イベント【静謐な花園】 王子様
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(スーは母親の言う「おじさん」に会うことになった) (思い出の中にいる父親のように背が高くてカッコよくはないが、人混みの中からでも、ひと目で母親を見つけることができる人だった) | |
おじさん | |
始めまして、お姫様。 | |
(おじさんはしゃがみ込んでスーと視線を合わせた。暖かくて誠意ある眼差しだ) | |
お母さん | |
外は寒いのよ、早く私たちの小さなお姫様を中に入れてあげて。 | |
(母親は咎めるように言ったが、スーが見やるとその目は相変わらず三日月のようだった。本当に怒っているのではなさそうだ) (母親はその男といると、世界で二人きりになったかのようだった。かつてのような無口さはなく、いつまでも喋り続けた) (母親がその男を見る目には、光が宿っていた。まるでマシュマロでも見るように) | |
おじさん | |
スー、おじさんはこれから毎日、君とお母さんを幸せにすると約束するよ。おじさんは二人を守る盾になろう。どうかな? | |
(スーは男を見て、それから童話の中のお姫様のように綺麗な母親に目を向けた。母親は不安そうな、だが期待に満ちた目でスーを見ている) (スーは何を言えばいいのかわからなかったが、頷けば母親はきっと喜ぶだろうと思った。一番大好きな母親の笑顔だ) (スーは、誕生日の願い事を思い出した) | |
スー | |
わかったわ……でもおじさん、お母さんを毎日、今日みたいに幸せにしてあげてね。 | |
(その夜、母親は久しぶりにスーの枕元に寄り添い、優しい声で寝る前の物語を読み聞かせてくれた) | |
スー | |
ねぇ、お母さん。お姫様と王子様は、本当にいつまでも幸せでいられたの? | |
母親 | |
それは、お姫様が本当の王子様に出会えたかどうかによるわね。 | |
スー | |
本当の王子様? | |
(お母さんは、スーの柔らかい髪の毛を優しく撫でた) | |
母親 | |
全てのお姫様には、自分だけの王子様が存在していると思うの。どんな姿をしても、お互いにわかり合える相手がね。 | |
スー | |
じゃあ、お母さんは本当の王子に出会えたの?それがあのおじさん? | |
母親 | |
お母さんにもわからないわ。だけど、時間が経てばきっとわかるわ。 | |
スー | |
それじゃあ……私の王子様はどんな人かな? | |
母親 | |
それは自分で探さなくちゃ。あなたに特別な幸せを感じさせてくれる人がいれば、きっとその人が王子様よ。 | |
スー | |
……特別な幸せ? | |
母親 | |
ええ、その人を想えば毎日マシュマロを食べているような、綺麗なドレスを纏ってるような幸せよ。 | |
スー | |
じゃあ、お母さんみたいに、私もお姫様になれるの? | |
母親 | |
もちろんよ。スーはお母さんの可愛いお姫様だもの。あなたの王子様も、きっとあなたを待っているわ。 | |
(スーはぼんやりと頷いたが、母親の優しく微笑む横顔を見ると、何かわかったような気がした) (童話の本では、王子様がお姫様の手を取り、その頬にキスをしている) | |
スー | |
私も、自分だけの王子様を見つけてみせるわ。 |
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