デート・除夕
除夕
もうじき除夕。シモンに春節はどうするのかと尋ねてみると、いつもと変わらないという答えが返ってきた。同じく一人で春節を迎える私は、一緒に過ごすことを提案した。
除夕の当日、シモンはバラとワスレナ草の花束をプレゼントしてくれた。一緒に餃子作りをするため、彼にエプロンをつけて欲しいと言われ、またしてもからかわれてしまった。シモンはとても上機嫌だ。
子供の頃に餃子を食べて起きたアクシデントについて話すと、シモンは興味津々に聞いてくれた。そして、餃子の作り方を教えて欲しいというシモンに後ろから手を回されて……顔についた小麦粉をシモンがそっと指で拭ってくれた。私も彼のことをからかいたくなって、その鼻先にちょこんと小麦粉をお返しする。笑っているうちに、私の心は満たされていった。
シモンが初めて、心の奥に秘めていた子供の頃の話をしてくれた。そしてお互いに餃子に願い事をかけ、最後の一つをシモンが食べさせてくれた。彼は永遠に私のそばから離れないと言ってくれた。