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ミネバ・クロード

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ミネバ・クロード 明坂聡美


バックストーリー


ミネバにとって、「戦う」ということは、生まれる前からの宿命だった。

最強の竜と契約した竜人クロードの末裔として、

ミネバは常に「最強である」ことを証明し続けなければならなかった。


幼い頃から、厳格な両親の過酷な特訓を受け、数々の武術と魔法を叩き込まれた。

食器の使い方よりも先に武器の扱いを伝授され、子守唄の代わりに魔法の詠唱を覚え込まされて育った。


「クロード一族は、誇りある竜人の血族。決して『弱さ』を見せてはならぬ。

クロードの血肉は『強さ』のみにて形作られておらねばならぬ」

父は、いつもそう言っていた。


「だが……ミネバよ。だからと言って、『誇り』を失うこともあってはならぬ」

「誇り……」

「強いだけでは獣と同じ。真の強者は、気高い誇りを抱いておらねばならぬのだ」

父は、自負に満ちた笑みでミネバの肩を軽く叩いた。

「弱者を侮らず、見下さず、侮蔑せず、しいたげることなかれ。

我らは弱きを支配せんとする欲のために強さを求めるのではない。

『誇りある強さ』……それこそを求める一族なのだ」


質実剛健なる教えに従い、ミネバは気高く凛然たる竜人として成長した。

そして、2人の弟とともに武者修行の旅に出た。

クロード3姉弟は各地で武功を立て、その強さを世に知らしめた。


そろそろ別々に旅をしてもいいだろうと、うなずき合って3人は別れた。

1人になってなお、ミネバは圧倒的に研ぎ澄まされた力で各地の強者を下していった。

しかし、打ち勝ちはしても、その財産を奪ったり、隷属を誓わせることはなかった。

彼女は、強さを証明できさえすればよかったのだから。


いつしか『雷鳴の竜魔』の名は広く轟き渡っていた。

『雷鳴の竜魔』こそ今代最強の竜人であると、人々は盛んに噂しあった。

少し恥ずかしくはあったが、一族の末裔として、誉れが高いに越したことはない。

どこぞの武器商人との契約の話だの、どこぞの王との結婚の話だのを丁重に断りながら、

ミネバはさらなる高みを目指し、旅を続けた。


だが――そんな彼女に、試練が降りかかった。

誇りある力のほとんどを、突如として失ってしまったのだ。


理由はわからない。多少の竜力こそ残っていたものの、

とてもクロードの血族を名乗れるほどのものではなかった。

これまでずっと、自らの力に確固たる自負を抱いてきたミネバにとって、

それは奈落に突き落とされたような戦慄であり、衝撃だった。


 「取り戻さねば……クロードの一族にふさわしい力を……!」


力を失った時に出会った幼い女の子、アニマを守りながら、ミネバは誓う。


驚くべきことに異界からの来訪者だという、

黒猫を連れた魔法使い――その助力がなければ満足に戦えない。

悔しいし、一方的に頼ってしまって魔法使いに申し訳ないが、今はそうするしかない。


力を取り戻すべく、魔法使いとともに強敵に挑みながら。

必死の思いを抱く一方で、ミネバは、新鮮な驚きを覚えてもいた。


信頼できる誰かと、力を合わせて戦う――

それは、彼女にとって初めての体験だったのだ。


悪くない――そう思う自分がいることにこそ、彼女は驚いていたのだった。

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