2016/08/29
目次
Story1 昆虫忍者の伝説
Story2 おちりあい？
Story3 危険なスイカ割り
Story4 予期てぬテンかい
Story5 ただじゃ転びまテン
最終話 きちょうテンけつ
登場人物
story1 昆虫忍者の伝説
地獄の砂浜、迷路の森、カラクリやちき……チュギョウするバチョがいっぱい……
ここが噂に聞いていた＜ウーカ島＞なんですね、テンパイ！
そうなの！ナナちゃんを一人前にするために今日から島にこもるの！
これは、昆虫忍者の里の伝統行事なの！
＜見習い忍者ナナホシは里の先輩であるリンプイとー緒に＜ウーカ島＞を訪れていた。＞
ここは半人前の忍者が一人前になるための修行の場である。＞
さあ、テントはるわよ～。
＜そして主人公たちもまた島を訪れていた。＞
主人公、そっちのロープを引っぱって。
み、みなさん……なにをやってるんですか……？
なにってキャンプよ。
遊びにきたんじゃないんですよ！
わかってるわよ。アンタの修行のサポートでしょ？だからこうして、寝泊まりできるようにテントを用意してるんじゃない。
は、はあ……
ふふふ。釣竿と椅子、ここにおいておくわね。
…………
ナナちゃーん、こっちにくるのー！木登りの修行をはじめるのー！
ま、まってください！いまいきます！
いってらっしゃ～い。
ねえ、やっぱりナナホシちゃんのこと見てたほうが……
修行のことならリンプイにまかせておけばいいのよ。
それよりもアタシたちは、アタシたちにできることをやりましょ。
というわけで主人公、かまどの準備を！
テンパイすごい！手をつかわずに木を……！
つま先で素早く駆けのぼるのがコツなの。さあ、ナナちゃんもやってみるの！
は、はい！いきます！
たあああああああ――たたたたたた……と、ととと、たあああああああたたたたたた……と、ととと、す、すべるっ――
テン！！！
＜ナナホシは木の幹を滑るように転げ落ちた。＞
ててててて……お、おちりが……？
だいじょうぶ？ナナちゃんにはまだはやかったかもなの……
ううぅ……スマートな忍者になるためなら……なんのこれちきっ！
ほらほら主人公、ぼさっとしない！テントを固定するから＜シズ＞持ってきて！
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story2 おちりあい？
ナナちゃん！足を開きすぎなの！それじゃ水蜘蛛から落ちちゃうの！
え、えっと、もっと内股に……ぬ、ぬぐぐぐぐっ！ああもうダメです……
テン！！
アンタたち～、ほどほどにしときなさいよ～。
さあみんな、カレーができたわよ。＜はんごう＞のほうはどう？
ふむ……主人公、火力をあげてー気に炊くのよ！
りんりん。なんだかおいしそうな匂いがするの～♪
ダメですよテンパイ。わたちたちにはオヤツの生ハムが……
…………あああああしゅ――っ！！
＜西瓜を抱えた少女が勢いよく走ってくる。＞
かそぉぉおお――く！！
＜さらに少女は足につけた鉄球を引きずり、砂塵を巻きあげていく。＞
なんでちょうかあのひとこっちにきます！！
あっ！あなたは――
こんにちはっ！スイカちゃんなの！ひさしぶりなの～♪
テンパイのちりあいなんですか？
フルーツ忍者の里にスパイとしてもぐりこんでるときに仲良くなったの。
はいっ！仲良くなりましたっ……えっ、スパイ？
細かいことは気にしないの。ところで、スイカちゃんはどうしてここに？
修行にきましたっ！一人前の忍者になるには、厳しい修行を乗り越えないとだめなのでっ！
それでこの島のうわさを聞いて、走ってきたんですっ！
わたちと同じ、こころざちをもったかただったんですね……
あなたもなんですかっ！？よければお近づきのしるしに、西瓜をごちそうさせてくださいっ！
ちょうど川で冷やしているところなので持ってさますねっ！
えっ、あの……元気なかたですね……
…………
……
慎重に運べよ。その西瓜はー玉１００万Ｇもするんだからよお。
まかせてくださいよ。それで旦那、今回は西瓜の中になにを隠したんです？
＜偽造のルーン＞さ。こいつを使えば骨董品の偽造なんかは朝飯前だ。
ただし見つかれば重罪だ。まあ、バレやしないがな。
よっ、密売のプロ。
んなこたあいいから、さっさと西瓜を船に運べ！取引に間に合わねえぞ！
ヘーい……
ん？なんだこの虫？
＜一匹の蝶々が忍者の目の前を舞っている。＞
ああくそ！邪魔だどけ！あっ……！
＜忍者が蝶々を振り払った拍子に、西瓜を川のほうへと落としてしまった。＞
ばっきゃろう！なにやってんだ！拾ってこい！
