第15章 ストーリー
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ネタばれ大注意!!
目次
15-1 大陸間鉄道
ポポ | わあ、この駅も大混雑だね。ウェイストランドでこんなに人がたくさん居るの初めて見たよ。 |
ニキ | みんな、凌雲城のことを話してるみたい。 |
ステラ | ここはアンフィシア急便の中継地点だからね。新聞もここから各地に配達されるのよ。みんな最新情報を持ってるんだわ。 |
モモ | 見物しないで、切符を買わなきゃ!リンレイがボクたちを待ってるんだから! |
駅員 | 申し訳ありません。雲上帝国内は運行停止となっているため、凌雲城行きの列車はパテールのローゼ城止まりとなります。 |
モモ | えええっ、じゃあどうしたらいいのさ!?段ボールに入って宅配便で凌雲城へ届けてもらえとでも? |
ポポ | モモだけ送ったって何の役に立つのよ!?ニーズヘッグとマントのコーデ勝負でもする気? |
ニキ | 落ち着いて。ローゼ城まで行けば、何とかして凌雲城へ行く方法が見つかるかもしれない。それまで凌雲城が持ちこたえてくれれば…。 |
ステラ | そうね……すみません、ローゼ城まで4枚お願いします。さあ、列車に乗りましょう。 |
モモ | ちょっとステラ、プラットホームはこっちだってば!……も?、こんな時に迷子にならないでよね。 |
ポポ | 列車に乗る前に動きやすい服装に着替えておこっか。ここから先は一筋縄じゃいかない気がする。 |
コーデバトル |
15-2 ローゼ城の苦難
モモ | ローゼ城の駅もすごい混雑だにゃ! |
モダンで整然とした、マーベル大陸で旅客輸送量最大の交通の要所が見る影もないよ。 | |
ダフ屋 | 切符一枚2000スターコイン?行き先いろいろあるよ?押さないで押さないで、ちゃんとあるから。 |
ハイ、雲上帝国行きもあるよ?。 | |
ステラ | 2000スターコイン!? |
モモ | 高っ!焼肉がどれだけ食べられると思ってるのさ! |
ポポ | 冗談言ってる場合じゃないでしょ。大体雲上帝国行きの列車は運行停止なのに切符があるわけないじゃない。 |
ステラ | ああ!そういえばそうよね!……ということは、もしかしてあの切符を売ってる人は詐欺師……? |
ポポ | ……ステラ、よく今まで無事に生きてこれたね。 |
ニキ | 何とかして凌雲城まで行く方法を考えなきゃ。ここは避難してきた人だらけだし、戦争が始まったらもっと大変なことになるわ。 |
凌雲城の状況は全く伝わってこないしリンレイもどうしているのか…。 | |
ポポ | バスターミナルへ行って凌雲城行きのバスがないか見てみるのはどうかな? |
モモ | ここから凌雲城はかなり遠いよ?鉄道以外だといつ着くのかわからないよ。 |
ニキ | 鉄道……、何とかして軍の運用列車に乗れればいいんだけど……。 |
ステラ | それなら私の師匠が何とかできるかも!?ニキ、あなた達はここにいて。私はリリスに戻って師匠に会ってくる! |
モモ | おお、ステラが頼もしくなった。なんだか変な感じ! |
ニキ | ステラ、くれぐれも気をつけてね。迷子にならないでね。 |
ポポ | ニキ、甘々なリリス風コーデで、ステラのお見送りしようよ。 |
モモ | コーデしてる場合じゃなくない!? |
15-3 貴婦人のリクエスト
ポポ | ……大丈夫かな、ステラ。 |
モモ | ボクたちはボクたちで、軍用列車に乗り込めないか探ってみようよ。 |
緊張した面持ちの通行人 | すみません、通してください。奥様、奥様!どうかお待ちを! |
ニキ | どうしたのかな。 |
ポポ | さっき慌ててそこを通った貴婦人を追いかけてるみたいだね。たしか彼女、軍用列車のほうへ行ったはずだよ。あたしたちも行ってみよ! |
モモ | 何でも首を突っ込むのやめてくんない!? |
貴婦人 | 止めないで、ロットワイヤー。私は何としてもノラを迎えに洛川へ行かねばならないの。 |
ロットワイラー | 奥様、私は執事として、奥様の安全を守る義務がございます。 |
今雲上帝国は混乱の最中。奥様がお一人で行けるような状況ではありません。お嬢様のお迎えには既に車を出しております。 | |
ニキ | あの、雲上帝国に行かれるんですか? |
貴婦人 | あなた方は……? |
ニキ | 私はニキといいます。こっちは友人のモモとポポです。すみません、お二人の会話が聞こえたもので…。 |
洛川城は戦争の前線ではありません。凌雲城から離れていて、情勢は凌雲城ほど切迫していないはずです。 | |
今はここに留まって知らせを待つ方がいいと思います。 | |
雲上帝国へ行ってあなたに何かあったら、お嬢さんも心配するんじゃないでしょうか。 | |
ロットワイラー | 奥様、こちらのお嬢さんの仰るとおりです。どうしても行かれるというのでしたら、SPの準備ができてからお連れいたしますので…。 |
貴婦人 | そうね……ノラは小さいときから各国を旅してるから、ちょっと騒乱で取り乱したりするわけないわね。 |
