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糖酢源白・物語

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一 魚龍ノ界・壱

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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糖酢源白

「若!――ぼーっとしてないで、一緒に上陸しよう!」


目を開けると、青々と茂った山頂と銀色の魚のように舞っている波しぶきが見える。

東海異変から一年後、すべてが平和な日々に戻り、糖酢源白も風生水起の力で東海から洞庭湖に戻っていた。


糖酢源白

「見て、あの桃の花の下にあるレンガの家は大福おばさんの家だよ!この上着を贈ってくれた人なんだ!」


糖酢源白は嬉しそうに漁村に住んでいた友達の数を指を折って数え始めた。


糖酢源白

「一番漁師の蝦五郎とか、雑貨屋さんのまめちゃんにえっちゃんとか……」

「みんな若のお友達になってくれるよ!僕に任せ……うう」

「なんだか急に、目眩が……」


東海から来る途中、糖酢源白はずっと興奮して質問をしていた。

それから風生水起が船から降りて洞庭龍君のところに行った後、彼はまた舵取りをしていた。


糖酢源白

「船に乗ってからずっと食事をしてなかった!ずっと忘れてたよ……」

【選択肢】

・彼を抱き締める

・まずはどうすればいいかを考える

選択肢

彼を抱き締める

糖酢源白

「――!!」


糖酢源白は体を緩めた後、僕を抱き締めた。


糖酢源白

「若、ありがとうね!さあ、お返しに僕も君に情熱的なハグをするよ!」


まるで大型犬が胸に飛び込んできたかのように温かく感じる。

まずはどうすればいいかを考える

まだ考えている途中、僕の体は急に倒れてきた彼によって船に倒された。

船もその勢いで水面を叩き、水しぶきを上げた。船に倒れた二人の距離は突然縮まってしまった。


糖酢源白

「えっと、なんだか見たことがあるような感じがするよ……」

「そうだ、筍ちゃんから聞いたことがある。これは佛跳牆の名シーンだ!ま、待って!頭突きは禁止だよ――」

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それから、恐らく長時間食事をしなかったことと過労のせいで、彼は気絶した――


???

「あなた達、川辺でなにをしているの……えっ、彼は!彼は大丈夫なの?」


糖酢源白

「僕は、まだ生きてるよ!?」

「どうして目の前に見たことがない老人がいるの……」


年寄

「ハハハ、大げさだな。さあ、冷めないうちにこのスープを飲んで」


糖酢源白

「これはあの伝説の孟婆湯じゃないよね!」


年寄

「フフフフ……」


糖酢源白

「ち、近寄らないでくれよ――」


その後


糖酢源白

「うわわっ、これは君山魚滾湯だね。これを飲んだら……」

「春の花が咲いて、一群の銀魚が水面から飛び出すシーンが見えるよ!」


老漁頭

「あなたが港で気絶してるのを見つけたから、家に連れて来たんだ」

「私のスープを気に入ってくれて、ありがとう……でも、こんな物はどうってことないね、春の洞庭湖に来たら「魚状元」を一番食べたいでしょう」


糖酢源白

「「三月十五日に魚龍会があり、魚類の状元だけを注文する」?」


老漁頭

「そう、あいつは朱筆に点化された化け魚で、毎年の三月十五日の魚龍会で現れるという伝説がある。

 あいつを捕まえた人こそが正真正銘の漁師の王になれる」

「だから私はあいつを捕まえた漁師になりたいんだ……」


この瞬間、僕たちは老漁頭の話しの中からある渇望を感じた。


老漁頭

「ゴホンゴホン……だが私の余命はもう長くない、この願いは恐らくもう叶えられないだろう」


それを聞いた糖酢源白はスープを一気に飲み干し、碗を勢いよく机の上に置いた。


糖酢源白

「魚龍会の開催日は来週だよね!」

「安心して、お爺さんの願いを叶えるために、僕と――」


僕はニヤニヤとしていた彼に引っ張られて肩を掴まれた。


糖酢源白

「僕の仲間たちもその試合に参加するよ。これならきっと、その魚を捕まえられるよ!」


数日後


糖酢源白

「へへっ!魚龍会――にぎやかな魚龍会!」

【選択肢】

・まずは募集計画を立てよう

・まず内務部に申請書を提出しようか?

選択肢

まずは募集計画を立てよう

糖酢源白

「鍋包肉はまた滝の下で、なにかマナー勉強会をしたのか?」

「今は計画を立てる暇はないよ、もう時間がないんだ!」

まず内務部に申請書を提出しようか?

