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年糕・物語

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最終更新者:皮蛋納豆丼

一 同心協力・壱

◆主人公【女性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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ナレーション

こんな天気の良い日は、太陽がまるで蜂蜜のように、万物を透明な金色の飴で包み、黄金の輝きを纏わせる。

吹く風までもが甘く感じられるのは━━くちなしの花の香りを含んでいるからだろうか。


年糕

「わう〜、わうう〜〜ん」


ナレーション

〇〇が楽し気に中へ入ると、ため息交じりの声が聞こえてきた。そこには目の前に置かれた大量のお菓子に向かって、盛大に顔をしかめている年糕がいた━━


餃子

「どうしたの?これは年糕くんが大好きな正月お菓子じゃないか。体の具合が悪いのかい?おいで、脈を測ってあげよう!」


年糕

「わかさま、餃子じいちゃん、ぼく具合は悪くないよ!ただ⋯その⋯ちょっと悩んでて⋯⋯」


餃子

「おやおや、そういうことなら自分の出る幕はなさそうだ、『心の病は心のお医者様』っていうからね。ここは食魂たちの『頼れるお姉さん』〇〇に話して治してもらいなさい。」

「私は薬を煎じてくるよ〜」


年糕

「わかさま、あのね。このお葉子たちを見たら、お正月を思い出しちゃって、お正月を思い出したら年獣のことが頭に浮かんで⋯」

「ううん、『もふちん』って呼ばないとね!ぼく、以前もふちんのことを『人食い』だって誤解して、木槌で叩こうとしちゃったんだ!」

「ぼ、ぼく、もふちんに申し訳ないことしちゃった!なのに⋯もふちんはぼくのこと貴めなかったんだ、でもやっぱり申し訳なくて!」


体の任意の位置に触れる

触れ合い

頭に触れる(彼の頭をなでる)

年糕

「わうう〜わかさまの手、すごく優しいや。」

「うわあー―!!」

「ぼくの木槌がわかさまの頭に当たっちゃった?ご、ごめんなさい!嬉しくって、つい⋯ぼ、ぼくがフーーしてあげるね!」


体に触れる(彼を抱きしめる)

年糕

「わうう〜わかさまの胸の中、すごく温かいや。」


ナレーション

こちらが抱きしめると、年糕も力強く抱きしめてきた。まるでお餅を抱いているかのようなフワフワとした感触だった。だが次の照間、怪力な腕にヒョイと持ち上げられ━━


年糕

「へへ〜わかさまをだっこしてグルグルまわるぞ〜!」


手に触れる(彼の手を握る)

年糕

「わうう~ぼくとカ比べがしたいの?ごめんね、今そんな気分じゃないんだ⋯⋯」

「ええ?ぼくを慰めてくれたの?へへへ〜」


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年糕

「うん、わかさまが慰めてくれたから、ぼくだいぶ良くなったよ、ありがとう!」

「あのね、ぼ、ぼく⋯もふちんとお友達になりたい!」

「でも、ばあちゃんが言ってたの、自分だけが満足しちゃいけないって、相手も喜ばせなきゃだめだって。だからぼく、もふちんと無理にお友達になろうとは思わない、もふちんが喜ばないからね!」

「わうう〜ん、そう考えると、また悩んじゃうよ⋯⋯ぼく、どうすればいいんだろう?」


【選択肢】

・迷うなんて君らしくないよ。

・優しいね。

選択肢

迷うなんて君らしくないよ。

年糕

「そうだよね⋯⋯」

「ばあちゃんも言ってた、迷ってばかりじゃ、なにもできないって!」

「わうう〜、ばあちゃんの言葉を忘れてだなんて!」


優しいね。

年糕

「年糕は柔らかくて温かいから、確かに『優しい』感じではあるけど━━

「わわわっ、ぼ、ぼく別に自画自賛してるわけじゃないよ!たべるお餅の年糕のことを言ったんだよ、年糕から食魂になったぼくじゃ、優しいとは程遠いよ〜」

「そ、それに、ぼくにとっては、わかさまこそが一番優しいんだからね!」

「え?迷いは優しさじゃない、今すぐ行動するべきだって?」

「うう⋯そうだよね、うん、わかさまの言う通りだ!」


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年糕

「蘇青おねえちゃんが教えてくれたんだ、もふちんは本当は人間が大好きで、お友達になりたがってるんだって。ただ、人間界での出来事が、もふちんの心に傷を負わせちゃったみたいなんだ⋯。」

