《ストーリーセットコーデ》山河の終局
山河の終局
完成報酬 | コーデギフトBOX (流星の雪崩、碁盤上の天下、天下の災い、思考の断裂、業火の乱世(背景)、40ダイヤ) |
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ページ名 | カテゴリ | 部位 | 入手方法 |
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一刀両断 | ヘアスタイル | - | イベント【螺旋の間】 |
袖手し龍倒す | ドレス | - | イベント【螺旋の間】 |
嵐の起こり | コート | - | イベント【螺旋の間】 |
奥深い布石 | シューズ | - | イベント【螺旋の間】 |
縦横の世界 | アクセサリー | 前景 | イベント【螺旋の間】 |
地に沈む太陽 | アクセサリー | 頭 | イベント【螺旋の間】 |
災いの業火 | アクセサリー | 耳 | イベント【螺旋の間】 |
運命の連鎖 | アクセサリー | 首 | イベント【螺旋の間】 |
炎喰鳥 | アクセサリー | 体 | イベント【螺旋の間】 |
後悔ない一手 | アクセサリー | 右手 | イベント【螺旋の間】 |
万物の再生 | アクセサリー | 右腕 | イベント【螺旋の間】 |
運命の断章 | アクセサリー | 左腕 | イベント【螺旋の間】 |
乱世の国主 | メイク | - | イベント【螺旋の間】 |
シリーズ1 | シリーズ2 |
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馬車が無人の荒野を突き進む。遠方の景色は見渡す限りの荒野で、地面を覆っていた緑は徐々に少なくなっていく。車内は温かく、南国の香料が薫っている。ゆったりと座る祝右弦の手のひらから時折、眩しい輝きが放たれる。それは半分に割れた断面が綺麗に整えられた、古風な玉飾りだった。
「父上、父上!」
まだおぼつかない歩き方をする幼児がよちよちと入り口に駆け寄ってきた。真紅の衣に身を包んだ貴族の青年が慌てて腰をかがめ、彼を抱きかかえる。
「よしよし、書斎で待つように言わなかったか?」
当時、南境の主はまだ壮健だった。その子供は非常に利口で、興味を抱いた物は須らく手に取り観察し、難しい説明を加え、そしてその内容はとても筋が通っていたものだった。父親は笑いながら言ったことがある。
「我が家の息子は神童だな」
その言葉は、彼に対する溺愛と賞賛に満ちていた。
その日、父親は彼を膝に抱きながら、大切そうにこの半分の玉飾りを取り出し、幼い手のひらに置いた。息子は暫くそれを観察していたが、あまり興味をひかなかったようだ。
「色も材質もごく普通の玉ですね。やや年代物ですが、半分に割れてしまっています。父上、我が家には珍しい宝が山のようにあります。この半分の玉飾りにはどのような珍しさがあるのでしょうか?」
父親は笑いながら、小さな声で言った。
「これは三百年前、ご先祖様と太祖皇帝が共に遠征で戦った証拠の品なのだ。飾りの半分は天下の半分を意味している。息子よ、覚えておくのだ。雲上の繁栄は天子様の一族だけによる繁栄ではないのだ。帝国の発展は祝家の血と汗の功績あってこそなのだ。今、南境は不穏な情勢が続いているが、お前も常に励み、将来は天子様を支え、雲上の平和を守るのだぞ」
幼い子供はきょとんとしながら頷いた。父親はまた軽く笑うと、玉飾りを仕舞い、教えを心に刻みつけるように言った。
父親の教えは机上の空論ではなかった。その時、南境にある十三の街はまだ雲上に服従しておらず、国境への侵入を繰り返していた。父親は甲冑に身を包み、自ら兵を率いて戦場に立った。彼が育て上げた軍隊は向かうところ敵なしで、僅か数年の間に、南境の街は悉く軍門に下った。しかも彼らは心から降服を喜んでいたという。こうして、紛争はなくなった。
それはまさに夢のように平和な時間だった。
祝羽弦は視線を窓へと向けた。窓の外はいつの間にか大雪で、舞い上がった雪が視界を遮り、遠くの景色が朧気になっていた。
その日も雪が降っていた。
数年に及ぶ遠征の苦労から、父親の髪は白く染まっていたが、気力は相変わらず充実していた。羽毛の衣を身に纏い、その隣の母親も身だしなみを整えており、二人で出掛けるようだった。
「年越しまでには帰って来れるはずだ。羽弦、遊び惚けて学業を怠るでないぞ」
右弦は口では従っていたが、心の中では、この機会にゆっくり羽を伸ばそうと思っていた。
この別れが永遠の別れになると、誰が思っただろうか。
その半分の玉飾りは、訃報を伝える手紙とともに彼に届けられた。その後は大混乱だ。父の跡を継ぎ当主となったが、国は内も外も問題を抱え、かつて服従させた十三の街にも不穏な動きがみられた。加えて、南境の貴族たちは祝家の実権を虎視眈々と狙っていた。
彼はいつも真夜中になると目を覚まし、その古い玉飾りを見つめた。そこには消し去ることのできない忠誠心がこびりついているような気がした。
両親の死因は不明だったが、時勢は否応なしに若者を巻き込んでいく。若い祝王が初めて羽ばたいた頃、南境の朱雀が首をもたげて澄んだ鳴き声をあげた。
彼は水面下で手筈を整え、慎重に慎重を重ね、長い年月をかけて策略をめぐらし、最終的に驚くべき答えを手に入れた。
もし、人生をかけて忠誠を尽くした先王が、南境の繁栄のために恐ろしい考えを持ち、犠牲を厭わないと決めたことを父親が知ったら、どう思うだろうか。いや、天子の考えはある種、表面的なものにすぎないのかもしれない。両親を殺めた本当の犯人は、この腐敗が進み、日に日に衰退していく王朝だったのではないだろうか。
玉飾りからは沁み込むような冷たさを感じる。
使用人が馬車を停め、主人の為に扉を開く。寒風が温かい車内へと吹き込む。彼の心はこれまでにないほど落ち着き、澄みきっていた。彼は玉飾りを袖の中に入れ、ゆっくりと馬車から下りた。礼儀正しい使用人が彼に上着を羽織らせ、吹雪から身を守るための笠を被らせた。
「旦那様、風も雪も強いですよ。足下にお気をつけてください」
祝羽弦はゆっくりと笑いながら言った。
「ノーザンの景色は南境と違い、迫力があるな」
彼は大股で前方の軍営に向かい進んで行く。門番の兵士たちの軍服は皺ひとつなく正された、テュール連合軍のものだった。
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