デート・こどもの日
こどもの日
幾度とない修正を経て四半期計画が承認され、私は冗談半分にご褒美が欲しいと言ってみた。まさかゼンが真に受けるとは思わずに。彼は真剣に考えてくれた。
ゼンが真顔で私を遊園地に連れて来てくれるなんて思いもしなかった!けれど、こんな楽しい場所なのに、彼はちっともリラックスしようとしない。彼を遊園地の雰囲気に溶け込ませるため、彼の頭に猫耳を着けてみることに。猫耳をつけた彼は……なんだか可愛い!?
ゼンは『タイムトラベラー』というスリリングなアトラクションに私を連れて行った。恐怖のあまり目を開けられなかったけれど、彼がずっと手を握っていてくれた。胸の鼓動が高まるのは無重力のせいなのか、それとも、彼の手の温もりが伝わってきたせいなのか。
『タイムトラベラー』から出ると、パレードが始まる時間だった。どこも混んでいてベストポジションを見付けられずにいると、ゼンは私をエスコートしてパレードの馬車に乗せてくれた。賑やかなセレモニーや豪華なパレードよりも、ゼンが私の手の甲に口づけし、耳元で誓いの言葉を囁いてくれたことの方が嬉しいサプライズだった。