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第四章 王都薙刀術元師範

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10/27~11/8

前章→第三章 噂好きのアラーニャ

次章→第五章 惑乱の異形

プレイヤーの名前を呼ぶのは、このボスが最初です。


第一回スペボスホワイトデー9位 チョコ262個


王都薙刀術元師範 安曇

おや・・・?このようなひなびた場所に鳥獣以外の気配がするとは。

何のご用でしょうか。ここへは目的がなければ迷い込むことすらできませんよ。

あぁ、自己紹介もせずに失礼しました。私は王都薙刀術元師範の安曇と申します。

「元師範」の通り、今は引退してこのように王都の外れでひっそりと暮らしております。

ロゼさんという方を探しておられるのですか?・・・申し訳ないが存じ上げません。



近頃はこのあたりで人の気配は感じておりませぬゆえ、おそらくはロゼさんもここへは参られていないかと。

いえ、とんでもございません。こちらこそお役に立てず・・・それでは・・・

!?

もし!もう一度あなたのお顔を拝見させていただ——

も、もっとこちらの明るい場所で!



あぁ・・・ついて私の願いが天に届きましたか・・・

あなたもずいぶんと意地の悪いお方だ。

なぜ初対面のように振る舞うのです?なぜ帰ろうとするのです?

私があなたを忘れていないか試したのですか?

ひどい仕打ちをしますね。あなたがいなくなって私がどれほど辛い思いをしたか・・・



いえ、せっかく戻ってきてくれたのです。

恨み言はよしましょう。そんなことより—

さぁ!早速稽古と参りましょう。

前回は魔王軍の侵略が始まって稽古が途中になってしまいましたね。

何を戸惑っているのです。私は師範を引退したとはいえ、腕は落ちておりませんよ。



来ないのであれば、こちらから参りますよ・・・!

明鏡波紋!

そうそう、それくらい避けてもらわないと。

ふふふ・・・これです、この感覚・・・静寂と興奮と、それに懐旧の情まで染みこんできて・・・

ゾクゾクしますね・・・



しかし避けてばかりでは勝てないですよ!

?何ですか?その奇妙な構えは。

やめてください、そんな構えを教えたことはありませんよ。まるで—

○○○(プレイヤーの名前が入る)?誰ですか?その名は。

う、嘘だ!嘘です!!あなたは私の愛弟子です!



他人の空似だなんて・・・

本当に私のことをご存知ないですか・・・?

あぁ・・・なるほど・・・あなたはきっと記憶喪失ですね。

落ち込むことはありません。

また私の元で暮せば、じきに記憶も取り戻すでしょう。



何せ先の魔王軍との戦いは熾烈を極めましたからね・・・

あなたがいなくなってから早幾年・・・

周りからは諦めるように何度も言われましたが、私はあなたが生きていると信じて疑わなかった。

いえ、疑わなかったと言えば嘘になりますね。

私は密かにあなたの仇討ちを考えておりましたから。



あなたに害をなした二人・・・

一人は当時の侵略の一軍を指揮していた男・・・

名前は分かりませんが冷酷非道な表情は今も忘れ得ません。

直接、兵刃を交えることができなかったのが残念です。

もう一人は名前は分かりますが、表情をうかがい知ることはできませんでした。



あなたが戦い、そして敗れた相手・・・

全身を甲冑で固めた四天王の一人—黒騎士スペード。

あの二人だけは許すまじ。

師範を引退してからも密かに腕を鍛えてまいりましたが—

こうしてあなたが戻ってきたのなら、もう許してもよいのかもしれませんね。



私にとって大事なのは魔王軍ではなく、あなたなのですから。

さて・・・あぁ、そのままそのまま・・・動かないでください。

戻ってきて急に稽古をつけるなど、無粋でしたね。

お茶を出しましょうか。気が利かなくて申し訳ないですね。

私としたことが邂逅に舞い上がってしまいました。



お茶は昔のように玄米茶でよいですよね。

あぁ、それとも何か召し上がりますか?

簡単なものでよいのであれば—言わないで!!

お願いですから今は何も言わないでください・・・

・・・失礼しました。突然大声を出してしまい驚かしてしまいましたね。



今はただ何も言わずそばに居てほしいのです。

後で辛くなるのは分かっているのですが、今は・・・

すみません・・・お茶を持ってきますね。

そんな時間はないのですか?

