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【アナデン】魔法教室の問題児 Story

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最終更新者:にゃん


魔法教室の問題児

地下牢の秘密

偉大な魔法使い


魔法教室の問題児



「みなさんそれでは今日は森で悪い魔物に出会ってももうへっちゃら!

実践撃退魔法をお勉強しましょう。」

「「「は~い!」」」

「ポイントは先週習った魔力放出の応用です。いいですか?こうですよ。

「おお~~~~ッ!!

「じゃあみなさんも早速練習してみましょう。

「「「は~い!!


「たいへんよろしい。マリエッタはちょっとひねりが足りませんね。

反対にアビゴールは妙にツイストを利かせすぎです。もっとまじめにやりなさい。

じゃあ各自つづけて練習してみましょう。

「「「は~い!


 ***


「おやあなたは?

「悪い邪魔しちゃったか?見学させてもらってたんだ。

「いえいえ見学者は大歓迎ですよ。

「よかった。でもここの授業って結構本格的なんだな。

「はい……知識だけではなく実践も重視していますから。

ただやり過ぎて魔力不足になってしまう子もいるのが困りどころなんですよ。

「ヘえ……魔力回復薬は使わないのか?

「売っているものは使わないですね。素材から自分で調合して作ります。

最近は消費が激しくて素材となるゴーレムの魔結晶の在庫がないんですよね。

「ふうん……それならオレがその素材を採ってきてやろうか?

「ああ!それは助かります!ぜひお願いできますか。

「任せとけ!


 ***


「先生回復薬の材料もってきたぞ。

「ちょうどいいところに持ってきてくれましたね!

「そんなに厳しい練習をしてたのか?オレが戻るまで待っていればいいのに。

「いえ授業はいつもどおりです。回復薬が必要になるのはあの子だけです。

「ううう……魔力が足りなくてふらふらする~

「まったく仕方ありませんね。練習熱心なのはいいですけどはりきりすぎです。

アルドさん素材をください。魔力回復薬を調合します。

「ぷはっ~あーすっきりした!先生のくすりはマズイけどこうかはばつぐんだな!

「無理はいけませんよ。もう少し休んでなさい。

「ダメダメ!さっきのでコツを掴んだんだ!

次こそ新魔法を成功させるから!!

……はあああああああっ!

「あっ!授業で教えていない魔法を使うのはやめなさい!!

「もう遅いよ先生っ!僕の新魔法のおひろめだ!!

……あれ?なんか魔力の流れがおかしいような……?

うひいいいいいっ!?」

「魔法は危険なんです。もっと慎重に使うようにしなさい!!

今日はもう魔法禁止です。一晩頭を冷やして反省しなさい。」

「おっかしーなー。絶対うまくいくと思ったのに。ふうひどい目にあった……。」


「とんでもない生徒がいるんだな。」

「ええ……本当に才能があって熱心なのはいいんですが。

熱心過ぎるというか暴走気味で心配なんですよ。

魔法は危険な力ですからもっと慎重にゆっくり学んで欲しいんです。

よければアルドさんからも焦ることはないって言ってあげてくれませんか?」

「……うまく言えるかどうかはわからないけどちょっと話してみるよ。」


 ***


「うーん……なんで失敗したんだろ。

お母さんの魔法ってなんかつかいにくいんだよなあ。

あっ!そうか!あそこで魔力をゆるめればいいんだっ!

さっそくためさなきゃ!」

「おいおいさっき失敗したばかりなのにずいぶんやる気があるんだな。

だけどちょっと頑張り過ぎというか焦りすぎなんじやないか?

本当はもっとゆっくりと学んでいくもののはずだろう?

「それじゃダメなんだ!僕はすぐにでも偉大な魔法使いになるんだ!!

そのためにはのんびり授業をしてるヒマなんてないっ!!

とりゃああああああっ!!」

「こ、こんなところで魔法を使う気か!?さっき先生に怒られたばっかだろっ!」

「先生が怖くて魔法が使えるかー!!」


「こらっ!やめなさいっ!!さっき言ったばかりなのに。」

「わっ!先生!?うー……さらばだ。」

「待ちなさいっ!!」


「まったくあの子は……。」

「とんでもない子供だな……。でもあんなに熱心なのは何か理由がありそうだったな。

「ええ……このままでは取り返しのつかないことになりそうで心配です。

アルドさん……あの子のことを気にかけておいてくれませんか?

