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アナザーエデン Story9

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「あなた達は……。

なにか用かしら?それとも私を破壊する決心がようやつくいたというわけ?

「ヘレナ、力を貸してほしい。合成鬼竜に乗り込むために協力してもらいたいんだ。

「協力?私があなた達に?なんのために?

「合成鬼竜というのは仲間が造っているという次元戦艦ね?

まさかあなた達全員を背負って飛んで行けとでも?

残念だけど私は輸送カーゴじゃないわよ。

「いや。オレ達は花火の大玉で打ち上げてもらう。

ヘレナにはその大玉を合成鬼竜の攻撃から守ってもらいたいんだ。

「なんですって!?花火で打ち上げるって……正気なの?冗談でしょうまさか?

「恐ろしいことに冗談ではなくとことん正気なのでござるよこれが。

「そう……。ひとつ聞いてもいいかしら?あなた達合成鬼竜を破壊するつもり?

「わからない……。だが彼らに過去へ飛んで歴史の改変なんてマネをさせるわけにはいかない。

それだけはなんとしてもやめさせないと……!

第一世界は今巨大時震のせいでとんでもないことになってるんだ。

人間と合成人間とで争ってる場合じゃない。

「人間との戦いのために歴史を書き換えるという行為は確かに非常に危険すぎるわ。

元来私はガリアードと違い非戦派だったし最初からなんとか共存の道を探ろうとしていたの。

だけどガリアードを倒したあなた達に力を貸すとなると……それはまた話が違ってくるわね。


「ヘレナ……。どうかお願い。私達を助けて!

これ以上この星が傷つくのはなんとしても防ぎたいの!

「あなた……以前とくらべてちょっと変わったみたいね……。


オッケーいいでしょう。

単に人間のためではなくこの世界の……星のためというのなら私にも責任はあるものね。

「それじゃあ……!

「待って。ひとつだけ条件があります。私と戦って勝てたら……その時はなんでも協力しましょう。

「…………!?

「それくらいはしておかないたね。ガリアードのためにも死んでいった仲間のためにも。

「わかった……。いいだろう。やるからには手加減なしだぞ。

「もちろん。とことん本気でかかって来なさい。

さああなた達の星を思う心どれほどのものか見せてもらうとしましょう!」


 ***

 ***


「ふうどうやら私の負けのようね……。」

「約束だ。オレ達に力を貸してくれヘレナ。」

「ええわかったわ……。いいでしょう。

あなた達がこの星のためにとことん戦うというのならあなた達に協力しましょう。

私も自分にできることを精一杯やります。

それが私やガリアードをこの世界に生み出してくれたクロノス博士の遺志にもなるのでしょう。」

「よし。じゃあ急いでラウラ・ドームに戻ろう。

合成鬼竜を止めるんだ!」



 ***


「おっもう準備はいいのか?

それじゃ早速大玉の最後の仕上げと行くか。

ってそっちの姉ちゃんは合成人間じゃねえか!?大丈夫なのかおい?

「ああ。ヘレナは心配ない。彼女は人間の敵じゃないんだ。

「拙者らの大玉を合成鬼竜の攻撃から守ってくれるのでござるよ。

「へえそいつはありがてえが……。まあいいや。それじゃともかく大玉を完成させるぞ。いいな?


 ***


「よーし出来たぞ!見やがれこれが史上最強の正四尺玉……俺さまの魂の大玉でえッ!

「…………。ほんとにこれで行くの?

「てっぺんにキラリ~ン!と光り物でもあると合成鬼竜撃沈スペシャルな感じが出るんだが……

まあいいか……。でどうだ乗り心地の方は?


「乗り心地は?って……狭い……暗い……暑い……!

「ちょちょっと!どこ触ってんのよアルド!?

「え!?いいやッ!オレじゃな……

「すまぬでござるエイミ!しかしこう狭くては動きが……!

いたたッ!この硬くてやたら重いのはリィカでござるな?

「ワタシは硬くも重くもアリマセン!サイラスさん!前言の即時撤回ヲ要求スル所存デス!

「うわッ!あばれるなリィカ!危ないって!