ロットワイラー | 奥様、どうかここでお待ちを。もう一度車のほうに連絡を入れてみます。 |
貴婦人 | ニキさん、ありがとう。ロットワイラーが戻ってくるまで、列車内の貴婦人コーデで勝負してくださらない? |
コーデバトル | |
貴婦人 | まだお若いのに、素晴らしいコーデの才がおありなのね! |
ロットワイラー | 奥様、迎えに出した車はすでにお嬢様を保護してるそうです。 |
ニキ | よかった。もうすぐノラさんと会えますね。 |
貴婦人 | ニキさん、本当に感謝します。あなたが止めてくれなかったら、娘に心配をかけるところだったわ。 |
あなた方はどちらへ?もし良ければ、運転手に送らせますわ。 | |
ここもこんなに混乱していることだし、早く安全な所へ移動したほうがいいわ。 | |
ポポ | あたしたちは凌雲城へ行きたいんです。でも、雲上帝国行きの列車はぜんぶ軍用にされてしまっていて…。 |
貴婦人 | 危険すぎるわ。凌雲城は連日戦火が続いているのよ。情勢が落ち着いてからにしたほうがいいわ。 |
ニキ | 大切な友人が凌雲城にいるんです。何としても助けに行かないといけないんです。 |
貴婦人 | 命の危険を冒してまで助けようなんて、とても大切なお友達なのね。 |
……ここに洛川城まで行く軍用列車の乗車許可証が2枚あるわ。娘を迎えに行くのに使うつもりだったの。 | |
どうしても行かれるなら差し上げます。でも、洛川城までよ。凌雲城まではご自分たちで何とかなさってね。 | |
ポポ | …ッ!!ありがとうございます! |
貴婦人 | 不穏な情勢ですから、くれぐれも気をつけて。 |
ニキ | はい、気をつけます。本当にありがとうございます。 |
15-4 景梓との出会い
モモ | 乗車許可証は2枚……ボクはどうしたらいいんだ?? |
ポポ | モモ、誰も猫に切符を要求したりしないって。さっきローゼ城までの切符を買った時は、1枚無駄だったね! |
ニキ | もうすぐ発車するわ、急ごう。 |
(列車の乗り口) | |
将校(景梓) | フレイン夫人、洛川城への列車がまもなく発車しま……ニキ、なんで君たちがここに? |
モモ | あ、景梓!君こそなんで軍用列車にいるんだよ、軍服まで着ちゃって! |
景梓 | 発車します。とりあえず乗ってください。 |
(列車中) | |
景梓 | そうでしたか、それは幸運でしたね。乗車許可証を譲ってくださった方は、アンフィシア財団の総裁夫人ですよ。 |
モモ | そんな偉い人だったのか。サイン貰っておけばよかった。 |
ポポ | アンフィシア財団の総裁夫人が猫にサインくれるわけないでしょ。 |
ニキ | 景梓さんはどうしてこの列車に? |
景梓 | 戦争が始まって徴兵されて前線に行ったのですが、デザイン能力の高さを買われて司令官補佐の将校に抜擢されたんです。 |
ニキ | そう……雲上帝国内は大変だったんですね。 |
景梓 | ええ。ニーズヘッグの反乱でナナリー女王が失踪、ロイス王子がリリスの新国王に即位なさり、今度は凌雲城で戦争が勃発…。 |
数十年保たれてきた平和が、一夜にして崩れ去ってしまった。 | |
ポポ | そういえば、白蓮は? |
景梓 | 白家は政府の中でも発言力がありますありますから、彼女は雲京城に留まってます。 |
政府の内側から僕たちを助けられるかもしれないと言っていました。 | |
ポポ | じゃぁ、暫く白蓮とは会えないんだ。 |
景梓 | 国家の危機ですから、暫く会えないくらい仕方ありません。 |
別れる時にお守りを貰ったんです。それがあれば苦しみにも耐えられます。 | |
モモ | っかー!不意打ちのノロケかよー! |
ポポ | あたしたちも弱気になっちゃダメだよね。よーし、景気づけに、雲上帝国の剣士コーデでバトルしよ! |
コーデバトル |
15-5 将軍との会見
ニキ | 景梓さん、凌雲城の今の状況は分かりますか? |
景梓 | 非常に厳しい情勢ですね。 |
現在、凌雲城を包囲しているのは、ノーザン王国のヴェズルフェルの軍隊を主力として構成されたテュール侵略軍です。 | |
テュールはノーザン神話に出てくる戦神の名前です。この戦神になぞらえ、テュール南征連合軍と名乗っているそうです。 | |
傭兵も大勢雇っているようですね。最高司令官はヴェズルフェルですが、直接の指揮を執っているのはニーズヘッグです。 | |
モモ | 大軍じゃないか!じゃあ、リンレイは…!? |
ポポ | 洛川城の軍隊が凌雲城の支援に行ければリンレイの助けになるんじゃない? |
景梓 | それはそうなのですが、洛川城を守っている郭啓州将軍が…。 |
ニキ | 郭将軍がどうかしたんですか? |
景梓 | ……会えばわかりますよ。 |
(列車がしだいに速度を落とす) | |
景梓 | とりあえず列車に乗っているうちに体を休めておいた方がいいでしょう。僕はまだ仕事がありますので、これで失礼します。 |
(列車はいつのまにか駅に到着していた) | |
景梓 | ここが洛川城です、軍隊が駐屯しています。郭将軍のところへご案内しましょう。 |
