イベント【寒霜の旅路】 この夜寒し
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(漆黒の銃口を屋根に向け、冥水苑は入ってきた時の道順を思い出しながら一番よい逃走方法を考えていた) | |
ノーザン兵士 | |
そこにいるのはわかっている、抵抗はするな。 | |
(兵士が威嚇射撃をした瞬間、冥水苑は下に向かって目くらましの煙を撒いた。隠密たちは言葉もかわさず、魑魅魍魎のように煙の中を行き交った) (外へ出ると、そこで待っていたのはさらなる人数の兵士たちだった) | |
冥水苑 | |
南東は守りが手薄、そこから突破。 | |
(互いに相手を知っているので、戦うしかない。からくりではノーザンの銃には勝てない。銃弾が冥水苑の肩をかすめる。玄武装甲はまだ森の中だ) | |
冥水苑 | |
(逃げ出せない、もはや……) | |
(危機一髪というところで、森の中から号令が聞こえた) | |
兵士 | |
監察使が命を受けて監査に参った、そこをどけい! | |
(雲上の官服に身を包んだ兵士たちが現れた。華麗な冠と正装に身を包んだ湛秋明が監察使の魚符を持ち、先頭を歩いている) | |
湛秋明 | |
全員武器を手放せ。監察使よ、徹底的に調査したまえ。 | |
湛秋明 | |
冥家当主、どうしてここに?ノーザンの雲上に対する闇取引を追跡調査しているとか? | |
冥水苑 | |
私が何を調べるかは、湛家の家長とは関係ありますまい。 | |
湛秋明 | |
南境の件、それにこの件も、天子の許可を受けたわけではあるまい。なのにこんなところまでお出ましとは。 残念だが、飛鳥尽きて良弓蔵る。あなたにはもう利用価値がない。当主、ご苦労であったな。 | |
冥水苑 | |
何を言っているの? | |
湛秋明 | |
誰かの捨て石になって時間稼ぎをしても、いつか囲碁を打つ者の無情さがわかる。後々後悔なさることがあれば、いつでも私のところへ来るように。 | |
(湛秋明は意味深な笑みを浮かべ、振り返ると、兵士全員に聞こえる声でこう言った) | |
湛秋明 | |
何日も前から調べあげ、黒幕を一網打尽にするつもりだったのに……冥家当主の邪魔が入ったお陰で逃げられてしまった。天子様に申し訳が立たぬ。 | |
冥水苑 | |
……何を言うかと思えば! | |
(湛秋明は背中を向けていなくなり、冥水苑の背後についてきた隠密は辺りを見回し、当主の新たな命令を待っている) (冷たい月が冥水苑の肩を照らしている。今日は新年、めでたき日。遠くからは花火の音。北境の地で彼女の傍にいるのは負傷した隠密数人のみ) (白永義の『剛は折れやすし』という言葉を思い出す。自分は間違っていたのだろうか?もう一度機会があれば) (彼女は首を振り、その考えを捨て去った。自分の選択は天にも、人にも、何より自分の心に恥じぬものだ) | |
冥水苑 | |
からくりの玄妙さよりわからぬは人の心。虚名など何の役に立とう?自らの命に悔いなく生きるのみ。 |
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