・・・そうでした。あなたはロゼさんをお探しでしたね。



もう行くのですか・・・?

あぁ・・・そ、それでは私も一緒に探しましょう。

一人より二人で探したほうが良いでしょう。

いえ、どういたしまして・・・

え、手分けして探すのですか?



それはあまり意味がないと申しますか・・・

私はその方のお顔も存じ上げませんし・・・

えぇ、えぇ!そう言っていただけると助かります。一緒に探しましょう!

探すのは良いのですが、幾つか条件があります。

私のことを「師範」と呼んでいただけないでしょうか・・・?



あぁ・・・何と甘美な響き・・・

も、もう一つ、私を・・・「ゆるす」と仰っていただけないでしょうか。

・・・長い間せき止められていた涙が、つっと流れてまいりました。ありがとうございます。

最後に・・・こんなことをお願いできる義理ではないのですが—

もしこれをしてくれるなら私があなたの弟子になっても構いません。



・・・私のことを・・・

いえ・・・これはロゼという方を見つけた後にお願いすることにします。

すみません、お待たせしました。それではロゼさんを探しに参りましょう。

そうそう、戦いに行く前にあなたから預かったものがありましたね。

お返しします・・・あなたのものではないですか?



いえ、あなたが違うと言い張っても、これはあなたのものですよ。

どうぞ私のためだと思ってお受け取りください。

ありがとうございます。さて・・・

ロゼさんはどういう経緯でいなくなられたのですか?

魔王軍の侵略?魔王軍がまた侵略してきたのですか!?



仇討ちの相手が来ていたかもしれないというのに、何と私は迂闊な・・・

それで魔王軍は今どこに?・・・もう退却した?

そんな簡単に引き下がるとは思えませんが・・・

あなたの尋ね人を探しながら、魔王軍の情報も集めてみましょう。

・・・何か今、うめき声のようなものが聞こえませんでしたか?



風ですかね・・・

いや、確かに聞こえます!・・・あっちです!

ロゼさんが巻き込まれていなければいいのですが・・・!

・・・何ですか、この—

この禍々しい生き物は・・・

【第五章へ続く】



烈烈炉是師範 安曇

何奴だ。こんな王都の外れに・・・

自分は薙刀師範の安曇だ。

もしや・・・そなたも入門希望者か!?

いやはや、一度は門下生が皆辞めて師範を引退せざるを得なく—

自分の熱烈指導が悪かったのではないかと自責する日々が続いたが・・・



やはり自分は間違っていなかったか。

ようやく時代が自分の指導に追いついてきたのだ。

どうやってこの道場を知ったのだ?口コミか?

もしやどこぞの掲示板でこの道場が噂になっているとか?

まぁ媒体は何でもよい。そなたの入門したいというその熱意に—



何?入門ではないだと?

嘘をつかなくてもよい。別に門下生が少ないからと我が道場を卑下することはないのだ。

もともとは自分は王都の薙刀師範をしていたのだ。

だが魔王軍の侵略を機に、もっと民間の者、特に子どものうちから鍛えねばならんと考えるようになってな。

王都の師範の職を辞したのだ。



最初はこの道場ももっと王都の中心部にあったのだ。

道場には学校帰りの子どもが練習に励み、自分の熱意あふれる指導はますます冴え—

近所から苦情が来るほど活気にあふれていた。

苦情は主に自分の声の大きさが原因だったが・・・

しかしそのうち門下生が熱血指導について来れなくなってな・・・



どんどん門下生が減り、収入が減り、家賃が払えなくなり、食事の回数を減らし・・・

こんな王都の外れにまで追いやられてしまったのだ。

あの頃の子供は—いや、愚痴は言うまい・・・

さぁ、早速稽古をつけてやるか!

何?本当に入門は結構です、だと?



・・・ロゼはいないかだと?そんな名の者は我がの門下にはおらぬ。

さては貴様・・・道場破りか!?

ふん、それだけ武装しておいてよく否定できるな。

貴様に易易と持っていかれるほど我が看板は軽くはないぞ!

おっと、最初から師範と戦えるなどと思うなよ。



まずは我が弟子と戦ってもらおうか。

こやつが熱烈に入門を希望したので致し方なく再び道場を始めたのだ。

まだ入門したばかりだが、なかなか筋が良い。

ゆくゆくは自分の後の道場を継がせても良いとまで考えている。

出会え!出会え、炉是!