「わかったわかった!じゃあ今すぐ打ち上げてやるからよ。もうちょっとの辛抱だ。

「ああ。はやいとこ頼むよ!飛ぶ前にヤバイことになりそうだ……。


「おい……。ほんとのほんとにやるつもりなのか?

その大筒であの連中を大空に打ち上げるなんてバカなマネを?

「ちょっと……まさかいきなり吹っ飛んだりしないだろうねこれ?

「あたりめえだ。この俺の腕を疑うってのか?ああ?

「いやでもムチャでしょこれ。さすがにいくらなんでも……?

「男にはムチャを承知でやらなきゃならない時もあるんだよ!

「ムチャではあるがムリではない!ってあの兄ちゃんは断言してたぞ。


「おうその通りだ!忘れるんじゃないぞチビ。

オッケー!こっちはいつでもいいぞ。やってくれ!

「さあそれじゃさがってくれみんな!

「それでは私は一足先に行くわね。合成鬼竜の鼻先を飛び回ってジャミングを実行します。

一時的に合成鬼竜は耳目を失った状態となるのでその隙をつけば無事に着艦できるはず。

向こうで会いましょう。ちゃんと無事に着けたら……。

「よし。じゃあこっちも行くぞ!死ぬんじゃねーぞおまえら!

風力よし!風向き問題なし!

大筒仰角クリア!目標補足済み。オール・グリーンてなもんよ。

ほいでもって4・3・2・1…………

点火ーッ!!


「「「「おおおおおおおおーッ!!!」」」」




「すごい……!!飛んだよ……ほんとに……!

「だけど大丈夫だろうかねえあの子達……?

「心配すんなって!俺さまの花火は天下無敵だ。合成人間の戦艦なんかイチコロよ!


 ***


「ふ~~~ッ!死ぬかと思ったぞ……。大丈夫かみんな?」



「どうやら無事に次元戦艦に乗り込めたみたいね。

花火師のおじさんにきちんとお礼を言わなくちゃ。

「それも無事にここから帰れたらの話でござるぞ?

いずれこの船の連中も一筋縄ではいかないものばかりでござろうからな。

「サキホドはCPUがオーバーピート気味で普段のワタシラシカラヌ言動がアッタヨウナ……

デスガスデニメモリからサクッと削除サレマシタノデモウ何の問題もアリマセン!

デハ万難を排シテコノ艦を無力化シナクテハナリマセンノデ!


 ***


 ***



「おうおうおう!人様の身体の上を好き放題走り回っているヤツァ誰だあ!?

人間どもめ!好き勝手しやがって!この俺を誰と弁える!!

空に轟く次元戦艦!その主砲!!ディメンショナル・カノンったぁ俺のことよ!!


「おうおうおう!なんだなんだその反抗的な態度は!?ああ?痛い目見なきゃわかんねーよーだな!

いいぜ!教えてやろう!悪い子にはきつう~~いおしおきをしてやらなきゃな!!


とっておきを見せてやるぜ!


>ちっ……!てめえらやるじゃあねえか……。

いいぜ!教えてやろう!悪い子にはきつう~~いおしおきをしてやらなきゃな!!


>鬼竜の兄貴……後を頼みますぜ。


 ***


「こ、これは……!?

「この戦艦自体が巨大な半有機体……合成生命デアルと推定サレマス。

「間違いないわ。どうやらこの巨大戦艦は生ける艦……合成戦艦ということのようね。

「生きた艦!合成戦艦だと!?

「そうとも。この艦そのものが俺の肉体だ。俺は次元戦艦……

よく来たな人間どもよ。

「なんともまた面倒そうな敵が出て来よったでござるな……。

「合成鬼竜!

「ふん裏切り者のご帰還かヘレナ?まさかおまえがガリアードの理想を捨てて人間側に寝返ろうとは!

致命的なバグだ。今からでも遅くはない。メモリを完全消去して基本システムから再構築するのだ。

「残念だけどお断りするわ。わたしは後戻りする気はない。

「目を覚ませヘレナ。いびつで不完全な人間どもと滅びの運命を共にすることはあるまい。

しょせんは死すべき定命の者ども。たかが数十年で壊れ失われる使い捨てのコマではないか。

そんな連中のなかでひとりおまえはどんな夢を追いかける?何を願い望むというのだ?

