秘密の裏話・寄宿舎の眠れる獅子
寄宿舎の眠れる獅子
解放条件 | SR-シモン・悪夢 |
幼い頃からずっと、僕は何においても一番だった。
成績について言えば、歴史地理から音楽美術に至るまで、どの科目でもずっと主席。運動では剣術や射撃、そして馬術にテニス、僕の右に出る者はいなかった。更に中国式の茶道、日本の生け花、イギリス紳士のマナーなど、各国の優れた文化にさえ精通していた。
ひとまずこれらの素養はさておき・・・・・・外見について言及すれば、僕は顔も彫刻のように整っていて、いともたやすく女の子の心をつかむことができた。
唯一足りないのは、身長だけだ。鼻をつまんでどれほど牛乳を飲んでも、改善の見込みはない。しかし祖父が言っていた通り、小さなものにこそ能力は濃縮されている。この非常に小さな欠点が、僕が新入生主席としてイギリス最高峰の男子限定パブリックスクールに入学する妨げになることはなかった。
けれどスクールで覇を唱えるという野望を抱いた僕は、入学して1週間後、予想外の事態に直面する。
それは、一人の謎めいた東洋人の少年が、転校生としてルームメイトになった日のことだ。