糖酢源白

「うわ――前回集会のことで宮保鶏丁に捕まった後のことをまた思い出したよ!」

「それに最近宮保は確かヘルス講座参加してたよね」

「だから彼の邪魔をしない方がいいと思うよ!」

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糖酢源白

「とにかく、今は余計なことを考えないで、心の赴くままに行動しよう!」

「さて、まずは食堂に行って漁村でもらったプレゼントをどうにかしよう!」


午後、食堂には人影もまばらで、普段に比べて空気が凍り付いているようにひっそりとしている。

ここにいた人達は魚香肉絲を囲んで手品を見ていた。時折小さな笑い声が聞こえてくる。


臘味合蒸

「面白そうだが、幻覚だ……すべて幻覚だ。

 なぁ、何か実在して面白いモノねぇか」


突然、ドアが押し開けられると、騒がしい声が響く。


糖酢源白

「ここの洞庭蟹を全部蒸して!ここにいるみんなは全部食べてもいいよ!」


石が静かな水面に落ちたように、冷えていた空気が彼が来たことで流れ始めた。


臘味合蒸

「おっ、今日はなにかいいことでもあったのか?」


糖酢源白

「へへっ、実はね、今日――」

「いい知らせがあるんだ!僕は三月十五日の洞庭魚龍会に参加することを決めたよ!」

「魚龍会はすごいんだよ!洞庭に住んでる全ての漁師は集まるんだ!」

「洞庭湖の魚は今まで見た魚の中で一番いい魚だよ!俗語に「牛は八百斤ほどに大きいが、魚が大きくなると、測る術がない」って言うように。それにこの回頭魚の肉は柔らかくて、爪だけで切れるんだ!」

「それに、天と水をつながる君山では漁歌夜会も開かれるよ。みんなは夜会で思う存分歌ったり踊ったりして……」


彼の話はたちまちその場にいる人の注意を引きつけていった。


えび餃子

「湖面の上で開かれる歌会なんて、素敵すぎるよ~!」


担仔麺

「人が多いから、いい商売になりそうです。何か売ってみましょうか」


臭桂魚

「うう、大きくてキレイな魚……見たいです……」


源白の話のおかげで。食堂にいたみんなも魚龍会に参加するようになった。


糖酢源白

「一緒に参加してくれて嬉しいよ!でも、先に警告をしておくね――」

「老漁頭の話によると、三月十五日にある化け魚が現れるみたいなんだ。あいつはたくさんの目を持っていて、体中に毒のトゲがいっぱい生えているらしい!そして、あいつが好きなのは漁船を破壊して漁師を食べることだ!」


臘味合蒸

「それ、怖ぇな!もしそれが本当なら、その魚龍会はやべぇよ!」


糖酢源白

「コホン!ある願いのために、僕…… 僕は死んでも構わないよ!」


???

「まさか空桑にも私と同じ死を恐れない人がいるなんて」


ある食魂が羽ばたきながら軒から降りてきた。


糖酢源白

「子推燕!?どうしてここに――」


子推燕

「今朝、軒にあった燕の巣を見に来たら沢山の人がここに集まっているのに気付いたのです」

「そして貴方の死の宣言は私の注意を引き付けました」


糖酢源白

「ようこそ!君もあいつの味が気になったんだね!」

「老漁師があいつの味は現世とは思えない味で、他の魚よりも甘いって言ってたよ」


子推燕

「……私はいつも消えたいと思っていますが、一度もその味がどんな味かを考えたことがありません」

「まさか貴方のような生気溢れる人が消えることに対してこんなにも理解があるなんて、本当に不思議なことですね」


臘味合蒸

「子推燕までこいつの話に惹き付けられたのかぁ?」

「面白そうだなぁ~源白は一体その純粋さでどこまで行けんだぁ……じゃ、俺も一緒に参加してやるよ」


こうして、糖酢源白は一つのチームを集結させた。


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二 魚龍ノ界・弐

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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湖面はシルクのように滑らかに輝き、湖畔にはたくさんの漁船が並んでいる。

漁船のマストはとても高くて、遠くから見るとまるで森のようだ。漁師たちは船首で立ち、「漁師の王」の座を狙っている。


糖酢源白

「みんな――これが僕たちの船、「鵜号」だよ!」


彼はある小船を引っ張り出してきた。他の漁師の船に比べれば、随分と小さく見える。


臘味合蒸

「いや、この船は小さすぎんだろ……」


糖酢源白

「大丈夫!試合に勝てば新しい船をもらえるよ!」

「そうだ、洞庭湖で船を走らせる前にある掟があるんだ。一、禁じられたことを口にしない。二、船首を一周まわる。三、神様に祈る!」

「じゃあ、一緒に神様にお祈りしよう!」


【選択肢】

・神様って氷糖湘蓮のこと?

