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グレデンダ&ミランダ

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3/31~4/13


第一回スペボスバレンタイン1位 チョコ4769個

1位記念イベント→Whiteday Cooking


東竜討伐隊グレデンダ&ミランダ

お兄様、出撃準備、整いましたわ。あら、あなた装備はどうしたの・・・というか、見ない顔ね?グレン兄様にご用かしら。

オレはドラゴン討伐隊隊長・グレデンダだ。この隊を取り仕切っている。この砦に何の用だ?

愛しのミリよ。ドラゴンは想定より早いスピードで移動している。東の森まで到達したとの情報だ。

まあ!それなら、すぐにでもセンメツに―あら、ご挨拶が遅れましたわ。初めまして、わたくしはミランダ。グレン兄様の妹ですわ。



ミリ、今日も頼むぞ。お前の狙撃の腕があれば、ドラゴンなど簡単に始末できる。

もちろんですわ、兄様。わたくしほどの狙撃手がいれば、他の方の援護は無用―あら、まだいらしたの、あなた。え?一緒にドラゴンを倒しにいくですって?

なんだと・・・ふっ。まあいいだろう、ミリが危険な目にあうのは少しでも避けたい。お前という囮がいるならば、心強い。存分にミリの盾となるがいい。

まあグレン兄様ったら・・わたくしは兄様の盾となり剣となりますわ。さあ、参りましょう。

・・・ああ、行こう。共に、憎きドラゴンをこの世からセンメツするために―。



ドラゴンを憎む理由?そんなもの簡単ですわ。わたくしたちは、お父様とお母様をドラゴンに殺されたのですわ。

幼かったオレたち兄妹の前に突然、ドラゴンが現れ・・・町じゅうを焼き尽くしていった。両親は今にも崩れ落ちそうな家からオレたちを助け出し―そのまま・・・。

だからわたくしたちは誓ったんですの。この世のすべてのドラゴンを滅するために、力を尽くそうと・・・。

オレとミリはたった二人の兄妹。生きるも死ぬも共にすると誓い合った。これがオレたちの絆だ・・・。

絆であり・・・わたくしたちの生きる目的、でもありますわね。たとえドラゴンと刺し違えたとしても―あら、なにもあなたがそんなお顔をなさらなくても。



これからセンメツに向かうというのに―なんだ貴様、そのツラは。もっとミリのように凛々しく清くなれ。

わたくしたちを心配してくださるなんて、あなたは優しい方ですわね。

ドラゴンを倒すのに優しさなど不要だ。―・・・さぁ、ついたぞ。ここが東の森だ・・・ドラゴンはこの森へ逃げ込んだらしい。

行きますわよ。あなたもここからは注意して進むのですわ―・・・。

―・・・いたぞ!あれだ。どうやら傷を負っているようだな。そうか、先に来ていた討伐隊の攻撃にあったのか。



ずいぶんと弱っているようですわね。それに何かを護っているようですわ・・・何かしら?

あれは・・・リトルドラゴン。そうか、あのドラゴン、母親だったのか。まあいい。リトルドラゴンならば・・・ミリ、お前の腕なら一発でシトメられるはずだ。

え・・・でも兄様、あんな小さなドラゴンをシトメてしまうなんて・・・。

何を言っている。リトルドラゴンとて成長すれば、立派なドラゴンとなって人を襲い、街を焼き払い・・・オレたちのような孤児がまた生まれてしまうのだぞ。

でも・・・あっ!あなた、危ないですわ。弱っているとは言っても・・・まだ息のあるドラゴンに近づいては・・・。



何?このドラゴンを討つな、だと?なぜ庇う。そこを退け!貴様もろとも切り捨ててやってもいいんだぞ!