ポポ | わぁ?。雲上帝国の軍服を着たイケメンがいっぱいいるぅ?! |
モモ | そんなこと言ってる場合か! |
景梓 | 警備体制が厳しいですから、部外者は自由に出入りできません。皆さん、僕のあとに着いてきてください。 |
ポポ | 軍の駐屯地に入るのって初めて、うわー、こうなってるんだ?! |
モモ | ポポ、きょろきょろしない。不審者と間違われて捕まっちゃうよ! |
(幕舎内) | |
景梓 | 郭将軍、こちらはリンレイや白蓮の友人であるニキ、モモ、ポポです。 |
ニキ | 初めまして。ニーズヘッグが凌雲城を攻撃していると聞きました。リンレイはいま凌雲城に閉じ込められているのでしょうか…? |
郭啓州 | ああ、リンレイ氏のご友人か。まあまあ、まずはお掛けになってお茶でも。 |
心配いりません。リンレイ氏に何かあるわけがない。安心してこの洛川城でお待ちください。 | |
ニキ | 洛川の軍はいつ凌雲城の支援に行かれるのですか?できれば私たちも一緒に行って、リンレイに協力したいと思っています。 |
郭啓州 | それは頼もしい!今は準備を整えているところなので、それが完了し次第、凌雲城へ行きますよ。 |
ニキ | 準備はあとどれくらいで終わりますか? |
郭啓州 | さあそれは……早くて4?5日、それとも半月か……? |
モモ | それじゃ遅すぎる!もし凌雲城が陥落すれば雲上帝国全体が危ないんだぞ! |
郭啓州 | この軍の兵士たちは私みずから育て上げてきた。 |
確実に勝てる見込みがなければ、部下に危険を冒させるわけにはいかないのです。 | |
宜しければここに留まり、気長に待たれてはどうだろう。リンレイ氏や景梓のご友人ならば、特別に宿舎を用意しましょう。 | |
ニキ | ご好意はありがたいのですが、私たちは少人数で大した荷物もないですし、何とか自力で凌雲城へ行きます。……失礼します。 |
景梓 | ニキ、お送りします。 |
(兵営の外) | |
モモ | あの将軍はリンレイを救う気なんてないんだな! |
景梓 | 凌雲城は北西の国境地帯にあり郭将軍の管轄下にあるのですが、領民が昔から敬愛しているのはリンレイの家なんです。 |
それに近年、凌雲城のチーフデザインはずっとリンレイが務めていますし……仔細はお察しください。 | |
とにかく、政府が凌雲城の救援を要請しない限り、郭将軍が自分から動きうことはないでしょう……。 | |
ポポ | 凌雲城がピンチだっていうのに、そんな子供じみた理由でごねてるわけ!? |
景梓 | 白蓮がお父上を説得して、政府から凌雲城支援の命令を出してもらえればいいのですが……皆さんはこれからどうするんですか? |
ニキ | 凌雲城へ行く。リンレイをどう助けるかは、城に着いてから考えるわ。 |
景梓 | 僕は軍属の身で勝手に洛川城を離れることができません。本当に皆さんだけで北上する気ですか? |
ニキ | 嫌な予感がするの。一刻も早く凌雲城へ行って、リンレイの顔を見て安心したの…。 |
景梓 | ……わかりました。凌雲城までの車を何とか手配してみましょう。ただし、くれぐれも気をつけてくださいよ。 |
コーデバトル | 凌雲城は雲上帝国の最北端にあり、ひどく寒いですから、防寒着に着替えておいてくださいね。 |
15-6 北上ルート
ニキ | 暗くなってきたね。雨が降りそう…。 |
ポポ | ねぇ、見て!あそこの村から煙が! |
モモ | 気付いてなかったの?ここまでにあった林も村もみんな焼き払われてたよ。 |
はんっ、どうりで郭将軍が少しも慌てなかったわけだ。 | |
付近の食糧はみんな徴収済みで、洛川城の防御を強化して守りに徹しているってわけさ。 | |
……もう凌雲城を見捨てたも同然じゃないか! | |
ポポ | じゃあ、リンレイは……!? |
ニキ | モモ、ポポ、……焦っちゃダメ。 |
モモ | ニキがそれ言う?そんなこわばった顔して……。 |
運転手 | 皆さん、すみません。この先の道が塞がっていて車はここまでが限界です。 |
モモ | これも、テュール連合軍を阻む策略ってわけか。郭将軍め、なんて奴だ! |
ニキ | どうしよう?歩きじゃ無理よね、それじゃ時間がかかりすぎる。 |
運転手 | 少し行くと厩舎がありますから、馬を借りてはいかがでしょう。馬なら小道を通って凌雲城まで行くことができます。 |
ポポ | それしかなさそうだね。ニキ、急いで&color(red){乗馬に適した服}に着替えよう! |
コーデバトル |
15-7 凌雲城に入る
モモ | ふうぅぅ、寒くて死ぬかと思った!!ぶるるる! |
ニキ | 雨が振るってわかってたら傘を持ってきたのにね。 |
ポポ | さあ、どうやって城へ入るか急いで考えなきゃ! |
ニキ | 凌雲城の4つの城門は、全部連合軍に包囲されてるんだよね……。 |
モモ | ノーザンから続々増援も来てるようだし、包囲を突破するのは無理そうだなあ……。 |
ポポ | ね、もう少し離れたほうがよくない?連合軍の兵士に見つかっちゃう。 |
