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【白猫】シュガーリィホーム Story1

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最終更新者:にゃん



目次


Story1 お菓子の家

Story2 れっつくっきんぐ!

Story3 おかしい廊下

Story4 デコチョコ!

Story5 グラグラチョコロード!

Story6 チョコクッキー!

Story7 声の主



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story1 お菓子の家



<森の奥のお菓子の家に捕らわれてしまった三人だったが――>


nチョコを作れば、お菓子の家から脱出できる?いったい、どうして……

s――来る。

pあっ。エレノアさん、シーッですよっ。

<さあ、今日もお菓子の家を作っちゃうわよー♪>

nな、なんです、この声は?どこから……

sべつの部屋から、拡声されてるの。

n(学園放送みたいなものかな)

<私の自慢のお菓子の家もとうとう完成間近ね~♪>

n私の……つまり声の主は、家の主人ですか。

sそう。私たちを閉じ込めてる張本人。

nあのう、おうちの方。なぜ私たちを閉じ込めるんです?

<もうすぐバレンタイン!!!

なのに、チョコが完成してない!ああ、猫の手も借りたいわ!>

nまさか、そのチョコって……

sお菓子の家みたい。

nなんてスケール……!

<結婚してからはじめてのバレンタイン、今までよりずっと甘々にしたい!

チョコ好きの彼もひっくり返るくらいに!>

n手伝ってほしいなら、そう言ってくださればいいのに。

<それが出来たら、苦労しないわ!>

pどういう意味です?

<…………

さあて、次に作るお菓子はぁ~……!?>

p無視されました。

nき、きっと聞こえなかっただけですよ。

<どん!チョコのランプよ♪>

n壁のチョコレートが溶けて、文字に……

sその文字は、料理のレシピ。

pワタシたちはこの流れ、エレノアさんが来る前にー度経験してるんです。

s壁のレシピらしきものに従って、チョコのお菓子を作ったら……

別の部屋への扉が現れたわ。

n……なるほど。だから『チョコを作れば、お菓子の家から出られる』と。

sチョコを作って前進していけば、いつかは外に出られるかもしれない。

pもしくは声の主と会えて、直接交渉できるかも!どちらにせよ……

nお菓子の家用のチョコを作ることこそが、脱出の鍵ということですね。

s協力してくれる?

nもちろんです。

sありがとう。

<さあさあ!れっつくっきんぐよ!>


pではエレノアさん、こちらをどうぞ!

nこれは?

s備品の調理服。チョコが跳ねるから着た方がいいって、アナウンスが。

nなるほど。ありがたく着させてもらいましょう。


nよし、準備万端です。チョコづくり、開始しましょうか♪


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story2 れっつくっきんぐ!



pエレノアさん、この台を見ててください。ポチッ。

n溶けたチョコがわき出て……

sチョコの泉。お菓子を作るとき、このチョコをもらうの。

n定石があるんですね……!なるべく早く覚えます!

pはじめは頼れる先輩に任せて、気楽にしていてくださいね!

nありがとうございます!がんばります!

pキッチンを見て回ってますね。気楽にといったのに。

s真面目な人。確認の邪魔しないよう、静かにくっきんぐしましょうか。

n(オーダーは<チョコのランプ>か……簡単なレシピも書かれてる。

土台はタルト生地で作るんだ。バターと砂糖、卵を……)

pタルトってなんですか?

s強そうな名前。

n(これ、オーブン!?大きい!)

sオーブンから、いつ出す?

pまっくろになってれば、確実に火が通ってます!

n(他の調理器具も、家づくり用の巨大サイズだ……扱いが難しそうだな)

pこれは、ハンドミキサーですか。と言っても、ワタシの体くらいありますが……ポチッ。

nなんです!?どうしました!?

pわあああああああ!!

nエプリルさんがグルグル回ってる!?

pミキサー、止めてくださいいい!

n手を!手を放してください!

sあっ!

nきゃあ!チョコで、部屋が、わあ!

pガビビビビビ!

s感電……!?チュロスから何か流されてる……!

p……ゲボ……たすかりまし夕……

sでも、チョコは助からなかったみたい。

n…………

pあの……ごめんなさい……

nい、いえ……

普段の料理とは勝手が違いますから、こういうことも……!

