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【白猫】蒼空の竜騎士2 Story1

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最終更新者:にゃん

開催日:2019/03/29


目次




登場人物




story1 ドラグナーズ・カップ



竜と人がともに暮らす国、<竜の国>。


<竜騎士>――

竜との絆を力とし、心を一つにして戦う、誇り高き騎士。


いま、この国では、彼らドラグナーによるレース

<ドラグナーズ・カップ>が 開催されていた。


……実況のキャトラとアイリス、主人公よ!

よろしくお願いします。

それにしても、大盛況ね!

みなさん、本日はよくお越しくださいました♪

さて、アイサツはさっさと終わりにして――

さっそく、選手入場といきましょう!竜騎士団のみなさんです!



その服、よく似合ってるわよ、ゲオルグ。

お褒めに預かり光栄です、姫様。

ナギも、とっても凛々しいわ。

あ、ありがとう。

シエラはそのままでいいのか?

うーん、このままでいいかなって思ってたんだけど……

……ちらっ。

私を裁縫師か何かと勘違いしていませんか?

そ、そうよね、ごめん……

……まったく。

わあ!ありがとう、フレイヤ!

髪型はオマケです。

甘やかしおって……

なんというか、たのしそうね!アタシも混ざりたいわ!

……はあ、それにしてもすごい人。こんなにたくさんの人に、見られるのか……

うう……緊張してきた!

ナギ、リラックスしろ。

ルウォーン。オンオーン。

アスタは平気そうね?

ルォ?

アスタは平気そうね?

……レースが何を意味するのか、まだ理解できていないようです。

pピィ~♪

見守っててね、フィーユ!お姉ちゃん、負けないから!

pピィ~♪


スタート地点はここ、竜騎士団本部前よ!

島内を一周するコースを周回し、いちばん速くゴールした選手が勝利となります!

てんざいするチェックポイントを通過しないと失格になるわ!注意して!

よ、よーし……いくぞ、アスタ!

ルオォォーン!


レース、スタート!



TOP↑

story2 レーススタート!



いくぞ、カグツチ!

ゲオルクとカグツチのパンパないスタートダッシュが決まったわ!

ついていくわよ、ラピュセル!

わかったわ!

僕たちはぺースを守っていこう、マクリル。

大丈夫、しかけるポイントは考えてるから。

キュキュウ!

引き離されたら、まず勝てねえ。ソルト、頼んだぞ!

ギッギッギイ!

私たちはどうする?

集団が出来たら中へ。体力を温存しつつ、様子を見ます。

おお、さすがフレイヤ。戦略的ね!


「ウオオオオオッ!


ゲオルクを先頭に、各選手追随していくわ!

……まって、キャトラ!


ゆっくりだ、アスタ、ゆっくり。

いきなり高く飛ばないでね……!

ルオオオーン。


ナギさんとアスタくんが出遅れてるわ!

……走ったほうがはやそうね!


めざせ完走……!




いまのところは独走だな。

問題は誰がいつ仕掛けてくるかだ。


うおぉぉぉ!

まだ……まだよ、ラピュセル!


後ろの二人も怖いが……セルジュとシエラが静かすぎるな。

集団にまざれ、機を伺っているのだ。

おいゲオルグ。あるいは、ここで差をつけておくのも――

…………

どうした?

何か来る。


ふう……みんないま、何周目なんだろう。

ルオ?

もう、誰かゴールしちゃってたりして。

な……なんだ、あれ!


……!

どうしたの、フレイヤ?そろそろしかける?

何者かが高速で近づいてきます。

誰かが追い上げてきてるのかしら。

……この魔力……


「だ、だれだ……!?あんなに速いやつ、後ろにいたか……?

いや、違う……

この国のドラグナ一じゃない!


……エクセリア、気をつけて。

えっ?


ギィ~……

どうしたソルト!まさか、スタミナ切れちまったか?


さがってろ、モニカ!

だ、団長が逆走してきた!?


目当ての娘は、いないようだな。

レースに参加しているのは間違いないはずだ。

貴様、何者だ!

…………

……レースがしたくて乱入、というわけではなさそうだな。

自分は竜騎士団団長、ゲオルクだ。用件を聞こう。


ナギはどこにいる。



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story3 黒き男と黒き竜



見て、アスタ!みんなが、本部前に集まってる!

も、もしかして、レース、もう終わっちゃったのかな……?

ルオーン?

……まって。それにしては、様子が変だ。

…………!

……なにか、問題がおきたのかもしれない。

いってみよう、アスタ。ここから飛べば、一直線だ。

ルオオーン……

かなり高く飛ぶけど……ゆっくりいけば、たぶん、だいじょぶ……

くぅ……!よ、よし、いこう!

ル……ルオォッ!

わっ、わわっ、わわわわわ!

うわぁ……っ!


レースは中止か。まあ、当然だな。

cな……なんなの!?なにがあったの!アンタだれ!?