見知らぬ少女 | あら?あなたたち、もしかしてこんな戦争のさなかに凌雲城へ行こうっていうの? |
ニキ | えっ……!えっと、あなたは……? |
見知らぬ少女 | 私はシンシア。アンフィシア新聞の記者よ。 |
モモ | 最近アンフィシアとはずいぶん縁があるなあ! |
ニキ | 私はニキといいます。こっちはモモとポポ。 |
シンシア | 凌雲城へ入るつもりなの? |
ニキ | はい。凌雲城に友達がいて、絶対に助けたいんです。 |
シンシア | (小声)何やら大スクープくさいわね……。 |
ポポ | え、何か言った? |
シンシア | い、いえ、気にしないで!それより、中に入る方法、なくもないわよ。 |
ただし、私も一緒に連れて行くっていうのが交換条件だけどね。そうだ、インタビューも受けてもらうわ! | |
ニキ | 本当ですか!?ぜひお願いします! |
コーデバトル | じゃあ急いで新聞記者っぽい服に着替えて、私に着いてきて。兵士に気付かれないようにね。 |
15-8 悲しみの青い鳥
ポポ | 方法って、下水道を通って行くんだね……ああ、モモのこじんまりした体型が羨ましいっ! |
モモ | そんなこと言われても全然嬉しくないね。 |
体はびしょびしょだし、暗くて汚いし、うぅ?。 | |
ニキ | モモ、あと少しだから、もうちょっとだけ我慢して。 |
シンシア | この道は私しか知らないわ。毎日こうして凌雲城に潜入して情報を仕入れてるのよ。 |
ポポ | 記者さんって大変なんだねぇ。 |
シンシア | そこの角を曲がったら、すぐ地上に出られるわ。みんな、頑張って! |
(凌雲城内) | |
モモ | ぷはぁ?、はぁ、ようやく新鮮な空気が吸えるにゃ。 |
シンシア | あそこが凌雲城の南門よ。 |
ポポ | あそこに居るの、リンレイじゃない?それに、ニーズヘッグまで! |
モモ | まさか、決闘!? |
ニキ | 急ごう! |
(前方から不意に物音がして、赤い髪の女性将軍がニキ一行の前に立ちはだかる) | |
女将軍(ジェシカ) | 何者だ!?どこからしん侵入した!? |
ポポ | この服……テュール連合軍の兵士!? |
シンシア | (小声で)彼女は連合軍に加わっているスノウイーグル軍の将校、ジェシカよ。 |
ポポ | スノウイーグルって、まさか伝説のユージェニーが創設したっていうスノウイーグル革命軍のこと? |
シンシア | ええ、スノウイーグル軍の前身がスノウイーグル革命軍よ。 |
ポポ | そんな!ユージェニーは自由と平和のために戦ったんだよ? |
他の国を踏みにじるあいつらに、 スノウイーグルを名乗る資格なんかないよ! | |
ニキ | あの、ユージェニーって? |
シンシア | ユージェニーは、ノーザン史に登場する若く美しい女将軍よ。彼女の恋人のイェーガーは暴政に逆らって殺されてしまったの。 |
それでユージェニーは、イェーガーの意志を継いでスノウイーグル革命軍を作った。 | |
この革命軍は百戦百勝で、 | |
当時のフヴィートステイン城領主による残酷な統治を覆して自由平等な新政府を打ち立てたのよ。 | |
だからユージェニーはこう呼ばれているわ。フヴィートステイン城の守護者、凍土の解放者、雪原の女神、風の戦神…… | |
ニキ | そ、そんなに!? |
シンシア | これはほんの一部よ、注目すべきはユージェニーのシンボルが、恋人いイェーガーがデザインしたタバード 氷嵐の戦歌だってことね! |
あ、タバードっていうのは陣羽織みたいなものね。 | |
白銀のマントは鋭利な刃。深紅の線旗は鮮血の象徴。 | |
鋭利な刃と鮮血の行く所、必ずスノウイーグルの勝利のラッパが鳴り響いたというわ。 | |
考えただけで血が滾るでしょ?どうして私、その時代に生まれなかったのかしら。 | |
生まれてたら、ユージェニーの物語を自ら報道できたのに! | |
ニキ | その伝説の 氷嵐の戦歌は、今どこに? |
シンシア | ユージェニーがこの世を去ったとき、彼女の遺体と一緒にノーザンの氷原に埋められたそうよ。 |
ニキ | 残念…。もう見ることはできないのね…。 |
モモ | 暢気に伝説を語ってる場合じゃないでしょ!将軍だか戦神だか知らないけど、今はリンレイを助けるのが先決だ! |
ジェシカ | 貴様らにユージェニー様とスノウイーグル軍のことを語る資格はない!この先に行きたいのならば、私を倒してからにするんだな。 |
ポポ | ニキ、大急ぎでカッコいい軍服に着替えて、彼女と勝負よ! |
コーデバトル | |
ニキ | リンレイ! |
リンレイ | ニーズヘッグ、あなた…まさか天命に逆らうなんて…! |
ニーズヘッグ | フッ……雲上の人間はそんなに天命が好きか? |
だが現実は | |
強者が運命を作り、弱者は運命に従う | |
これが君の 運命 | |
リンレイ | 偉大なスタイリストになると誓ったの…二度と戦争を起こさないよう…でも…もう無理ね… |
鳳凰は死に青桐は枯れ | |
盛装を纏い戦場に赴く | |
凌雲の空に剣が舞い | |
悲哀を青い鳥が唄う |
15-9 ニーズヘッグとの対決
あらすじ | |