す、すませんっ！
……
…………
川の水が冷たくていい感じですね♪実が引きしまってる気がします♪
おいおい、なんだあの女……どうして俺が落とした西瓜を……？
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story3 危険なスイカ割り
棒よち、目隠ちよち、これで＜西瓜割り＞の準備は整いまちた。
それぐらいでは修行になりませんよ！鉄球も引っ張りましょう！
そんなことちたら西瓜にたどりつけまテン！
そうですか……では、＜グルグル金棒＞で我慢しましょう！
まあ、それなら……
ではナナホシさん！金棒におでこをつけて１０回まわってくださいっ！
こ、こうですか？ぐるぐるぐるぐる……おおう、これはアチにきますね……
ねえ、スイカちゃん。どうしてわざわざこんなこと……
普通に食べても味気ないじゃないですか。
ですからっ！
ならいいの♪
うおお……フラフラちます……誰かわたちに西瓜のバチョをおちえてください……
まかせるの！あたしがナナちゃんを導いてやるの！そのままゆっくり右にいくの！
いいえ！駆け足で右ですっ！！
えっ？えっ？
…………
＜草むらから商人と忍者が西瓜割りを覗いていた。＞
楽しそうですね……西瓜を割る気、満々……
冗談じゃねえ！そんなことしてルーンも割れたらどうすんだ！取引がパーだぞ！
旦那、落ち着いて！隠れてるのがバレちゃいます！
そこなの！そのまま勢いよく棒を振りおろすの！
はい！テンパイ！
げっ……
たあああぁっ！！！
わ――――っ！？
っととと、と、と、と――
テン！！！
ててててて……うう、あとちょっとで割れたのに……
ナナちゃん……ほんとによく転ぶの……
ほっ……
＜なにやら事件が起こりそうな気配だ。そんなこととはつゆ知らず――＞
みてみて～、ホヤ貝が獲れたわ～。
違うよキャトラ。それはミル貝っ♪
＜主人公は金網を用意した。＞
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story4 予期てぬテンかい
テン！！
ててててて……これで６回目です……
うっ……なんども転んでいる姿を見ると胸が痛みますね……
西瓜割りはそろそろおしまいにしましょうか。
ま、待ってくれお嬢ちゃんたち！おじさんも混ぜてくれないかな？
いったいなんですか？あやちいひとですね。
あ、あやしくないよ～。おじさんはただ、西瓜割りがもっと楽しくなるように提案を……
ほう、それはなんでちょう？
三人で同時に割るのさ！競争するとなんかこう、燃えるだろ？
それはおもしろそうですねっ！ぜひやりましょう！！
（バカめ……)
ささ、そうと決まったらみんなでー斉に目隠しだ。ズルしちゃダメだよ。
わかりまちた♪
＜ナナホシとスイカは素直に布で目を隠した。
ー方商人は、二人の姿を見届けるや――＞
（い・ま・の・う・ち・だ・す・い・か・を・す・り・か・え・ろ）
（か・し・こ・ま・り・ま・し・た）
なに踊ってるんですか？あっちに誰かいるんですか？
わー！？なんで目隠しとってんのー！
ズレちゃったんです。そういうおじさんこそ……
おじさんは……おじさんだからいいの！
旦那！すりかえました！
いまさらおせえよ！いいからその西瓜を俺によこせ！ずらかるぞ！
どこいくんですか！西瓜割りはどうするんです！
うるせー！ビーチフットボールに変更だ！
りんりんぷんぷん！待つの！その西瓜を渡すの！
な、なんだてめえ！？そこをどけ！邪魔すんな！
隠した＜偽造のルーン＞をおいていくの！
どうしてそれを！？
話は全部、チョウサクから聞いたの。
＜一匹の蝶々がリンプイの肩に止まった。＞
その蝶々はあのときの！？
ふっ……テンパイは＜忍蝶＞を使い、あらゆる情報を集めることができるんです！
なにっ！？……だからどうした！
ナナちゃん！いまなの！
はい、テンパイ！
＜ナナホシは商人から西瓜を奪い取った！＞
てめえ！
や～い、こっちにこいです～！おちりテンテン♪
持てこら！逃がすかー！
いやー、衝動的に山登りなんてするもんじゃなかったわね～。
もう。なんとか帰ってこれたからいいけど、今度はちゃんと水を準備していこうね。
まあでも、運よく山菜が採れてよかったわ。スープのダシにでもしましょう。
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story5 ただじゃ転びまテン
たたたたたたたっ！
くそ……どんくさいとおもったら意外とすばしっこいじゃねえか……
はあはあ……チュギョウのテイカがあらわれているようですね……
