、追いかけっこでもすればいいわけ?

zその通りだ!時間内に、このアキレラレウスとペンテシレイアmk2を捕まえてみな!


n1聞いてるぜ。アルテミスフォースには、女だけで構成された部隊があるってな。たしか名前は、アマゾネス・プラトゥーン。

z私はこのプラトゥーンの50名を預かるヒッポリュテ9、この難行はしごく単純なもの。

さあ、私がらこの腰帯を奪って見せなさい。もっとも、我がプラトゥーンは、全力で戦わせてもらうがな。

n1いいぜ。このゼウスⅠ、女の相手なら何百人だろうが大歓迎だ!


n7ここは……遊園地。アポロンパークか。

zお待ちしておりました、マスクド・アテナ様。黄金の林檎は、このパークにございます。時間内に発見できれば、クリアとなります。

n7ほう、謎掛けか。面白い。知恵の女神アテナの力、見せてやろう。


 そして君もまた、目的地にたどりついていた。そこは――

ここ……ヴァンガード隊の基地にゃ。よりによってなんでここにゃ?

ハルよぉ、だれが来るかと思えば、魔法使いかよ。ま、よろしく頼むわ。

 よろしく頼むって、なにを?と君が問うとハルディスはいつものように笑って答えた。

ハルふひぇ、聞いてんだろ?掃除だよ、そ・う・じ。この基地を、制限時間内にキレイにするのさあ。


 ……これを?と君は絶望的な気持ちになった。


 ***


 カーニバルでは、使用する得物による有利不利をなくすため、ゴッド・ナンバーズの神器はいったん大会運営に預けられる。

 そうして集められた神器は、メインスタジアムのー角にある特別展示室に並べられるのだ。

 その特別展示室に、ひとりの老人の姿があった。英雄庁の最長老、ポセイドンⅡである。

n10どうしたの、おじいちゃん。神器なんて、見飽きてるでしょ?

n2lXか。見飽きたりなどせんよ。もしやすると、夢が叶うやもしれぬでな。

n10夢?え、もしかしていま、寝惚けて徘徊中?

n2相変わらず口を慎まぬのう。わしの夢はな、12の神器を操るヒーローが揃うのを、この目で見ることよ。

n10ああ、そかそか。同時に揃ったこと、ないもんね。

 最後の神器〈尽きざる蜜の神酒杯(アペイロン・ネクタル)〉が目覚め、ディオニソスXが誕生したのが、十数年前のこと。

 だが入れ違いに初代ゼウスⅠがヒーローを引退。神器〈神王雷霆(ゲラノウス)〉を継ぐ者が現れるまで、しばしの空位が続いた。

 その後、ティタノマキア事変により、ハデスⅣが殉死し、十年にわたる空位となる。

 結果的に、ゴッド・ナンバーズにすべての数字が揃った瞬間というのは、実はー瞬たりともない。

n10神器の共鳴を考えると、覚醒状態で全部揃ったらどうなるか、気になるね。めちゃくちゃパワーアップするかも。

n2さて、今のわしに、その状態を制御できるかの。……ここだけの話だがな、わしは引退を考えておる。

n10えっ、いまさら?じゃなくて、なんで急に?

n2かねてより考えてはいた。いまのわしは神器の力の制御が効かず、威力ばかりが上がり危険な状態だ。

そこへきて、先の英雄大戦、そしてアレス零の就任……。わしの時代は終わったのだと実感したよ。

n10実感するの遅くない?あ、いい意味でね☆でもさ、そしたらⅡの座はどうするの?

n2……その答えが、今回のカーニバルで見られるのではないかと、期待しておるよ。

n10ああ、なるほど。うん、そゆことね。いいね。ぼくもそれ期待してるよ、ホント。いや、そうだね、うんうん。わかるなあ。

n2……わかったふりして話を進めると、後になって悔いることもある。気をつけるのだぞ。

n10あ、はい……手遅れです……。いつも寝る前にわりと死にたくなります……。



TOP↑

story



 ケリュネイアの鹿とは、矢よりも早く動くことができるという、アルテミス神の聖獣である。

 王にこれの捕縛を命じられたヘラクレスは、丸ー年も追いかけ、ようやく捕まえることに成功したという。

n9で、その鹿の役をアンタが引き受けたってわけね。

zそういうこった!さあ、時間内に捕まえてみろよお!できるもんならなあ!