凌雲城は陥落、兵士達の士気は地に落ちているが、 | |
ニキがニーズヘッグの攻撃を食い止めれば士気を上げることができる筈。 | |
最後の最後まで絶対に諦めない! |
(リンレイは空に向かって懸命に手を伸ばしている。涙を堪えながらも微笑みを浮かべ、何を掴もうとしているようだ) | ||
(しかし、その手はやがて力なく地面に落ちる) | ||
ニキ | リンレイ! | |
モモ | リンレイ! | |
ポポ | リンレイ! | |
(城壁の上でぼろぼろになり、雨に濡れた雲上軍の戦旗が、激しい西風に揺れている) | ||
ニキ | リンレイ、リンレイ!聞こえてるんでしょ!?……ねぇ、リンレイ……? | |
モモ | ……リンレイ、起きろ!……目をあけてくれ!!! | |
(城内にはニキとモモの泣き叫ぶ声が響くばかりで、誰もが驚愕と絶望に支配されて沈黙していた) | ||
(凌雲城の城主はしばし城壁の上で呆然としていたが、やがてゆっくりとリンレイに歩み寄り、) | ||
(腰に佩びていた剣を地面に置いて跪くと、深々と頭を垂れて黙祷した) | ||
(城壁の下では若い女性兵士が手で口を押さえている。雨音に混じって微かな嗚咽が伝わってきた) | ||
(城主は身を起こすと、重い足取りで城壁の縁へ移動し、手にした剣を空に突き上げた) | ||
凌雲城城主 | 凌雲城の兵士たちよ、今日は雲上帝国の最も恥ずべき1日となった! | |
この恥辱は凌雲城の陥落によるものにあらず。 | ||
連合軍の侵略による平和を踏みにじる行為を阻止出来ず、世界を戦争の深淵に突き落とした事によるものである! | ||
今日リンレイは、凌雲城のために、皆の栄誉のため、 | ||
勇敢にニーズヘッグを迎え撃ち、己の命を犠牲にした! | ||
凌雲城奪回には多くの困難を伴うであろう。だが、正義は必ず悪を滅ぼす! | ||
我らが闇を追い払うとき、リンレイの魂は永遠に我らと共にあろう! | ||
(凌雲城の兵士は恥辱を受けた苦汁を粛然と噛みしめている。ノーザン軍の兵士も頭を垂れ、勝利に浮かれている者はいない) | ||
(空はどんよりと暗雲が渦巻き、天地も哀悼を示しているかのようだった) | ||
(ニーズヘッグは一歩退くと、脱いだ帽子を胸に当て、リンレイに向かって深々と頭を下げた) | ||
モモ | ニーズヘッグ、白々しい奴め! | |
ポポ | どうして?どうしてこんなことを!? | |
ニーズヘッグ | 説明する必要はない。 | |
モモ | この人殺しっっ! | |
ポポ | あんたが誓約を破った事実は隠せないわよ! | |
ニーズヘッグ | 隠すつもりはないし、君達に付き合っている暇もない。 | |
モモ | 凌雲城はいまや我が連合軍の支配下となった、速やかに退去してもらおう。今ならまだ間に合う。 | |
間に合う……?どういう意味だ?まさか、城内の人を皆殺しにでもしようってのか!? | ||
ポポ | ニキ、お願い、早くニーズヘッグを止めて! | |
(ニキは涙を流しながら、永遠の眠りについたリンレイを見つめている) | ||
モモ | ニキ!! | |
ポポ | ニキ、しっかりして!?今のニーズヘッグを打ち負かせるのはニキしかいないの!! | |
モモ | ニーズヘッグは強い、リンレイでさえ相手にならなかったんだ。いくらニキでも……。 | |
ポポ | マーベル大陸の人間は武力を行使してはならない。これは血脈に流れている誓約の呪いなの。 | |
もし武力を行使すれば、火の海に身を置くような痛みを感じると言われているの。今ニーズヘッグは呪いの痛みで弱っている筈。 | ||
……ニキ、急いで軍服に着替えて、今ならあいつを倒せるかもしれない! | ||
ニキ | ……。 | |
ポポ | ……ニキ?どうしたの? | |
ニキ | ……この世界はどんな争いもコーデバトルで解決できるんじゃなかったの? | |
どうして…どうしてここに殺戮や死があるの…? | ||
ポポ | ニキ……。 | |
ニキ | マーベル大陸がマーベル、奇跡の大陸と呼ばれているのは流血や犠牲がないからじゃなかったの? | |
ポポ | ……あたしたちがコーデバトルで争いごとを解決するようになったのは、生まれた瞬間に血の呪いという烙印を押されるからなんだよ。 | |
武力を行使した者は呪詛返しに遭い、耐えがたい苦痛を受ける。 | ||
遥か昔から、マーベル大陸の全ての人間は平和と引き換えに、血脈に流れる呪いを背負っているの。 | ||
ニーズヘッグ | 選択の自由を犠牲にし血脈の呪いに縛られた平和に頼らなければならない。そんなものは偽りの平和だ。 | |
ポポ | 違う!栄誉のために闘うデザイナーやスタイリスト達、毎日行われるコーデバトル。全部、美と夢を追求するために設けられたルールよ。 | |
偽りなわけがないじゃない!旅の途中で出会った友達やライバルも、コーデで勝利して味わう喜びも、どうして偽りだなんて言えるの!? | ||
あなたがウェンツでデザイナー褒章を貰った時、今その口で偽りと言った平和の中で、喜びを感じなかったとでも言うつもり!? | ||
