氷淵の残響 歳月の流れ
歳月の流れⅠ
寒霧城の旅館で何かがあったようだ
バー
ウェイター | |
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いらっしゃいませ。どのお席でも座れます。どこに座りますか? | |
選択肢1 | 選択肢2 |
バーカウンター | 座席 |
(私はバーカウンターの端近くに座った。近くのテーブル席に座る2人がぎこちなく話をしている) | (私は隅にあるテーブル席を選んだ。懐かしい歌を何曲か聞き終えた時には夜はすでに更けていた) |
客A | |
そうだ、あの件について、もう聞いたか? | |
客B | |
どの件だ? | |
客A | |
最近話題になっているあれだよ!まさかこんなことも知らないのか? | |
客B | |
あっ!もしかして大将に永久追放の判決が出たあの件のことか? | |
客A | |
(小声)声がでかい!今回ばかりは大将も終わりだ。家や財産が全て没収され、家族も追い出されたんだと……。 | |
客B | |
(小声)そんな……大将に罪があったとしても、あれほどの功績を立てたんだ。これで全部終わりだなんて……。 | |
客A | |
(小声)大将が今回犯した大事件をお前は知らないだろ……。 | |
客B | |
(小声)一体何をしたんだ?俺は賄賂を貰って捕まったって聞いたけど、大したことじゃないだろ……。 | |
客A | |
(小声)お前何も知らねえな。大将は国家の反逆者だとみなされたんだよ! | |
客B | |
何だって……。 | |
客A | |
(小声)だから声がでかいって!これは俺が聞き回ってやっとつかんだ情報なんだ、不用意に口にするなよ! |
スラム街
(夜になると、スラムに人影はなくなった) |
鐘楼
(鐘の音が鳴った。時計塔には誰もいない) |
旅館
傭兵 | |||||
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この旅館は私達の貸し切りだ。だが、私達が知りたい情報をくれれば一部屋空けてやってもいいぞ。 | |||||
何を知りたい? | |||||
傭兵 | |||||
自信があるようだね。第一問は簡単だ。最近城内の牢屋に入れられたのは誰? | |||||
選択肢1 | 選択肢2 | 選択肢3 | |||
大将 | 大佐 | 大尉 | |||
傭兵 | 傭兵 | ||||
第二問。彼はなぜ捕らわれた? | 残念、不正解だ。出直して来い。バーには色んな人間が来る。情報を聞きたいならあそこに行くと早いぞ。 | ||||
選択肢1 | 選択肢2 | 選択肢3 | |||
汚職 | 収賄 | 賄賂 | |||
傭兵 | 傭兵 | 傭兵 | |||
残念、不正解だ。出直して来い。バーには色んな人間が来る。情報を聞きたいならあそこに行くと早いぞ。 | 第三問。彼はどんな罪に問われている? | 残念、不正解だ。出直して来い。バーには色んな人間が来る。情報を聞きたいならあそこに行くと早いぞ。 | |||
選択肢1 | 選択肢2 | 選択肢3 | |||
放火 | 密輸 | 反逆 | |||
傭兵 | 傭兵 | ||||
残念、不正解だ。出直して来い。バーには色んな人間が来る。情報を聞きたいならあそこに行くと早いぞ。 | これが鍵だ。だが、まだ夜は長いぞ。城内を散歩しては?スラムに行けば良く眠れるかもしれないぞ。 |
バス停
(今日の列車はもう終わっていて、駅には誰もいない) |
歳月の流れⅡ
スラムに行ってみよう
スラム街
(スラムでは、女の子が地面に座って泣いていた) | |
選択肢 | |
尋ねる | |
女の子 | |
"じ……じいじとはぐれちゃった……。 | |
私 | |
心配しないで。私もおじいさんを探すのを手伝うよ。おじいさんはどんな見た目なの? | |
女の子 | |
じいじは……髪が白くて、おひげが白くて、変な杖を持っているの……。 | |
私 | |
わかった。ここで少し待っていて。探しに行ってくる。 | |
女の子 | |
でも私ずっとここで待っていたから、お腹空いたの……あと、とても寒いよ……。 | |
私 | |
じゃあ、まず君を温かい場所に連れて行って、食べ物を見つけてくる。それから、おじいさんを探しに行こう。 | |
女の子 | |
うん!ありがとう!いい人なんだね! |
旅館
傭兵 | |
---|---|
もう部屋には入れるが、まだ夜は長いぞ。城内を散歩しては?スラムに行けば良く眠れるかもしれないぞ。 | |
選択肢 | |
上階へ | |
(部屋は小さいが、綺麗に片付けられている) |
歳月の流れⅢ
女の子を温かい場所で休ませよう
旅館
傭兵 | |
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鍵はもう渡したぞ。いつでも部屋に入れる。 | |
選択肢 | |
上階へ | |
私 | |
ここで待っていて。 | |
女の子 | |
うん!あのね、私とじいじは郊外の乱岩山ではぐれちゃったの。そこを探してみたらいいかも。 | |
私 | |
わかった。 |
