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クオン・リムセ

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クオン・リムセ CV:
2017/00/00


クオンは、和ノ国で最も高い山――『富嶽』を目指し、夜の樹海を歩いていた。


『ずいぶん回り道をするものだ』

クオンの周囲を浮遊する、胴の長い狐が言う。

「敵の居場所がわかっているのだから、まっすぐに向かえばよいものを』

「方角が悪かったの」クオンは、ぴしゃりと言った。「凶兆の方角を避けながら目的地に向かうは、陰陽の基本よ。何度も教えたでしょう、ヤスナ」

『興味のないことは聞き流す主義だ』狐は、くつくつと笑う。『行く先に災いが待つならば、それごと敵をねじ伏せるまで』

「あなたたち物の怪なら、それでいいでしょうけどね」

『今はそなたも物の怪……我ら真狐の眷属だ。忘れたわけではあるまい』

「当然よ」


クオンは右手を持ち上げ、じっと見つめた。


「私が授かった、古の真狐の力……使いこなせるのかしら……」

『九尾に達した真狐の力だ。並みの人間なら、宿した時点で身体が砕けている』

からかうように、ヤスナ。

『当代最高の陰陽師と称されるそなたなら、扱えよう。そう信じたからこそ、一族の力を托したのだ』

「確かに、真狐の力があれば十二天将の招来さえ可能でしょうね。そうまでしなければ、勝てない敵だということ――」

『少なくとも』


ヤスナが空を見上げる。

樹海では、夜空のほとんどが木々に隠されていたが、それでも月を見ることはできた。

――大きい。

常の数十倍はあろうかという大きさの月が、夜空に浮かんでいる……


『「月を塵とす」などという与太話を実現させる程度の力はあるらしい』

「信じがたいわね、異国の妖狐の力というものは……」

『和ノ国の物の怪が劣っているわけではないからな。その者が異常なだけだ』

やや不機嫌になるヤスナの頭を、クオンは軽くなでる。


「人間のためにも、物の怪のためにも、月を落とさせるわけにはいかない。止めてみせる……必ず!」

『月が墜ちては、月見酒を味わえなくなる。それだけでも戦う理由になるというものだ』


人間と物の怪と――異なる種族の、それぞれ至高の力を併せ持つ少女は頼れる相棒と共に決戦の地に向かっていく。


月が墜ちるまで、あと――



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