「ああ……危なっかしいもんな。でもずいぶんと気にかけるんだな?

「……ひいきをしているつもりはないのですが……あの子の亡くなった母親は私の親友でしたから。

「そうなんだ……わかった。できる限りのことはするよ。

「ありがとうございます!また教室の方にも顔を出してくださいね。

「あの生徒……マルークとか言ったっけ……。無茶なことをしでかさないと良いんだけど……。

なんかいやな予感がするんだよなあ。



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地下牢の秘密




「あいたたた……こりゃ腰をやっちまったか。

「おい大丈夫か?なんんだか歩くのも辛そうだけど。

「おう……すまないな。さっき重いものを持った拍子に腰を痛めちまったみたいでなあ。

「今日はもう家に帰って休んでいた方がいいんじゃないか?

「そうしたいんじゃが仕事もあるしのう。

「仕事?そんなに大事な仕事なのか?

「宮殿の掃除じゃよ。そんなにキツくないがかがむとつらいのう。

「掃除か……そのくらいならオレが代わりにやろうか?

「おお……それはありがたい。お願いしてもいいかのう。

「ああきっちりと綺麗にしてきてやるよ。

「頼もしいのう……じゃが気をつけるんじゃよ?

「気をつけるって何をだ?たかが掃除だろ?

「最近宮殿の地下に幽霊が出ると噂があってのう。祟られんようにの?

「ははは!幽霊ねえ……余計に興味が湧いてきたよ。

「ほっほ怖がらそうと思ったんじゃがお前さんも変わってるのう。

「そうか?幽霊が出たらそいつも一緒に掃除してやるから待ってなよ。

「うむ……すまんが頼むぞ。


 ***


「ふぅ……掃除くらいって言ったけどこれだけ広いと大変だな。

でも……これでだいたい終わりっと。あとは地下牢だけだな。

じいさんは幽霊がいると言っていたが……まぁついでにそれも確かめるか。」


 ***



「よし。このあたりも掃除出来たな。ん?誰かくるな。

「ふむ……それにしてもあの魔法教室は大丈夫なのかね?

「あの『事件』以来魔法教室の実力は落ちてきていますからなあ。

「うむ。効果の上がらぬものにいつまでも予算を使うのは問題だ。

「そろそろ閉鎖も考えてもいいかもしれませんね。

「だいたいあのような魔法教室などあの不祥事が起きたときに潰しておけばよかったのだ。

「さよう……ここは子供の遊び場ではないのですからな。


「なんだあいつら……ひどいことを言ってるな。

先生もいい人だし子供たちもがんばってるのに……。

――

「な……なんだ!?

――

「今の音はなんだ!?

もしかして……本当に幽霊か?音がしたのは地下牢の中だよな……。少し調べてみるか。


「よーしっ……次はもっと強い魔法の練習を……。

「おまえは前に魔法教室で魔法を暴発させた問題児か!こんなところで何を!?

「わっ!?この前のお兄さん?

あー見つかっちゃったか……。

「こんなところで何をしてるんだ?さっきの音はなんだ?

「それは……えっと……。気のせい?

「正直に話せって。内容によっては見逃してやってもいいぞ?

「うーん……しょうがないなあ。お兄さんには特別に教えてあげるよ。

その代わりほかのヤツには秘密だからなっ!男と男の約束だからなっ!

「わかった。男と男の約束だな。

「僕はここで魔法の練習してたんだよ。

「そんなことだろうとは思ったけどなんでこんなところで?

いくら地下牢だからって何か壊したりしたらどうするんだ?

「大丈夫だよ!牢屋にはねえ。捕まえた人が魔法で逃げないように魔法を消しちゃう力があるんだ。

だからここで魔法の練習しても何も壊す心配はないんだ!

「なるほどなあ……よくこんなこと思いつくな。おまえって頭いいな。

「ヘヘ……これを思いついたの僕のお母さんなんだ。日記に書いてあったんだ。

「ヘえ~そういえばおまえのお母さん魔法教室の先生と親友だったんだってな。

「そうだよ!先生もなかなかだけど僕のお母さんも強い魔法使いだったんだ!

