イベント【静謐な花園】 輝く明星
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(夜空いっぱいに散りばめられた星くず。夜風は優しい口づけのように梢を揺らし、葉がサラサラと音を立てる) | |
ステラ | |
星夜の占い師!?あなたがあの、有名な占い師なの?本には、占いは人を正しい方向に導いてくれる……って書いてあったけど、本当? | |
星夜の占い師 | |
もちろん。 | |
ステラ | |
でも、さっき道に迷ったこともあるって……。 | |
星夜の占い師 | |
まだ占い師じゃなかった頃の話さ。 | |
ステラ | |
その時はどうしたの? | |
星夜の占い師 | |
その時は、星空を見上げたのさ。 | |
ステラ | |
星空?星空に何があったの? | |
(ステラは星夜の占い師の視線を追って、空を見上げた) | |
(漆黒の帳のような夜空には、大小の星々が特殊な規則によって並べられているかのようだった。それぞれ違った光を放っている) | |
星夜の占い師 | |
星の明るさや位置は時間によって変わるけれど、動きの法則は変わらない。だから、いつ夜空を見上げても見分けることができるんだよ。 | |
ステラ | |
それと道に迷うことに、どんな関係があるの? | |
星夜の占い師 | |
宵の明星を知っているかい? | |
ステラ | |
ええ、空で一番明るい星でしょ。 | |
星夜の占い師 | |
そう、明星はいつも昼と夜の境目に現れるんだ。いつでも空で一番明るい星だから、見間違いようがない。 | |
ステラ | |
じゃあ……明星を見つければ、道に迷うことはないの? | |
星夜の占い師 | |
それだけじゃない。 | |
(星夜の占い師は水晶玉を取り出し、ステラの前に差し出した。水晶玉は紫色の光を放ち、中には並んだ星が交錯している。まるで夜空のようだ) (夜風の中で、星夜の占い師の声がぼんやりと、だが伸びやかに聞こえた) | |
星夜の占い師 | |
あたしは長い間無意味なことばかりしていたんだ。自分のやっていることにどんな意義があるのか、何をすべきかもわからなかった。 十字路で、どっちに行けばいいのか迷うみたいにね。こんな迷子は、道に迷うよりよほど恐ろしいものさ。だけど星空は別の道を教えてくれた。 | |
ステラ | |
どんな道? | |
星夜の占い師 | |
星は太古の掟に従って動くから、迷子になることはない。全ての星は己の行く道を知っている。だから明星はいつでもまばゆい光を放つのさ。 それは揺るぎない心。道を知らないのは決して恐ろしいことではない。行くべき道を知っていながら、ボーッと人生を過ごす人間の何と多いことか。 | |
ステラ | |
揺るぎない心があれば……道には迷わないの? | |
星夜の占い師 | |
人生に迷わない、という意味だよ。歩いていて道に迷うのは大したことじゃない。違った景色を見ることもできるだろう。だから恐れることはないさ。 | |
ステラ | |
「景色」かぁ……そんなこと思ったことなかったわ。ただ「道を間違えた」って思うだけで。 | |
星夜の占い師 | |
心の向かうべき方向さえ見つけていれば、どこを歩いたってそれは正しい道なんだよ。 | |
ステラ | |
その「心の向かうべき方向」って? | |
(星夜の占い師はステラの顔を覗き込み、口の端を優しく持ち上げた。その瞳には水晶玉の光が映り、まるで星が煌めいているようだ) | |
星夜の占い師 | |
お望みなら、一緒に探してあげよう。 | |
(その瞬間、ステラの心は虫に噛まれたように痺れて、言葉では上手く言えない奇妙な感覚が走った) (何かが心の中をゆっくりと吹き抜けるように、長い間心を覆っていた迷いの霧を晴らしてくれた) (暗く閉ざされた洞穴に突然光が差し込み、重苦しい闇と湿気が跡形もなく消えてしまったかのような――) (その時、ステラは明星の意味がわかったような気がした。そして頷き、笑ってみせた) | |
ステラ | |
ええ、そうね。 |
コメント (イベント【静謐な花園】 輝く明星)
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