II 4-番外2 森への闖入者
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あらすじ | |
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レイチェルが流れるようにかつての出来事を語る。神秘のヴェールに包まれていたカルファの森にはどんな物語が秘められているのだろうか。 | |
レイチェル | |
黄昏時、二人の青年が石碑の森に来たの。その時、クロリス殿下は深い眠りについていて、 ラクレス殿下が森を守っていたわ。百年近くも前の事よ。 私たちは人間を敵視していなかったけど、それ以上に静かな生活を壊されたくなかった。 だから私は、怒って何も聞かずに二人を追い出そうとしたの。 それで、その中の一人の青年とコーデバトルをしたんだけど……彼のデザインに感動させられてしまったの! 彼のデザインからは人間の物語や細やかな感情を感じ取ることが出来た。 そして私自身も、お姉ちゃんとの忘れがたい記憶をたくさん思い出したの! | |
ニキ | |
感情と記憶を感じられるデザイン……嵯耶王の作品と似ているわね……。 | |
エリス | |
百年近く前……それって嵯耶王が若い時に外遊した時間とピッタリ合うわ。 | |
ニキ | |
それで?それから何が起こったの? | |
レイチェル | |
彼らを石碑の森に一晩泊めたの。デザインのインスピレーションを探す為に諸国を回っていて、間違ってカルファの森に入ってしまったんですって。 二人は私に、森に関する古い伝説がないか聞いてきたから、 あのイブリンの話が記録された石碑に案内して、石碑の中の幻の世界に連れて入ったのよ。 | |
モモ | |
石碑の中の幻の世界?何それ? | |
レイチェル | |
石碑の森の石碑は記録を残しているだけでなく、時の大河の中に消えてしまった歴史を再現できるの。 呪文に通じてないと幻の世界を開けないけどね。 | |
ニキ | |
つまり彼らはイブリンの話を知っただけでなく、その光景も見たってこと? | |
レイチェル | |
ええ、コーデの才に秀でたその青年はとても刺激を受けていたわ。もう一人の青年は何の反応もなかったけれど。 | |
モモ | |
……その「もう一人の青年」って誰なの? | |
ランサー | |
もし、最初の青年が嵯耶王なら……。 アイアンローズの資料によれば、嵯耶王がマーベル大陸を一緒に遍歴した相手は彼の兄弟子、夢幻塔の設計者よ。 | |
ニキ | |
嵯耶王と夢幻塔の設計者……。 | |
デーヴィー | |
レイチェル、あなたが印象に残っている二回目の人間ってどんな人なの? | |
レイチェル | |
二回目は十数年前ね。ある少年が一人で入って来て、ポワリー湖辺りまで行って姿を消したの。 次の日、ある精霊が彼が森から出ていくのを見たって。 | |
メイラ | |
それの何が特別なの? | |
レイチェル | |
彼自身に特別なことはないわ。でもその夜、吸血族の王が解放されたの。 | |
ニキ | |
「闇の紅月が、凍てついた深淵より来たる黒き竜に解放される」 『時の銘文』にこんな一文があったわ……その夜のことを言っているのかしら? | |
レイチェル | |
そうよ。それは、お姉ちゃんの記憶だわ。私もお姉ちゃんが現世のページを使って森に帰って来てから、事件の詳細を知ったんだもの。 | |
エリス | |
つまり、その何のへんてつもない少年がカルファの森に侵入して吸血族の王を解放したってこと? | |
レイチェル | |
ええ、でも彼は見た目ほど平凡な少年ではなかったのかもしれない……。 封印が解かれ、吸血族の王が自分を千年封印していた剣を少年に贈ったの。 吸血族の王の覚醒と彼の強大な力は全て血を代償としている。 精霊王の封印を解き、吸血族の王の力を取り戻すなんて……普通の人間には出来ないわ。 | |
ニキ | |
凍てついた深淵より来たる……黒き竜……。 |
コメント (II 4-番外2 森への闖入者)
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