僕はお母さんみたいな偉大な魔法使いになるのが夢なんだ!

「だからこんなところに忍び込んでまで魔法の練習してるのか。

でもちょっと焦りすぎじゃないか?まだ子供なんだしもっとゆっくり成長してもいいと思うけど。

「それじゃダメなんだ!

早く偉大な魔法使いになってお母さんがすごかったってみんなに認めさせるんだ!

「どういうことだ?

「何年か前に魔物の襲撃があったときにみんなを守って死んじやったんだ。

「……立派な最期だったんだな。

「そうだよっ!なのにお母さんだけがやられちゃったからって……

みんなお母さんのこと実は大したことないってバカにするんだ!

だから僕がお母さんの魔法で活躍してやっぱりお母さんは凄かったって言わせてやるんだ!

「そういうことだったのか……。まあ気持ちはわかるけどあんまり先生に心配かけるなよな。

「うーん……先生にはお世話になってるし、しかたないか……ってあああっ!?

「な、なんだ!?

「もうそろそろ見張りの兵士が来ちゃうっ!お話しすぎちゃった!

見つかったらここで魔法の練習できなくなっちゃう……。

「……悪い。オレのせいだな。よしおまえが抜け出すの手伝ってやる。

「どうすんの?

「オレが地下牢から出て兵士の注意を引くからそのあいだに抜け出すんだ。

「わかった!そういうのは得意!

「じゃあいっちょやってみるか。


「よう!見回りかご苦労さん。

「んん~?誰だお前は?見覚えがないな。

「ああっ……掃除の爺さんの代理だよ。爺さん腰を痛めたんでね。

「ああ~爺さんもいい歳だからなあ。ひどくなきゃいいんだけどな。

「だいぶ痛そうだったからオレが代わりに来たんだ。

「そうか……いまお前地下牢にいたか?

「そうだけどそれが?

「さっき変な音が聞こえた気がするんだが何か変わったことがなかったか?

「さ、さあ……オレは気がつかなかったけど……。

「ふむ……一応見てくるか。

「ああっ!そうだっ!さっき地下牢で転んで掃除道具をぶちまけたんだ。

あんたが聞いたのはその音なんじやないか?

「そういう音とは違ったような?

「えっとそういえば2階を掃除していたときに気になるものがあったんだ!

「気になるもの?

「ああ2階のテラスのあたりの……

「ほう念のため見てくるか。報告感謝する。


「ふう~……。ってお前また魔法を使う気だったな?

「だってバレちゃいそうだったし。爆発でごまかそうかなって。

「もっと慎重に魔法を使えって言われてただろ!

「使えるときにバンバン使わないと偉大な魔法使いになれないでしょ。

「はあ……力を振るうばっかりが偉大な魔法使いじゃないだろ……。

「そうかなあ?凄い魔法を使えなきゃ偉大な魔法使いとはいえないよ!

じゃあ僕は行くね。お兄さん今回はありがとう!

「またあの問題児に巻き込まれたな……。

またあの問題児に巻き込まれたな……。

二度あることは三度あるというし何かもう一波乱あるような……。


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偉大な魔法使い



「ああ、アルドさん!いいところにきてくれました。

「どうしたんだ?そんな血相変えて。

「それが警備の兵士たちが殺気立っていまして子供たちが怯えているんです。

「兵士たちが?……何かあったのか?

「それがわからないんです。兵士からは教室にいるようにと言われているだけでして……。

アルドさん私は子供たちの様子を見ないといけないので何があったか聞いてきてくれませんか?

警備の兵は宮殿の門の前にいると思います。

「そのくらいなら構わないよ。ちょっと聞いてくる。


 ***


「なんだ?お前は?

なに?魔法教室の教師が警備が騒がしい理由を知りたがってる?

そうか……たしかに事情を知っておいた方がいいな。

実は巡回に出ていた兵士からケルリの道に強力な魔物の群れが出現したと報告があったんだ。

しかもその群れの親玉というのが数年前に宮殿を襲い魔法使いを倒した個体らしいんだ。

万が一のことも考えて警備を強化しているんだが……。

場合によってはあの時のように宮殿にまでやってくるかもしれん。

魔法教室の子供たちにも避難の準備をするように言ってくれ。


「あらアルドさん。何があったかわかりました?

