白黒のチェス盤 チェスゲーム
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あらすじ | |
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隠密軍がようやく宝物殿に到着した。冷たい光を放つ月の下で、静かな戦いの幕が上がる……。 | |
(大急ぎで動員された隠密軍がようやく宝物殿に到着し、形勢が一気に逆転した) | |
ロイス | |
こんなにカッコいい僕を見られないなんて、すごくもったいないよ、クローカ? | |
(反応はなく、彼女はロイスの胸で震えていた。呼吸は乱れ、想像を絶する苦痛の中にいるようだ。ロイスは彼女を抱いたまま、宝物殿の外に出た) (地面に落ちていた通信機が、ガラス壁に黒く巨大な後ろ姿を映し出し、ノイズに乗って音声が聞こえてきた) | |
黒い影 | |
ロイス、私たちは向き合って話し合うべきです。きっと皆が満足できる結論を得られるでしょう。 | |
ロイス | |
あなたはまだ僕を子供扱いするのですか?甘く美しい言葉では、クローカしか騙せませんよ。 | |
黒い影 | |
クローカを騙してなんかいません。私とクローカは、互いに信頼し合う仲間です。それとも、家族と言うべきでしょうか。 彼女があなたに剣を向けたのは、私が血の契りを使って強要したと?それは違います。彼女が自分で選んだことです。 | |
ロイス | |
つまりあなたは、最終的に自分の家族に剣を向けたということですか?なんとも感動的な家族の絆ですね。 | |
(黒い影はしばらく黙った) | |
黒い影 | |
ロイス、これは一種の大規模なチェスです。一時の同盟、裏切り、利益の衝突。全てはただ、最終的な目的を達成するために。 今のあなたは人の言いなりになるただの駒にすぎない。真相を知ってこそ、駒を操る側になれるのです。 | |
ロイス | |
これは真相とは関係ない。駒を操る人がいる限り、駒がいて、捨て駒がいて……。 | |
(ロイスは胸の中のクローカをチラリと見た) | |
ロイス | |
世界の真相が美しくあろうと残酷であろうと、自分で選択すべきだ。チェスのプレイヤーを気取って、全ての人間をあなたが支配すべきではない。 | |
黒い影 | |
それはただあなたの考えが甘いだけですよ、ロイス。いつかきっと後悔するでしょう。 | |
(音声が不明瞭になっていくのと同時に、ロイスの体を蝕む冷寒は引き始めた。しかし、逆に傷口が痛んだ。これは血の契りを打ち破った証だ) (ロイスはクローカを更に抱き寄せ、長剣を抜いてガラスに映る黒い影に切っ先を向けた) | |
ロイス | |
それじゃあその日が来る前に、あなたが言う闇のチェスゲームを、僕が壊してあげますよ。 | |
(切っ先でガラスを砕くと、破片が辺りに散乱した。ガラスに映る黒い影も散り散りになる) | |
ロイス | |
さぁ、全部終わったよ。帰ろうか、僕のお姫様。 | |
(ガラスの破片を踏み越え、ロイスはクローカを抱きかかえながら、柔らかい朝日の中へと歩いて行った) |
コメント (白黒のチェス盤 チェスゲーム)
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