何を人見知りしているのだ!師範の後ろに隠れる弟子がどこにいる!

まずは弟子のお前が、こやつと腕試しをするのだ。我が道場の実力を見せてやれ!

・・・

お、追いかけてこないでほしいんですの!

ロゼはここで立派な薙刀使いになるんですの!



ここで薙刀を習って、お休みの日にはマリーヌに唐揚げセンパイをもらいに行くんですの!

ロゼはそういう質素な人生を歩むことにしたんですの!

なんだ、そなたたちは知り合いか?

何やら浅からぬ因縁のようだな。

知り合いだとて容赦をするな!行け!炉是!



もうお家には帰らないんですの!

ママにはお世話になったんですの、と伝えてほしいんですの!

ママから何か・・・伝言はないんですの・・・?

な、ないんですの!?信じられないんですの・・・

もう!ロゼの「アニバーサリーフラッシュ!!」



何だ、炉是!そんなでたらめな型を教えたつもりはないぞ!

も、申し訳ないでござるですの!

むぅぅ・・・あなたのせいで師範から怒られたんですのよ・・・

だいたいアラーニャのハロウィンパーティでも邪魔をされたんですのよ・・・

パーティで唐揚げセンパイが出てたから、今度こそと思って手を伸ばしていたら—



あなたに見つかって食べ損ねたんですの!

行けっ!ロゼの「唐揚げセンパイの恨み!」

おおお、凄まじい攻撃力だ・・・

だが炉是!感情で呼吸が乱れているぞ!

無にならねばお前の腕はそこ止まりだ!



そもそも踏み込みが弱い!持ち替えが遅い!

道場破りの方、しばし待たれよ。

来い!炉是!稽古をつけてやる!

や、やーー!!

何だ!そのようなか弱い声では戦えぬぞ!



と、とーー!!

違う!そのようなへっぴり腰で相手の刃が払えるか!

何だ、もうバテたのか?自らを律することができていないからそうなるのだ。

そ、そんなことはないんですの。

口答えをするな!昨日も寝る前におやつを食べていただろう!



う・・・

そんなことで自立、自活ができると思うな!

ぐぅ・・・

罰として町まで往復十回、走り込みだ!

えええ!?お、お願いですの!あなたがロゼの代わりに走ってほしいんですの!



こら!他人が走ってどうなる!自分で走れ!

う・・・うぇぇぇぇん!!

炉是!何か落としたぞ!

おお、すごい勢いで走っていったな。さすが愛弟子。やればできるではないか。

・・・炉是の奴、遅いな。



<ロゼは師範の元には戻ってこなかった>

【第五章へ続く】



落花流水慕情 安曇

っ、本当に夢の中にまでやってきましたか・・・

確かに約束はしました・・・それは認めます。

しかし、あのときの私はどうかしてたのです。

時は還り、季節は過ぎ、私の気も変わったのです。申し訳ないですがお帰りください。

・・・何の話か、ですって?



・・・これは失礼を。当然私の夢の中に入ってこられたのでお顔も見ずにてっきり・・・あっ・・・

ふふふ、二度も人違いをしてしまいました。いえ、こちらの話です。

私は王都で薙刀術の師範をやっておりました安曇と申します。

故あって職を辞しましたが・・・あなたは何のご用でしょう?

・・・ロゼという女の子を探しているのですか・・・耳にした記憶はございませんね。



お役に立てずに申し訳ないですが、どうぞお引き取り願います。

・・・誰と間違えたのか、ですか?あなたにお答えする義理はございません。

こんなところで油を売ってないで、早くロゼとやらを探しに他に行かれたらどうです?

そもそも他人の夢にずかずかと上がり込むなど、失礼千万ではありませんか。

そんな狼藉を働けば魔王軍・・・何でもありません。



ずいぶん「魔王軍」という単語に敏感に反応するのですね。

世間で何が起きているか知らないのか、ですか?

えぇ、私は職を辞してからは王都の外れに居を構えているので、世情には疎いですね。

・・・私の話もろくに聞かずに、何をしているのです?

・・・まさか夢の出口を探しているのですか?



もうお帰りなのですか?・・・確かに私が帰るように急かしましたが・・・

いえ、先程も申し上げました通り、そのロゼという子に関しては何も存じ上げません。

ただ・・・危険を冒してまで探しているロゼという子は、あなたにとって大事な人なのですか?

