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ザラジュラム(魔)

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ザラジュラム CV:
2017/00/00


――その堕天使のゆくところ、あらゆる事象がねじ曲げられる。

陽は陰に、善は悪に。

生は死に、聖は邪に。

祈りは呪岨に、慈悲は憎悪に――

貴き天界より唾棄すべき魔界へと堕ちた彼の存在そのものが、世界の法則を歪め、あらゆるすべて

を貶めていく。


彼にとっては、破壊も殺戮も蹂躙も、退屈をまぎらわせる戯れに過ぎぬ。

戯れに降臨し、戯れに街を焼き、戯れに騎士団を難き払い、戯れに国を滅ぼす。

命乞いほど無意味なことはない――どんな希望も、彼の前では絶望に歪められるのだから。

それでも時折、彼の“盃める力”に屈することなく、希望を抱いて立ち向かってくる者たちもいる。

彼は、そういう者たちと戦うことを、ことのほか好んだ――特に、どのくらい痛めつければ意志が鈍り、絶望に堕ちていくのかを観察するのが好きだった。


そんなことを延々と繰り返していた、ある時――

彼は、ある女性を見つけた。


清らかにして高潔なる魂を持ち、人々に慕われ、争いを収めていく美しき聖女――

彼の眼は、いずれ彼女が世界を救うであろう、というさだめを見抜いた。

で、あるならば――そのさだめを歪めれば、いずれ彼女はなんらかの形で世界に滅びをもたらすようになるだろう。

時には、そんな戯れも悪くない。


彼女をさらい、聖女の伴をしていた竜を軽くひねりつぶしたところで、彼は気づいた。

力あるものたちが、自分を止めるべく追ってきていることを。


「ほう……」


堕天の魔神は薄く微笑み、追い来る彼らを待ち受ける。


「向かいくるか。喜ぶがいい――おまえたちが俺と戦う、そのわずかな時間だけ、世界の滅亡を遅らせられるのだからな……」


……ただ、ひとつだけ、堕天使にも誤算があった。

驚くべきことに、この聖女は、ある邪神と契約を果たしており――

そしてその邪神は、彼女を取り戻すべく堕天使を追っていたのだ。


――その堕天使のゆくところ、あらゆる事象がねじ曲げられる。

今――世界にあだなすべき邪神が、世界を滅ぼさんとする堕天使に、敢然として挑もうとしていた。





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