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【白猫】メインストーリー 第13章 前編

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最終更新者:にゃん

開催日:2018/10/19


目次


Story1

Story2

Story3

Story4


主な登場人物




story1



くらえー! <英知のルーン>!

なんの!<運命のルーン>だぜ!

はい、<流動のルーン>。

ぐわー!


……アンタたち、なにやってんの?

どの<大いなるルーン>が一番強えのか、ちょっと勝負をな。


とう!<大地のルーン>!

ここで<慈愛のルーン>です!

はい、<流動のルーン>。

うわー!


……ぬぬぬぬぬぬ……!

ウワァーーー!!!

うわあ!びっくりした!

どうしたんだよキャトラ!?


どーしたも!こーしたも!アンタたち!そろいもそろって!

<大いなるルーン>で、遊んでんじゃないわよーっ!!!

誤解しないで欲しいんだがよ。

何も、<大いなるルーン>を粗末に扱ってるわけじゃねえんだぜ?

どこがよ!

ダメか。

それになんなの!?ルールはいったい!?どうして流動が勝つのよ!?

なんか強そうなんだよなあ。

ひっくり返す力ですもんねえ。

強いわ。

強くても!そんなあやふやなルールで、何が楽しいってのよ!?

案外楽しいの。

もー!リアーナ!アンタは止める側でいてくれなきゃダメじゃない!

そんな先入観に私は縛られない。

言葉はー!カッコイイケドモー!


ふふ、にぎやかだね♪

ちょっとアイリス!も~聞いてよ!

一番強力な力を持つ<大いなるルーン>って、どれなんだ?

ちょっ!?!

ええと……そうですね……

もう……!

まあまあ。



――全てのルーンの源、<始祖のルーン>――


7つの<大いなるルーン>とは、<始祖のルーン>が備えていた7つの力を受け継ぐルーンのこと。


<始祖のルーン>の7つの力とは――


――大地。生命を育む、地盤を成す力。

――運命。因果を紡ぐ力。

――慈愛。人々を守り、慈しむ力。

――破壊。世界の形を整える力。

――英知。正しき決断の手肋けとなる力。

――流動。進むべき道を定める力。


ほ~…………一つ、いいですか?

うん。

それぞれが別々の力を備えてそうなのはわかったのですか……

それ以外の力は、まったく無いんですか?

ううん、そんなこともないわ。だけど……

ルーンの輝きを最大まで引き出せるのは、光の王であるアイリスだけ、か。

……そうです。

……ルーンは、行使する者次第で、輝き方も変化しますから。

<英知のルーン>は、特に誰も使ってなかったけど?

何もしなくても、グレイスルーンのように、周囲の環境に影響を与えることもあるの。

不思議な石なのね。

ふふ、そうですね。それが一番正確な言い方なのかもしれません。

それで、アイリス。ささほどは6つしか言っていなかったが……

7つ目の力は、どういうものなんだい?

……7つ目の<大いなるルーン>の力、すなわち、始祖のルーンの持つ7つ目の力は……

あの頃の私にも、使いこなすことはできませんでした。

え?

その力は、常に発動していると言われていました……

その力というのは……?

――<幻想>です。





1-2


よい、しょっと。ここに置いとくね。

hふふ、ありがとう。いつも手伝ってくれて。

お安い御用さ!


ほう、ほう、ほう。助かったぞ、リュート。

武器の……材料だね。

ああ、そうだ。

……戦うための。

……今はまだ、必要なのだ。

平和なときが来たら……それまでの感謝を捧げ、眠りにつかせてやろう。

うん……そうだね……!



……………………

…………



――しっかし、<幻想>とは、なあ……

うーん……

あんまりいい言葉じゃねえんじゃねえか?ま、<破壊>もたいがいだったがよ。

なんの話?

おう、グローザ。<始祖のルーン>の7つ目の力の話だ。

へえ。なんなの?

<幻想>、らしい。

……<幻想>……?

知ってるか?

初耳よ。

……幻想。実体のない、空想……

つまり、頭に思い描いたことが、現実となる、というような力なのだろうか?