・神様って子推燕のこと?

選択肢

神様って氷糖湘蓮のこと?

糖酢源白

「――!!蓮花仙人も来たの?蓮花仙人はどこ?どこにいるの!?」


臘味合蒸

「あいつがこんな騒がしいところにいるはずがねぇだろ。」

神様って子推燕のこと?

糖酢源白

「そうだね、確か子推燕は春神だったよね……じゃあ、子推燕、この神龕に入ってくれないかな。」


子推燕

「翼が大きすぎて挟まれてしまいます。それに、私は神様ではありません……」

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糖酢源白

「ハハッ、実は僕たちが祀ってる神様は洞庭龍君なんだ!」

「「洞庭龍君、どうか僕たちが嵐に遭わないよう、無事に帰ることができるよう守ってください!」」




祈りの中銅鑼の音が鳴り響き、主催者は廟塔に登って今日の試合の内容を発表した。


司会

「お静かに!只今より、一日間釣り予選を開始します!日没後に各チームが釣った魚の数を計算します。そして、上位十名がその後の大会に参加できます!」


百艘の船がまるで羽ばたく白鷺のように帆を上げて出航した。



半日後



正午、澄んだ湖水を眺めても依然として心を静めることはできない。


臘味合蒸

「洞庭湖の三月ってこんなに熱いのかぁ?」


糖酢源白

「多分今日は異常に熱いかも。」


臘味合蒸は手で水面の温度を確かめた後、釣りをやめて首を振った。


臘味合蒸

「これはもう湖じゃねぇ、魚スープだ!」


気温が暑すぎるのが原因だろう、湖の魚も希少になっていた、絶好の釣りポイントは全て他の船に占領されている。「鵜号」の漁師達は全員釣り竿の隣で横になっていて、一匹も釣れていない。


糖酢源白

「暑すぎるね。どうせ何も釣れないなら、いっそ涼しいところにいかない?」


小船は人里離れた場所を進み、氷山のような島に辿り着いた。


臘味合蒸

「ハ……ハックション!ここはどこだぁ?他の漁船が見えねぇぞ。」


糖酢源白

「ここは蓮花仙人の氷蓮島だよ。普段ならここの水はいつも凍ってるんだけど、今日は暑さから逃れるのにいい場所になったね!」

「ほら、この氷蓮に書かれてる字は全部仙人が書いたものだよ。そして花びらに書かれてるのは――」

「「糖酢源白」!僕の名前だ!」

「僕が洞庭から離れてから、いつも僕のことを思ってくれてるんだね、蓮花仙人!」


臘味合蒸

「……全文「世に糖酢源白がいませんように」だけどな。」


子推燕

「問題ありません。私が「世に子推燕がいませんように」にと書き直しておきます……」


臘味合蒸

「だから、みんな予選のことを忘れちまってんのかぁ……」


そう話していると、足下から「ドンドン」と音が聞こえた。

【選択肢】

・船の下に何かいる?

・ちょっと船の下の様子を見てくる

選択肢

船の下に何かいる?