「ぼくじゃもふちんの傷は癒せないかもしれないけど、何かしら行動を起こして、もふちんのことを気にかけてあげれば。いつか、お互い友達になれると思うんだ!」

「わうう?今日は天気が凄く良いから、今からもふちんと遊びに行かないかだって?」

「賛成!じゃぁこのお菓子を包んでおくね、持って行ってもふちんに食べさせてあげよう!」


餃子

「おや、もふちんの所に行くのかい?丁度良かった、薬を煎じ終えたばかりなんだ、彼にも持って行ってくれないかな?」


年糕

「━━!!」

「ごめん餃子じいちゃんぼくこれ以上持てないからじゃあね!」


餃子

「やれやれ、双皮ミルクじゃないんだからそんなに早く喋らなくても。」

「あれ?⋯力持ちで知られる年糕くんが、持てないとはどういうことかな?」


ナレーション

宙に浮かんだ椅子の上には妖艶な狐のお姉さんが座っていて、隣に控えている赤い大男は所在なさげに立っている。美しく彩られた湯飲みが二つ、まるで蝶のように軽やかに二人の手元に舞い降り、馨しいお茶の香りが鼻腔をくすぐる


年糕

「あ、ありがとう、蘇青おねえちゃん!」


蘇青

「要するに⋯⋯可愛い若さまと年糕くんはもふちんに会いに来たのね?」


年糕

「はい!わかさまと一緒にもふちんにお菓子を持ってきたの!」


年獣

「お菓子、ありがとう。ですが、外には、行きません。私は、青の傍にいます。」


蘇青

「いいじゃないの、わたしももふちんには自分の友達が必要だと思うわ。わたしのせいでもふちんに友達ができないなんて、私悲しいわ⋯っうう⋯」


年獣

「な、泣かないで⋯行きます。」


蘇青

「良かったぁ〜良い子良い子〜」


【選択肢】

・これが俗にいう「尻にしかれる」?

・はいはい、ご馳走様。

選択肢

これが俗にいう「尻にしかれる」?

年獣

「……。」


蘇青

「いやだわ、若さまったら、そんなにはっきり言わなくてもいいじゃない〜恥ずかしいわぁ。」


年糕

「それってどういう意味?もふちん病気なの?」

「わわわわ、もふちんの顔がさっさよりも赤くなってるよ!大丈夫?」

「え?心配ないって本当?ならいいけど⋯」

「でも、蘇青おねえちゃんがもふちんの頭を撫でてるのを見てたら、ぼくもわかさまに頭を撫でてもらいたくなっちゃった!撫でる?」

「わうう〜、気持ちいいなぁ〜」


はいはい、ご馳走様。

年糕

「あわわ、わかさまお腹空いたの?わかさまの好きなお菓字取っておいてあるよ!」

「へへ〜わかさま、どれが食べたい?食べさせてあげる!」

「はい、あ〜ん。」


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蘇青

「はいはい、そこまで!もふちん、お友達と一緒に外の世界を楽しんできなさ〜い。」


年糕

「ワウゥ⋯⋯」


ナレーション

言い終わるや否や、狐のお姉さんの背後から巨大なモフモフの尻尾が伸びてきて、三人をポイと外へ押し出した。その後ろで宮殿の重い扉がバタンと閉じられる━━


年糕

「ううぅ⋯お尻が痛い!青おねえちゃんのこのお別れのしかた、何とかならないかなぁ⋯」

「わかさま、もふちん、二人とも大丈夫?」

「良かった⋯わうう〜、じゃぁどこで遊ぼっか?」


年獣

「青丘から、離れたくないです。友達も、欲しくありません。青が、キミと遊べと言うから、外に、出ました。」


年糕

「わうう⋯⋯」

「もふちんが他の所が嫌だっていうなら。青丘の街を散歩しよっか?ぼくもわかさまも、ちゃんと歩いたことがなかったもんね!」


ナレーション

青丘の街は何時ものように活気に溢れ、賑やかな街並みを三人は歩いている。だが寡黙な赤い大男に対して、この二人がどんな話題を振っても、返ってくるのはそっけない返事や長い沈黙のみだった。気まずい空気が流れる⋯⋯