であれば<夢のルーン>と大差ないように思うが。

いたのかウマルス。

そう一言で済ませるには、些か不釣り合いな野暮用を片づけて来たところだ。

ほう。

勇者に休息はない。なぜなら民衆の助けを求める声は、途切れることなく私の耳に届いてくるからだ。

先程のことだ。私は何の気なしに、草原の片隅にひっそりと佇んでいた老木の裏を覗き見た。するとどうだ。

そこでは古の小妖精、ソーダ・チカーナたちが、いままさに終焉のとさを迎えようとしていた。

闇の魔物たちが、その身を昆虫と模し、リータ・チカーナの王国に攻め入っていたのだ。

義を見てせざるは勇なきなり。私は即座に<馬大魔法><ウマ・グランデ>を発動し、闇の尖兵どもをかき消した。

こうして英雄ウマルスは、また一つの種族を闇の脅威から救ったのだ。

みてえに、現実になっても害の無え妄想ならかわいいもんなんだが。

ダンテ。私の語りを上手く利用するんじゃない。

どちらにせよ……どうかしらね。

なにがたい?

個人の幻想を実現させた世界なんて……ゾッとしないわ。気色悪い。

それがどんな聖人君子だろうと。白の巫女だろうと、闇の王だろうと。

ヒヒーン。

馬だろうと。

…………

エルフのボンボンだろうと。

黙ってたのに……

ま、そうかもな……


……………………

…………



……この方角ってえことは……

地図と照らし合わせると、行き先にあるのは……!

おきゃくさんだよー!

☆△△●●◆◆◆ー!

ね一?

飛行艇は?一隻だけか?

うん。なんか、ちゃんとした紋章とか入ってるようなやつだったよ。

てことは、正式な使節か……

いまどこに?

むこうで待ってもらってる。

アイリスたちを呼んでくれるか?

○◇☆☆ー!

……さ~て、と……

どうするの?

リアーナ、おめえはどう思う?

あまりアテにしないで。外の世界は、まだ長くないの。

情報は入ってきてたろ?

文字でね。空気は知らないわ。

俺様も似たようなもんさ。……ま、あれだな。

ちと警戒するぜ。


1-3


お待たせしました。

私はアイリス。こっちの彼は、主人公。

初めまして、皆さま。貴石の国<センテリュオ>より参りました。セントリー・ブルームと申します。

貴石の国、センテリュオ……?

お聞き及びのことかもしれませんが、改めて我が国のことをご説明させていただきます。

センテリュオは、連邦加盟国の中でも長い歴史を誇ります。

最古の伝承に残されておりますのは、地上の生命全てか脅かされた大災害……

…………

その混乱と混沌の中、一人の<白なる民>が人々を尋き、建国したと伝えられています。

<白なる民>……というのは、白の王国の生き残りのことなのでしょうか……?

白の民の直系……それを唱える聖王家が、連邦の象徴だったな。

はい。

なら、センテリュオも聖王家と祖先を同じくする一族ってえわけかい?

私は、文献に記されたままを述べています。

ま、そうたろうな。アオイの国にしたって、発祥をたぐりゃあおとぎ話みてえなモンよ。

一緒にされては困ります。

あん?

我が国はルーンの加護に守られております。

ルーンの加護、ね……多かれ少なかれ、どこの国でもだか……

センテリュオの擁する<ルーンナイト>は、ルーンの恩恵を最大限に行使せし戦士たち。

その身に宿したルーンを媒体とし、人を超える力を手にしています。

その<技術>が伝わっていることこそ、伝承の根拠となり得ます。

私も一時期、ルーンをこの身に宿していましたが……まあ、別ですよね。アンドロイドですし。

アンドロイドの搭載するルーンレプリカとは異なる技術体系です。

いいえ、技術というにはあまりにも原始的なルーンの活用術。

血は薄れもしましょう。長い長い時とともに。

ですが、生きるためのすべは受け継がれます。

どこの国よりも密なルーンとの関係こそ、センテリュオが白の王国へ連なる証なのです。

――たしかに――

白の王国の民……特に、宮廷魔道士たちは。

額に装着したティアラから、<始祖のルーン>の加護を引き出していました。

おい、アイリス!?

そーゆーこと言っちゃってもいーの!?

ええ。

元より、ご存じだったんだろ?こちらにおわす方が、<光の王>にあらせられる、ってな?

…………

……知りませんでした……!

