【お知らせ】【アニメレター vol.2】 2019年4月15日
「消滅都市0.」をご利用いただき、まことにありがとうございます。
アニメ「消滅都市」の裏話を、シリーズディレクタ―の下田から毎話ごとにお届け！
アニメの内容と合わせてお楽しみください。
※ アニメレターには最新話のネタバレが含まれますのでご注意ください
※ アニメレターはアニメ「消滅都市」最終話まで毎週配信予定です
※ アニメレターは随時更新され、過去に配信された内容も読むことができます
過去配信されたアニメレター
第2話「犠牲」
シリーズディレクターの下田です。
消滅都市0.プレイヤーのみなさん、
アニメ第２話、お楽しみいただけたでしょうか。
第１話では、その情報量の多さに
驚かれた方も多いかと思います。
タマシイとは何か、ロストとは何かについて
その説明は、今後各エピソードに乗せて
数話かけながらしていく形のプロットになっています。
そんな中で、今回は
第１話でわけもわからずアキラを呼び出したユキが
前に進むために、辛いことも厳しいことも
受け入れていくんだという決意をする回でした。
監督は一緒にものを食べるシーンに
とても大きなこだわりがあり
本読み（関係者が集まって行う脚本打ち合わせ）でも
何度も、このことについて仰っていました。
個人的にも、とてもお気に入りです。
人と人の距離について、
安易に近づきすぎないように、
現実感を失わないようにという注意を払いながら、
絶妙なバランスで描かれたシーンだと思います。
このシーンの杉田さんと花澤さんの演技は
優しさと冷たさの絶妙なバランスが取られた
とても素敵なものでした。
感情をただストレートに言葉に乗せるわけではない、
抑制された表現の、その抑え込んだ中に現れる
人間らしい声の演技がとても好きです。
ぜひ、何度も見ていただければうれしいです。
また、ここまでは完全に操られた存在として
描かれている敵のタマシイですが、
今回スズメバチを出したことが、
実は、後ほど効いてきたりもします。
（監督はスズメバチに関しても
非常に感情移入した上で、こだわりを持って
あえてここでは操られた存在として描いています）
全てのキャラクターが、
皆さんに愛されているキャラクターなので
どう扱っていくかは非常に難しかったのですが
我々の愛が過剰になりすぎないように、
このアニメではじめて消滅都市に触れる人にとって
よい形で物語が届くように、ということを考え
今回のバランスで、物語を描かせていただきました。
他にもたとえば、コウタの口調について
アニメでは、パッと見の印象で
キャラクターの関係性を伝えなければならないため、
タクヤ、ユミコとの関係性を明確にすべく
少し敬語混じりに調整させていただいています。
（とはいえ彼らしく、かなり砕けてはいるのですが）
違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが
アニメのための最適化として、
意思を持って、この方法を選ばせていただいています。
このように、原作に比べて、
長い尺をかけて物事を語ることができない一方で
動きのあるシーンを描けるのは
アニメの非常に優れたところです。
たとえば原作では、照れ隠しのように言う
ユミコの「好きだからよ」ですが、
今回、アクションの中に盛り込むことによって
もっとストレートに言わせることができました。
原作とは違う部分もありますが、
キャラクターの根っこの部分は変わらないよう
ひとつひとつ熟考し、判断しながら
アニメ消滅都市を作らせていただきました。
原作と同じ部分も、違う部分もあわせ
引きつづき、このアニメ版を
楽しんでいただければ幸いです。
今後とも、よろしくおねがいします。
今後とも「消滅都市0.」をよろしくお願いいたします。
