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テルミド・バックストーリー【黒猫のウィズ】

最終更新日時 :

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テルミド CV:白城なお
2017/00/00



「ここにいれば誰も傷つけなくて済むもの」


テルミドは闇の中で呟いた。

彼女は争いを好まず、反目を嫌い、ただ平穏を愛した。


誰にも邪魔されない、自分だけの空間――

『闇』こそが、彼女にとって唯一の安らぎの場であり、盲信する『神』であった。


そんな暗闇の楽園に変化が訪れる。

外界で何かがざわめき始めたのだ。


時が経てば、じきに収まるだろう――そう高をくくっていた彼女であったが、

喧噪は日に日に激しさを増すばかりだった。


「私の世界を壊すのは誰?」

あまりの物音に恐怖さえ覚えたテルミドは、正体を確かめるべく、自らの殼を破り外に出た。


重い扉が軋みながら動くと同時に、隙間からは眩い光が滑り込んでくる。

久しぶりに感知する光。その刺激が目に、心に染み入る。


安らぎを奪う者の正体を目の当たりにした彼女は驚愕する。

その物体は敵であるどころか、慈しみを降り注いできたのだ。


そう感じた瞬間、彼女の瞳からは訳もなく涙が溢れていた。

殼に閉じこもることで幸せになろうとしていた彼女にとって、何故かその存在は救世主とさえ映ったのだ。

心に巣食っていた闇が、えぐられるように溶け、心髄に光が差し込んだ。


「どんな気持ちがする?」


物体が放つその閃光は、彼女にそう問いかける。

こうしてかつて味わったことのない幸福感に包まれた彼女の観念は、一瞬にして崩壊したのだ。


自分を幸せにすると確信していた孤独が、こんなにも自分を苦しめていたとは……

それに対し、目の前で輝くだけの木偶の坊はどうだ?

自分に与えられた単純な作業を嬉々として行っているではないか?

そこには充実感という名の粒子がほとばしっていた。


「受け入れよう……この新しい価値観を」


だがその光明は非情にも予期せぬ行動となって反射する。

抱かれに向かう者たちは、巨神が放つ来光により消滅していたのだ。


目に染みる閃光――辛うじて命拾いはしたものの――それにより彼女は肉体的な盲目となってしまう。

光を得たことで、光を失ったのだ。


孤独な囚われ人へと回帰した彼女の脳裏に、視界を失ったことで以前より激しい邪念が沸々と浮かんでは消えていった。


「これが裏切った者への報いなの?」


混沌とした思考は執念となり、“心の目”を生み出した。

そして分身となった瞳に彼女は問いかける。


「これでいいの……これでもう、誰も傷つけない」





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