ズコッ!なんでよ!あんなに訳知り顔で語っといてさ!

ね、猫がしゃべった!?

ズコココーッ!それもー!?

わ、私は、ただの使いにすさませんので……!

なんでえ……拍子抜けだぜ。ほんのりカマしたのによ。

あ、あの……<光の王>、というのは、かつて、白なる民が暮らしていた、天空大陸、白の王国を、治めていたといわれる……

……はい。

事実、で……?

はい。

あ……あの!!!

握手……してください……

はい。


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story2 あるものとないもの



使節の人は?

宿で待ってもらっている。

それで、今後の相談ってことだね。

ついて行くのは確定?

国主が招いている、ということらしいしな。

ルーンドライバーの光はセンテリュオの方角を指している。

そればかりでは寵だけれど、ここは流れに身を委ねるところでしょうね。何より、他に手がかりがない。

使者の口ぶりからも、<大いなるルーン>があるのは確かだろう。

だが、『はいどうぞ』と渡してくれるとは思い難い。

どうして?

国に恩恵を与えているという話だからね。

そっか。<英知のルーン>とは扱いか違うんだ。

ルーンなんかに頼らずとも、人は生きていけるわ。

過激な発言だな。

加護だの恩恵だの、言葉は綺麗だけれど。慣れれば生むのは腐敗だけ。

人は常に疑問を抱いているべきよ。果たして今の生活が、相応なのかどうか。

だからって、いまさらウホウホ暮らすわけにもいかねえだろ。

そうは言ってないわ。

別に昔だって、ウホウホ言いなから暮らしてなんかいなかったけど。

ダンテさんの発想……

おい?なんで俺だ!?今のはリアーナの発言に問題があんだろ!?

話を戻そう。

なっ……!?……覚えてやがれよ、ウマルス……!

で。俺様の提案は……ま、いつも通りだ。

でもって、俺様たちで、警戒しながら待機。何があっても即応できるように。

何があってもって……何があるっていうの?

いくつか予測はつくが……ま、慌てんな。どのみち使者が去ってからだ。

了解。

たいじょぶかなー……

タビイ?

アイリス、また辛い目にあわないといいけど……

どうしてそう思うの?

だってなんか、雰囲気がさー……!

……ううん!思い過ごしかも!きっとだいじょぶだよね!

……そう祈りましょう。

……グローザさん……



……………………

…………


「僕に何かご質問かな?」

「はい。智の賢者……フムニールさん。」

「なぜ、いま、僕に?いや、疑問の浮かぶタイミングに正解や不正解があるわけではないのけれど。

僕に答えられるほとんどのことは、君も知っているのではないかな?」

「ほとんどは。ですが、光の王にも、知らされていないことがあります。」

「フム?」

「<始祖のルーン>に備わっていた、大いなる七つの力……

六つまでは知っています。その力の使い方も。

ですが……<幻想>とは、どういうことなのでしょうか?

そもそも、本当に備わっていたのでしょうか?」

「まず断るのだけれど。僕にもわからない。

なぜか?<認識>と<幻想>について、言葉の意味を考えてみよう。僕なりに噛み砕いて。

<認識>とは、あるものをあるものと思うこと。対して。

<幻想>とは、ないものをあるものと思うことだ。」

「ないものを、あるものと思う……」

「この時点で既に、僕との相性はとても悪い。だから、識り得ない。」

「そう……ですか。」

「だけれど、手がないわけでもない。

あのサラダに、使われていない野菜はなんだろうか?

それは、使われている野菜を数えることで、ある程度選択肢を狭めることができる。」

「<ない>ものがなんなのか、<ある>ものから推測するということですね?」

「その通り。……と、言いたいところなのだけど。

多くの場合、空白というのは無限と同義だ。

つまり、やっぱりわからない。

いや待て。アプローチを変えてみよう。」

「え?」

「現象から推測してみようじゃないか。たとえば、そうだな。

重力……というものは、ある、と言えるだろうか?」

「はい。」

「どうしてだろう?」

「たとえば……手を離せば、リンゴは地面に落ちますから。」

「なるほど。だけれど、そのリンゴが最初から地面に置かれていたら?どうやってわかるのだろう?」

「え?」

「<白>と<黒>が両端を支える<均衡>……というものは、あると言えるのだろうか?