 言うなり、アキレラレウスはアクセルを全開。全速で走り出す。

n9おけまる。エンチャント・アンテロス!

 アフロディテⅨは逃げていくアキレラレウスの背に、人造神器を振る。

zはっはあ!ムダムダ!ペンテシレイアmk2が捕まるもんかよ!

 アキレラレウスは爆走し、全速のまま道を幾度も曲がる。これでどんなヒーローも振り切ることができる。

 はずが――

n9はい、おつかれちゃん。

 どれだけ引き離しても、何度曲がっても、気がつくと前方にアフロディテⅨがいた。まるで行く先がわかっているように。

 それもそのはず。いまの彼女には、アキレラレウスの思考が筒抜けだった。

 返愛の神、アンテロス。想いを通じ合わせるというその神の力が、先のー撃には込められていたのだ。

 アフロディテⅨは、タンデムシートに飛び乗るとアキレラレウスの背に触れ、優しく問う。

n9あーしの勝ち、でしょ?


 ヒッポリュテとはアマゾネスの女王である。ヘラクレスはヘラ神の謀略により、腰帯を奪うだけでなく女王を殺してしまったが――

 この試練では、その轍を踏むことなく、ヒッポリュテ9の腰帯のみを奪うことが最良となる。

 そのために、いかにして配下のアマゾネス・プラトゥーンの攻撃をかわすかが、ヒーローの知略の見せ所だ。

 なにせアマゾネス・プラトゥーンは勇猛なヒーロー部隊である。競技用の人造神器では、単身で制圧など望むべくもない。

 はずであったが……。

z馬鹿な……ぜ、全滅だと……?

n1悪いな、ちょっとだけ本気出しちまった。なに、怪我はさせてねえさ。

 無敵のヒーローと呼ばれた初代ゼウスⅠ、その再来とも呼ばれる彼の実力は、神器なしでも群を抜いていた。

 その身勝手すぎる性情さえなければ、アポロンⅥと並び、現在最強のー角に名を連ねていただろう。

n1さて、後はお前ひとりだが、どうする?このゼウスⅠと戦うかい?それとも、ゼウスⅠに抱かれたいかい?

z……どちらも御免こうむる。クリアの証だ。持っていけ。


n7ふむ、このパークのどこかに黄金の林檎がある。神話になぞらえているのなら……。


 ***


n7かつての私は、感情を排し、救われる人間の数だけを正義の基準として、ヒーロー活動を続けていた。

その果てにたどり着いたのが、罪なき人々の犠牲を前提とした、プロメトリックとの共闘……。

愚かなものだ。人は、心があるから人なのだ。それを見ようとせずに、どうして人が救えるものか。

 以来、オリュンポリスを離れ、旅をしていた彼女は、ひとつの答えを得た。

n7私は、私のような子供をひとりでも減らしたい。子供の心を守りたいのだ。

 その漠然とした想いを告げた時、アイスキュロスは笑ってそれを讃えてくれた。

 今回、カーニバルに参加したのは、想いをあらたにした自分の力試しだ。


n7それにしても、1stステージといい、謎掛けが多いな。奇妙な場所でクイズをする夢を見ていなかったら、危ないところだったな。

ヘラクレスは天を支えるアトラスに林檎を取ってきてもらった。その間、代わりに天を支えていたという。

ヘラクレスの軌跡をたどるなら、目指すべきは天に近い場所、すなわち、このパークでもっとも高い場所にたどりつく――

観覧車だ!