モモ | (小声)ポポがカッコいい……! | |
ポポ | ニキ、リンレイは凌雲城を守るために命を賭けた。その思いを無駄にしちゃダメだよ! | |
(ニキはリンレイの遺体をそっと地面に横たえた。そして彼女の剣を手にして立ち上がると、ニーズヘッグを睨みつける) | ||
ニキ | 今の平和が偽りかどうかなんて、そんなのことはどうでもいいの。 | |
ただ、リンレイと私たちが一緒にいたことは忘れないわ。 | ||
たとえ……たとえリンレイが私たちのもとから去っても、この思い出はなくならない! | ||
リンレイが命懸けで守ろうとした人たちは、私が守る! | ||
ニーズヘッグ | ふっ、本当におめでたいな。その勇気に敬意を表して、私に挑戦するチャンスをやろう。 | |
ポポ | ニキはそう簡単に諦めないって信じてたよ!さあ、急いで男物の軍服に着替えて! | |
コーデバトル | ||
ニキ | …!? 闇の裁決……? | |
ニーズヘッグ | 貴様は私には勝てない。勝てぬ戦いからは退くことも一種の知恵と思うが? | |
シンシア | 私のみ見間違えじゃなければ、闇の裁決というのはニーズヘッグが持っている剣のスキルよ。相手の評価を1万ポイント引き下げるの。 | |
流石ニーズヘッグ!こんな伝説の宝剣を手に入れられるなんて!ああダメ、急いで書き留めなきゃ! | ||
ポポ | 1万……そんな……。 | |
凌雲城城主 | リンレイのご友人方々よ。加勢に着て頂き、感謝する。……だが、今の我らにはもう反抗する余地はない。急ぎ立ち去られよ。 | |
凌雲城の城民はしくじった結果を甘んじて受け入れましょう。あなた方まで巻き添えになる必要はない。 | ||
(泥水と雨と涙が入り混じる中、凌雲城の兵士たちは雨に打たれたままじっと押し黙っている) | ||
ニキ | まだ終わったわけじゃありません!諦めるわけにはいかないです! | |
ポポ | そうよ諦めれるもんですかっ!絶対に凌雲城を守らなくちゃ!兵士の皆さん、城内にはまだ家族がいるんでしょう!? | |
(凌雲城の兵士は、再び挑もうとしているニキたちを見て熱い涙を流し、気持ちを奮い立たせようとしている) | ||
ニーズヘッグ | 何度かかってこようが、この闇の裁決を躱すことはできん。 |
番外編1 アイアンローズ号
あらすじ | |
凌雲城の戦局が膠着状態となったその時、上空に飛空艇が現れた。 | |
果たして飛空艇の乗っているのは?そして彼らがこの戦局に与える影響は? | |
(飛空艇・アイアンローズ号) | |
メイラ | 下に見える村も林も、みんな焼き払われてるじゃない。あのテュール連合軍とかいう奴ら、皆殺しにでもするつもりなのかしらね? |
ランサー | おバカさん、あれは洛川城にいる雲上軍が自分たちでやったのよ。 |
メイラ | へー、あんた賢いんだねぇ。シッポを巻いてすごすごとトータの村からに逃げてきただけの腰抜けじゃあないんだ? |
ランサー | あなたみたいに無鉄砲じゃないだけですわ。あなたこそ、騒動を起こすばかりでアイリ女王からの命令を完遂した例がないじゃありませんの。 |
ブランシェ | ……うるさい、静かにして。 |
メイラ | ん?雨になりそうね。ブランシェ、少しスピードを上げれないの? |
ブランシェ | ……。 |
メイラ | 手遅れになっちゃ困るのよ。あのニキってお嬢さんが持ちこたえられなかったら……。 |
しっかし、アイリ女王はあの子のどこがそんなに気に入ったのかしらねぇ。安全を確保せよ、だなんてさ。 | |
ランサー | アイリ女王にはアイリ女王の考えがおわりなのよ。あなたが口を出すことじゃありませんわ。 |
ブランシェ、スピードを上げてちょうだい。こんなに悠長にしていたら、着く頃にはとっくに凌雲城が陥落してしまっていますわ。 | |
ブランシェ | このスピードで問題ない。そんなに焦らなくても大丈夫よ。 |
(凌雲城の城外) | |
メイラ | あれが全部テュール連合軍の兵士か。どうやら凌雲城は今度ばかりは運から見放されたようね……。 |
ここなら視界も良好だし雨にも濡れないから高みの見物をするにはもってこいじゃないの、おっほほほ。 | |
ランサー | 物見遊山に来たんじゃありませんのよ。さっさとあの中からピンク頭を見つけてちょうだい。 |
ブランシェ | ……。 |
ランサー | いた!ブランシェ、3時の方向よ、急いで。ピンク頭がニーズヘッグと決闘していますわ。あれはもう無理そうね……。 |
メイラ | ちょっとあれ!地面に横たわってるのって……。 |
ランサー | まさか、ニーズヘッグが武力を使ったんですの!? |
ブランシェ | 奴め、天に背いたか。 |
ランサー | やはりアイリ女王は先見の明がおわりだわ。ニーズヘッグが戦火を引き起こそうとしているのは、何か企みがあってのことだと仰っていたもの。 |
それにしてもあの男、まさか本当に呪詛返しの痛みも厭わないとは……。 | |
ブランシェ | 座って、着陸する。 |