「……はるか昔の、あの時代。天に白の王国、地に黒の王国、二つがあった頃は、確かに。

あると感じていました。交わることはないにせよ、互いに、引かれ合うような……

……近づき過ざれば今度は離れるような。そんな、現象が確かにある、と。」

「それは本当だろうか?いや、本当なんだ。僕はそう思わなければならない。

だが、僕がそう思うことは果たして本当なのだろうか?」

「フムニールさん……?」

「いまだって、世界はある。こうして地面に立っている。

いま<ない>ものとは、なんなのだろうか?」

「…………」

「初めに断ったように、僕は識らないし、あてずっぽうの推論だ。

あんまり根拠はないよ。」

「……いいえ。ありがとうございます。私も、考えてみます。」


「■■▲▲!」

「ああ、もうそんな時間?ごめんごめん、いま行くから。」

「×▼▲!」


「では、失礼。ああ、そうそう。」

「はい?」

「僕の存在意義がね。少しずつ変質していってると、自分でも感じるんだ。」

「フムニールさんが……?」

「元々平等だったはずなのに、今では結構、君たちに寄っている。

これは、<変化>と言えるね。ま、だからといって、過去の僕がなくなったというわけではないのだろうけど。

じゃあね。……お~い、シルル。持っておくれよ。」


「…………」



2-2




――準備は整いましたでしょうか。

ととのわずとも!

では、私のあとに………………え???

でたとこしょーぶよ!

キャトラがすみません……

い、いえ、あの、あ、アイリス様に謝られてしまいますと……

わちゃわちゃしてねぇで、スッと出発しろよ。

悪気はなかったんだけど……

そのノリ、慣れてない奴には通じねえと思うぜ?

てか、あんましゃべると、無駄に混乱させんじゃねえか?

国を?

国を。

そこまでの大物かしらね、アタシ?

貫禄は出てきたかもなあ。

創造神だしな。

ウソこけ!これまで、アタシのしゃべりで混乱した国なんてなかったわよ。

これまではこれまで。これからはこれからだ。

ふーん。マ、いいわ。多少気をつけとく。

…………

……こほん。では、飛行艇にお乗りください。

センテリュオに到着しましたら、三名様の入国手続きを済ませて参ります。

発着場にて、しばらくお待ちください。

待たずにすぐさま飛び出すわ。

えぇ!?

キャトラがすみません。実際はちゃんと待てますので。さあ、行きましょう?

え、あ、はい、こちらへどうぞ……



2-3



……………………

……っ!


……あ?

…………

待て。

……な、なんでしょう?

見ねぇ顔だな。

……へ、へへ……

わ、我らは、鋼の国からの――

バカッ!

へえ。

ぎゃああああ!!!


 「こ、殺しだぁあっ!?」


貴様!?何を考えてやがる!

馬鹿じゃねえの?

あぁ!?

他人の顔なんざ一々覚えてるかよ。

試したのかっ!

嘘はバレる。

言いがかりを!正式な手続きで入国している!

どういうつもりだ!?

急に暴れた。だから斬った。それを疑うヤツはいない。

そんな度胸があるヤツは……な。

……ルーンナイトか……!?

さあな。向こうはどう思ってるやら。

……おい!!!



甘くみたな……

ここで死ぬわけにはいかないんでなっ……

……くくくくくっ……!

――どいつを最後に殺すのが、一番面白ぇかな……?


なんだ、こいつっ……!?

臆するな!かかれえっ!!!

ぎゃっはははははッ!!!




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story3 到着



ほへ~~~……!ずいぶんと、文明の発達した島なのねぇ……

この繁栄こそ、ルーンの加護に他なりません。

では、こちらでしばし、お待ちください。


……ルーンを扱うすべ、か……

ルーンってね。生活と、切っても切り離せないものだけど。

多くの場合、その力を限界まで引き出してはいないの。

たとえば……科理なんかに使う、火を起こすルーン。

利用できてるエネルギーは、そのルーンか持つ力の、半分くらいだと思う。

残りの半分くらいの力は、扱い切れず、逃げちゃうの。逃げるというか、無駄になっちゃうというか……

それが、この国の場合は、一つ一つのルーンの力を、最大限まで引き出して活用しているんだと思う。

だから街も、これほど大きく発展したんじゃないかな。

もちろん、人はルーンだけで栄えるものではないけれど……

上手に扱えれば、豊かさをもたらしてくれるものだから……

…………

あ、ううん。なんでもないの。

……ふふ♪<光の王>ならではの、マメ知識だったでしょう?」


手続きは完了しました!すみませんが、私はこれで!