 というわけで、マスクド・アテナは観覧車に乗った。


 ***


n7……なにもなかったな。

 普通に間違っていた。

n7時間は限られているというのに、ずいぶんと無駄にしてしまった。……だが楽しかったな。

思えば、遊園地に来るのは初めてだ。まさかこれほど楽しいとはな。

……もしかしたら、中になにかあったのに、見過ごしていたのかもしれんな。

もうー度、乗ってみてもいいのではないか?いや、決して楽しかったから、また乗りたいわけではなく。

だが、この観覧車がー周するのにかかる時間はおよそ15分。もしなにもなければ、制限時間がほとんどなくなってしまう。

 マスクド・アテナは悩んだ。かってないほどの懊悩だった。だが、聡明なる彼女は決断した。

n7ダメだ。これは私が乗りたいだけだ。そんな気持ちを、認めるわけにはいかない。

 訣別の意をこめて、観覧車乗り場を見やる。

 そこにいたのは、ゴンドラに乗って彼女を手招きするアイスキュロスだった。

n11いいんだよ……ネルヴァ……余計なことなど忘れて、自分の気持に素直になってもいいんだ。

n7し、しかし、それでは勝負が!

n11ネルヴァ。君は子供を守りたいんだろう?だったら、守らなくてはいけないよ。君の中にいる、子供の気持ちをね。

n7はっ……そ、そうか。私の中の、子供のままの部分が、観覧車を求めているのだ……。ならば!

 ネルヴァは駆け出し、アイスキュロスの待つゴンドラに乗り込み、告げる。

n7ゆくぞ、アイスキュロス!頂点の眺めは、素晴らしいぞ!

 ――その後、ふたりは観覧車を3周し、勢いに乗ってメリーゴーランドも2周した。

 もちろん、試練は時間切れになった。


 ー方で、試練をクリアしていくヒーローたちもいた。


zステュムパリデスの鳥とは、ステュムパロスの湿地に住んでいたと言われる怪鳥です。

湿地に入ることのできなかったヘラクレスは、ヘパイストス神の作った青銅の鳴子を鳴らして、この鳥を飛び立たせ、退治したと言います。

このー帯には、その怪鳥を模した機械が、100体潜んでいます。機械にはセンサーが、とりつけてあり――

ー定以上の音量に反応して飛び立ちます。なんらかの方法で、この鳥をすべて飛ばすことができれば、クリアとなります。

Aなるほど、ルールはわかりました。それじゃ、全力でいきまっす!せ~~~のぉぉぉぉ……。

Vちょっ、マイク!音声さん、マイク切って!早く!大惨事になっちゃう!

 間ー髪、マイクが切られる。ゆえに、オリュンポリスは救われた。

Aだっしゃしょかぁぁぁぁぁぁ!

 大地が震え、環境保全区が揺れる。ステュムパリデスの機械鳥がー斉に飛び立ち、空中で爆発四散した。

Aやった!クリアだ!……あれ?

 そして念の為に耳栓をしていた大会の進行役も、気絶して倒れた。


 ケルベロスとは冥府の番犬である。ゆえに、ハデスヒーローにとって、ケルベロスの使役は基礎にして奥義である。

 ハデスⅣが殉死してより、もっとも巧みにケルベロスを扱うのは、副隊長のハデスA001だというのが定評である。

 つい先程までは、だ。

Eケルベロス・オニュクス!

z……お見事。私の負けです。試練のクリアを認めます。

E勝った……私が、副隊長に……?う、嘘でしょ。手加減してくださったのですよね?

zまさか。全力でしたよ。私の虚をつく、見事な戦い方でした。

 新人研修時代、アレイシアと行った100戦にも及ぶ模擬戦が役に立った。

 アレイシアは力こそ弱かったが、当時から突撃のタイミングは絶妙だった。おかげでハデスヒーローの基礎戦術の弱点に気づけた。

 まだ信じられぬというように呆然とするエウブレナに、ハデスA001は耳を寄せて囁く。

z自信をもってください、エウブレナ。貴方の力は神器だけのものではありません。襲名をお待ちしています――ハデスⅣ。

Eはい……はい、ありがとうございます!