待って、グレン兄様・・・。この方のおっしゃるとおりですわ。このドラゴンを討ってしまえば・・・リトルドラゴンはわたくしたちと同じになってしまいますわ。

何をいうんだ、ミリ!ドラゴンとオレたちは違う!それにオレには・・・愛しい妹、ミランダ。お前がいるじゃないか。

わたくしには兄様がいますわ。でも・・・この子は。リトルドラゴンは・・・親を失えばヒトりぼっちになってしまいますのよ。それがどれほど悲しいか・・・。

・・・っ、だとしても・・・もうこのドラゴンは・・・事実、人を襲い街を焼いた。そのために、人に攻撃され、命の火が消えようとしている。これは報いだ。



わかっていますわ。でも、それはこの小さなドラゴンには関係ないことですわ。・・・見て、兄様。あんなにもお母様を心配して鳴いているんですのよ。

・・・それが、どうした。オレたち兄妹から、ミリから、母を奪ったのも・・・またドラゴンだ。なのに、ミリ・・・お前は憎き敵を許せというのか。

そうじゃありませんわ。わたくしだって、両親を奪ったドラゴンは許せませんわ。ただ―・・・あっ。

・・・―ドラゴンが、息を引き取ったようだな。最期の最期までオレたちを睨み続けていたのは、リトルドラゴンを護っていたからだろう。

こんなにも鳴いて・・・まるでお母様を失って泣いていたあの頃のわたくしのようですわね。そんな時いつも兄様は・・・こうやって、ギュっと抱きしめてくれましたわ。



お、おい・・・ミリ。お前、指に嚙みつかれて血が出ているじゃないか!おのれ、ドラゴン、よくもオレの可愛い妹に!!

―・・・痛っ、わたくしなら平気ですわ。だって・・・この子は今、お母様を失ったんですもの。悲しくてさみしくて、怒って当然ですわ。

だ、だが・・・おい、貴様。ぼーっと突っ立って見ているだけなら、何とかしろ!今すぐぞのドラゴンをその剣で・・・!

いいえ、ダメですわ。あなたならわかるでしょう・・・?この世界を旅していたあなたなら・・・。

何を言っているんだ、ミリも貴様も・・・ドラゴンがオレたちと同じなど、ありえない・・・。



人は優しさも弱さも持っている。でも、それはドラゴンににとっても同じですわ。あの方の言っている意味が、この子を見てようやくわかりましたわ。

・・・しかし・・・いやあ、・・・そうか・・・ミリ・・・オレの愛しいミランダ。強情さは母親譲りかもしれんな・・・。

ふふっ・・・あ、見て兄様・・・。この子がわたくしの傷口を舐めてくれていますわ。こうやって慈しむことを教えていけば・・・

教える・・・だと?一体どうやって・・・おい、貴様。なぜオレとミリを指差してる?まさかオレたちに、コイツの面倒を見ろとでも言うのか。

その通りですわ。わたくしがこの子のお母様になりますわ。絶対にヒトリぼっちでさみしい想いはさせませんわ。



お、おい・・・ミリ・・・。オレたちはドラゴン討伐が任務なんだぞ・・・それを、まだ小さいとはいえドラゴンを拾って育てるなんて、国が、上層部が黙っていないぞ。

あら・・・グレン兄様。わたくしが母なら、兄様は父親ですわ。コドモに危害が及ぶなら、それを全力で護るのが親の務めなのでは?

・・・軽々と言ってくれるが、オレはまだ許したわけでは・・・!

・・・いけませんの?わたくしの頼みでも、聞いてはくれませんの?

・・・くっ、ミリ、そんなあいらしい顔でねだるのは反則だ。反対など、できるわけがないだろう。上が何を言おうと、オレが黙らせてやる。



さすがグレン兄様!大好きですわ!

フッ・・・そうだろう。なにも心配することはない。・・・そうだな、もしも国を追われたならば貴様と共に世界を巡るのも面白いかもしれん。

ふふ、良かったですわね、あなた。兄様に気に入られたようですわ。わたくしたちは一度、国へ戻って報告に行きますわ。あなたも旅の途中なら、共にいかがです?

