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桂花酒・手紙

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半分風雅

主人公名:

  フッ、『空桑の若様』よ、単刀直入に言おう。見てのとおり、この手紙は緊急連絡だ。手紙を届けるとき、できるだけ人目を避けておいた。

  広寒宮の事件が発生したあと、吾はいろいろと考えた。その結果、恐らくまだ何か起こるかもしれないと考えている。その犯人はとある無価値な宝を奪うために、数年前から広寒宮に潜り込んだというが……なんということだ、広寒宮の至宝といえば、この吾ではないか!

  <陸吾の注:コホ!>


広寒宮の主


同袍同沢

主人公名:

  <絡繰兎は華やかな箱を持ってきた。桂花がいっぱい入っているその箱から手紙を取り出したのだが、結構な時間がかかった。>

  君は忙しくて、いろいろな場所へと行き来している。そして、いつも風に当たり、日に照らされているというのに、肌の手入れなどは全然していないだろう。

  その花を持ってきたのも君が犯した罪を償うためだ。吾が思うに、人を傷つけることや盗窃などだけが有罪とは限らない。そう、吾の美貌を理解できないことも、決して許されてはいけないことだ。とりあえず、お風呂に入るときや顔を洗うときに、その桂花を使えば、君の美しさも……フッ、つまり、吾の宮殿に来るときは仙境の美しい景色を殺風景にしないようにな。


桂花酒


以心伝心

主人公名:

 ○○、小耳に挟んだのだが、君が日頃、努力を怠らないのは、ある人に失望させたくないからだろう? 君は気づいていないかもしれないが、吾にはよくわかっている。君は吾に惚れているだろう。吾はよく理解している。人々は吾の美貌に対するこの驚きは、いつか愛に変わる。その愛は前身の力にもなる。

  どうした、君もこういう必然の法則に従うつもりか? それなら、わ……吾は反対しない。


桂花酒


金蘭之契

主人公名:

  <モクセイ色の便箋に、「鮮やかな色がなくとも、一流の花であることは明白」という一行の詩が書いてある。>

  ○○、吾は俗離れした仙人ではない。だが、伊摯様が吾に、「善心から生まれた君は、最後に……誰かの心を拠り所にするだろう」と言ってくれた。

  この世で本当にそんな幸運な者がいるなら、それほど輝かしい人でなくていい。私の傍で……微かに香る月桂でいてくれたならそれだけでいい。この話は、君しかしてないから、肝に銘じておくように!


桂花酒


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