デート・温泉
温泉
温泉地に到着する頃には、すでに午後になっていた。シモンが普段とは違う重苦しい表情をしていたので、彼にリラックスしてもらえるよう、ここから先は私に任せてと伝えた。
ホテルに着くなり、私は自分と彼の部屋を間違えてしまった。幸いなことに、湖を照らす絶景の夕日には間に合ったけれど。その後、私たちは露天風呂に入り、彼と初めて誕生日を祝った時のような雪景色を見ることができた。
食事後、持参のケーキでお祝いしようと思っていたのに、肝心のケーキを落として台無しにしてしまった。こっそりケーキを買いに行こうとしたところ見付かってしまい、シモンが同行することに。真っ暗な山道は寒かったけれど、素敵な星空は予想外の展開だった。
ショートケーキを買ってホテルに戻ると、シモンの誕生日が残り1時間足らずとなっていた。私が慌てて準備をしている横で、彼はのんびりと写真を撮っていた。ロウソクの明かりだけになった部屋の中、私は彼の手を握って一緒に願い事をした。