―まあ、オレたちの屋敷にくるならば、茶くらいふるまってやっても構わん。

・・・さあ、行きましょう。わたくしたちの新しい家族の歓迎パーティーに、あなたもぜひ参加して欲しいわ。



対蜃竜特退グレデンダ&ミランダ

・・・ああ、長い道のりだったな。ようやく見えてきた・・・あれがドラゴンのいる街。オレたちの憎きテキがいる街だ。

そうですわね、兄様。ようやくたどり着いたんですわ・・・。

―街の民よ、静粛に!我々はこの街を脅かすドラゴンをセンメツしに来た!これは本国の要請であり、王の意志である。オレはドラゴン討伐隊の隊長・グレデンダ。

―わたくしは副隊長のミランダですわ。民は我々の指示に従い、速やか退避してくださいませ。

・・・なんだ、貴様は。なぜ我らの前に立ちはだかる?・・・ドラゴンを傷つけるな、だと?貴様は自分が何を言っているのか、わかっているのか。



グレン兄様・・・この方はどうやら、我々に歯向かうようですわ。共にドラゴンをセンメツしてくださる猛者なら大歓迎ですのに。

ああ、オレの可愛いミランダ。愛しい妹よ。このような愚かな者の声をお前が聞く必要はない。耳を塞ぎ、目を閉じていろ・・・そうすればすべてが終わっている。

嫌ですわ、兄様。わたくしたちはどんな時も一緒にいると誓い合ったではありませんの。

・・・そうだったな。あの憎きドラゴンにすべてを奪われたあの日から、オレたちは世界中のドラゴンをセンメツすると決意した。

それを邪魔するならば、たとえ誰であろうとも・・・容赦はいたしませんわ。



ドラゴン―それは悪の象徴。速やかにセンメツする。・・・人に利益をもたらすドラゴン?そんなものが存在するわけがない。

兄様の言うとおりですわ。たとえあなたがどれだけドラゴンの味方をしようと、無駄なこと。

・・・どうやらこの街の民は、ドラゴンと共存していけるなどという夢物語を信じているようだな・・・いいだろう。歯向かうものは皆、取り押さえろ!

ふふ・・・愚かな人たち。わたくしたちに逆らったとしても、ドラゴンが助けてくれるわけないのに・・・。

・・・何を言っている、貴様。民を傷つければ、ドラゴンがやってくるだと・・・―そんな馬鹿なことがあるわけ―。



なっ―・・・グレン兄様、これは一体・・・

どうやら、本当にドラゴンのお出ましのようだな。・・・ミリ、オレがヤツを引き付ける。お前の弾丸で致命傷を与えろ。一気に叩くぞ。

了解ですわ、兄様。照準、南西4時の方角・・・風向き追い風、敵までの距離は約2000・・・1000・・・500・・・ターゲットへの着弾を確認!

よくやった、ミリ!ドラゴンの心臓付近に命中したぞ。ヤツめかなりの深手を負ったようだ、飛べなくなって地に落ちた。これで後はもう―・・・なんだ!?

・・・どういうことですの。ドラゴンがもう一体いるなんて・・・そんな報告は来ていませんわ。



・・・なんだと、貴様、何を言っている・・・あの二体のドラゴンが兄妹だと?まさか、そんなはずは・・・ドラゴンは常に一体で行動し、群れることなどないはずだ。

・・・でも・・・傷付いたドラゴンに寄り添う、もう一体のドラゴン・・・あの姿はまるでわたくしたち。支え合い・・・慈しみ合い・・・―!グレデンダ兄様!危ないっ!

ーまさかオレを狙って・・・っ!?貴様、なぜオレとドラゴンの間に立ちはだかっている。それで・・・オレを守っているつもりなのか。

・・・え?わたくしたちではなくて・・・ドラゴンを守っている、ですって?街の人たちとドラゴンの関係を壊すわけにはいかないなんて・・・どういうつもりですの?

