イベント【静謐な花園】 お姫様
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(翌日、母親はスーを劇場に連れて行ってくれた) (近くに座っていたのは、賑やかな三人家族。スーは顔を上げて母親の顔色を窺ったが、母親は何も言わずに座っていた) (演目は拍手に包まれて始まり、役者たちの笑顔と涙入り交じった演技によって、観客の目の前に幻想的な童話の世界が広がっていった) (最後に、王子様とお姫様が抱き合うと、舞台の幕はゆっくりと下りた) | |
スー | |
お母さん、でも嘘だよね? | |
母親 | |
え? | |
スー | |
さっき舞台で見た物語は嘘でしょ。お姫様は王子様に助けてもらわなくても一人で魔女に勝てたはずだよね? | |
母親 | |
自分一人で大切な人を守るしかないなら、お姫様も強くならなくちゃね。 | |
(そう言った途端、母親の顔に影がかかり、スーにはその表情がよく見えなくなった) (明るい場所に出ると、母親はスーの手を引いた) | |
母親 | |
さぁ、行きましょう。私の小さなお姫様。 | |
(その夜、母親はかつてのようにスーの枕元で童話の本を広げた) | |
母親 | |
昔々、綺麗なお姫様がいました……。 | |
スー | |
お母さん、今日はそのお話の気分じゃないの、歌を聞かせてくれる? | |
母親 | |
わかったわ、スー。でも、ちゃんと寝るのよ。 | |
(母親は笑い、童話の本を閉じた。そして優しい声で歌を口ずさむ) | |
母親 | |
眠れ、眠れ、私の可愛いお姫様……。 | |
(白い月光が部屋に差し込み、そこでスーは母親の目尻にシワが増えていることに気付いた。小さな手を伸ばしてその目元に触れる) | |
スー | |
お母さんはお姫様よ。お母さんは誰より綺麗なの。 | |
(スーは母親の歌声を聞きながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。そしておぼろげな意識の中、舞台を観ていた時に聞けなかったことを思い出す) (お姫様も一人でいれば、疲れてしまうのかな?) |
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