年糕

「わかさま、どうすれば━━」


ナレーション

年糕が近づいてきて何かを言おうとした時、路上大道芸よりも遥かに大きな太鼓の音が響き渡った。つま先立ちで辺りを見回すと、近くの人ごみの向こうにカラフルな旗がたくさんはためいている。


年糕

「わかさま、もふちん、あそこで何かやってるみたいだよ!見に行ってみない?」


年獣

「……。」


年糕

「あ、もふちんが嫌なら、いいんだ━━」


一般人

「おや、君たち知らないのかい?今日は青丘で団体クロスカントリー大会が開催されるんだよ、三人一組のな。最品は泥人虎が自ら握ったコッコちゃんらしい、青丘中探してもこの1セットしかないんだぞ!」


年獣

「━━!!」


年糕

「コッコちゃん?あの旗に描かれているニワトリのこと?どこかで見た気がするんだよなぁ⋯⋯」


年獣

「待ってください!参加、します!」


年糕

「わううー!?」


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二 同心協力・弐

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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年々有余

「こんにちは!「コッコちゃん」カップ団体クロスカントリー大会へようこそ!

 僕は本日の大会の司会を務めます、皆さんご存知の余ちゃんです!」


年糕

「わぁ~わかさま見て見て、余おにいちゃんが司会に呼ばれてるよ――

 いっぱい人が参加するんだね、こんなに人が集まると、なんだかお正月みたいに賑やかだね!」


年々有余

「お正月?空桑から来た年糕くんは良いことを言いますね!

 あなたとあなたのお友達が大会で活躍できるよう応援していますよ!」


赤い男は不安げに足の裏を地面にこすりつけている、人々に囲まれて居心地が悪いようだ……


年獣

「私たちは、友達では、ありません。」


年糕

「……」


年々有余

「ははは!では大会を通じてあなたたちに友情が芽生えることを願っていますよ!」


年糕

「友情の芽生えかぁ……へへ~ありがとう余おにいちゃん!」

「うん、どうしてもふちんが大会に参加したいと言い出したのか分からないけど……

 でも嬉しいな!」

「わうう~ねんがおも頑張るぞ、ぼくの怪力で相手をやっつけてやる!」


【選択肢】

・力比べ大会じゃないんだよ?

・木槌を背負って参加するの?

選択肢

力比べ大会じゃないんだよ?

年糕

「え?へへ~わかさまの言う通りだね。」

「じゃぁ言い直すよ――

 ねんがおも頑張るから、皆も一緒にがーんーばーるーぞー!」


木槌を背負って参加するの?

年糕

「え?もちろんだよ!

 木槌を背負っているぼくは無限の力を発揮できるんだ!」

「ほ、ほら豆児お兄さんの観てるアニメに出てくるおにいちゃんみたいに――

 ラケットを持つと、闘士がメラメラ~って燃え上がる感じだよ!」

「だから木槌を持っていてもいいでしょ、他の人に当たらないよう気を付けるから!」

「へへ!とにかく、一緒に、がーんーばーろー!」


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年獣

「俺、頑張り、ます!」


年々有余

「……では、参加者の皆さま位置について。

 よーい――始め!」


ピストルの音が鳴ると同時に、隣りにいたもふちんが放たれた弓矢のように飛び出していった。

一瞬で他の参加者…チームメイトの年糕と〇〇も含めた全員を突き出していく。


年糕

「ええ!?もふちん…ぼくたちを置いていかないでよ!これは団体戦なんだよ!

 それに最初っからそんなに飛ばしたら、後半体力がもたなくなっちゃうよ!」

「わかさま、どうしよう!

 まさかもふちんがここまで大会に熱中するなんて、というか熱中し、す、ぎ!」

「でも、これはもふちんを知るいい機会かも!

 もしかして……もふちんは走るのが大好きなのかな!?」

「いやいや!もっと良く考えろ、確か景品を聞いた途端に参加するって言い出したんだよね!」

「もしかしてあの「コッコちゃん」が好きなのかな?

 あのニワトリ、ぼく絶対にどこかで見たことがあるはずなんだ!う~ん…何処だったかなぁ…」


【選択肢】

・これが噂の「ギャップ萌え」?

・……

選択肢

これが噂の「ギャップ萌え」?

年糕

「うん?「ケチャップ燃え」ってなぁに?