・・・おい、貴様。腕から血が出ているぞ・・・そんなに傷だらけになってまで、ドラゴンを守るというのか。



・・・そんな・・・街の人たちまで、盾になってドラゴンの味方をするなんて・・・まるで、わたくしたちが間違っていると言いたげな目ですわね。

ミリ、何をしている。銃を置くんだ、このままでは街の民まで巻き添えになってしまう・・・悔しいが―全体に告ぐ!撃ち方やめ!

構いませんわ、兄様。悪の象徴であるドラゴンに魅入られてしまった人々・・・その心はもう真っ黒に染まってしまっているに違いありませんわ。

ミリ・・・根拠もないのにそんなことを言うものじゃない。どうしたというのだ、ミリ。オレの命令が聞けないのか?撃ち方をやめろと、そういったのだ。

たとえグレデンダ兄様の命でも、こればかりは聞けませんわ。わたくしはドラゴンをセンメツするまで・・・この銃を置くことはありませんわ。



ああ、ミリ・・・お前がオレに歯向かうなんて・・・一体どうしたというんだ。

ここにいるすべての悪をセンメツして、・・・そうすれば悲しい思いも、さみしい思いも、すべてなくなりますわ。

だがな、ミリ。人々は悪ではない。オレたちは弱き人々を守るため、ドラゴンの脅威から救う為に、討伐隊を指揮しているんじゃなかったのか。

でも・・・兄様、わたくしが守りたいものは・・・今も昔も兄様だけ、兄様ただひとりですわ。

愛しいミランダ・・・わかっている。お前の気持ちは痛いほどに。だが・・・聞け。街の人々の声を。ドラゴンの命を救ってくれと、あんなに必死に叫んでいるだろう。



・・・っ、あなたも、ドラゴンを救えと、見逃せと・・・そうおっしゃるの?どうして・・・。

・・・人に優しいドラゴンもいる、と。そう訴えている声が、お前にも聞こえているだろう、ミリ。ヤツらがすべてが悪だと決め付けるわけには・・・いかないらしいな。

兄様・・・そんな顔をなさならいで・・・兄様・・・っ、わかりましたわ。この銃を、置きますわ。

・・・いい子だ、ミリ。ドラゴンに奪われた幸せな日々はもう二度と戻らない・・・だが、お前が生き残ってくれたことだけは・・・オレの唯一の希望になった。

わたくしもですわ。兄様が生きていらっしゃることが・・・わたくしのすべて。



・・・勘違いするな、貴様、なにもオレはドラゴンを許したわけでも、貴様の言うことを真に受けたわけでもない。

・・・あなたには申し訳ないけれど・・・わたくしたちは、やはりドラゴンを許せませんの。ただ―今回は兄様がやめろというから、攻撃をやめただけ。

オレは可愛い妹を悪役にしたくなかっただけだ。ドラゴンを見逃せという街の民の声を無視して、ドラゴンをシトメたところで・・・ミリの手をケガスだけだからな。

優しい、わたくしのグレデンダ兄様・・・その優しさにわたくしは一生ついてゆきますわ。

いろいろと騒がせてしまってすまなかった、街の民よ。これより我らは国へ戻り、ドラゴンはすでにいなくなっていたと、王に報告しよう。



けれど、まだ討伐の命があれば・・・わたくしたちはやってきますわ。せいぜい、見つからないように気をつけることですわね。

―全隊に告ぐ。我らはこれより帰還する!速やかに撤退せよ、撤退せよ!それから、怪我をしているものたちのために、我が隊の医療品をすべておいていくように。

・・・あなたとも、ここでお別れですわね。こんな形でなく、もっと別の形でお逢いしたかったですわ。

・・・貴様が旅を続けるならば、またどこかで会うこともあるだろう。その時は―。

たとえわたくしたちが、何をしていても・・・とめないでくださいませねー・・・。



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