pワタシ、料理の意味自体、よくわかってなくて……

nえ?

pアンドロイドは、食事をしなくても大丈夫なので。ワタシには味覚もインストールされてません。

でも、前に作ってみたことはあったし、先輩なので、見栄を張っちゃいました。

s私も、簡単な料理は家族から教わってるから、力になれるかと思ったけど……

経験がないと、人は無力ね。お菓子作りは特に。

<ダメ!こんなのお菓子の家にふさわしくない!>


n飛び跳ねたチョコやオーブンの中身が、家に溶けて消えちゃいました……

pなんとこの家、自動で清掃するシステムが搭載されてるんです。すごい技術でしょう。

sエレノアが来る前にも、散々清掃してもらった……

pが、がんばってるんですよっ。本気で……!

n(もしかして、このお二方にチョコづくりを任せるのが不安だから、チョコで私をおびさ寄せたのかも……?)

pと、とにかく、すぐに作り直しますので!

nあ、待ってください!

s

p

n次は私もお手伝いさせてもらっても?

s助かるわ。

pいっしょにがんばりましょうっ。


…………

……


nあとは、飴細工をかぶせて……完成です。

sできた……すごい……!

pや、やりましたあ!

<また完成に一歩近づいたわね♪>

p家主にも満足してもらえたみたいですね。

<今日中に全部終わるかも!そしたら彼を呼んで~♪>

sエレノア、手際が達人だったわ。

nそんなことは……!

pほとんどやってもらっちゃって、先輩としてふがいないのです……

s――あっちの壁が溶ける。

n奥に道が……これで、先に進めるわけですね。

p行きましょう。家主の気が変わって、道が消えないうちに。



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story3 おかしい廊下



pどうしたんですか?悩みがあるなら、頼れる人に相談するのも手ですよ?

s(この子、頼られたいのね。心の声が漏れ出してる)

nその……ずらりとチョコの引き出しが。中はお菓子の材料でいっぱいです。

s本当ね。カカオだけでも、たくさん。

n香辛料なんかも!ナツメグに、ショウガ……

pあのっ。こちらは瓶も並んでますよっ。ジャム、ハチミツ、キャンディ……

n本当ですね!すごい!

pすごいですか!そうでしょうっ。

sエレノアってお菓子が好きなのね。

nはい♪囲まれてるだけで、わくわくしてしまいます♪

<お菓子で家を作る――

最高のアイデアだと思わない!?>

nわかります……!

<もちろん食べてもちゃんとおいしい♪>

nたしかに美味しかったです。すごいですね♪

pすご……っ!?

s食べたの?

nちょ、調理のためにですよ!?つまみ食いでは……

s咎めたいわけじゃないわ。危険かもと思って。

<もちろん、食あたりなんて起こさないようにしてあるわ。

最後は私と彼で食べるんだもの。愛のー工夫で、いつでも美味しくしてあるの♪>

pワ、ワタシの解析でも、お菓子に成分劣化は見られませんでしたよっ。安全かと思いますっ。

nそういえば、チョコを食べるたびに疲労が薄れるのを感じるんですよね。

s(何度も食べたのね)

n森で擦った傷も消えてますし……回復効果があるのは間違いないかと。とてもすごいチョコの家です……♪

p(むむむ……このままではエレノアさんの尊敬を奪われてしまいます……!)

pあ、あのっ。天才の分析によるとですね……わあ!

sエプリルがチョコ床に吸い込まれた……?

nどうしましょう!?

s移動している音が聞こえる――そっちの壁。

nだ、大丈夫ですか?壁からニョキっと生えちゃってますけど……

p大丈夫ではないでしょう。壁からニョキっと生えちゃってるわけですから。

<んー、この装飾は合わないわね~。>

p合わないってなんですか!?勝手に人を埋めといて!

<バカっぽいしな~。>

pバ!?

