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【白猫】ブライ・思い出

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最終更新者:にゃん
自称天才魔法使い
ブライ・マグマイア cv.室元気
騎士団の副団長を任されている魔法使い。
良家の子息で、豪華な装備を身につけている。





思い出1



bどこまでも青く広がる大空に、悠然と浮かぶ、空飛ぶ島――

なんて雄大な姿なんだろう……まるでボクの未来の姿みたいだ。

今のって飛行島を褒めてるようで、実は自分を褒めてるだけよね?

たぶん……?


bやあ、ごきげんいかがかな。諸君。

え、きげん? 悪くないわよって、それよりアンタは?

bもちろんボクは絶好調さ♪

そ、そう……?

bステキなこともあったしね♪

素敵なこと……ですか?

bキミたちと出会ったことさ☆今日はいい日だね♪諸君もそう思うだろ。フフッ♪

あ、はい……じゃないわよ!アタシはアンタが誰だか聞いたのよ!?

bそうだったのかい?それは失礼したね。

ボクは ブライ・マグマイア !華麗にして至高の天才魔法使いさ!

家名ではなく、親しみを込めてブライと名前で呼んでくれたまえ!

は、はあ……あの、よろしくお願いします。私はアイリスです。

キャトラよ。こっちは主人公。

bああ。よろしくね☆おっと、握手は出来ないんだ。ごめんよ。

え、するつもりなかったけど、なんかあるの?

bボクの手袋は、パパが知り合いの職人に頼んで作ったものなんだ。

手間ひまかけて仕上げた、超高級品だから汚したくないんだ♪

そ、そうなんですね……

bでも大丈夫さ。今手袋を外すから、すこしだけ待ってくれたまえ♪

あ、アイリス……なんかコイツ……めんどくさいわ!

 (言っちゃった……!)


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思い出2



w_Bよいこらせ……どっこいせ……

bこんにちは、レディ。

w_Bれでぇ? やだよぉ。こんなおばちゃん捕まえて。

bさっきから荷物が重そうでしたが、よければこのボクが、お手伝いしますよ!

w_Bあれま。手伝うって、荷物を運んでくれるのかい?

bええ! さあ、いきましょ――ぐっぐっ……お、重い……

れ、れでぃ? この袋には一体、なにが入ってるのか聞いてもいいかな?

w_Bそれは全部食材だよ。おばちゃんの店の料理につかうのさ。

bりょ、料理の食材か……なるほど、重いわけ……だ。

w_B大丈夫かい?店は――ほら、すぐそこだからね。

bま、まかせてくれたまえ!これくらいは簡単なものだよ!

w_B助かるよ。ありがとねぇ。


 ***


bお……重かった……

ハロー♪

bや、やあ諸君! ……ん?なにか楽しそうだね?

ちょっとイイモノが見れたから、気分がいいところなのよ。

bそうなのかい?

はい。さっき、おばさんの荷物を運んであげてましたよね。

めんどうなヤツだと思ったけど、アンタあんがいイイヤツね!

bああ、アレを見てたのか。だけど騒ぐほどのことじゃないさ。

ほうほう。言うじゃない。

bボクは<マグマイア家>の名に恥じない行動をとっているだけさ。

どういうこと?

b弱者とレディには優しく!ボクの家の家訓だよ。

エリートとして、か弱い者を助けるのは当然なんだ。

普通のエリートはしなさそうだけど。

アンタも服汚すの嫌がりそうだし。

b好きじゃないけど、ボクはエリートだからね!

それに、この服はママがお金に糸目をつけずに作ってくれた高級品さ。

ちょっとした汚れなんて、綺麗に拭き取れるよ。

ちなみに、この服のデザインは、あの『メンズナイツ』のモデルにもなった彼が――

そこまで聞いてないわー!



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思い出3



キャトラ、準備はできた?

もっちろん♪さ、気合いいれていくわよ!

bやあ、諸君。賑やかだね。これからなにかあるのかい?

お仕事よ。オ・シ・ゴ・ト。

私たちギルドのお仕事で、森へ魔獣退治にいくところなんです。

b魔獣退治ってキミたちだけでかい?

そうよ。見ればわかるでしょ。

b…………

どうかしましたか?

bうん。わかった。ボクも一緒に行ってあげよう。

え、アンタが? なんで?頼んでないんだけど?

bそんな危ない所へ、キミたちだけで行かせられないよ。女の子には特にね!

は、はあ……?

心配ないわよ。アタシたちは強いんだから。

アンタこそ、そんなひょろひょろで戦えるわけ?

bもちろんさ。ボクは栄光ある騎士団に所属する魔法使い!

それも副団長を任されているんだ。安心してくれていいとも。

アンタ騎士だったの?!それも副団長?!

bああ、わかるよ。なんで団長じゃないのかって言いたいんだろ?

は?……え?

b本当はパパの口利きで、ボクが団長になるはずだったんだ。

でもさ、まわりの嫉妬が酷くて、結局は副団長になったんだよね。

あ、アンタ……

bま、そんなことより。このボクが一緒に行くんだ。キミたちの安全は保証するよ。

そう言われてもねえ……アンタがどれくらい戦えるのかで、話が全然――

bああ、ボクは魔獣との戦いは初めてだよ。

ちょ、ちょっと?!本当に初めてなの?!

b大丈夫さ! だってボクにはパパとママからもらった。この装備があるからね!