どうしたのよ、そんなに慌てて?

街で騒ぎが!招集がかかっています!

アンタにも?

下っ端ではありますか!それでは!

アタシたちも行くわ!

!?で、ですが……

行くったら行くわ!

(なんのひねりもない……!キャトラの力押し……!)

どっちほーこー!?

あ、あっちです……

急ぎましょう!アイリス、主人公も!

ええ!

……アイリス様も一緒に……

……わかりました!ご案内します!


3-2 国防の剣



ひ、ひいいいいっ……!


……ウンザリだ……

い、命だけはっ……!

一番威勢の良かったヤツが、敗北を悟り、命乞い……

なんのヒネリもねぇ。

ど、どこにも訴えない!だ、だからっ……!

人選ミスかよ。ショックだぜ。よくやっちまうんだよな……

な、なあ!?俺の命が欲しいわけでもないんだろ!?

こんなこと、国際問題になるぞ!

なれば?

がぁぁぁああああっ!!??

そしたら次はミスらねぇ。

あぁぁああああああっ……――

るっせ。


アキシオン!あなた、何をやっているの!

おやおやァ?一位と、二位と。壮観ですね~?

……質問に答えなさい。

見てわかりません?

答えなさい!

え~とォ、鋼の国のォ、スパイがいたのでェ。

斬りましタ☆

またっ……!何の報告もなく!

……

……っ……! レベッカっ……

多くのルーンナイトが出払ってる今。こんな奴でも戦力よ。

……っ!

オヤサシーこって♪

アキシオン!図に乗るな!隊士たちが帰ってくれば、貴様などっ!

どーぞ空いてるぜ?天秤の、向こう側?

残り全員乗せなよ?

っ!!

なんなら――

――乗ってみるかい?オフタリさん?

……っ……!!

…………そうしてみる?今、ここで。

わはっ♪いいの?


――隊長に、副長!?

……それに……!

……アキシオン……殿……!

あァー?


!!大丈夫ですか!?

<*×○■!&%$…………>

おやァ……?

――もう……!


その制服、セントリーか。

はっ!セントリー・ブルームであります!

申し遅れました!飛行鳥の冒険家の方々を、お連れしております!

飛行島の……


じゃ、タイチョー。ケツ拭きヨロシクオナッシャース。

待ちなさいっ!

構うな。

でもっ……!

客人の前よ。


お恥ずかしいところをお見せしました。私はレベッカ。

ルーンナイト隊長、一位<ヘイス>、レベッカと申します。右の者は二位<デュオ>のエレメージュ。

ルーンナイト……

以後、お見知りおきを。さて――

国主より伺っております。飛行島の皆様。

観光はほどほどに。王宮へお越しくださいますよう。国主より話がありましょう。

はい。

先程の粗忽者はエンテ・アキシオン。ルーンナイトの恥さらしにございます。

……人を?

ついさっき、斬ったようにございます。

どうしてですか?

勘違いなされますな。質問は許されておりません、お客人。

!!

…………

…………

粗忽者ではありますが、信念に相違はごさいません。

ルーンナイト心得の二。センテリュオに仇為す者、即座に斬り捨て仕る。

…………

お客人とて例外ではありませぬ。妙な真似をなさいますれば――

……我らには、その権利が与えられております。ゆめゆめ、お忘れなさいますな。

ええ。

結構。

…………



……あの……悪く思わないでください。

いつもは、ああじゃないんです。今日はピリピリしているみたいで……

気にしていません。

ありがとうごさいます……

みんな強そうだったわね。一位はヘイス、二位はディオか。なんかカッコイイわ。

それはもう、我が国が誇る、ルーンナイトの隊長と副長でありますから。

ルーンナイトには、一位から十五位までの序列があります。

番号が若いほど、その実力は高いと言われています。

じゃあ、さっきの……アキシオン、だっけ?は、一位や二位よりは弱いのね?

