服装図鑑
詠月浮世
錦地繍天香霧の内、珠星璧月彩雲の中。人間格別に幾春風有る。
春和景明
少し肌寒い暁に、緑楊は霧の中に覆われる。春めいてきて、紅杏は盛んに咲いている。
剣舞天涯
昔、佳人公孫氏あり、一度剣器をもって舞えば四方を動かす。
政界運命
時は露や稲妻の如く過ぎていき、官界で心を驚かしつつ浮き沈みする。
草原春色
三月は藍青で師走は黄色になり、果てしなき草は秋の光に浴びている。牧歌の中に雄鷹が叫び、風が生い茂った草を掠めていくと、牛羊が見えてくる。
月夜音無
風の大きい闇夜は殺人に相応しく、閻魔王は五更に人の命を取りに来る。
曲韻風華
演劇にある人の世の常ならぬことは、前代のみならず、当代にもよく見られる。それを見ている観客もまた演劇の中の人である。