イベント【静謐な花園】 迷子
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(新暦677年、リリス) (天気は晴れ。その日、人々が行き交う通りを、ステラはノートをめくりつつ、ブツブツ呟きながら歩いていた) | |
ステラ | |
十字路を過ぎたら、左へ……左って……ここ?さらに進んで、すると……うん?郵便局? | |
(ステラは街角に立ち、途方に暮れて辺りをキョロキョロと見回した) | |
ステラ | |
おかしいな。ここに郵便局があるはずなのに、どこへ行っちゃったんだろう……。 | |
通行人 | |
郵便局を探しているの? | |
(ステラは警戒した目つきで通行人を見やった。女性は朝のジョギング中らしい) | |
ステラ | |
……ええ。 | |
通行人 | |
郵便局なら、ここからそう遠くない場所にあって―― | |
ステラ | |
大丈夫です。私、一人で行けます。 | |
(ステラはぶんぶんと首を横に振り、通行人の怪訝な眼差しをよそに、ものすごい速さで走り去った) | |
ステラ | |
また道に迷っちゃった……。 | |
(ステラは周囲をぐるりと見回した) | |
ステラ | |
最近、おばあちゃんからの手紙が届かないけど……今日は郵便局が見つかりそうにないから、家に帰ろう。 | |
(ステラはノートを片手に、すっかりわけがわからなくなった道を、自分が描いたメチャクチャな地図に従って帰ろうとした) (ステラは似たような通りを何十回も歩き回った。月が出て、月光が長い影を作る頃、ようやく見覚えのある玄関が見えてきた) | |
(扉を開けると、ギーッと音がした) | |
ステラ | |
やっぱり、出かけるべきじゃなかったなぁ。 | |
(明かりもつけずにステラはベッドに寝転がり、月光に白く照らされた天井を眺めた。そして、昼間に出会った親切な女性を思い出す) (だがすぐに、女性の姿は記憶に根づいている、深い森に取って代わった) | |
ステラ | |
こっち? | |
悪ガキ | |
そうだよ、この森は近道なんだ、ここを抜ければ家に帰れるよ。 | |
ステラ | |
ありがとう! | |
(ステラは相手に心からの礼を言ったが、彼らの意地悪な嘲笑までは見ていなかった) (ステラはかつて、森の中を長時間彷徨っていたことを覚えている。太陽が沈むと、その日は運悪く月のない夜だった) (生い茂る木々が牙を剥いた獣のようにステラを取り囲み、彼女は泣き疲れてうずくまって眠った。翌朝、祖母が彼女を見つけるまで) | |
ステラ | |
もう二度と騙されたくない、それだけよ。 |
コメント (イベント【静謐な花園】 迷子)
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