(セルジュ、警戒を怠るな)

…………

あの子はここにいるのか?

その前に、名ぐらい名乗ったらどうだ。

……アトモス。

あなたは?

俺の名を聞いてどうする。英雄の末裔よ。

どうしてそれを……

邪神竜ファブニ一ルの復活と打倒。

それほどの出来事が、世界に知られずに済むと思うか?

……名を、聞かせてもらえますか。

ウロボロス。……一角竜よ。会えてうれしく思うぞ。

…………

……あなたたちは、ドラグナ一、なんですよね?

それは絆を結んだ竜と人間をいうのだろう?

ならば、俺たちは違うな。

では、いったい何者なんだ?

何者かになるために来た。

まどろこしい奴め。

ひとつだけ、はっきりと言えることがある。

竜はいずれ、この俺が一匹残らず駆逐する。

なんですって……!

あの子はどこだ。言え。

断る。

ならば探し出すまでだ。


うわあぁぁぁぁ――!

<ナギとアスタが――

王宮がある方角へ、フラフラと落下してゆく。>


ナ、ナギっ!

……ウロボロス。

ゲオルグ!

セルジュ、モニカ!お前たちはここに残れ!

了解!


あの人たちはいったい……?




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story4 アトモスとナギ



<―王宮内のとある広場――>


いてて……アスタ、けがは?

ルオーン。

天窓があいててよかったね。……って、よくない!

許可もなく王宮に入っちゃった……というか落ちちゃった……うう、団長に怒られちゃう。

……ルオォ。

とにかく、本部まで歩こう。飛ぶのは危ないから。

……ルオォン。ルオォォォォン。

……うまく飛べないのは、おまえのせいじやない。あたしが悪いんだ。

こわがって、ふるえて、しがみついちゃうから……

ルオォォン。ルオォォォォン!

……ごめんね、アスタ。


だ、だれ……?

…………

もしかして……さっき、空を飛んでった……

……いくら、背が伸ぴても。

えっ?

……いくら。

声が変わっても、すぐに、わかった。ナギ――


それ以上、この子に近づかないで。

何者かは知らんが……この国で好き勝手をされては困るな。

そう怖い顔をするな、人間。

(……シエラ。あの同胞がまとっている魔力に、覚えはありませんか)

(魔力……?)

(似ているのです。かつて、私たちが戦った相手と)

それって……


な、なんなの……?

……ナギ。お前がなぜ、この国にいる。

そ、そんなこと、急にいわれても……

竜が憎いはずのお前がなぜ、竜とともに暮らしている。

ル……ルオォォーーン!

だ、だめアスタ!さがって!

アスタ、だと……?

……たしかに、あたしはかつて、竜を憎んでた。

でも、いまはもう、ちがう……

すべてを奪い去った竜への憎しみが、無くなるはずなどない。

なにを、いってるの……?

俺とともに来い、ナギ。ともに、宿命を果たそう。

すべての竜を殺し、死んでいった者の恨みを晴らし、復讐を成就させるんだ。

わけがわかんないよ……!あたしは、どこにもいかない!……これ以上、こっちにこないで!

近づかないで、といったはずです。

……予想はしていたが。やはり、貴様たちの仕業か。

なんですって?

彼女の心を歪め、操り、何もかも都合よく忘れさせてしまったわけだ。

……もうよい。いますぐ、この国を出ていけ。

さもなければ、貴様を拘束する。

ウロボロス。

やはりこうなるか。……まあいい。これもひとときの戯れだ。

来い、ドラグナー。



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story5 宣戦布告



なるほど。話に聞いたとおり、強いな。

ウロボロス。あなたの、その力は――

ファブニールと似ている、と言いたいのだろう。

当然だ。

邪竜と呼ばれる者の血縁を辿れば、奴にたどり着くことも珍しくはないのだからな。

……確かに俺のルーツも、ファブニールなのかもしれない。

だが、そんなことはどうでもいい。問題は己が何を考え、どう行動するかだ。

……あなたの考えとは?

『竜族こそが種の頂点』――

思想こそ同じだが、俺は奴ほど短絡的ではないし、傲慢でもない。

内省的で謙虚であると?

奴よりは現実に即している。

ナギ。もう少し、待ってろ。

…………

必ず、お前を救いだす。

あなたは……だれなの……?

……ウロボロス。やはり単騎では難しそうだ。

だろうな。

ゲオルグといったな。レースの客は無事に帰らせてやる。

なんだと?

国民も屋内に避難させろ。必要にならない限り、犠牲にはしない。

それは、我が国に対する宣戦布告か?

そう思ってくれていい。

な、なんだ!?


来なさい、クソ魔獣どもおぉ――!

なっ……!

ブタども、行動開始よ!

<<伝声のルーン>にむかってクラインが叫んだ!>

「了解!

