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【白猫】覇戦のレガリア Story4

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最終更新者:にゃん


2019/06/27



目次


Story28 陳腐な筋書き

Story29 俺が決める

Story30 我が宿願

Story31 安らかに眠れ

Story32 闇の王子よ

Story33

最終話






story28 陳腐な筋書き



オラアアア!!

ハアアアア!!

ハッ!!!

駄目だッ! 止まらねえッ!

この騎馬隊、なんて突破力だ……!

これは……!

敵が、脆い……!

いえ、我々を、地形が味方しています……!

これは、一体……

路の狭さゆえ、騎馬が進めるのは一本道、

だがそれは敵も同じ。ライゴウ最高の騎兵戦力を一点に集約すればー――

道はひらける!


敵がいなくなった……!?

違います!敵の背後に回り込んだのです!

しかもこの形は、歩兵を弓なりにした陣形で、敵を囲いこむように――

すごい……!

騎兵の突破力を活かした、必殺の布陣。

片翼包囲陣形だ!

くっ! 囲まれてるぞ!!

ぐあああッ!!

ハアッ!!

ぐああああッ!!

ダメだ!! やられる!やられちまう!!

オホホホ! 敵ながら見事!しかしこれで覇王ケンセイの強さ、大体は掴めましたな。

掴めたところで逃げ場はない。貴様と我は、ここで終わる。

いえいえ大王よ。終わるのは、あなたのみ。

……なに?

<&%$○■*×!…………>

ぐ、おお……! おおおお!!

き、貴様……!

分かっておりました。分かっておりましたとも。

わたくしの力が、自分の手には負えぬと、察したところまでは見事です。

ゆえに一身に憎しみを集め、愚かなる自己犠牲の精神で、暗君となる……

暗君である大王ゴーマと、闇の軍師シンラは、覇王ケンセイに敗れ、タイカンに平和が訪れる……

オホホホ。陳腐な筋書きですねぇ。

き、貴様ァ……!

たかが一国の王の分際で……調子に乗らんほうがよろしい。貴様は真似事に過ぎぬ。

闇の王には遠く及ばぬ木偶。

……ぐ、ぐ……ガアアアアアッッ!

さぁあなたはもう用済みです!せっかくだから散らかしていきましょう!

ビバ憎しみの連鎖!死屍累々は闇も喜びましょう!



うっ……!

アイリス! どうしたの!?

どこかから……強い力を感じる……

ぐあああッ!!

ガアアアア!!

<*×○■!&%$…………>

闇が、濃い!

いったい何が起こってるの?

わからない。でも危険だわ!

ヒヒヒ!!

ぎゃあああ!! 

みんなを守らなくちゃ!


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story29 俺が決める



ぎゃあああ!!

殺す……コロスッ!!

ぐっ……!こいつら、急に……!

リーラン様! 今助けます!

ぐああああ!!

ゴウケツ!

ダメです!押し負けますッ!

優勢だったはず……!なぜだ……!

闇の軍師、シンラ……

この力の正体は、そいつか!

ああ。

ならば、どうする!?

う、うう……!

……ち、ちくしょう!

練気も使い果たし、陣形も崩れだ!打てる手は限られてるぜ!ケンセイ!

打つ手がなくなったわけじゃねえ。

策が破られるなら、再び策を練る!体力が保たぬなら、保たぬまま戦う術を考える――

活路がないなら、切り開く!限界は、俺が決める!

「オオオオオオオ!!!


この声は……?

我が軍ではない……?

ライゴウ、ヲ、スクエ!バルガ、ノ、センシ、ヨ!

バルガ族だと……!?

いったい、どうして……?

ハオウ、ガ、コドモ、タチヲ、カイホウ、シテクレタ!

ダカラ、タタカウ!ワレラモ!

まさかケンセイ様、用があったというのは……

約束を、守っただけだ。

ぉ、おおお……!なんだこの光は!

これは、ルーンの力……?

圏谷に眠る<七彩のルーン>と、手持ちのルーンが、呼応している……!

これは、一体……!!

あいつの仕業だ。

タイカンの霊獣、麒麟……!

<麒麟の視線はケンセイを捉え――

光と紫電を纏うその歩みは、泰然と覇王のもとへ――>

……乗れってか?

『…………』

いいだろう。

力が……!!!

王よ、これは!!

霊獣からの祝儀だ。

奇遇だな麒麟。お前が見据える先に広がる闇。

俺もあそこに用がある。

リーラン、ジャッキー、ハオ!そしてバルガの戦士よ!この場は任せる!

承知ッ!

気合で進めえっ!踏ん張るぞ野郎共ッ!

う、うおおおお……!

オード! タオス!


覇王が……来るぞ!