……あの方には、番号自体が与えられておりません。

え……?



3-3




――その身にルーンを埋め込み、一騎当千となった戦士。ルーンナイト……

必要な資格はルーンヘの適性。戦闘力。思考力。

入隊後の厳しい訓練を終え、試験に合格すれば席次を与えられる権利を得ます。

隊長……一位<ヘイス>から、十五位<ペンテカイデカ>まで。実力に応じ、序列は入れ替わります。

数字がちいさい方が強いって言ってたわね。

はい。十六位以下の者には、ナンバーは与えられません。

つまり、ヒラルーンナイトには数字がないと。

(ヒラって……!わかりやすいけど……!)

だけどそれだとおかしいわね?あの暴れん坊、どう見てもかなり強そうだったけど――

――あ!わかっちゃった!

キャトラ?

<ゼロ位>なんでしょ!一位から十五位までといいつつ、もっと強い<ゼロ>がいるのよ!

そうなんでしょ!よくあるもの!

よ、よくある、のかな……?

ぶっちゃけそうです。

まあ……はい。そんな席次はないはずですが、割とみんな、そんなカンジで認識してたりします。

ふっふっふ!やっぱりね。冴えてるわ、アタシ♪

ですが、最強かどうかはわかりませんよ。

私が見たところ、隊長と副長も達人の域。甲乙はつけがたいかと。

下っ端から見ても?

う……!そうですよね、正直なところ、力量を見る目があるわけじゃないので……私の願望も入っています……

まあ、だいたいわかったわ。どこにでもいるものよ。力はあるけど厄介者って。

(キャトラのどこにでもって、どこ……!?)

……注意してください。

彼女は異端者。ルーンナイトの、いえ、この国の法すら無いも同然。

目が合うだけで斬りかかってきます。

んなおおげさな。

いいえ。

決して近寄らないで下さい。

そりゃあ、そう聞かされて好き好んで近寄りはしないけど……

これほど整備された国で、どうしてそのような横暴か許されているのですか?

……一つは、実力と功績ゆえ。彼女が斬り捨てた外敵は、千人を下りません。

本当に敵だったのですか?

……わかりません。生き残った者かいないので……

そんなこと……!

いま一つは、国主の特命があるからだと。

国主の特命?

噂でしかありませんが。国主の御免状を所持していると。

ごめんじょう?!

疑わしき者を、いつ、いかなる場所でも、斬り捨てて良いという免状だと言われています。

だから、レベッカ隊長も手出し出来ないのだと……

そんなの破っちゃいなさいよ。

どうやって?

寝てるうちに。

いい案ですね……

実行する気ないわね?

……怖いですから。正直。

彼女の剣には躊躇がありません。まるで命そのものに価値を感じていないかのよう……

…………

……長話でしたね。さあ、参りましょう。



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story4 憂鬱



「……あれが飛行島の冒険家……報告よりも腕が立ちそう。敵に回したくはないわね。」

「…………」

「余計な心配かな?呼んだのは国主だもの。物騒な話のわけないわよね?

どんな内容なのか、あなたは聞いてるの?レベッカ?」

「…………」

「それよりも問題なのは、アイツの方かもしれないわね……

エンテ・アキシオン……このタイミングで、都合良く大人しくしてくれるとは思い難いわ……

いえ、国主と通じているという噂が真実なら、むしろここでは何も手出しはしてこない……

どう思う?レベッカ?」

「…………」

「ちょっと!ヘイス!

隊長!!!」

「え?ごめんなさい、聞いてなかったわ。」

「やめてって言ってるわよね?絶妙に神妙な表情で、話を聞いてないの?」

「本当に考えごとをしていたのよ。」

「どうだか……」

「王宮へ行ってくる。屯所の方は頼んだわよ。」

「はいはい……って、王宮?」

「何か聞けるかもしれないから。」

「ああ、あなたの弟。国主の秘密参課って話だったっけ?」

「秘密参謀ってなんだよ、ってカンジだけれどね。」

「呼び名なんかどうでもいいわ。教えていいことだったら、あとで教えて頂戴。」

「承知したわ。」



4-2 惨劇


――お、お待ちください、アキシオン殿!この先は飛行艇の発着場です!

