【白猫】怪盗ピアナと贋作王の壷 Story
開催日：2018年8月14日
目次
story
ｒトーマス！外の警備は！
ｔ万全であります！ロジャー警部！
ｒうむ。引き続き、警戒を怠るな。
ｚ本当に大丈夫なのか？相手は伝説の怪盗なのだろ？
ｒご心配なく。指輪は我らデカ島の刑事が、必ずお守りいたします。
ｚ頼むぞ。金ならいくらでもある。無事に守りきれたら報酬も出す！
ｒ――結構です。……失礼ですが、金では奴から守れませんので。
ｚははは、それはどうかな。特注ケースの中には超精巧ダミーを置いとるし。
本物はこの通り、私の指にはめられておる！盗めるものか！
ｒつまり奴が盗むのは不可能だと？
ｚ当たり前だ！伝説の怪盗だろうが大金かけたセキュリティの前には無力じゃ！くははは！
……ん？どうしてあそこの窓だけ警備がいない？
ｒな！？このタイミングで明かりが！？まさか――
警戒しろ！奴が来るかもしれん！
ｚバ、バカな！ゆ、指輪が――なくなっている……！
ｒしまった――！
まだ近くにいるはずだ！とにかく外だ！全員、外を探せ！
ｔはい！！
ｒ…………
ｚ君は行かなくていいのか？
ｒ……あなたに用がありましてね。
ｚなに……？
ｒ知ってますか？奴は変装の名人なんです。
ｚ！？
ｒくそっ！縄っ！ほどけねえ！
ｔ警部、いつの間に外へ？それになにを……
ｒ全員もどれ！奴は――！
ｚ貴様、まさか……！
ｚ怪盗、ファクティス！
ｆ予告通り、指輪はいただいた。
ｚくそっ、迂間だった……いくら指にはめていても、あんなに近くにいられたら……
ｆ退屈すぎて、あくびをこらえるのに必死だったよ。
ｚその指輪を返せ。いくらでも出す。金ならあるぞ。
ｆ……金さえあればとうにでもなる。その価値観は、実に退屈だ。
ｚや、やめろ……来るな！いくらでもやる！いくらでも！
ｆ金などいらない。この指輪もな。
ｚなら、なぜ盗む……！
ｆ俺はただ盗みたかった。
汚い金で成り上がった自信家の、金ですべてが手に入るという価値観を。
ｚわ、私になにか恨みでもあるのか？それとも雇い主が……?
ｒそこまでだ！
ｆ……お早いお戻りで。
ｒ総員、確保ー！
ｆそういや、あんた。窓に警備がいないことに疑問を持ってたな。
ｚそれがなんだ……
ｆ怪盗ってのは、あらかじめ逃げ道を用意しとくもんさ。
＜ファルクスがステッキを地面に突き立てると、冷気が噴き出し、部屋を覆い尽くしていく。＞
ｚなんだこれは……うう、寒い……
ｒくっ、前が……奴は……
ｆじゃあな警部。そいつは俺からのプレゼントだ。
ｒ窓から逃げたか！
ｚ金が、通じない……？そんな――？
ｔけ、警部！これを見てください！
ｒ違法なルーンか……しかもこの量……-
ｚバカな！それは隠し金庫に！！
ｒあなたのものですね。――逮捕する。
ｚ持て！金なら――金は、通じない……？
「あ、あなただれ？あやしいひと？
「お嬢さんこそ、こんな時間に出歩いたら危険だぞ。
「でもわたし、帰る場所なんてないよ。
「なら、これをやる。
「ダイヤの指輪……？
「帰る場所がないなら、作ればいい。負け犬の価値観を、持つ必要などない。
「え、どういう……
……あれ？いなくなっちゃった？
story
額縁の傾きを調整して……これで絵画に視線が集まること、間違いなし。
えっと、銅像は手前に動かそう。光を反射させれば……
ついでにオーナーのヒゲも……左に少し傾いてるから、黄金比に……
よし、これでドリンの壷から、視線を逸らせる！
Ｏ壷がどうかしたのかい？
ｐどおっ！？
オーナー！いやなんでもないですよ！おはようございます！
Ｏなんでそんなに慌ててるの？その調子で準備、お願いね。
ｐじゅ、準備？私は壷を隠す準備なんてしてないですよ。
Ｏえ？聞こえないけど……まあ、君の美へのこだわりは今に始まったことじゃないか。
だからこそ、君をキュレーターとして雇っているわけだけども。
ｐ……はい。責任をもって、がんぱります。
Ｏうん、よろしく頼むよ。
あ、……ところで聞いたかい？隣町に怪盗が現れたそうじゃないか。
ｐ伝説の怪盗さん、ですよね。なんで急に、この島に……
Ｏもしかして、うちにも来たり？
ｐやめてくださいよ。でも、うちはそこそこ、名が知れてますしね。
Ｏああ。なにせ、最後の＜ドリンの壷＞があるんだからな！
ｐ…………
でもだからこそ、笑顔を絶やさず！ですよね！
Ｏそう！それが我が美術館のモットー！
とまあそんなわけで、今日も一日頑張ろう！
「「「よろしくお願いします！」」」
Ｏふふ、頼りにしてるよピアナくん。
ｐはい、オーナー！
（ドリンの壷……もし、その伝説の怪盗さんが、盗んでくれたら）
みなさん、おはようございます。美術館＜ギャラ・ラン・テ＞開館します！