「その答えをわたしは探している。探し続けている……。おそらくあなた達には理解できない。

答えが重要なのではない。問い続けることに意味があることを。

「狂っているとしか思えん!勝手にするがいい。

だがあくまで我らの邪魔をするというのなら容赦はせんぞ!

「行くぞおまえ達!!


>少しはやるようだな。流石は時を超える力を持つ者達といったところか……。

だがの力を持つのはお前達だけではない!


「むうッ!これまでか……!

「うわッ!?落ちるぞ!?


「わたしが行く。

「ヘレナ……!?

「やめろ!ムダだ!この艦をおまえのちからで支えるなど不可能だ!

「だまってなさい!そういうことはやってみなきゃわからない!



くッ……!



ガリアード!?



 ***





 ***



「あいよ。頼まれてたもん取ってきたぜ。

「ああたしかに。ありがとう!

「がはは!いいってことよ。

しかし本当にあの戦艦をとっちめちまうとはな!

あのフネが空から落ちてきた時は流石の俺もビビったが……。

まさか沈めるだけじゃなく持って帰ってくるなんてな!兄ちゃん大した漢だ!

「あはは……。

「じゃあまたよろしくな!


「アルドさん!次元戦艦の修理に使えそうなパーツありまシタ!!

ナチュラルという組織ノ方たちがわけてクダサイまシタ。

「ありがとうリィカ!こっちも手に入ったよ。

ちゃんとした修理は今度するとしてそれを持ってヘレナ達のところへ向かうか!

「ハイ!


 ***


「……なぜ助けた?

「わたし達にはまだやらなきゃいけないことがある……。

こんなところで降りてしまって最後を見逃すのはもったいないわよ?

すべて見届けてからそれからどうするか考えればいい。欲しいのでしょう答えが?

「理解不能だ……。どうしようもなくイカレている。

「おーい!ヘレナー!パーツ取ってきたぞー!

「……だが確かに仕舞まで見届けてみたくなってきた。

あしおつら……おや。お前たちの言う可能性の結末を。星の未来の行く果てを。


……しかしお前にあんな機能が備わっていたとはな。

「そうね……私たちはこれまで狭い視野で生きてきたのかもしれない。

世界は広いわよ合成鬼竜。それは………私たちの想像力を遥かにしのぐほどに。

きっとその世界で本当の答えを見つけられる……。彼らとなら……きっと。

だから……。

だから時を駆ける翼が私たちには必要なの。

「いいだろう。今後はこの艦がおまえ達を三つの時代の好きな場所に運んでやる。


(そしてきっと……この広い世界のどこかで……。)


 ***


「まだ本調子というわけではないが簡単な時間航行ならば行けるぞ。

それで次の行先は決まったのか?お前たちの足では行けなかった場所へも俺が運んでやろう。


「とにかくまずは古代に発生した次元の渦に行ってみよう。

ファントムが言っていたことが本当だとしたらこのまま放っておくわけにはいかない。

「よかろうでは次元の渦へ進路を取る。準備ができたらいつでも俺にそう告げるがいい。


「よしでは出発しよう。航時目標点座標BC2万年パルジファル宮殿上空!


 ***


「ダメだ……!渦の周囲に猛烈な療気が噴き出している!これ以上進めばこの艦もバラバラになりかねん!

「アノ暗黒物質に長時間サラサレルのは人体ニモ深刻な影響アリト推定サレマス。

「いったん引き返すぞ!


 ***


「どうすればいいの?これじゃ手も足も出ないわ。

「予言者……。

「え?アルドいまなんて?

「古代の予言者なら何か知ってるかもしれない。あの次元の渦に対抗できる手段を……。

「ふむ……。そいつは脈がありそう……というか他にどうしたらいいか思いつかんでござるぞ。

「わかったわ。パルジファル宮殿に行ってみましょう。

「では宮殿の近くに降りるぞ。いいな?