知ってるよ。

つ、通行には許可証が必要です!たとえ、ルーンナイトであっても……!

無いときは?

な、無いときはっ……!そ、その、き、規則上は……!

別に斬りゃしねえよ。職務に忠実、大変結構。

は、はっ……!

あー……今、手続き中でな。許可証の発行は、追ってンなる。

代わりに――おやァ?


ひっ……!?

『ひ』?

おかしいじゃねえか……?同じ隊士で、なんでそんな怯える……?

な、そっ――!

――てめえ<闇>だな?

そんな――!?

ぎゃああぁぁあああ!!!!!


!!!

由々しき事態だぜ……!

なんてことっ……!!

なァ?玄関口に、なァ?とんでもねえよなァ?


ひ、ひいいいいいいっ!!!!

――嘘だろ。一匹じゃなかったのかよ――

ああぁぁあああ!!!!!???

仮にも、ルーンナイトがよ。<闇>の手先になっちまうなざ――

――世も末だよなァアアア!!??


……よ、世も、末、なのはっ……!

ン?

――あなたのような者が!ルーンナイトを名巣ってることだ!

わはっ♪勇気あんじゃん♪

いらずらに!国を乱すなっ!

結構結構♪大変結構♪

敬意を払うぜ?仕事に全身全霊なヤツにゃア♪

なっ――!?

気が変わった。

うぁあああああああーー!!!


敬意を払うの、やーめたァ!だって――

弱っちィんだもンよォオオ!!??

オススメは最初だ。

最後の奴はェぞォオ!!!???


4-3  一人の人として


「あー、たびのひとだー!」

「ほら、指を差しちゃダメ。すいません……」




――うぶ?


だいじょうぶ?どーしたのよ、急にぼーっとしちゃって?

……――♪

……?


こちらでお待ちください。すぐに別の者が参りますので。

アラ、アンタは戻っちゃうの?

はい、本来の持ち場へ。

道案内ありがとうございました。

職務ですから。

……アイリス様。

はい?

お会い出来たこと……とても光栄に思います。

そんな……今の私は、<光の王>である前に、一冒険家ですから。

平和のために冒険をしてらっしゃいます。

この世に再び、光の加護をお与えになるために。違いますか?

……平和は願っています。

我が国の民も願っています。そして、国主も。

……センテリュオの意義とは。ルーンを、<闇>の魔の手より守り抜くこと。

おそらく、あるのでしょう。アイリス様たちが、探し求めているルーンが。

<大いなるルーン>ですね。

……おそらく。

でもそれは、この国のみなさんに、恵みを与える大切なものなのでは?

そうだと思います。ですか、具体的に、<なにが>ルーンの加護なのかは、誰も意識していないのです。

おかしなことではありません。光のあることを、殊更特権とは思わないように。

そう……ですね。お言葉を下さいましたこと、感謝いたします、アイリス様。

ふふ、たいしたことを言ったわけではないですよ♪

……ふふふ♪尊敬するだけではなく、好きになりそうです。アイリス様のこと。

ありがとう♪

では、お帰りの際に、またお迎えに上がりますね。

あ、待って。

<*×○■!&%S…………>

おまじないです。光の加護がありますように。

ありがとうございます!では!


いい子だったわね。出世するんじゃないかしら?

そうなると嬉しいね。


お待たせいたしました、飛行島の皆様。

国主がお待ちです。どうぞ、中へ――

伝令、伝令ーっ!!!

ああ!?こちらに!皆様、お急ぎください!

なんだ、騒々しい。国主がお呼びなのだぞ。

緊急事態なんです!


ムムムム……!前後から同時にお呼ばれとは……!この場合、どうしたら……!


猫が!?

しゃべった!?

もぐぬぐもがばんばーっ!!!

キャトラ!?

…………

(誤魔化したつもりだ……!)

……こほん!

では、王宮へは私が参ります。

心配ないから。ね?

……わかりました。こちらは構いません。では、参りましょう。

はい。


…………

はっ!こんな場合では!事態は一刻を争うっ!

ただごとじゃなさそうね?

やはりしゃべってる!?

いまはいいでしょ!どうしたのよ!?

エンテ・アキシオンが飛行鳥へ乗り込んだのです!



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コメント (メインストーリー 第13章 Story1)
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