「ああ。ケルリの道に危険な魔物の群れが発生してるらしい。

その親玉がどうやら前に宮殿を襲った魔物らしく警戒しているって話だ。

万が一のこともあるから子供たちを避難させる準備をしてくれってさ。

「前に宮殿を襲ったってもしかして……。

「そういえば宮殿の魔法使いを倒したとか言っていたな……。


「そ、それ本当!?

「いや……その……。

「そいつがお母さんを……!

「待って!!外に出てはいけませんっ!!


「悪いもう少し気をつけて話した方がよかったな……。

それよりこの魔物が例の……。

「ええ間違いない。マルークの母親を倒した魔物です……。私も不注意でした……。

「それよりも今はマルークが心配です。

ショックを受けただけならいいですけど変なことを考えていたら……。

「母親の敵討ちか?……あいつならやりかねないな。

「ええ。急いで連れ戻しましょう!私は準備をしてからいくのでアルドさん先に向かってください!

「わかった!子供の足だし追いつけるはずだ!


 ***


「この!お母さんのカタキだー!!

「くそっ!間に合わなかったか!もう戦ってる!

「ですがまだ無事です!私が思っていた以上の実力を身につけていたみたいですね!

「これでもくらえー!!

『ギー!

「やった!

「わっ!まだあんなにいる……。

「負けるもんかー!!くらえー!!

『グガアアアアア!!

「はあはあ……苦しい……。

「だから言ったでしょう。もっと慎重になりなさいと!

キミのお母さんならそんなミスはしませんよ!

『グオオオオオッ!!

「よしお前は少し休んでおけ!先生!マルークをお願いします!

お前らはオレが相手だ!


「よし……ひとまずは撃退したか。今のうちに宮殿まで戻ろう。

「そうですね。マルークも限界のようですし……。

「待って!まだ敵の親玉をやっつけてない!!

このまま逃げたら……お母さんのカタキが……!

「お、おい!

「追いかけましょう!


『キイー!

「ううううっ……この親玉……強い!!

どれだけ魔力を込めても効かない……。

僕の魔法じゃ倒せないのか?お母さんのカタキを……とらなきやダメなのに!


「力任せにうってもだめです!

大地の声に耳を傾けなさい!さすれば魔法はあなたの心に従う!

あなたの心が正しければ……魔法もそれに応えるはずです!

「大地の声に耳を傾ける……。僕に力を貸してくれ……!

「これは……!!

「これが……お母さんの魔法の力!

お母さんが……僕にのこした本当の力!

くらえー!

「効いてるぞ!

よし!マルーク!前衛は任せろ!お前は援護してくれ!!

「うん……わかった!!

「いけ!マルーク!今がチャンスだ!

「うん!


「やったか!

「や……やった……。

「よくやったぞ!


「ええ……本当によくできました。マルーク。

「先生……。

「大地の声を聞き……正しき心で行使する。

さすれば魔法はあなたに従いあなたに大いなる力を与えるだろう。

あなたのお母さんの言葉です。

「そうだったんだ……。

「その強大な力ゆえに魔法は時に恐れられ時に妬まれることがあります。

あなたのお母さんは強大な魔法使い……それゆえ妬まれることも多かったのです。だからあらぬ噂を流された……。

魔法を使うものにはその責任がある。

本当に必要なときに必要なだけの力を使う。

それがキミのお母さんの口癖ですよ。

「そっかお母さんの魔法は……。

「先生。僕わかった気がする……。

カを込めるだけじゃない魔法。正しい心で使う魔法……。

「力に溺れないでください。みんなが恐れるような魔法使いにはならないでください。

キミのお母さんでさえなれなかった。誰にも恐れられない……

それでいて魔法の素晴らしさを体現した魔法使いになってください。

「なるよ……お母さんみたいな……。ううん。お母さんでもなれなかった偉大な魔法使いに!

「問題児卒業かな?

「……彼の母親も学生の頃は問題児だったんですけどね。

「あはは!教室の爆発がなくなるのはまだ先かな!

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