糖酢源白

「この大きい音、まさかあの魚の化け物!?」


子推燕

「ああ、私が消える時がいよいよ来たのですね。」

ちょっと船の下の様子を見てくる

糖酢源白

「待って、若!僕、洞庭のある伝説を思い出したよ――」

「溺死した人は水鬼になり、船の下に身を隠して船から顔を出した漁師を水に引き込むんだ!」

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臘味合蒸

「違うぜ、下にいるのは魚だ!魚が山ほどいるぜ!」


糖酢源白

「ん……?みんなどうしたの、早く釣りを始めようよ――」


釣り糸が水に沈んだ後、すぐに釣り針に魚がかかった。あっという間に、船の上には魚が山積みになっていた。


臘味合蒸

「銀魚、モツゴ、タウナギ、コウライギギ、カワアカメ……ここって魚が多いんだな!」


糖酢源白

「僕もよくわからないんだ。普段ならここには魚がいないはずだから。」


臘味合蒸

「分かったぜ!本来凍っている水が今日の異常な暑さで溶けたから、魚もここに涼みにきたわけだ!」

「ハ、ハハハハ!怪我の功名だな!さすが糖酢源白だぜ!」


「鵜号」のみんなは大漁に喜び、魚龍会で初勝利を挙げた。


翌日、初選の試合内容は投網だった。

前回と同様に、糖酢源白はまた投網の絶好な場所を占領しには行かなかった。船は流れに任せて漂い湖の真ん中に流れ着いた。


子推燕

「一回目の投網は何も獲れませんでした。そして二回目も何も獲れませんでした……」


臘味合蒸

「今回またあいつはどこまで行けるかぁ?考えるだけで面白そうだぜ。」


糖酢源白

「チュンチュンチュンチュン――チュンチュン!」


臘味合蒸

「あ?今は鳥の鳴き声を真似する場合じゃねぇぞ。」


糖酢源白

「チュンチュンチュンチュン!チュンチュン――チュンチュン!」

【選択肢】

・一緒に鳥の声を真似する

・翻訳を求める

選択肢

一緒に鳥の声を真似する

糖酢源白

「若もきっと鳥の言葉に興味があると思ってたよ!」


両手は彼の手に握られた。


糖酢源白

「さあ、僕のリズムに合わせて、チュンチュンチュンチュン――チュンチュン!」


すると、一匹の鵜が僕の腕に止まった。彼は首を傾げ僕の手のひらを擦った。


糖酢源白

「どうやら若の声は僕よりもっといいみたいだね。だから相棒がそっちに飛んで行ったんだ。」

翻訳を求める

子推燕

「実は、私も鳥の言葉は理解できないのです。」


糖酢源白

「え、ええ――?でも、僕はよく君が鳥と話をしているところを見たことがあるよ。」


子推燕

「それは私が一方的に話をしているだけです。」

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澄んだ呼び声が響いた後、空から大きな「黒雲」がこちらに向かって飛んできた。

鵜が旋風のように小船の回りを飛んでいる。


糖酢源白

「みんなは兄弟のように、朝は一緒に漁に出て、日没に船に魚を満載にして帰るんだ。」

「だから今回も、僕を助けてくれるよね!」


小船の回りを飛んでいる鵜たちは次から次へと水の中に飛び込んだ。


臘味合蒸

「あああ網が!網が急に重くなってきたぜ!」


糖酢源白

「相棒の兄弟たちが魚を漁網に追いやったからだよ!みんな!早く網を回収しよう!」


子推燕

「重いです……小船がまるで水に沈んでしまうようです……」


糖酢源白

「浮かぶって言って!乗船中に沈むとか言っちゃダメだよ――」


司会

「言っただろう、今回の一位はきっとまた源白のチームだよ!」


他のチームは羨ましそうに船の上に積み上がった魚の山を見ていた。

そして糖酢源白は今回の試合で一艘の新しい船を手に入れた。


糖酢源白

「へへ~っ、言っただろ、試合に勝てばいい船を貰えるって!」


臘味合蒸

「まさか本当に勝てるとはなぁ!」


司会

「明日はいよいよ魚龍会の最終決戦です!そして試合の内容は以前と同じ、より大きな魚を獲った方が今回の魚龍会の王です!」


あの日糖酢源白を救った老漁師も廟塔に現れ、大声で叫んでいた。


老漁頭

「諸君、「魚状元」に挑戦する準備はもうできたか!」

「この洞庭湖の安寧のため、漁師の誇りを懸けて、その魚の化け物を捕らえよう!」

「共に人民のために害を除き、洞庭湖の真の漁師のキングになれ!」


みんな

「おおーー!!」


一日後


糖酢源白

「見て、あれが君山だよ!その名前の由来をみんなに教えてあげるよ!」


船は水上を長い時間進んでいたが、どこにも大魚の姿は見つからなかった。

糖酢源白は平気な顔をしていて、みんなに周囲のことを解説し始めた。


糖酢源白

「四千年前に南下した舜を、妃の娥皇と女英が追いつけず、山の上に葬られた。二人は湘妃、湘君とも呼ばれていたことから、記念のために洞庭山を君山に改名した。」

「そして、あっちの山麓の間にある古い建物を見た?」

「「洞庭天下水、岳陽天下楼」!魚を獲ったら、みんなで一緒に岳陽楼に行こう。」

「そこの四柱、三層、飛檐、盔頂、純木の構造で作られた高さは空桑の楼閣とほぼ同じ高さだよ!」


子推燕

「この周辺すべての観光スポットを知っているのですか?」


糖酢源白

「もちろんだよ!」


子推燕

「では、左に見えるあの燕が沢山いる島は何という島ですか?」


糖酢源白

「――!!」

「お、おかしいな。まさか僕が知らない島があるなんて……」


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三 魚龍ノ会・参

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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子推燕は翼を広げ、あの神秘的な島へ飛んで行った。