メイラ | ヘっ!?あ、ちょ!うわ、痛っ……もうちょっと早く言いなさいよ! |
番外編2 ニキへのサポート
あらすじ | |
アイアンローズが凌雲城に駆けつけた時、ニキは戦いに苦戦していた。 | |
3人のスタイリストを投入し、遠隔地よりアイリ女王は戦局の攪乱を図る…。 |
(城壁の上) | |
メイラ | お嬢ちゃん、ニーズヘッグと一騎打ちなんて、大した勇気じゃないの! |
ニキ | ……!? |
ポポ | アイアンローズ!? |
モモ | この悪党め、戦火に乗じて略奪か!? |
メイラ | すいぶんな言われようね。あんたたちを助けに来たっていうのに。 |
(ブランシェはアイリ女王の印章が押された書類を取り出す) | |
ブランシェ | 七大国は600年来、連綿と平和共存を保ち、武力の行使した者は排除してきた。 |
テュール連合軍のニーズヘッグ大佐は、誓約に背いて武力を行使し、世界の道徳と秩序を破壊した。 | |
よってカルファ王国は平和の守護者として、今日正式にテュール連合軍に宣戦布告するものとする。 | |
ニーズヘッグ | 受けて立とう。 |
ジェシカ | アイリは南の暖かい王宮に長く居すぎたせいで平和ボケしているようだな!戦争は薔薇園でアフタヌーンティーを嗜むのとは違うんだぞ?。 |
我が連合軍が実力をもって教えてやろうじゃないか、真の道徳と秩序とは何なのかを! | |
ランサー | 我らが女王に対する暴言、覚えておきますわよ。 |
お前たちの企みはアイリ女王と我らアイアンローズが必ず止めてみせる! | |
メイラ | 熱くなってるとこ悪いけど、奴らにそんなこと言っても無駄じゃないかしらねぇ。 |
お嬢ちゃん、こっちはニーズヘッグの 闇の裁決を防ぐいいものがあるわ。 | |
この 黎明の剣でもう一度あいつと勝負してごらんなさい! |
15-9(後半) ニーズヘッグとの対決(後半)
モモ | アイアンローズの奴らがくれたこの 黎明の剣って、見た目は強そうだけど本当にニーズヘッグに対抗できるのかなぁ……? |
メイラ | このデブ猫、アイアンローズの実力を疑ってるのかい? |
ポポ | ニキ、大丈夫? |
ニキ | ……私は大丈夫。ニーズヘッグ、もう一度私と勝負しなさい。 |
ポポ | 男物の軍服に黎明の剣を合わせてもう1回挑戦よ!……ニキ、負けないで! |
ニーズヘッグ | 黎明の剣……アイアンローズが手に入れていたか。アイリ女王の猟犬たちは確かに有能なようだな。 |
コーデバトル | |
ニーズヘッグ | 勝負の結果に従い、1時間だけ城内の雲上帝国軍兵士の自主撤退を認めよう。連合軍は追撃しない。 |
ポポ | ニキ、行こう……。 |
ニキ | リンレイをここに置いては行けない、連れて行ってあげなきゃ……。 |
番外編3 謎の青年
あらすじ | |
皆が凌雲城をまさに撤退しようとした時、 | |
連合軍の包囲を突破して謎の銀髪の青年が現れた。 | |
彼の出現に合わせ、青い鳥も上空に姿を現し……!? |
(急に群衆が騒がしくなる) | ||
連合軍の兵士 | ニーズヘッグ大佐、包囲を強行突破した者が! | |
ジェシカ | 何者だ、連合軍精鋭の包囲を突破するとは! | |
(人混みの中から、1人の銀髪の青年が制止を振り切り駆け寄ってくる) | ||
銀髪の青年 | リンレイ!! | |
(銀髪の青年は人々の前まで来て、リンレイの遺体を呆然と見つめている) | ||
銀髪の青年 | 遅かったか……。 | |
ニキ | あなたは……? | |
銀髪の青年 | リンレイとの約束のために来ました。でも……。 | |
(銀髪の青年は跪き、永遠の眠りについたリンレイを見つめている) | ||
(やがて手を伸ばし、雨に濡れて乱れたリンレイの髪をそっと撫で、顔についた血痕を拭う) | ||
(不意に悲しげな鳥の鳴き声が空に響いた) | ||
銀髪の青年 | ……アオ!?お前も来たのか……。 | |
(青い鳥の切々とした鳴き声がこだましている) | ||
モモ | 青い鳥……?ねぇ、たしか花畑でリンレイが言ってたよね。 | |
ニキ | 遠山の楼台にて風雨に聞く、青き鳥、枝をくわえ夢に入り来る……リンレイが会いたがっていた人って、彼なのかな……!? | |
ポポ | 彼もきっと、リンレイに会いたくて来たんだよね。 | |
シンシア | (小声で)伝説のユージェニーも……心の底から愛した恋人にこうやって別れを告げたのね……。 | |
(銀髪の青年、リンレイの遺体を抱き起こす) | ||
銀髪の青年 | リンレイを助けようとしてくれて、ありがとう。……彼女は月下城へ連れて帰ります。 | |
(青い鳥はリンレイと青年の頭上を旋回すると、酷く甲高い哀切に満ちた声で鳴いた) | ||
銀髪の青年 | リンレイ……ベゴニアの花が咲いたんだ。さあ家に帰ろう……。 | |
モモ | ちょっと待っ…… | |
(ニキがモモを押し留める) | ||
(銀髪の青年はリンレイを抱きかかえ、悲しみと共に雨の中を去っていく) | ||
(城壁の上には、青い鳥の悲痛な鳴き声がこだましていた……) | ||
