イベント【光の島】 小鹿
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(花園は元の生気を取り戻した。密林に漂っていた霧も完全に晴れ、木の葉の隙間から日の光が差し込んでくる) (そこにあの子鹿が現れた。白い光に包まれた子鹿の姿が、みるみるうちに男の子へと変化する) | |
ニキ | |
……! | |
子鹿の男の子 | |
ああ、やっと元に戻れた! | |
アイリ | |
どういうことなの? | |
子鹿の男の子 | |
えっと……ごめんなさい! | |
(男の子は二人に向かって深く頭を下げた) | |
子鹿の男の子 | |
この花園を荒らしちゃったのはボクなんだ。だから霧の精霊が怒って、ボクを子鹿に変えて……。 | |
アイリ | |
つまり、あの海辺の小屋にいた男の子はこのことを知っていたのね?二人で私たちを騙したということなの? | |
子鹿の男の子 | |
騙したわけじゃないよ!友達はボクを助けたくって、それで……。 | |
ニキ | |
じゃあ、私たちをここへ来るように仕向けたのは……。 | |
子鹿の男の子 | |
それは……ボクたちじゃ精霊のかけた魔法の解き方が分からなくて……だから君たちに助けてもらいたくて……本当にごめんなさい! | |
ニキ | |
花園が元に戻ったから、魔法も解けたのね。 | |
アイリ | |
ということは、君が宝の手がかりを知っているというのは嘘だったってことね。 | |
(男の子は俯いてしまった) | |
子鹿の男の子 | |
お姉ちゃんたちが言ってる宝のことは知らないけど……ボクにも手伝わせてよ! | |
(その時、宝の地図が光りだした) (ニキが慌てて宝の地図を開いてみると、ボロボロだったそれが真新しくなっていた。霞んでいた文字や線も綺麗になっている) | |
ニキ | |
これが本当の宝の地図なの……? | |
アイリ | |
この道は……この位置は……海の上? | |
ニキ | |
海の上?どうやって行けばいいの? | |
子鹿の男の子 | |
……友達が舟を持ってるよ!それで海に連れて行ってもらおう!! | |
(三人は密林から出ると、海辺の小屋へ戻った) (元の姿の友達を見つけた男の子が、興奮した様子で駆け寄ってきた) | |
海辺の男の子 | |
元に戻ったんだね?良かった! | |
子鹿の男の子 | |
うん……このお姉ちゃんたちのおかげだよ。 | |
(男の子はお礼として、ニキとアイリに綺麗な貝殻が詰まった瓶をプレゼントしてくれた) | |
海辺の男の子 | |
友達を助けてくれてありがとう! | |
ニキ | |
とても綺麗な貝殻だね!瓶に閉じ込めておくのはもったいないな……。 | |
アイリ | |
ええ、本当に綺麗ね。 | |
ニキ | |
これをブレスレットにするのはどうかな? | |
アイリ | |
いいわね。 | |
(色とりどりの貝殻は繊細で美しかった。ニキとアイリは貝殻をつなげてブレスレットを作った) | |
アイリ | |
これ……ニキにあげるわ。 | |
ニキ | |
わあ!すごく綺麗!ありがとう。じゃあ、アイリには私が作ったのをあげるね。アイリのみたいに素敵じゃないけど……。 | |
アイリ | |
いいえ、とても綺麗よ。私は気に入ったわ。 | |
(太陽が西に沈んでいく。空は暖かな茜色に染まっていた) (二人の男の子はニキとアイリを舟に乗せ、海へと漕ぎ出した) (海風が白い帆を膨らませ、舟はあっという間に宝の地図が示した場所へと辿り着いた。そこは小さな島だった) (島へ上陸したニキとアイリは、銅の箱を発見した) | |
ニキ | |
これが嵯耶王の言ってた宝なのかな?やっと見つけられたね。 | |
アイリ | |
ふう、やっとここから出られそうね。 | |
ニキ | |
でも……あなたと友達になれて、一緒に冒険できて、とても楽しかったわ。 | |
アイリ | |
ええ、そうね。 | |
ニキ | |
また機会があったら、一緒にマーベル大陸で冒険しましょう。 | |
アイリ | |
ええ、ここであったことは絶対忘れないわ。ニキ、あなたのことも……。 | |
ニキ | |
うん、私たち、ずっと友達だよ!指切りしよ! | |
(アイリも頷き、二人は小指を絡めて上下に揺らした。その顔には笑顔が浮かぶ) (二人は一緒に宝箱を開けることにした。しかしふたを持ち上げた途端、空は雲に覆われ、水平線の彼方から巨大な波が押し寄せてきた) (巨大な波は島の全てを呑み込んだ。島に関わる全ての記憶も奪い去る) (白波に二人の男の子の姿を見たが、泡が弾けた瞬間に彼らの姿も消えてしまった) (宝箱、島、男の子、精霊、そして……アイリ) | |
(何もかも、全てが消えてしまった) (島で起こった全てのこと。共に冒険をしたこと) (一緒に川を跳び越えた時の高鳴る胸の鼓動も、花園を蘇らせた喜びも) (夏の日の不思議な冒険、記憶に残るはずだった全てのことが、海の泡のように時の流れの中に消えてしまった) (海岸に打ち寄せる波、飛び散る白い波しぶき。ニキは一人で海辺に座り、腕に光る貝殻のブレスレットをぼんやりと見つめていた) | |
ニキ | |
これは……何かしら? |
コメント (イベント【光の島】 小鹿)
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