 なんだか面白そうだねぇ、甘酸っぱそうな……」

「へぇ、子供が大きい木槌を背負ってるのも「ケチャップ燃え」なんだぁ…

 あれ?わかさま、それはぼくの事を言ってるの?ぼくが可愛いっていうこと?」

「わう~恥ずかしいよぉ。」

「わあ!ごめんなさい!今は恥ずかしがってる場合じゃないよね…

 もふちんが全く見えなくなっちゃったよ!」


……

年糕

「わかさま、わかさま、どうして黙っちゃったの?

 もしかして、あのニワトリの事を思い出したの?」

「わううう!ごめんなさい、今はそんなこと考えてる場合じゃないよね…

 もふちんが全く見えなくなっちゃったよ!」


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年糕

「良かった!

 他の人たちは全員追い抜いたね、もふちんも見えてくるかも!わかさま疲れてない?」

「全然疲れてないの!?

 わぁ!わかさま凄いね、ぼくでさえちょっと疲れたのに!」

「え?郭執事の「おかげ」だって?

 わうぅ、そ、そうなんだね……」

「わうう!わかさま見て、前にいるのは――」


念獣

「スー……スー……」


年糕

「もふちん大丈夫?少し休む?」


もふちんは荒い息を吐きながら、まるで水から上がったみたいに滝のような汗を流している。

だがそれでも、彼は足を止めようとはしない……


年獣

「俺、大丈夫、です!俺、勝ち、ます!俺、景品を手に入れ、ます!」


年糕

「じゃぁぼくとわかさまが支えてあげるよ。だって、ぼくたちは友…う、チームなんだから!」

「ルール通りに三人で一緒にゴールしないと意味がないんだよ!」


年獣

「……」


もふちんは少し戸惑いを見せたが、ようやく〇〇と年糕に向かって手を伸ばした――


だが既に疲労困憊だった彼はそこでよろけてしまい、大きな体ごと年糕へ向かって倒れていく。

土埃がモクモクと上がり、その場で二人は思いっきり転んでしまった……


念獣

「……!」


年糕

「わぁ――!!」

「いったぁ!今日はなんて日だ、さっきお尻を打ったばかりなのに、今度は……」


体の任意の位置に触れる

触れ合い

頭に触れる(彼の頭をなでる。)

年糕

「あはは~、わかさま、ぼ、ぼくは平気だから……」

「わかさまに頭をなでられると、痛いのもスッと消えちゃうんだぁ。」


体に触れる(彼を抱き上げる。)

年糕

「あはは~心配しないで、わかさま!」

「ぼ、ぼくは兵器だよ、ちょっとぶつけただけさ…

 自分で立てるから、ほら見て――」


手に触れる(彼を助け起こす。)

年糕

「あはは~わかさま、そんなに心配しないで!」

「ちょっとびっくりして、大げさに叫んじゃっただけさ、だ、大丈夫!」


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年糕

「いたっ……!」


念獣

「その足、どうしたの、ですか?」

「……ごめんなさい、俺が悪かった、です。

 キミの言う事を、聞くべき、でした。」


年糕

「だ、大丈夫だって!先を急ごう、追い越されちゃうよ!」


念獣

「だめです。」

「棄権、しましょう。キミを、あそこに、連れて行きます――」


そう言ってもふちんは道端にある白いテントを指す。それは選手の安全のために設置された救助ポイントだった。

だが年糕はブンブンと頭を横に振る――


年糕

「だめ!せっかくここまで来たんだ。」

「ば、ばあちゃんが言ってた、何事も簡単にあきらめちゃダメだって、ばあちゃんの言うことは聞かないと!

 だから最後まで頑張るんだ!」

「わうう~わかさま、そんな目でぼくを見ないでよぉ、本当にばあちゃんはそう言ったんだ…へ、へへ~」

「わかさま、もふちん、ほら行くよ!

 一緒に優勝しよう!」


年獣

「支えて、あげます。」


年糕

「わうう~う、うん!」



年糕

「へへ~」


年獣

「何故、笑っているの、ですか?」


年糕

「こんな感じで左側をもふちんに、わかさまに右側を支えられてると、

 なんだか以前参加した二人三脚を思い出しちゃって、だからつい笑っちゃった!」

「あの時ぼくと友達とで協力して、最後は優勝したんだ!」

「よし…あの時みたいに、ぼくたちも掛け声でリズムを統一しよう!」


念獣

「……それはとてもいいですね。」



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三 同心協力・参

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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年々有余

「おやおや!どうやらゴール間近の選手が現れたようです!