ニキ | この世を去った命が心の中で生き続けるという事は、心にしまった悲しみも薄れていかないって事なんだね……。 | |
マーベル大陸の人々が、なぜ呪いを受け入れてでも平和を守ろうとするのか、少しだけわかった気がする……。 | ||
メイラ | お嬢ちゃん、こっちよ。 | |
モモ | アイアンローズの奴らなんかに着いてくもんか! | |
メイラ | このデブ猫、ちょっとは立場って門をわきまえなさいよ! | |
ランサー | 安心なさい。あなた達の安全を確保せよというのがアイリ女王の命令ですの。だから今回は味方という訳ですわ。 | |
ポポ | 凌雲城が陥落して、ここはもう危険だよ。ニキ、モモこの人たちに従うしかないよ……。 | |
(飛空艇・アイアンローズ号) | ||
メイラ | お嬢ちゃん、思い上がるんじゃないわよ。あんたにはまだニーズヘッグに張り合える実力はない。 | |
今回はあいつが呪詛返しで弱ってたから、運よく勝てたってだけ。まだ余力がありそうだったのに手加減していたのが気になるけど……。 | ||
まあ、あんたのコーデ技術はもう少しで私に追いつくかつかないかってところね。 | ||
ニキ | 私、リンレイを助けられなかった……。 | |
ランサー | もしかして、マーベル大陸がコーデバトルで美を競うだけの単純な世界だと思っていたのかしら? | |
この世界はあなたが思うよりずっと残酷よ。 | ||
その程度の認識で誰かを救うだなんて、滑稽ね。自分の身すら守れやしなくってよ。 |
番外編4 第7試薬
あらすじ | |
ニーズヘッグがニキ一行を逃した理由、 | |
副作用の痛みを抑制する謎の第7試薬、 | |
ニーズヘッグの陰謀の背後には、まだ大きな秘密が隠されているようだ。 |
ジェシカ | 大佐、なぜ彼らを逃してやるのです!? |
ニーズヘッグ | こちらの事情だ、口出しをするな…。くっ…。 |
ジェシカ | 大佐!……モリソン博士から呪詛返しの痛みを抑制する 第7試薬を預かっております。 |
ニーズヘッグ | 構わん、気にするな。武力を使えば必ず痛みを伴うものだ。 |
呪いが発動したからには、その痛みを受ける覚悟はできている。 | |
ジェシカ | ……はい。 |
次は如何いたしますか?第一ミッションをクリアしましたので、あの方と連絡をお取りになるべきかと存じますが。 | |
ニーズヘッグ | ああ、考えてある。 |
ジェシカ | リンレイを連れて去ったあの男、どこかで見たような気が……調べておきますか? |
ニーズヘッグ | 大した者ではあるまい。それより直ちに隊を整え、戦果を調べて凌雲城内の秩序を保て。 |
ジェシカ | 承知しました、ニーズヘッグ大佐! |
15-SP1 混雑した駅で
モモ | すっごい人だにゃ…。人酔いしちゃいそう…。 |
ポポ | あ、モモ。悪いけど、あたしのスーツケースちょっと預かっといてくれる? |
モモ | やだよ! |
ポポ | えー、じゃあニキ……あれ、ニキは? |
モモ | ニ?キ?!? |
ニキ | ふぅ、私はここよ。もう少しで人混みに流されちゃうところだった! |
ポポ | ニキはやっぱりちょっと目立つ服を着たほうがいいよ。はぐれちゃわないようにさ。 |
コーデバトル |
15-SP2 恋愛体質のスー(9)
ニキ | スー、どうしてここにいるの!? |
ポポ | いや、それより聞くべきはこっちよ。スー、今度の彼氏は何座なの? |
スー | うふ、今回は才気溢れる双子座の作家さんよ。まだ駆け出しなんだけどね。 |
すぐに売れっ子作家になると思うの!!みんな楽しみにしてて!マーベル大陸のあちこちで彼の本を見かける日がきっと来るから! | |
モモ | ニキもポポも、スーから恋愛スキルを教えてもらったらどう? |
もう15章だってのに、まだ言い寄ってくる男の1人もいないじゃないか。 | |
スー | じゃあ今度じっくり教えてあげるね♪ |
今は彼がちょっと行き詰まってるから、ウェイストランドへ行って風土や風習を調査してくるつもりなの。 | |
ニキ、ウェイストランド風の服をコーデしてくれないかな?きっと彼のインスピレーションを刺激できると思うのよね。 | |
コーデバトル |
15-SP3 秋華との出会い
ポポ | 秋華さん!?こんな所で会うとは思わなかった! |
秋華 | あら、ニキにポポ、お久しぶりね。 |
モモ | ボクもいるってば! |
秋華 | うふふ、モモも久しぶり。みんなどこに行くの? |
ニキ | リンレイに会いに、凌雲城に行くんです。 |
秋華 | そうなの。でも、雲上帝国行きの列車は停まってるみたいよ? |
モモ | だから、行く方法を探してるんだ…! |
秋華 | 物騒だから、本当に気をつけてね。 |
ニキ | そうします。ありがとうございます。 |
秋華 | もうすぐ列車が出るわ。その前に、雲上帝国風の服で勝負しない? |
コメント (第15章 ストーリー)
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