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ウィリアム・思い出

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最終更新者:にゃん

ストーリーまとめ


老執事
ウィリアム・ハワード
執事を務める初老の男。
物腰やわらかだが、気品なき者には
厳格な態度を見せる。

思い出1

ウィリアム

お初にお目にかかります。

執事のウィリアムと申します。

以後、お見知りおきくださいませ。


優麗な執事服を着こなす

初老の男性が、

うやうやしい一礼を見せる。


ウィリアム

さて、

ごあいさつも済みましたところで、

それでは……


こほん、とひとつ咳払いをして――


ウィリアム

なんです、その乱れた御髪は。

お召し物も、

シワだらけではないですか!


ウィリアムは、こちらに歩み寄り、

てきぱきと全身を整え始めた。


キャトラ

な、何してんの?


ウィリアム

執事の職務を果たしております。


ウィリアム

主人公さまは、

飛行島の主であらせられます。


ウィリアム

上に立つお方には、

ふさわしい品格が

求められるものです。


ウィリアム

不肖この私めが、

気品と威厳のなんたるかを

ご指導いたしましょう!


キャトラ

大変な人に捕まっちゃったわねぇ、

主人公……


思い出2


ウィリアム

これは、みなさま。

おはようございます。


箒で地面を掃いていたウィリアムが

一礼する。


アイリス

おはようおざいます。

ウィリアムさん、

お掃除なさってたんですね。


ウィリアム

本当なら、掃除専門の使用人に

任せたいところですが……

この島は人手が立りませんからな。


キャトラ

そういうもんなのぉ~?


ウィリアム

はい。大きなお屋敷では、使用人は

役職を分割して担当いたします。


ウィリアム

そして執事は、身の回りの

お世話をさせていただきつつ、

他の使用人を監督するのです。


アイリス

大変な役目なんですね。


ウィリアム

執事の仕事は、お屋敷の品格を

左右いたします。責任重大ですが、

充実感もあるというもの。


ウィリアム

私が来たからには、この島の品格も

どこに出しても恥ずかしくない

ものとしてみせましょう!


思い出3


ウィリアム

みなさま、

ティータイムでございます。


ウィリアムが、

しずしずと紅茶を運んでくる。


ウィリアム

帝国産高級茶葉を用いた紅茶です。

お茶請けにスコーンもございます。


キャトラ

スコーン?


ウィリアム

小麦粉や牛乳で作った焼き菓子です。

さらにクロテッドクリームを

塗りまして……


キャトラ

うっわぁ~! いいにおいぃ~!

おいしそぉ~!


アイリス

まだだめよ、キャトラったら。

ウィリアムさんの

準備を待たないと。


ウィリアム

ご心配なく。ただいま整いました。

さあ、お召し上がりください。


キャトラ

いただきまぁ~す!

はぐはぐはぐはぐっ……

うーん、おいしいぃ~!


アイリス

本当……紅茶も、とてもおいしい。

お上手ですね、ウィリアムさん。


ウィリアム

恐れ入ります。

老骨にはもったいないお言葉です。


ウィリアム

主人にお喜びいただくことこそ、

執事の本懐。みなさまの喜びは、

私の喜びでございます。


思い出4


ウィリアム

うぅむ、どこへ行ったのやら……


ウィリアムが、きょろきょろと

せわしなく周囲を見回している。


アイリス

ウィリアムさん?

何かお探しですか?


ウィリアム

おっと、これは失礼。

お見苦しいところを……


ウィリアム

新人メイドの研修をするため、

待ち合わせをしていたのですが……


キャトラ

その新人メイドさんがいないって?


ウィリアム

そうなのです。時間にルーズでは、

使用人は務まらないというのに……


ウィリアム

見つけたら、

徹底的に教育しませんと!

ええ、厳しく参りますとも!


アイリス

ウィリアムさんの教育なら、きっと

いいメイドさんになりますね!


キャトラ

……途中で逃げ出さなきゃね。


思い出5


ウィリアム

ふむ……


ウィリアムが、

ジッとこちらを見つめている。


ウィリアム

主人公さま。

あなたは不思議なお方です。


ウィリアム

あなたのそばには多くの者が自然と

集まり、日々を共にしたくなる……


ウィリアム

不肖、この私めも、

今やそのひとりでございます。


ウィリアム

ですが……それゆえに迷うのです。


ウィリアム

恐れながら隠してきた事柄を……

あなたにお話すべきかどうか――


思い出6


ウィリアム

おお……!? これは……

なんたる光でございましょう……!


ウィリアム

このウィリアム……これほど燦然と

輝く光を見たことはございません。


ウィリアム

主人公さま……

これがあなたの輝きなのですな。


キャトラ

どう? 隠していることってヤツ、

話したくなったぁ~?


ウィリアム

ええ、あれほどの光の前には、

隠せるものなどございません。


ウィリアム

実は……私は、さるお方の命を承り

この島にまいりました。


ウィリアム

その方……セイクリッド公爵は危惧

されているのです。この島が世界に

どんな影響をもたらすか……


アイリス

じゃあ……ウィリアムさんは、

それを見極めるために?


ウィリアム

はい。この島の主を観察するよう、

公爵より仰せつかっておりました。


キャトラ

ふぅん。で、どうなの? 合格ぅ?


ウィリアム

もちろんでございます。


ウィリアムは、

にっこりと微笑んだ。


ウィリアム

主人公さまは、

この島の主にふさわしいお方です。


ウィリアム

そして……その場合、あなたさまに

仕え、島を正しく導くようにとも、

ご命令をいただいております。


ウィリアム

このウィリアム――引き続き、

あなたさまの執事として、

職務を果たしてまいりましょう!



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