 一体誰なのか見てみましょう――」


年糕

「わうう――

 ねんがおと一緒に声を出して!いち、に、いち、に!」


年々有余

「あれは年糕くん、もふちんと〇〇だ!」


年獣

「……」

「わうう!いち、に、いち、に!」


残り10メートル。

その場の誰もが、お互いに支え合って走る三人に注目する。


残り5メートル。

その場の誰もが、一緒に「いち、に、いち、に」と掛け声を口にする。


残り1メートル。

その場の誰もが、一斉に盛大な拍手を送った――





そして、耳をつんざくような歓声の中、三人がゴールを跨いだ。





医務スタッフ

「はい……固定完了!チームメイトの所に戻って良いわよ!

 偉いわねぼくちゃん、こんな状況で走った上に優勝しちゃうなんて!」


年糕

「へへ!ありがとう、おねえちゃん!」

「うおお!わかさま、もふちん、ぼくたち勝ったよ――やったぁ!」


大きく手を広げた年糕が、〇〇ともふちんに飛びかかる――


他の二人も全く同じしぐさでそれを迎え入れ、汗まみれの三人が笑顔で抱き合った。

一連の動作はとても自然で、まるで春が来れば自ずと花が咲くかのようだ。


年々有余

「なんて感動的な場面でしょう!

 三人のお友達が力を合わせ、見事今回のクロスカントリー大会優勝と勝ち取りました。

「今一度彼らに賞賛を送りましょう!」


年獣

「友、達……友達……」


ふさふさの頭を地面に向けて、真っ赤な大男は何かを噛みしめているかのようにその言葉を何度も繰り返す。

そして、まるで噛めば噛むほど香りが出るかのように、少しづつ、はっきりと「友達」という言葉の意味


ハッと頭を上げた彼の顔が、ゆっくりと不器用に綻ぶ――


年獣

「はい。俺と年糕、それから〇〇は、友達、です!」


年糕

「ええぇ――!?もふちん今なんて言ったの?」

「ほ、本当に?もふちん……本当の本当にそう思ってくれたの?やったぁ!」

「そうだ!わかさま、わかさま、大会の景品をもふちんにあげてもいい?

 ……へへ!わかさま、ありがとう!」


年獣

「……?」


年糕

「もふちん、きみはコッコちゃんを蘇青おねえちゃんにプレゼントしたくて大会に参加したんだろ?」

「ぼく思い出したんだ、おねえちゃんの玉座の後ろに硝子の棚があって、そこにこれと同じニワトリがたくさんあったことを。きっと、おねえちゃんはそれが好きなんだね!」


年獣

「キミが棄権、しなかったのは、まさか、このために……!」


年糕

「えへへ!

 でも、ばあちゃんが何事もあきらめるなって教えてくれたのは本当だよぉ。」

「もふちん、これ受け取ってよ、わかさまも良いって言ってくれたし!

 ぼくたちは友達なんだから、細かい事は気にしない!」


年獣

「だめ、です……!景品は、年糕と、〇〇の物です!」


年糕

「もぉ~ぼくと張り合おうっていうの?だったら――」


???

「キミたち喧嘩しないの~なんなら一人一個づつ今日の記念に取っとけばいいじゃない~」


年獣

「――!!」


年糕

「わう?この声は……蘇青おねえちゃん!」


蘇青

「ビンゴ~」

「どうやら、もふちん今回は本当に良いお友達と出会えたみたいね~」

「試合でのキミたちのベストシーンは全部録画してるから、後で年糕くんと若さまに送ってあげるわね~

 うふふ~年糕くんを支えながら走るもふちんかっこ良かったわぁ~」


年獣

「か……かっこ良い!?」


年糕

「わあ!もふちんの顔が真っ赤に燃え上がってるみたいだよ!

 まるで空桑で正月に吊るす赤提灯みたい!」


蘇青

「何はともあれ、お友達ができて良かったわね~」

「最初は年糕くんとちょっと交流できればいいと思ってたけど、こんなに順調にいくなんて思わなかったわ~」

「わざわざ〇〇とこの大会を計画して良かった――」

「わう……!」


年獣

「え……?」


年糕

「えええ?この大会は蘇青おねえちゃんとわかさまが……」


蘇青

「あっちゃぁ~嬉しくてつい口が滑っちゃったわ!