第21章

星の塔予言者の仮面の裏に

次元戦艦合成鬼竜を仲間にしたアルド達は時空を超えて旅を続ける。はたしてジオ・プリズマは世界の希望たり得るのか?重要な鍵を握ると思われる古代の予言者を訪ねてアルド達はパルジファル宮殿に向かうがそこで彼らを待つ真実とは……?


「待っていたよアルド……。そろそろ来る頃じゃないかと思っていたところだ。

「そなたがパルジファル王をろくでもない計画に引き込んだという予言者でござるか。

「そういうことになるな。もっともあれをろくでもない計画と言われるのは心外ではあるがね。

わかっている。次元の渦に突入する方法が知りたいのだろう?

だがここはまずは私自身のことから話しておくのが順当だろうな。

「モシカシタラアナタは未来カラやって来た科学者デハアリマセンカ?

「ああ……わたしはクロノスだ。よく来たなリィカも。

「…………。

「あれはゼノ・プリズマによる時空崩壊の危険性に気づきジオの研究を進めていた時のことだ。

ゼノとジオのプロトタイプを最大出力で稼働した際に次元の裂け目が生じて時空の穴が開いてしまったのだ。

それはこの時代に……古代につながっていた……。

プリズマ本来のカエレメンタルが共振を起こし2万年の時を超えて互いに呼び合ったのかもしれない。

その時思いついたのだよ。古代で歴史改変によりゼノ・プリズマが生まれた未来自体を抹殺したら……?

歴史を変える……未来を消す……果たしてそんなおそろしいことを実行してしまってよいのだろうか。

だがこのままではいずれ巨大時震により時空そのものがバラバラに崩壊してしまう……。

これは我々に残された世界を……この星の未来を救うための唯一の最後の手段なのではないか……?

そして遂にあの日わたしは計画を実行に移しアルド……お前たち家族と共に時空の穴に身を投じたのだ。


「だけどエルジオンの存在する未来が消滅したら未来の人間であるあなた自身も未来の人と一緒に……?

「きみはエルジオンの人間か?そうか……今回の件ではすまないことをした。

いいや。未来が消失しても私達家族が消え去る恐れはない。本来の時空列から切り離されているからだ。

歴史改変の波はかぶらずにすませられるのだよ。自分が属するもとの時代に戻りさえしなければ……。

ゼノ・ドメインで時空の穴に飛び込んだ私達家族に何があったか……その話はまた次の機会にということにしよう。

星の塔に来なさいアルド。おまえに渡したいものがある。次元の渦に突入する方法もその時に教えよう。

ただしおまえ達の手に入れた面白い乗り物では星の塔には近寄らないでもらいたい。

あの艦から発せられる様々な電磁波が塔にどんな影響を与えるものか未知数なのでね。

「あッ!待ってくれ!

………。


 ***


「うひゃあ!なんだこのデカさは!

「パルジファルの魔法生物デスネ。体積と構成物質ヨリ戦闘能カヲシミュレート中……。

………………。………………。

彼我の戦力差極大。無策デ挑むノハ危険ナ敵デス。

「なるほど……でも星の塔はこの先たしな。パルジファル宮殿なら事情を知っている人がいるかもしれないな……。


「魔エギルドを知っているか?我々のような魔工士が集うギルドのことさ。王家を護るゴーレムは我々が造っているよ。

ゴーレムってのは生きた城壁だな。堅い岩壁で国土を護るガーディアンさ。しかも自分で思考して動く。すごいだろ?

ゴーレムの生成には核となる魔法の力と各種の命令系統を織り込んだ指令呪文を必要とする。

指令呪文は様々だ。例えば星の塔を守護する地のゴーレムは特定の音階を織り込んだメロディが指令呪文らしい。

ゴーレムにとって指令呪文は揺り簸の記憶。まあ母親の子守唄みたいなものだろう。聞けば大人しくなるとか……。

あのゴーレムが産まれてから随分経つが指令呪文のメロディのオルゴールをパルジファル王が持ってるって噂だな。

どこにあるのかって?さあ……。でも前に二階でサボってる侍女がそれらしき物を見たと言ってたな。



 ***


「やったか?


「な、なんだ?