あ、もう出口が見つかりましたか?それではまた・・・

あ!しばしお待ちを・・・先程お伝えしそこねましたが—



実は私は過去に魔王軍と戦ったことがあるのです。

きっとあなたのお役に立つと思いますので、お聞きになりませんか?

ありがとうございます・・・私が魔王軍と戦ったのは、昔、王都が侵略されたときでした。

私は当時、王都薙刀師範として戦いに参加しましたが・・・それは苛烈なものでした。

無論、戦なのですから命を賭しております。私も覚悟はしておりました。



しかし私は所詮、自分の身体についてしか覚悟ができていなかったのです。

あなたが今、一生懸命ロゼを探しているように、大事な人がいなくなるというのは本当に苦しい・・・

それが永遠に喪われたと実感したときは、心の臓を締め付けられ、絶望的になります。

魔王軍との戦が起きた当時、私は師範としてたくさんの弟子を抱えておりました。

その中でも特に一人の弟子に目をかけておりました。



その弟子は既に免許皆伝の腕前で、奥義を教える約束までしておりました。

ただその約束もなんだかんだと理由をつけて、先延ばしにしているうちに魔王軍との戦いが始まったのです。

もしあの戦いが始まるより前に奥義を教えていたら、と思うだけで・・・

そうなのです。あの戦いの中で私はその弟子を喪ってしまったのです。永遠に・・・

私の覚悟は、弟子を喪うことまでは至っていなかったのです。



奥義を教えていたところで何も変わっていないかもしれません。

しかし、もしかすると変わっていたかもしれません。

なぜ奥義を教えることを先延ばしにしていたかというと—

お恥ずかしい話なので軽蔑しないでいただきたいのですが—

すべてを教えるとその弟子が私の元から去ってしまうのではないか、と不安だったからです。



不安というよりも怖かったのです。とても強い恐怖でした。

そう・・・私はその弟子に対して、師範と弟子以上の感情を持っていました。

しかし師範という立場上、そんな気持ちを伝えるわけにはいきません・・・

お互い子どもではないのだから、きちんと奥義を教えた上で、私の気持ちも伝えて良かったのだ、と今なら思います。

どうせ喪うならなぜ伝えておかなかったのか、と・・・



臆病だったのです。甘やかな怠惰に溺れていた私は、それまでの関係が壊れるほうが怖かったのです。

今となっては相手が当時どう思っていたか、本当の気持だけを知りたい・・・

その後、ご存知の通り魔王軍は撃退されました。

しかし弟子を喪った私の精神は、足元の大地を削られたように崩れてしまいました。

私はこの王国の生まれではありません。



故郷は遠い異国の地であり、帰る気力もなく—

いえ、恋恋としてるだけなのです。かってあの弟子がいて、そして散ったこの地から離れられないのです。

師範を辞し、今は王都の外れに一人で移り住んで菩提を弔っているのです。

・・・以上が私がこれまで誰にも話すことのできなかったお話です。

なぜあなたにだけこの話をするのか不思議に思われるでしょうね。



一つには夢の中だと不思議と素直になれるということがあります。もう一つは—

せめてあなたには聞いてほしかったのでしょうね。

どこかあの弟子の面影をもつあなたに。

あぁ・・・あなたに話してこれまで一人で抱えていたものが少し軽くなりました。

ふふふ・・・近頃は気分が不安定だったのですが、今は湖面のようにとても穏やかです。



私の話があなたのお役に立ったのなら喜ばしいのですが。

・・・ロゼの件も魔王軍が関与しているですのですか!?また王都に魔王軍が!?

なんと・・・そうですか、魔王軍が・・・

・・・いえ、心配はご無用です。少し興奮して立ちくらみがしたまで。

あなたはロゼとともに魔王軍の侵略口も探していたのですね。



・・・魔王軍が関わることでしたら、私もお供させてください。

第一線を退いたとはいえ、少しはあなたのお役に立てるかと思います。

これは私と弟子の思い出の品なのですが、あなたに預けておきましょう。

いえ、私よりもあなたに持っておいてほしいのです。お守りのようなものだとお思いください。

・・・!?あなたも気づきましたか・・・?何か今、周りの空気が変わった・・・



悪寒がしますね・・・何か悪しきものが私の夢の中に紛れ込んだようです。

お気をつけください。「敵」がすぐそこまで来ている—

!?何ですか!?あの異形のものは!!

【第五章へ続く】



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