歳月の流れⅣ
乱岩山で女の子のお爺さんを探そう
旅館
傭兵 | |
---|---|
鍵はもう渡したぞ。いつでも部屋に入れる。 | |
選択肢 | |
上階へ | |
女の子 | |
私とじいじは郊外の乱岩山ではぐれちゃったの。そこを探してみたらいいかも。 |
傭兵訓練場
(訓練場の外、白髪白ヒゲの老人が座っていた) | |
選択肢 | |
尋ねる | |
老人 | |
目を離した隙に孫娘を見失ってしもうた。ずっとこの辺を探しているが、見つからない。今頃どうしているか。 | |
私 | |
安心してください。あなたのお孫さんは無事です。今は旅館であなたを待っていますよ。 | |
老人 | |
君はあの子の代わりにわしを探しに来てくれたのかね?ありがとう!わしを旅館まで連れて行ってくれんかね。 | |
私 | |
わかりました。こっちです。 |
歳月の流れⅤ
老人を旅館に連れて行き、孫娘に会わせよう
旅館
(旅館の門に座っていた傭兵はいなくなっていた) | |
選択肢 | |
上階へ | |
女の子 | |
じいじ! | |
老人 | |
やっと見つけた!心優しき人よ、ありがとう! | |
私 | |
どういたしまして。 | |
老人 | |
恐縮なんじゃが、もう一つお願いがあっての……。 | |
私 | |
おっしゃってください。出来る限りのことはします。 | |
老人 | |
町に来た兵士にパイプを持って行かれてしまって……その兵士が見つかればパイプを取り戻せると思うんじゃが。 | |
私 | |
わかりました。 | |
老人 | |
わしと孫は近くの時計台で君を待っているよ。 |
傭兵訓練場
(訓練場内は数人の兵士が見回りをしている) |
歳月の流れⅥ
寒霧城の傭兵を訪ね、パイプを貰おう
鐘楼
老人 | |
---|---|
町に来た兵士にパイプを持って行かれてしまって……その兵士が見つかればパイプを取り戻せると思うんじゃが。 |
旅館
(夜は深い。旅館の黄色い灯りが風に揺れていた) |
バス停
(今日の列車はもう終わっていて、人気がない。ただ微かな声が聞こえてくる) | |
選択肢 | |
声の主を探す | |
傭兵 | |
君か?なぜ君がここに? | |
私 | |
ヘザールートパイプを探していて……見かけなかった? | |
傭兵 | |
これのことか?これは調査中に見つけたものだ。もう使い道がなくなったから持って行きな。 | |
私 | |
ありがとう。 | |
傭兵 | |
来るタイミングがよかったな。夜が明けたらここを去ろうと思っていたところだ。 |
歳月の流れⅦ
パイプを時計塔の老人に渡そう
鐘楼
老人 | |
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このパイプだ!なんとお礼を言えばいいのか。そうだ……このパイプの話を聞いてみるか? | |
選択肢 | |
はい | |
老人 | |
このパイプは、実はわしがとても尊敬している方の物なんじゃ。 わしがあの方の執事になった時、あの方はまだ若く、出世したばかりで自分の部隊を持ったのじゃ。 あの方は傲慢で、他の将校とも仲が悪かった。しかし、戦場で功績を立て、国王からも認められることとなった。 彼は負けなしで寒霧城の生きる伝説となった。そして子供が生まれ、ニーズヘッグと名付けられた。 "しかし、彼の傲岸不遜な振る舞いは多くの敵を作り、ついには恨みから陥れられることになった。 "彼は牢屋に放り込まれてしまった。財産は没収され、家族は城を追われ、部下は散り散りになってしまった。 わしはなんとか夫人だけは安全な地へお連れした。だが邸宅へ戻ると坊ちゃんは行方がわからなくなっていた。 邸宅の中は散らかり、まるでこの世の終わりを迎えたようで……あの日は寒霧城の終わりじゃった。 わしは坊ちゃんを探したが見つからなかった。そして、このパイプを落としたことがわかり、必死に探し回った。 これは彼が愛用していたパイプ。彼の象徴、いや、彼そのものと言えるものじゃろう……。 そして今、彼の功績と過去はこのパイプの煙と同じように散ってしまった。 |
歳月の流れ
【老人の語る物語】
このパイプはわしの尊敬する方の物だ。わしはあの方の執事じゃった。
あの方はご夫人以外に親しい人もおらず将校達とも仲が悪かった。だが、戦場で功績を立て、国王からも認められた。
あの方が守る土地は負けなしで寒霧城の生きる伝説となった。
そしてニーズヘッグ坊ちゃんがお生まれになった。
しかしあの方は恨みを買い、陥れられてしまった。
寒い夜じゃった。あの方は投獄された上に財産も没収されて家族も皆、寒霧城を追われて、部下達も散り散りになった。
わしは、なんとか夫人だけは安全な地へお連れしたが、ニーズヘッグ坊ちゃんの行方はわからなくなっていた……。
あの日は寒霧城の終わりの日じゃった。
わしは数日間、坊ちゃんを探したが、見つからなかった。そして、落としてしまったこのパイプを必死に探した。あの方に対するわしの最後の忠誠心じゃった。
これはあの方が愛用していたパイプ。彼そのものと言えるものじゃろう……。
だがもはやあの方の功績は、このパイプの煙のように消えてしまった……。