デート・異国の街
異国の街
最近、シモンは頻繁に海外に出張に行く。今回は家の鍵を私に託し、彼の家にある植物の面倒をみてほしいと頼まれた。そして彼は、マーガレットの花が咲く頃には帰って来ると約束してくれた。
私はデンマーク取材にかこつけて、シモンの元に向かうことにした。それとなく所在地を聞き出し、アジサイが咲き誇る公園で彼と再会する。けれど、ほっとした途端に気が緩み、風邪の症状が悪化して彼の胸に倒れ込んでしまった。
目が覚めると、シモンがそばに付き添ってくれていた。病気のせいか、私の気持ちは少し不安定。彼は約束を破ったことで自分を責め、もう離れたりはしないと私に約束してくれた。
シモンに行きたい場所はないかと聞かれ、私はアジサイ公園がいいと答えた。公園に来ると、急にお天気雨が降り出した。私たちは自分に素直になり、雨の中で抱き合い、お互いの気持ちを確かめ合った。