木炭店

最終更新日時 : 2023/05/23 12:59

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Lv.21で開放

【商業建築・木炭店】

春花の木炭店は、品質や価格こそ他店と大差なかったが、商売がとにかく上手かった。

こだわりのある炭屋では、木炭を金花箋で包んで木箱に入れ、白い手袋まで同梱していたというのに、春花の店では、画仙紙たった一枚で包むだけという簡素さだった。

客が言うには、皆似たようなものなのに何故か春花の炭ばかり買ってしまうのだという。

この疑問は、後に知府が住民の質問に答えるために設置した投書箱にも寄せられた。知府は、町中の店の炭を買い集め、調査に乗り出した。重さを量り、燃焼時間を計測し、燃焼時の煙を比べ、ありとあらゆる角度から実験を重ねた末、ついに結論を出し、質問者に返信した。

「ご質問、誠にありがとうございます。お手紙を拝見いたしました。

官府での徹底した調査の結果、春花さんの店の炭は、他店と同じ炭焼き場から入荷されたものであり、品質に差はございませんでした。

また、春花さんが利益を得ようと蠱毒を行なったのではという疑惑の件については、根拠の無いまったくのでたらめだと存じます。なぜなら、春花さんは神霊やまじないの類を全く信じていないからです。

また、彼女の炭が最も売れる理由は、包み紙の画仙紙に書かれた言葉にあると我々は考えます。

「窓閉じて炭焼くべからず、炭焼いて窓閉じるべからず、窓閉じて炭焼き、家族泣かすべからず」

これにより、炭火の不注意による窒息の発生件数激減の功績を認め、我々は後日春花さんに表彰の言葉を贈る予定であります。」

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