――仲間がいたか!

アトモス様ぁん!

敵を引きつけろ。

はぁい!

くっ……!

ごきげんいかが?

お・ひ・め・さ・まあぁぁぁぁぁ!




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story6 副団長とモニカたち



ぎにゃー! なになに!?

……王宮の方からだ!

「副団長、これはいったい……!?

どうやらマズイ事態になったみたいだ。近衛騎士団の配置はどうなってる?

「エメリッヒ団長及びゾエ副団長は国王殿下と王妃殿下のお側に。

陛下は来賓と一緒に、謁見の問からレースをご覧になっていたはずだ。

「おそらくすでに、<宝角の間>へ避難を始めているかと。

わかった。……みんな。僕たちは近衛と協力して、レースのお客さまと国民を避羅させよう。

で、でもセルジュ!ゲオルグたちが心配よ!

キャトラ。団長たちが、そんな簡単にやられると思うか?

それに団長は、ここに残れといったんだ。

……国民のみなさんを守れ、ということですね。

なんだお前ら!

「レース客を帰らせろ。彼らには、危害は加えない。

……あの黒い騎士の仲間か。

「悪いが、一帯を制圧させてもらう。

……モニカ。ここは君にまかせてもいいかい?

僕は市街へむかう。何人か、ついてきてくれ。

了解!

マクリル!

キュウ!

てめえら。この国を乗っ取るつもりかよ?

「お前たち、気をつけろ。こいつもドラグナーだ。

主人公たちは、レース客を頼む。

いくぜ、ソルト……!

ギギィ!


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story7 乱戦の中で



紫髪の小娘は狙っちゃダメよ!さあ、行けっ!

ナギ、私の後ろに!

……あたしも戦う!

貴様はむやみに動くな!

りょ、りょうかい……

ルオォォーン!

ありがと、アスタ……

アタシのカワイイ魔獣を倒してんじゃないわよォ!クソドラグナアァ!

なんなのよ、あなた!?

アトモス様のメスイヌに決まってんだろうがァ!

ずいぶんと醜い人間ですね。

遅いわよ、ブタ!

「近衛と遊んでいたもので。

「ゲオルグ殿っ!

来たか!陛下はご無事か!?

「例の間に避難しておられます!団長たちもそちらに!

よかった……

「やつらは私どもにおまかせください!

……ここまでする理由はなんだ。

理由?

なぜ、ナギを狙う!

俺のすべてだからだ。

空間が限られていては、さぞ戦いにくいだろう。

ましてや乱戦ではな。

……まずい!

隙を作らせてもらうぞ。

うわぁっ!

ル……ルオォッ!?

……行け、ウロボロス。

はなして!はなしてよ……っ!

ナギ!

ルオォォォォン!

まってアスタ!あなただけじゃ危険よ!

後を追いますよ、シエラ。

させると思う?

させると思うか?

クソドラグナァ……!




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story8 追い続けた背中



はなして!はなしてよ!……はなせっ!

落ちてもいいのか?

うわあああっ!く、くうぅぅぅ……!

……高所は苦手だったか?

な……なんなんだよう……だれなんだよう、おまえ!

あたしは、おまえとなんか、どこにもいかないからな……!

俺はいつも、お前の背中を見ていた。

……え?

お前は足が速かったからな。競走して勝てたことは一度もなかった。

俺は、いつもお前を追いかけていたんだ。

…………!

だが、いまは違う。

今度は、俺がお前を連れていく。

…………

ソウ……くん……?


アトモス。

ナギ!

ルオォォーーーン!

ルオッ!

幼き同胞よ。その胸の傷は、人間にやられたものか?

ルオォォッ!

この娘がそんなに大事か。

ルオォーン!ルオォォォーン!

……ウソだ……そんなの……ありえない……

ルオォォォォン!

下がりなさい、同胞よ。

お前もだ、一角竜。なぜお前は、人間とともにいる。

そういうあなたは、なぜ?

こいつは俺の玩具だ。俺の知的好奇心を満たすためのな。

……アトモスといったわね。あなた、竜が憎いっていってたけど――

それなら、どうして彼と一緒にいるのよ。

話す義理はない。

……いくわよ、フレイヤ。

奴らは厄介だぞ、アトモス。

ならばどうする。

…………!体が……!

しばらくそのままでいてもらおう。



……やられた!あいつらは!?

どこにもいませんね。……なるほど。

シエラ、彼らはかなり冷静です。

え?

いま逃げれば、すぐに発見されると判断したのでしょう。

おそらく、森か山か……人目のつかない場所に潜伏した可能性があります。

……誰にも気づかれずに、島を出るつもりね。

あくまで逃げの一手を通すつもりなのでしょうね。

あの人間を連れ去ることが、彼らの勝ちです。

……だったら、一刻もはやく見つけなきゃ。

同胞よ。私の側を離れないように。

……ルオォン……






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