<彼は、私と同じくらいチョコにこだわりがある人だから。

もっと彼っぽいイメージ追及しなくちゃ……>

p壁から吐き出された……バカって言われた……

nあ、あの、えっと。

p無視された……尊敬もとられた~……っ!

sエレノア、たぶんエプリルの心は、褒めてはしがってる……

n褒める……き、気にしないでください。エプリルさんは、ええと、立派ですよ。

p……立派に先輩できてますか……?

n先輩……?あ、はい!できてます♪

p天才ですか……?

n

s

p皆さん、こんなところでめげてはいられませんよ!

さあ、かしこいワタシの後に続いてください!

nチョコまみれでニコニコ歩いていっちゃいました。

s元気な子、私の妹とは違うタイプの元気。

n妹さんが?

sええ。早く探し物を終わらせて、会いに戻りたい。

nおばあさんからの頼まれごとでしたっけ。

s<甘い思い出>。きっとお菓子の家の中にあるわ。だってお菓子って、甘いもの。

nな、なるほど。

(甘い思い出って、恋の話かと思ったけど……)

pお二人とも~!なにやってやがるんです~!

sいま行く。



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story4 デコチョコ!



<彼には、バレンタイン関係なく毎日チョコをあげてたけど……>

p部屋について早々、のろけ話ですか?

s(どの部屋にもキッチンがある。不思議な家……)

<最近は彼、忙しくて。新婚生活のために、いっぱい稼ごうって張り切ってるの。

だから久々に上げるチョコは、最高のものにしてあげたいんだ♪>

pいや、限度があるでしょう。

<さあさあ!れっつくっきんぐよ!>

s次のレシピが壁に。

pテーマはデコレーション。アレンジ自由……ですか。

n自由にやっていいのなら、むしろ楽かも……

お二人とも、どうしたんです?

pいえ、その、さっき……

nもしかして、先ほどの料理で失敗したことを気にしてます?

s

p

nでは、せっかくですし各々で好きにデコレーションを作ってみましょうか!

pええっ?ワタシたち、足手まといでしょうか……?

nお二人は、料理は嫌いですか?

pそんなことはっ。料理は発見の宝庫で、楽しいです。

s私にとっては、家族と過ごすひととき。作ってるだけで、温かいと感じる。

nなら、もっと楽しまなくては損です。私は皆さんと楽しく料理したいな。

sやってみる。だからサポートしてほしい。

p今度はうんとすごいもの、作ってみせますので!


…………

……


nふう。チョコの花びら完成。あとはコボーを足して……?

シオンさん、ワッフルを焼いてたんですか?美味しそう。

sひまわりみたいな形、妹が好きで。たまに作るの。

これに、チョコで顔を書いたりとか、どうかなって……

nいいと思います♪

sどうしたの?

pチョコ味の飴細工を作ろうと思ったんですけど……

握りつぶしちゃいました。

s粉々……でも、きれい。

nたしかに。重なって、カラフルな飴の層が鉱物みたいですね。

p言われてみると……ハッ。これをトロトロチョコの上にのせて……!

n海の中みたいで素敵です♪

p……えヘヘ……♪

<うんうん、どれもいい感じ♪

キレイな装飾、彼も喜ぶわ♪それに、きっとおうちも喜んでくれてる♪>

n(お菓子の家を本当に大事にしてる……やっぱりこの人、悪い人ではない気がする)

n扉が現れました。向こうは……また廊下が続いてるようですね。

pやはり、外へ出してはもらえないですか。これはもう、家主に直接交渉すべきなのかもしれません。

nこ、交渉するにしても、手荒な真似はやめましょうね。きっと話し合える人だと――

sひび割れの音……!下がって!

n板チョコが折れて、シオンさんが床下に……!

pワタシのレーダーなら追えます!ついてきてください!




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story5 グラグラチョコロード!



pわあー!グミが転がってきますー!

nマシュマロをクッションに……!きゃあっ!

p大丈夫ですか!?

nなんとか……あ!シオンさんいました!あそこです!

sマカロン、てごわい……

pて・ん・さ・い・ぱわぁー!

s浮いてる……?

p重力を操作しました!早くこちらに!

s助かったわ。二人ともありがとう。

n助けられたのは私たちです。声をかけてくれなければ、三人で真っ逆さまでした。

<急げ!急げ!バレンタインが始まっちゃう!

