イベント【白銀戦歌】 暗闇辺境
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(静かで小さな城の中は、雨上がりの明るい日差しに包まれ、ほのかな薔薇の香りが漂っている。白い鳩が飛び、影が窓の縁をかすめていった) (カーテンが勢いよく開けられる) | |
ジェシカ | |
大佐、ご想像の通り、噂を嗅ぎつけてやって来た者がいます。 | |
ニーズヘッグ | |
状況はどうなっている? | |
ジェシカ | |
かなりの人数が集まっているかと……ですが、名もなき騎士団ではなく……あのパテール連邦の指揮官です。 | |
(室内の一角に腰かけていた黒ずくめの男がやや顔をあげたが、再び俯いて手に持った狙撃銃を拭き始めた) | |
ニーズヘッグ | |
どうやら内通者がいるようだな。 | |
ジェシカ | |
まさかこんな小さな街にまで彼らの目が張り巡らされているとは……大佐、どうしますか? | |
ニーズヘッグ | |
祝王の使者が来ていない。強行突破をしても何の得にもならないだろう。 | |
ジェシカ | |
まさか、私たちは祝王の使者を待っているのですか?祝王は越千霜と共に洛川で戦いを始めています。いつになったら…… | |
ニーズヘッグ | |
(話を遮り)私が言っているのは、座して死を待つべきではない、ということだ。 オンブル。 | |
(部屋の片隅にいた男が立ち上がる) (薄暗い室内では、フードの下の顔をはっきり見ることはできない。まるで存在自体が影であるかのように、その顔は暗闇の中に隠されていた) | |
ニーズヘッグ | |
今夜、連合軍はあの指揮官と正面から交戦することになるだろう……お前の身代わりとしてな。その間、お前は単独で任務を執行する。 | |
オンブル | |
ああ。 | |
(オンブルは音もたてずに部屋から出て行く。まるで最初からその場にいなかったかのように) | |
ジェシカ | |
……単独でプラータに!?あそこについて、私たちは何も知りません。たとえオンブルでも……。 | |
ニーズヘッグ | |
確かに何も知らない。だからこそ、奴の持ち帰る情報は全て役に立つのだ。 | |
(街の反対に位置するコテージの中) (サクラは説明をしながら、ペンで地図上のある場所を、丸で囲った) | |
オーランド | |
これは……プラータ? | |
サクラ | |
そう。ここがニーズヘッグの目的地で間違いないと思うわ。 | |
オーランド | |
まさか、伝説にしか現れたことのない街までもが大陸の戦火に飲み込まれていくとは……。 | |
(短い沈黙の後、オーランドは再び地図を観察し始めた) | |
オーランド | |
確かにディアノードは地味で小さな街……ニーズヘッグがここに長居する理由もないだろう。彼の目的が別にあれば話は別だが。 | |
サクラ | |
プラータに行くためには、ディアノードは避けて通れないわ。遠征を続けるテュール連合軍の休息地にも、うってつけの場所よ。 | |
オーランド | |
理にかなった分析です。 | |
サクラ | |
でも、プラータについては……役に立つ情報は何も調べられていないの。 | |
オーランド | |
ええ、「白銀の都」プラータの名前は遥か昔に大陸から消え、人々の記憶も薄らいでいますからね。 | |
サクラ | |
「白銀の都」? | |
オーランド | |
もう何百年も前のことですが、プラータはドワーフの築いた都市として有名でした。白銀製品の生産が盛んで「白銀の都」と呼ばれていたんです。 | |
オーランド | |
そこに隠されている秘密は多いでしょうね。ニーズヘッグは先に手がかりを手に入れているようですし、私たちもその場所をしっかり調べなければ。 | |
サクラ | |
ごめんなさい、オーランドさん。プラータ探索は単独任務で進めてもらいたいの。私は、ここが落ち着き次第、カルファの森へ向かいます。 | |
オーランド | |
サクラ嬢がリンジー女史を戦場に連れてきたのはそのためだったのか? | |
サクラ | |
とても危険だということは分かっているわ。でも、リンジー女史の能力があれば、カルファの森を危機から救えるはずよ。私が全力で彼女を守るわ。 | |
(オーランドが窓の外を見つめると、雨の中、薔薇の花が咲き誇っていた) |
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