だが体力は俺のほうが上みたいだな！差が縮まってきてるぜ！
くうう……
さあ！いさぎよくその西瓜をこっちによこせ！
だれが……わっ、とととと……
よせバカ！転ぶんじゃねえ！
テン！！
＜ナナホシが豪快に転んだ拍子に、西瓜は割れてしまった！＞
ちくしょうめ！＜偽造のルーン＞が……
ん？こ、これはどういうことだ！？
＜西瓜の中身は西瓜だけだった。＞
ふっ……こんなこともあろうかと逃げる前にふつうの西瓜とすり替えていたんです……
ちい、いつの間に……！じゃあブツ入りの西瓜は砂浜に……
ええでも、いまごろスイカさんが安全なバチョに運んでいますけどね♪
はっ、そうかい……。そいつはよかった。
なにがおかちいんです？
お嬢ちゃん、そういう大事なことは簡単にいうもんじゃあねえぜ。
強がりを……あなたの仲間はひとりだけ。今からではどうすることもできまテン。
どうかな？
！？
いいかいお嬢ちゃん、悪者ってのは味方を大勢隠しているもんなんだよ。
旦那！例の女、捕まえましたぜ！
へへへ！念のためあの女をマークさせといて正解だったな！
くっ……
じゃあな、お嬢ちゃん。大人は汚いんだよ。
…………
ふっ……ただじゃ転びまテンよ……
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最終話 きちょうテンけつ
うう……しくじりました……？
＜スイカは密輸船の帆柱に縛りつけられていた。
動きを封じられたスイカは、商人や忍者たちを、ただ見ていることしかできない……＞
さてと、そろそろ取引相手が来るこさてと、そろそろ取引相手が来るころか……その前に西瓜を磨いておかなきゃな。
はははっ！＜偽造のルーン＞を元手に大儲けだ！
それが本物ならのはなちですがね！
て、てめえしょうこりもなく……しかもこの西瓜が偽物だあ……？
あけて確かめてみればわかります。
本物に決まってんだろ！見ろ、シマ模様がズレている！こいつは西瓜に細工してある証拠！
さらに砂浜に残っていた西瓜はひとつ！女がそれを運び出す前に俺の仲間が捕まえたんだ！
どう考えてもこれは――なにい！？
＜商人が西瓜を割ると、中から４匹の蝶々が飛び出した。＞
うわああああ！なんだこの虫は！変なものをまきやがったああっ！
こほっ！こほっこいつは鱗粉だ！！前が見えねええええっ！
ふっ……あのときの『ふつうの西瓜とすり替えていた』というのは嘘です。
どっちも偽物だったってわけか……なら本物はとこにやりやがったってんだ！
鉄球ですよ。
てっきゅうだあ？あんな重くて丸いだけの鉄の塊がなんだって……まさかっ！？
そう。こんなこともあろうかと、西瓜の緑の部分を黒く塗るようスイカさんに頼んでおきまちた……
わたちは準備に余念がないんです！
はっ、それはこっちの台詞だ！周りを見てみな！俺の仲間がてめえを囲んで……
ひいい！旦那、たすけてくれ！糸が体に巻きついて……
なんだこりゃあ！？
＜船首楼、甲板、マスト。船のいたるところに伸びた糸が、忍者たちの動きを封じている。＞
鱗法なの！糸はってやったの！
ナイスタイミングです、テンパイ！それと……
今日の素振りは回数ましましましのぉぉ……どっか――ーん！！！
ぐわあああああっ！
＜スイカが大金棒を振り回し、忍者たちを海に叩き落とした。＞
ふう……縄をほどいてくれてありがとうございますリンプイさん！ここからは仕返しタイムですっ！
次から次へと……なんだってんだ！
ちくしょおおおおおおっ！
待ちなさい！逃がちまテンよ！
へっ、てめえが俺に追いつけるわけ……
ふっ……どうでちょうかね。
なっ！？
たたたたたたたたっ！
＜ナナホシは船に張られた糸の上を軽やかに飛び跳ねながら商人との距離を詰めていく！＞
なにい――――っ！？
テ――――ン！！
＜ナナホシのお尻が商人を踏み潰した！＞
く、てめえ……なんでこういうときには転ばねえんだよ……
ふっ……わたちは七回転んだあと、ものごとが必ずうまくいくんです。
これぞ忍法＜七転び八起きの術＞です！
そりゃ、ジンクスってやつだろ……
がはっ。
…………
……
りんりん。事件も解決したことだし、西瓜割りの続きをやるの！
＜グルグル金棒＞の回数を１００倍にしましょう！
ひゃ、ひゃく！？はなちを聞いただけでメマイが……
テン！！！
…あらあら、あの子たちまだ遊んでたのね。
みんな～、山菜スープできたわよ～ー緒に飲みましょ～！！
（１００回もぐるぐるちたくない、ここはちんだフリでやりすごちます……）
でも……スープが…！？
NEXT>