子推燕

「この島で消えるのも、悪くありませんね……」


糖酢源白

「じゃあね!船から君を祝福するよ――」


糖酢源白が手を振った直後、島が突然動き、そして上で休んでいた燕たちも全て島から離れていく。

「島」の後ろから現れた大きな尻尾は「パッ」と島に着陸しようとしていた子推燕を水面に打ち落とした。


糖酢源白

「子ーー推ーー燕ーー!!」


その後、また大きな波が船を襲い、船に乗船していたみんなを水中に落としていった。


周りは真っ暗で静かだった。


糖酢源白

「終わりだよ!魚の化け物に喰われる!」

「でも――食べ物として喰われても、何もおかしくはないね」

「――!!でも若はダメだ!若、僕は必ず君をここから救い出してあげるから!」


次の瞬間、ある激しい流れに、みんなは吹き飛ばされ船に戻された。


臘味合蒸

「俺達は……助かったのかぁ?きっと汗が出てたから、塩っぽくて食べられなかったんだな!」


子推燕

「私は後悔するほど口に合わない不味さでしたか……」


隣から大きな目が船員たちを見ている。

みんながまだ化け物を怖がっている最中、一人が親しそうに化け物に歩み寄った。


糖酢源白

「僕の直感が正しいなら……」

「彼は老漁師が言ってたような悪い魚じゃないと言っているよ。彼は僕たちを食べなかった、逆に水に落ちた僕たちを救ってくれたんだ」

「まるで、初めて蓮花仙人と会った日みたいだ……」

【選択肢】

・彼はただ静かな美男子になりたいだけだよ

・このことは氷糖湘蓮には言わないでね

選択肢

彼はただ静かな美男子になりたいだけだよ

糖酢源白

「うーん……ち、違う。キーワードは静かじゃないよ!」

「僕は知っているよ。見た目は怖いけど、実は誰よりも優しいんだ」

このことは氷糖湘蓮には言わないでね

糖酢源白

「二人は怖そうに見えるけど、実は心はとても優しいんだ、本当にそっくりだね!」


臘味合蒸

「いや、若は空桑の水産がさらに半分に減るってことを言ってんだぞ」

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糖酢源白

「みんなが初めて秘密通路に入って蓮花仙人を見に行った日も今日みたいな大きい風浪だったじゃないか!」

「でも誰も怪我をしなかった、無事に湖畔に戻ったし、願いも全部叶えたよ!」

「それに、彼から危険な気配も感じなかった。もしかしたら彼も僕の仲間になれるかもしれない!」


魚状元

「グルルルルル――」


糖酢源白

「ほら、彼は僕たちが何をしに来たって聞いてる!」


臘味合蒸

「お、お前は魚の言葉も分かるのか?」


糖酢源白

「「わしは化け魚ではない、洞庭湖の魚仙だ。普段はいつも島のフリをして隠居している。もちろん、人は食べないよ。」」

「魚仙が確かに僕にそう言ってるよ!」

「でも老漁師たちは彼のことを勘違いしてた!」


糖酢源白は可愛がるように魚状元の頭をなでた。


魚状元

「グルルルル――ププ!」


糖酢源白

「「もう十分寝たから、もしよければわしもあなた達と一緒に港に戻り試合を終了させよう、ついでに誤解を解かなくては…」」

「もちろんいいよ!」

「でも、その前に――」


彼は隣の鵜に何かを言って、鵜を飛ばした。


糖酢源白

「ある友達を魚仙に紹介したいんだ!」


港ではほとんどの人が仕事を中断させ、糖酢源白の周りに集まってきた。

魚状元はサメの大きさに変化して漁網の中でみんなを見ていた。


老漁頭

「頭の上に赤点がある魚、間違いなくあの化け魚だ!」


糖酢源白

「みんな、これは誤解なんだ!彼は化け魚ではなく、蓮花仙人と同じでこの洞庭湖を守っている魚仙だよ!」

「「鵜号」のみんなも証明できるよ!彼は水に落ちた僕たちを食べなかったし、僕たちを救ってくれたんだ!」

「だから彼は僕たちが憎むべき相手じゃない。彼をこの洞庭の仲間として受け入れようよ!」


その話を聞いて現場は大騒ぎになった。


老漁頭

「信じるって、証拠はあるのか?もしないなら――」

「こいつの体でそれを証明しろ!」


彼はそう言いながら、やすをもって漁網に向かって走っていく。


糖酢源白

「まずい!」

【選択肢】

・老漁師の行く手を遮る

・頭突きを喰らえ!