 若さま、ごめんなさいね~」


年獣

「う……うおおお!!」


蘇青

「きゃっ!もふちゃん泣かさないでよぉ。

 ……わ、わざと騙したわけじゃないのよ、だからそんなに悲しまないでったら!

 良い子良い子~」


年獣

「ちがい、ます、青俺の事、考えてくれて、嬉しい、です。

 ありがとう……うううう!」


年糕

「わうう~わかさま、もふちんが泣くから、ぼくまで涙が出ちゃったよぉ!」

「でも、ぼくも嬉しいな!わかさまはとっくにぼくの悩み事を知ってたんだね!

 だから餃子じいちゃんがわかさまのことを「頼れるお兄さん」って言ってたんだね!わかさま、ぼくのこと思ってくれてありがとう……わううぅ~」


年糕は勢いよく鼻をすすると、手の中に納まっているぽっちゃりしたニワトリを優しくなでる――


年糕

「こ、このコッコちゃんは、ぼくともふちんの友情の証だけじゃなくて、ぼくとわかさまの友情の証でもあるんだ!

 ぼく、絶対に……大事にする!」



年糕

「わかさま、わかさま、ぼくの足はもう大丈夫だよ~

 だから降りて自分で歩けるよ!」


【選択肢】

・今度はおんぶしてあげる番だよ。

・ん~?背中は居心地悪い?

選択肢

今度はおんぶしてあげる番だよ。

年糕

「う~ん、確かに何時もはぼくがわかさまを背負ったり、だっこしたりしてるもんね~

 まさか今ぼくが、わかさまにおんぶされてるなんてね!」

「……温かくて安心できる、温水に浸かってるみたいだ。

 まるで……わかさまに守られてるみたい!」


ん~?背中は居心地悪い?

年糕

「わう!わかさま怒らないで、そういう意味じゃないよ!

 ぼくはただ……わかさまに疲れてほしくないから!」

「え?冗談だったの?

 わうう~そういう冗談はやめてよぉ~」

「い、居心地悪いわけないじゃないよ。

 温かくて安心できる、温水に浸かってるようで、まるで……わかさまに守られてるみたいだ!」


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年糕

「わう!そんなふうに思っちゃダメかな?」

「ぼくの方がわかさまや、皆を守らないといけないのに。」

「でもなんだか、ぼく……今みたいな感じも好きだな、わかさまの背中にもたれかかってさ!」


【選択肢】

・友達なんだから、細かい事は気にしない!

・たまには君を守らせてよ!

選択肢

友達なんだから、細かい事は気にしない!

年糕

「んん、それって……ぼくが言った台詞?

 わかさま覚えてたんだね、口調もそっくりだ~」

「そうだよね、わかさまはぼくの一番大切な友達なだけじゃなく、一番大切な家族だ!

 友達なら、さっきの大会みたいに、お互い助け合わないとね!」

「うん!分かった!たまにはわかさまに守ってもらうよ!

 でもぼくの助けが必要な時は、木槌抱えて真っ先にわかさまの所に飛んで行くからね!」


たまには君を守らせてよ!

年糕

「ぼくのことを守りたいし、もっと甘えて欲しいって?」

「うん……そうだよね、わかさまはぼくの一番大切な友達なだけじゃなく、一番大切な家族だもん!

 友達なら、さっきの大会みたいに、お互い助け合わないとね!」

「じゃぁ、いまここで少し甘えてもいいかな――」

「わうう~わかさまにおんぶされて、ねんがお嬉しいなぁ~

 何時かまた……こんなふうにおんぶして欲しい!」


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年糕

「へへ~風が気持ちいいねぇ、甘い香りがする~」

「わかさまの言う通りだ、今日は本当に良い天気だね!

 わかさまの髪の毛が太陽に照らされてピカピカ光って、蜂蜜みたいな色になってる!」

「わかさま動かないで……頭に花びらがついてるよ!」


年糕は鈴の音のような声で笑う。

そして、そっと〇〇の髪から一枚の花びらをつまむと、それを優しく吹く温かな風の中に解き放った――


淡い黄金色の日の光が、目の前の道に優しく降り注ぐ。

〇〇は小さな子供をおんぶして、一歩一歩、家に向かって歩いていく……



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