この家は完成させてあげたい!愛情込めて作ったんだから……!>

s家中で、ひどい音……

pレーダーを見るに、部屋を丸ごと移動させてるみたいです。

<音声日記、一旦終了!>

n音声日記?放送を録音してるんでしょうか。

p科学者はよく実験記録をつけますが、それに近いのでは?

nお菓子の家の作成記録、ですか。

s固い音……あそこ、たぶんお菓子じゃない。飛び移りましょう。

pよっと。どうやら家の骨組みのようですね。

nこの手触り……金属、でしょうか。

pふむ……このお菓子の家、ルーンエ学を土台に作られているようです。

表面はお菓子ですが、基部は金属。この家は機械仕掛けと言えます。

sそうなの……うっ。足を怪我されたんですね。チョコをつまんでみてください。ん……本当に痛みが引いたわ。

p仕込まれた自己治癒プログラムが、副次的に回復作用を生み出しているようですね。

そんなプログラムを組んで、半永久的に腐らないお菓子の家を作るとは……家主は相当な天才ですよ。

アナウンスさん、アナタいったい何者ですか?

<…………>

p無視されました。

nた、たぶん席を外しているんですよ。

sいいえ、声の発信源は同じ部屋から徴動だにしてない。

nえっと、きっと事情が……

p微動だに……ですか。

(もしかして……)

sこの骨組みを伝っていけば、声を拡声してる部屋ヘー気に近づけそう。

家主は私たちが近づいても逃げる気配はない……

会いに来るのを待ってるのかも。

pだったら会いに行くまでです。

出してもらうついでに、疑問にも答えてもらいましょう。



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story6 チョコクッキー!



nす、すごいデザインの部屋ですね。バターをくり抜いたみたい。

p成分を分析するに、その通りかと。ワタシたち、バターの中にいます。

sこの部屋、調理道具が揃ってない。さっきの改装が原因かしら。

<ええー!?>

nsp

<うそ、人が玄関の前に……彼が来ちゃったの!?

この場所は秘密のはずなのにー!どうしよどうしよ!

p彼が来たということは、ワタシたちもお役御免なのでは?

nうれしいですけど、すこし、完成を見届けたかった気も……

s壁を見て。

残念だけど、オーダーはまだあるみたい。チョコクッキーの、柱……

nク、クッキー!?このサイズの、ですか……!?

(冷やすとき生地が割れてしまう。温かい状態で空気が入らないよう処理して、牛乳でヒビを埋めて……

だめ、計量を見極められないし、器具も足りない!

どうすれば……でも、経験者の私がちゃんとしないと……)

s大きいクッキーって、大きくないとダメかしら?

nえ?

s大きな花畑だって、ひとつひとつの花から作られてるでしょ?

nあ……!普通サイズのクッキーを積み重ねて、チョコで接合すれば……

sただ、この部屋の調理器具でどこまでできるか……

pないものは作っちゃいましょう。簡単な道具なら、ワタシのメモリから設計図を出力できるかと。

sじゃあ、まず必要なのは……

nありがとうございます。

sp

nお二人のアイデアは、私一人ではとても思いつけなかった。

一人なら、この部屋から先には進めなかったと思います。

pそ、そでした、先に進むために料理するんでした……!

sえ?

pその、料理、楽しくって、ちょっとだけ目的を忘れかけちゃってました……

s私も、いっしょに色々考えるの、好きみたい。

n……料理は楽しまなくちゃ。自分の言葉でしたね。

楽しみましょう!巨大クッキーづくり!


nオーブンの予熱は高めにお願いします!

pどんどん作りましょう!バターは壁から直接取り放題です!

sそろそろ置き場が足りなくなる。

p私のパワーで積み上げちゃいますね!

n焼けてきた……いい匂い……!

sチョコレートでコーティングして……花の形のクッキーをつけて……

pフフン、シオンさん、鼻の頭にチョコがついてますよ。

sエプリルはバターまみれ。

pええ!?

nふふふ♪

sこんな感じで、どうかしら?

<また完成に一歩近づいたわね♪

今日中に全部終わるかも!そしたら彼を呼んで~♪>

n彼は、家の前にいるのでは?