コノ弾ハ……ナニ……。カラダガ……熱イ……。


「ゴーレムの再起動ヲ確認!来マス!!


 ***


サイゴニ コノウタヲキケテ……ヨカッタ……。

アリ……ガ…………ト……。


オネエチャン……ヤット……アエル……ネ……。


 ***

 ***


「来たか……アルド。

「ここはいったい……?

「時の塔が幻視歴史改変が目的であったのに対してこの星の塔では四大精霊の研究調査を行っていた。

ジオ・プリズマとこの時代にしか存在しないエレメンタルとで加工した特殊合金の製造も目標のひとつだ。

ずっと研究を続けて来たのだがうまく行かなくてな……。それが巨大時震後にようやく完成した。

世界中に散らばった四大精霊のかけらがいくらでも利用できたおかげだ。

だがこの合金はもともと強烈な放射線を放出する元素を素材に用いている。

約2万年の物理的半減期が必要となるため今は特殊な保管容器に収納してあるが。

その長年の研究で私の体は放射線に蝕まれてしまった……。仮面を付けて素顔を見せないのもそのためだ。

だが時を超えて旅することのできるおまえ達ならこの金属をうまく役立ててくれることだろう。

さあアルド受け取りなさい。このジオメタルを……。おまえ達の冒険と世界の明日のために。


「うおおおおッ……!

「ぐあッ!

「クロノス博士!?パルジファル王……きさまッ!


「終わった……!なにもかも終わった!

我が王国も……家族も……人生も……!この手にあったものはみな消えてなくなった……。

「パルジファル王お気を確かに!目を覚まされるでござる!

「バカめ!私はどこまでも正気だ。むしろ何も気づかぬままに眠っているのはきさま達の方だ。

しょせんすべては夢であり幻!滅びこそがこの世で唯―絶対の美であり真実なのだ!

きさま達にもそのことを思い知らせてやろう!!行くぞ!


 ***


「クロノス博士……。

「聞きなさいアルド……。

16年前のあの日私は計画を実行に移しおまえ達と共に時空の穴に飛び込んだ。

だがタイムワープの途中で突然激しい時間風に襲われておまえ達と離ればなれになってしまったのだ。

どうにか予定通りこの古代の地に降り立つことができたのは私ひとりだけだった……。

はぐれたおまえ達は時の大河に飲み込まれていつの時代にか消えてしまっていた。

そしてそのまま時空の穴は閉じてしまいおまえ達を捜し出すことは不可能となってしまったのだ。

その時の絶望と哀しみ……そして自責の念が私を余計に歴史改変の計画実現にと駆り立てたのだよ。

「…………!?

「しかし改変された歴史の修正のためにまさかおまえがやって来ようとは……。

おまえの姿を一目見てわかったよ。私とマドカの息子だと……。ほんとうに嬉しかった……。

よくぞ生きていてくれたエデン。本当によく今日まで……。

セシルは……?あの子もまた無事なのだろう?

おまえ達はふたりでひとつになって時の大河に落ちていったようだったからな。

「ああフィーネは……今はフィーネと呼ばれてるんだ……あいつも一緒だよ。元気にしてる。

「そうか……本当によかった……!まさかこんなカタチでおまえ達の無事を知ろうとは……。

おまえに正体を明かさなかったのは今の私にはそんな資格などないとわかっていたからだ。

許してくれとは言わない……。ただできればおまえにこの星をどうにかして欲しいと願うばかりだ。

「ああわかってる……!この星はオレ達がきっとなんとかする。約束するよ博士。

「ふむ……?ああそうか……おまえは……!

いや……それもまたさだめか。

おまえ達が時の塔で私の計画を阻止したのは結果的にはあれでよかったのだよアルド。

おまえ達は私の過ちを正してくれたばかりでなくあまつさえこうして別の道をも示してくれた。

ありがとうアルド……。次元の渦へ突入する手段は彼に……ガリアード2世に託してある。

さあもう行きなさい……おまえ達の……未来へ……。セシルを……頼む………

「博士……?博士ッ!?