杖も装飾品も……とても強い力を感じるわ……

bそうだろうとも。これを使いこなすには、天才のボクでも苦労したからね。

でもこれで、キミたちの心配も杞憂だったってわかっただろ。

さあ、キミたち。準備が整ったら。魔獣退治に出発だ!

……い、いつの間にかしきられてる!!?



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思い出4



b……よし、大丈夫みたいだ。だけど、注意は怠らないでくれ。

え~っと……うん。

bそれから、疲れた時は遠慮しないで言う事だ。いいね?

……はい。ありがとうございます。

bさあ、慎重に進むとしよう。

って、なんでアンタに仕切られてるのよ……

bそれは騎士であり、天才であるボクが一番の適任だからさ。

でも、これはアタシたちの仕事なんだけど?

bもちろんさ。だけど危険なことを知っていて、放置はできないよ。

……ああ……そう。

……キャトラ。

わかってるわよ……だから断れなくて、ちょっと困ってるんだし。

純粋に、私たちを心配してのことだものね……

っ!? 気をつけて!そっちの茂みになにかいる!

bキミたち下がるんだっ!ここはボクの華麗な魔法で、片付けてやる!

さあ、でてこい魔獣めっ!!このボクが相手だ!

いくぞっ! この天才の魔法で、吹き飛ぶが良い!!!

<ブライが杖を振るうと、魔法の光がほとばしり、現れた魔物を包んだ! しかし――>

bえ……生きてる? そ、そんな!

今よ主人公!やっちゃいなさい!

――!

bな! つ、強い……ボクの魔法でも倒せなかったのに……

いや、それより倒せてよかった!キミもイイ連携だったよ!

ま、アタシたちの実力なら当然ね。

これで依頼は完了だから、早く帰りましょう。

bうむ。そうだな。さっそく凱旋といこうじゃないか。

b…………。


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思い出5



あれ……ブライよね?

そうみたいね……なんだか真剣そうだけど……

bまだた……もっと……もっと魔力をこめるんだ! 限界まで!

気合いより前に、集中しなさいよ。

でも、あまり魔力を込めすぎると、危ないですよ?

bっ!?き、キミたち、いつからっ?!

ちょっと前からかしらね。アンタは特訓中かなにか?

bな、なにをいうんだい。天才のボクが特訓なんてするはずないたろ?

じゃあ、さっさのはなんなの?

bあれは……そ、そう!新しい魔法を試していたのさ!

ふ~ん。新しい魔法ねえ……で?なんでわさわざごまかすわけ?

bご、ごまかしじゃ……

はいはい。なんかあるなら相談にのるから。

ちょっとキャトラ、少し強引よ……ブライさんにも事情はあるんだから……

b…………

……すまない。さっき言った、新しい魔法っていうのは嘘なんだ。でも――

嘘でいいとは思ってない……

……どういうことですか?

bボクは……嘘を本当にしたいと思っているってことさ。

新しい魔法を作りたいわけ?

bそうじゃなくて、ボクは――天才になりたいんだ。

華麗に魔法を操ったり、新しい魔法を自分で作り上げたりする、天才的な魔法使いに……

……天才的な魔法使い……

b……ボクの家はね、魔法使いのエリートの家系なんた。

そうなの?

bああ。パパもママも魔法が得意で、それを誇りにしているんだ。

でもそんな家族の中で、凡人の落ちこぼれがいる。……ボクさ。

……だからアンタ。ごまかそうとしたの?

b……今のボクはこんななんだ。才能も自信ももっちゃいない。

だけどいつかは、望んだ自分になる。それがボクの目標なんだ。

だから、今ここにいるボクはブライじゃない。

言葉通りの天才になれた時――ブライになるんだ。

……天才でなくても。ブライさんはブライさんですよ……

bありがと……でも止めてほしい。そしてどうか――お願いだよ。

このことは誰にもいわないで……

影で特訓してるなんて。ブライ・マグマイアじゃないんだ。

こんな姿を誰かに知られたら、きっとボクはもう。<ブライ・マグマイア>になれないから。




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思い出6 (友情覚醒)



bこ、これ……キミの魔法かい?

スゴく綺麗だ。なんだか癒やされるよ……

ちょっとは落ち着いたみたいね。

bえ……

さっきの張り詰めたアンタじゃ、コッチがやりにくいわよ。

bそれは……申し訳ないことをしたね。

安心してください。私たちは、誰にも言ったりしません。

bほ、本当かい?!

はい。絶対にいいません。それに私たちは今のブライさんも応援しますよ。

bボクを……かい?でも今のボクは、まだ――

人はね、天才も凡才も、誰だって最初は弱いもんなのよ。

それはアンタが尊敬する両親だって、きっとそう。

b……パパたちも……

だから、努力してるアンタのことだって、アンタだって認めてやんなさい。

天才になったアンタだって、今のアンタがいなきゃ、生まれないんだから。

bキミたち……

ありがとう……今のボクも認めるか……

ボクがボク自身から、目を背けていたのかもしれないな……

理想の自分を目指すのは、いいことだと思うけどね。

こんなボクじゃ、パパたちに申し訳ないって、ずっと考えていたんだ……

でも、なんだか少し、前に進めそうな気がするよ。

大丈夫よ。なにかあれば、アタシたちが協力してあげるから。

それが仲間ですから。

b……感謝するよ、諸君。だからここにひとつ、誓いをたてておくよ!

ちかい?

bボクは絶対に、天才と呼ばれる自分になって――

今度こそ、キミたちを助けてみせる!



未来の天才魔法使い

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