<ああ、もう!来ちゃった以上は、中に入れるしかないか!>

s(……なにかしら、この放送の違和感は)

p扉が現れましたよ。

s声の発信源は、すぐそこ。

n……いよいよですか。

<ああ、もう!来ちゃった以上は、中に入れるしかないか!

完成まで秘密にしておきたかったけど、ネタばらしね。

ハッピーバレンタイン、ダーリン!>



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story7 声の主



<とても……とても残念なお知らせがあります。>

s声は、扉の向こうから。

p開きますね。

nー際かわいらしい内装ですが……声の主は?

sあそこ、のはずなんだけど。

p……見当たりませんよ?

<こうやって喋るのも、これが最後になるでしょう。>

n私、あちらを見てきます。

<もうお菓子の家を作ってられないの。>

sこのチョコから、声がする。

pチョコの中に人が?そんなわけ……

<玄関前に来てた人は、ママだった。緊急の用事で……>

pこれ、音声の記録端末です。

s声を残すための機械ということ?

p……やはり、そういうことだったんですね。

<彼がケガをしてしまったって。きっともう二度と歩けないって……

これからは私が、いつもそばで支えてあげないと。

でもそうなると、この場所には通えない。彼を連れてくるにも、遠すぎる……ぐすっ……>

nあちらで手帳を見つけました!持ち主の名前もあります!

<もう行かなきゃ、マイスイートホーム。私の宝物。あなたを完成させてはあげられなかったけど……>

s名前は……

メルチ……!?

<きっと<甘い思い出>になってあなたは私の中で生き続けるわ。

ありがとう。

さようなら……>

完成、させてあげたかったな……

メルチの音声日記……終わり。>

s甘い、思い出……

nま、待ってください。混乱しています。

その、メルチさんが、声の主の正体?お菓子の家の主人?

でもその方は街にいるんですよね?

sええ。声の年齢も全然違うわ。

nでは私たちとずっと話してたのは誰です?

お菓子の家の魅力を私に語ってくれた、あの相手は……!?

録音にしては、あまりに……!

pコミュニケーションがとれてました。ん?

pワタシがアナウンスに無視されたり、邪魔されたりするときには、法則がありました。

n法則?

p図らずも、声の主の正体に言及しょうとした時だったんです。

「アナウンスさん、アナタいったい何者ですか?」

「…………」

pロジックエラーが起きそうになると、アナウンスは沈黙する。その問いには答えたくないというように。

sもしくは、自分が何者かわからなかったのかも。本来、心が宿るものではないから……人形と同じで。

n……つまり、こう仰りたいのですか?

お菓子の家が、放送を流していた張本人だと。

p

n家に……心が……?

pこの家は本来、知能が備わるような設計にはなっていないはず。ですが……

流されるアナウンスはー貫して『家を完成させよう』というものでした。きっと自分を完成させてほしかったからです……

また作ってもらえるのを、森の奥でずっと待ってたんですよ……!

s心があるといいと思う……でも……本当のところは確信が持てないわ。

お菓子の家の心は、まだー度も<共鳴>で捉えられてない……

けれど、メルチさんの声に宿る、強い<思い>の残響は、たしかなものだった。

大切な人のため、最高のプレゼントを。

n夢の詰まった、すばらしいお菓子の家を……

s私は今、その叶わなかった望みを叶えてあげたいと、思ってる。

nお菓子の家を、私たちで完成させると?

s

p賛成!大賛成です!お菓子の家も、それを望んで――

n実は私たち、すごくピンチだと思うんです。

p

n家主が存在しないとわかって、脱出のアテが消えたわけですから。

pそ、そでした。

nでも私たち、お菓子を作ろうとしてる……ふふ。

sちょっと、呑気かしら。

p私たち、ということは……

nもちろん、協力しますよ。私、このお菓子の家にはー目惚れしてるんです。

私の世界では望むべくもなかった、夢のような、幸せの形……完成した姿を見てみたい。

だから、おばあさんのためにも、お菓子の家のためにも……私のためにも、えヘヘ。是非お手伝いさせてください

pやりましょうっ。叶わないはずだった願い、いっぺんに叶えてみせます!



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