選択肢

老漁師の行く手を遮る

糖酢源白

「さ、さすが若、反応が速いね!」

「老漁師、落ち着いて。もう少しだけ僕の話を聞いてくれないか」

「危ない、若!やすが――」


糖酢源白は叫んでこっちに走り、腕でやすを突き飛ばした。

幾滴かの血が地面に落ちる。彼は主人をかばおうとする大きな鳥のように僕を強く抱き締めていた。


糖酢源白

「僕は大丈夫……若は怪我してない?」

頭突きを喰らえ!

糖酢源白

「つ、強いね!まさか若の額にレア度御の膳具が装備されていたの!?」

「危ない!やすが!」


糖酢源白に引かれ、彼の背中に隠された。


糖酢源白

「人を相手にすると、若は優しすぎるよ」

「たまには、僕も君のために大きなことをしてあげたいから!後のことは僕に任せてくれ!」

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糖酢源白

「老漁師!魚仙は人を喰う化け物じゃない。バカなことはするな!」


老漁頭

「フフフフ……」


しかし、かつては親切そうに見えた老人は今、貪欲で凶悪な笑顔を浮かべていた。


老漁頭

「この一生の中、私は無数の船友を見送った」

「彼がいい魚であろうと悪い魚であろうと私にとってはどうでもいい、こいつの肉を一口食べれば、私は、百年の寿命を得られる……」


糖酢源白

「これが君の真の目的か……」


突然、一筋の銀色の光が僕たちのそばを通り過ぎた。

やすが漁状元に命中し、多量の出血をしてしまった。

負傷した魚仙は元の大きさに戻り、湖の中に飛び込んだ。

彼は湖で大きな声を上げた。その声で引き起こされた巨浪は港にいる人を一斉に吞み込もうとしている。


糖酢源白

「……こんな大きい騒ぎが発生したから!」

「そろそろ現れる頃だね――」


空に目を遣っていた糖酢源白はふと笑顔を浮かべた。彼は鳥笛を吹く。

瞬く間に、巨浪は一つの剣光に中央から二つにたたき切られた。波穂の上から、一羽の鵜がこっちに飛んできた。


糖酢源白

「相棒!」


鵜の後ろでは、剣を持って飛んでいる一人の男が厳しい目で衆生を俯瞰している。


風生水起

「私が洞庭龍君を訪れた日に、まさかこんな馬鹿げたことが起こるなんて」

「幸い、まだ遅くはありません。すべてが平和に戻るでしょう」


強風と巨浪は彼の剣光によって徐々に静まってきた……


祝典


礼砲の音が鳴り響いた、人々は祝典に集まって歌を歌っている。


糖酢源白

「風生水起が言ってたよ、魚仙は洞庭の守護神だって!」

「これで誤解も解けたよね。どう?僕の直感ってすごいものだろう!」


臘味合蒸

「直感?違うな、実はお前は頭がめちゃくちゃいい奴なんだろ」

「これまでの、試合で起こった変なこととか最後の風生水起が来たこととか全部お前が計画したことだろ!」


糖酢源白

「えっ?そんなこと、考えてないよ」

「アハハハ、全部釣りみたいに、第一感覚で行動してるだけだよ」


彼が行動は人々に広く伝えられていった。それを聞いた人がだんだんと祝典に集まってきた。


糖酢源白

「三つの話は全部騒がしかったから、静かなところに行きたいって?」

「じゃあ、一緒に湖畔に行かない?」


糖酢源白

「ここにいるのは僕と君だけだ!」

「どんな話でも聞いてあげるよ!」

「まずはここで深呼吸して……そう、力を入れて!」

「え、うわわっ?やばい、襟元に隠していたプレゼントが落ちちゃったよ――」

「だからその、これは……ふざけたことに付き合ってくれたお礼だ!」

「魚仙がくれたこの避水珠は避水のまじないと同じ効果があるんだ!」


湖水が避水珠の効果でゆっくりと分離していく。


静かな水の中で、魚状元は魚の群れを集め道を切り開いていた――


糖酢源白

「若は魚の群れが好きなの?上から見下ろすんじゃなくて、近距離で見よう――」

「この世でただ一つの平和……君だけに共有するよ。手を繋いでもいいかな?」


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