止めろッ! 殺せえッ!

邪魔だッ!

行くぞッ!

『!!!』



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story30 我が宿願



ハアアアッ!!

おやおや、来ましたな。覇王ケンセイ。

……来た力。ケンセイイ、イ、イイイ、いいい!フハフハフハ!!!

……ゴーマ!

我コソは大王ゴーマツ!民に安寧をもたらすモノッ!虐殺スルッ!!

ゴーマに何をした。

ちょっとばかりの闇に、染まってもらったのでございます。

殺セッ! 覇王を殺セッ!

な、ならヌッ……!

!!

こ、コレは……!王と王ノ……一騎打ち、だァあ!邪魔ハ許さン……!!

……この状態でまだ、意識があるとは……さっさと獣に堕ちれば、よいものを……!!

堕ちないさ。

……なんですと?

お前、舐め過ぎだ。

クククク。何を言うかと思えば……人は生まれながらの悪です。

欲望に負け、嘘をつき、騙し欺く。それが人間という生き物。惰弱な家畜でございます。

舐め回して、何が悪いですか?べ□べ□ベ□べ□……

断じて違うッ!

人はお前が思うホド、愚かでも弱くもナイ!

貴様の過ちは、正さレルッ!!世迷い言……後悔するがいい!

この戦場を見るがよろしい。つまり殺し合いですよ。人の本質じゃないですか。

……フッ。

なぜ人が戦う力、考えたコトモないんだろうナ。

……なに?

人の意思は受け継がれル!たとえ倒れヨウとッ!その意思が消えることはナイ!

そこに光が、希望があるノダ!ゆえに道は、決して消えはしナイだから、人は戦うノダッ!

……戯れ言を。

戯れ言はお前だろ。結局、人間ひとりも、操れてねえぜ?

まったく……まったくもって忌々しい……

が、いいでしょう。この場は、譲ります。

覇王ケンセイ。あなたはいずれ、わたくし手ずから、殺してあげましょう。

そして闇に歯向かったことを、後悔させてさしあげます……

逃がすと思うか?

わたくしの相手をしてる暇がおありですかな?

それではまた、近い内に……


グ……!

ゴーマ。奴は必ず倒す。必ずだ。

まずはお前を助ける。

助けナドいらん!

この身ハ、闇に、蝕まれてイル……!

もはや、助かラン……!

ゆえに、我とッ……戦え!

…………

我を殺し!タイカンに、平和を!そしてッ!シンラを討てッ!

貴様がタイカンをまとめ、ひとつの国となれば……闇ナドに、負けヌ……!

何とかしてやる。諦めるな。

諦めたのではナイ……!これが我が宿願ナリ……!我は、憎しミノ象徴!我を倒すコトデ、国はひとツとなるッ!

自己犠牲なんざ、くだらねえ!

ふっ。生憎、タイカンに、この身を捧げると、決めてオッテな……!

我と戦えッ! ケンセイ!光へと続く道を切り開け!




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story31 安らかに眠れ




ハアアアアッ!!

ハァアアアッ!!


「……ゴフッ。

……我の夢は、この島に平和を、もたらすこと……」

「……だったら叶えろよ。自分の手で!

勝手なことばかり、言ってんじゃねえぞ!!」

「フフフ……後は貴様に、任せる……ケンセイ……約束しろ……

闇の好きにはさせぬと、貴様が、闇を討つと……」

「面倒ばかり押し付けやがって。お前との約束なんざ、誰が守るか。

――それ以上だ。

お前の殉じた夢以上の世界、見せてやるよ。

後は、任せろ。」

「……くくく…………まったく、貴様は……」


<ゴーマはゆっくりと目を閉じる――

そして、不動のまま、静かに――>



……リーラン。オード兵は?

闇が消え、戦意はありません。

死んだのか?大王ゴーマが……?

じゃあもう、怯える必要も、ねえってことか……?

助かったんだ!あの暗君が死んだ!助かったぞ……!

もう、敵はいねえ。

で、では……!

……オワリ、カ?

戦いが……?


…………

――そうだ!


!!

長きにわたる戦乱は、今日!この日に終わったッ!

この戦、ライゴウの勝利だ!

……!!

!!!



…………

安らかに眠れ。我が友よ。



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story32 闇の王子よ



野郎ども! よく働いた!

今日は飲み、食らい、ぶっ倒れろ!

乾杯ッ!

都に戻った途端、宴会って!

mまずは勝利を祝わなくては!ね、兄様!

ふふ、そうだね。

グダグダ言ってんじゃねえ!飲むぴょん!

あ、ちょっと将軍!

mあ! 待ってください兄様!