博士……。」


「大丈夫アルド……?」

「あ、ああ……大丈夫だ。」

「クロノス博士の仰ッテイタガリアード2世というのは彼ノコトデショウカ。

次元の渦に突入スルタメに必要ナ晴報がインプットされてイルモノと推定サレマスガ。」

「クロノス博士からこれをあなた方に渡すよう指示されております。

次元の渦の療気を打ち消すのに最も効果的と思われるのがこの原初の貴石と呼ばれる物です。」

「原初の貴石……?」

「遥か太古世界が誕生し四大精霊が生まれる以前……法と混沌のふたつの力がごうごうと渦を巻いていたそうです。

次元の渦はその混沌の力を引き継いでおり一方法の力を今も強く残しているのが原初の貴石です。

今日ではもうほとんど目にすることもできない大変貴重な物です。」

「わかったわ。その貴石に宿る力というのを取り出して次元の渦にぶつけてやればいいのね?」

「だがどうやって?でござる。」

「ともかく次元戦艦に戻ろう!グズグズしてるヒマはないぞ。」


 ***


「合成鬼竜聞いてくれ。

こいつは原初の貴石というんだが次元の渦の庫気を打ち消す力があるらしいんだ。

こいつを使ってなんとか療気の壁に突破口を開けられないか?

「ふむ。その石に秘められたエネルギーを抽出すればよいのだな。

「お願いするわ合成鬼竜。

「わかった。少し時間はかかりそうだが……やってみるとしよう。


「フン!時空をまたいでなにやら面倒なことになってるらしいなアルド?

「おまえは……!?ヴァレス!生きてたのか!?

「バカめ。この俺がそう簡単にくたばってたまるか。

感謝しろよ。わざわざ時空の穴を抜けて会いに来てやったんだからな。

聞けアルド。おまえの妹の力はそろそろ覚醒しようとしているぞ。

「なんだって!?

「クックックッ……そうとも。ついに我ら魔獣の救世主が降誕する日が来るのだ!

そうなればおまえ達人間はお終いだ。

「ふざけるなッ!絶対にそんなことにはさせないぞ。

「ならば魔獣城へ来るがいい。おまえ達と魔獣とどちらの未来をあの娘は選ぶかな?

「くッ……きさま!


「ところでヴァレスとやら。どうしてそれを知らせに来たでござるか?

「俺は案外おまえ達のことが気に入ってるのだよ。俺さまの大切なエサだからな。

それにこんな面白いショーをむざむざ見逃す手はあるまいが?

ともかく急ぐことだなアルド。妹が可愛かったらな。

ククク……ハハハハッ!


「フィーネ……!


 ***


「原初の貴石のエネルギー抽出にはしばらく時間がかかる。それまで次元の渦には手が出せんぞ。

「ねえアルド。あなたの妹を放ってはおけないわ。

彼女の中に眠るジオ・プリズマの力はきっとこの世界の未来のために存在するのよ。

クロノス博士が言ってたでしょ。世界の希望だって。

「オソラク ジオ・プリズマというのはナノマシンの一種かと思ワレマス。

ソノ発動が何を引き起コス力現時点で未知数デス。確認の必要アリと認定サレマス。

「うむ……。拙者も一度その魔獣城とやらを見てみたくなったでござるぞ。

「……好きにしなさい。どの道しばらく動きようはないのだし。

「みんな……ありがとう。

よし!魔獣城に行ってフィーネを取り戻そう。

「では向かうぞ!航時目標点座標AD300年魔獣城!



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マスター

「アルド……ちょっといいか……。」

「なんだいマスター?」

「おまえは自分のことを未来のクロノス博士の息子と考えてるようだが本当のとこはまだわからないよな?」

「はあ?なにを言い出すんだよ?オレはバルオキー村のアルドだ。

16年前にフィーネと一緒に月影の森で村長に見つけられて以来ずっといっしょに育てられて来た。

ふたりとも未来のクロノス博士の子供で……オレはエデンでフィーネは妹のセシル……そうじゃないのか?」

「そう……そうだよなあ……。いや、でもなあ……。」

「………?なんだよいきなり?オレはオレだよ。だいじょうぶさ。」

「うむ……わかった……。頑張れよ。」

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