 ネメアの獅子の毛皮は、英雄ヘラクレスの攻撃すらも弾いたため、ヘラクレスは獅子をその剛力で絞め殺したという。

 ヘラクレスは倒した獅子の毛皮をかぶり、無敵の鎧とした。

 ヘラクレスの神話還りが高い防御力を誇るのは、このネメアの獅子の力を発現できるためである。

 だがそれも、神話還りの力次第だ。より強力な神の力を浴びれば――

コリネメア・レオン!

Nティモリア・ケートス!

コリギブギブ。これ以上は防げないって。

Nや、やりましたわ!これで4thステージ進出ですわね!

コリいやあ、まさかネーに負けるとはなあ。ヴァンガードに来てから成長しすぎだろ。

N毎日のようにアレイシアの無茶につきあわされていますもの。これくらい当然ですわ。

コリネーが一人前になって、ウチも嬉しいぜ。

N……前から思っていたのですけれど、あなた、わたくしにだけ言葉遣いが馴れ馴れしくありません?

コリだってアレイシアさんもエウブレナさんも先輩だけど、ネーは後輩じゃん?ウチの方が偉いじゃん?当然じゃん?

Nせめて呼び捨てにしてくださいましなんかむずむずしますわ!


 そして君も――

ハルお~、すっげ~!マジで制限時間内に片付いてるじゃん。

 当然だよ、と君は胸を張る。増加し続けるカードをいつも整理している君にとっては、造作もないことだった。

 大切なのは、使うもの、不要なもの、そして使わないけど大切な思い出の品を明確に区別することだ。

 使わないものは当然処分し、思い出の品は邪魔にならない場所にしまう。こうすることで表には必要なものだけが――

ハルお、時間切れだ。危なかったなあ、魔法使い。ま、4thステージもがんばれよ。



TOP↑

story


n6生まれたばかりの弟に病院で出会った時、私は悟ったのです。この愛らしさを守るために、私はヒーローにならねばならない、と。

Vアポさん、アポさん?3rdステージ、終わったみたいよ?

n6む?おお、本当だ。それでは市民の皆様、私の解説はここまでですが、引き続き、ジャスティス・カーニバルをお楽しみください。

 結局、試合の解説はなにひとつしなかったが、アポロンⅥは大歓声に包まれて退場していった。

Vええ……いいのこれ?とりあえず、残ったのは6人だったみたい。これからが本番だね、こりゃ。

じゃ、そんなところで、おいらもこれで。




 特別展示室では、ひとつの神器が光を放っていた。

 〈見えざる神の二叉槍(バイデント・アイドネウス)〉――ハデスⅣの神器である。

n10うわ、なんか勝手に光りだした。

n2ふふ……あの娘が活躍しておるのだろう。神器め、早く自分を使ってほしいとせっついておるわ。

n10神器もぼくたちも認めてるんだから、さっさとⅣを襲名して堂々と使えばいいのにね。

n2戸惑っておるのだろう。まだ若いゆえな。だが、我らもそうして戸惑いながら、その力と責務を受け入れていった。

n10ぼくがナンバーズを受けたのは、ヤケクソになっただけですけどね。

3rdステージが終わったみたいだ。サボるのも限界かな。じゃあね、おじいちゃん。

n2クリュメノスの娘は着実に進んでいる。我が娘よ。お前はどうなのだ?わしは……信じているぞ。






next






コメント (アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3)
  • 総コメント数3
  • 最終投稿日時 2021/06/01 06:35
新着スレッド(白黒wiki)
注目記事
ページトップへ