騒がしいわねえ。

……うん。そうだね。

散っていった仲間たちも、下を向いていては浮かばれません。

この宴は饒の意味もあるのです。

ええ、そうね。

ですので、ご馳走はまだまだあります。遠慮せず食べてくださいね。

わかったわ!たくさん食べてやるんだから!

お腹壊さないようにね。

リーラン様、追加のお食事は!

結構です。あなたも存分に――

ゴウケツ、生きてたのですか!?

ハッ! 運がよく!

それならそうと早く言えっ……!

飯もいいが、飲まないか?

ケンセイさん。今後タイカンの島はどうなるのですか?

キョウ平定も報告があった。ざっくり言えば……平和になるだろ。

だが心配していることは、違うだろ、アイリス?

……はい。

どういうこと?

オードを惑わした闇。その正体。

闇の軍師、シンラ。

闇と戦うなら、今後避けては通れない相手だ。

だから主人公!お前を呼んだ。

キョウを攻めていた将軍たちがじきに戻ってくる。主人公が、闇の王子だと知っていた奴らだ。

その人達は一体、何者なんですか?

ケンセイ様!ネロ大将軍、ヴァイス、セレナ両将軍、帰還いたしました。

噂をすれば、だ。

主人公。紹介しよう。そこですべて話す。

行こう、主人公!

そうね。行きましょう。



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story



ネロ。よく戻った。

約束は果たした。今度は貴様の番だぞ、ケンセイ。

ああ、連れてきたぜ。

???

お前が闇の王子か。

あなたは何者ですか?

私は闇の王の後継者を導く者。

……紹介しよう、闇の王子よ。

<闇の王の後継者>

貴様と同じ、闇の王の後継者。ヴァイスとセレナだ。

闇の王の、後継者……?

……どういうことよ。だって、後継者は……

ふーん、あんたらが闇の王子と愉快な仲間たちね。

……揃ったな。

誰よ、アンタたち。

タイカンにお前たちを呼んだのは、私たちだ。

なぜ闇が悪しきものなのか。なぜオードのように狂うのか。

その答えは明白だ。

――闇を統べるものが悪だからだ。

であれば我らが力を合わせ、闇たる根源を倒す――

それがあたしたちの――そして、あんたの使命よ。主人公。

それってまさか、アンタたち……

あたしたちの手で終止符を打つ。

長きに渡る、闇との因縁に。

この場に集いし、闇の王の後継者たちの力で、闇の王を、討ち倒すのだ。

闇の王を、倒す……?

そんなことが、可能なんですか?

その為には、”貴様”の力が必要だ。

にわかには信じがたい話です。ですが闇の王を討つというなら、目的は私たちと同じ……

詳しく、聞かせてもらえないでしょうか?

無論だ。だが話すよりも、見てほしいものがある。私たちとともに来てほしい。

どこへ?

我らが闇の王を倒す場所と定めし決戦の地、<波蝕の島>だ。



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story




ここが波蝕の島だ。

何なの、島を囲ってる、あれは……?

闇をこの場所に集める大魔術、<波触>の触媒となるものだ。

黒の王国時代に造り出されたと言われる、闇を操る装置を改良したものだ。

アレを使って、闇を一箇所に集める。ただ起動には制限があってな。

必要なのね、主人公が。

……そういうことだ。

では闇をこの地に呼び寄せて、闇の王を倒す、ということですか。

そ。あたしたちから、仕掛けるの。

闇に攻め込む戦いだ。

けど相手は闇の王よ。今のアタシたちだけで、確実に倒せる保証なんてないわ。

俺たちもいるだろうが。

ゆえにケンセイと盟約を結んだのだ。タイカン統一を手伝う代わりに、一緒に闇を倒す、とな。

タイカンはハオに任せてきた。タイカン兵は全戦力で、この戦いに参戦する。

じゃあ、アタシらと、タイカン兵で闇と戦うの?

いや、それだけじゃねえ。この丘を越えた先、見てみろ。

これは――!

すっごーい!

お待ちしておりましたッ!

どゆこと!?色んな人がいるわ!

集まったのは、タイカンだけじゃねえ。


<帝国>。

<連邦>。

<タイカン>。

そして<闇の王の後継者>。即ち、貴様たちだ。

……これで全員が揃った!

帝国、連邦、タイカン。三大国の連合軍と闇の後継者が、闇と戦うために集結したのだ!

この波蝕の島で、人と闇、世界の未来を決める戦争を始めるぞ!





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エピローグ



フハハハ!! 盤面の駒はそろいました!

残るは真なる王の、導きのみ。

いよいよ世界のすべてが、黒く染まる――


では向かおう、波蝕の島へ。

闇の王よ! まもなくです! まもなく、世界のすべてが!


<&%$○■*×!…………>





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DARK RAGNAROK
~黒の後継者~








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