デート・ゲームの約束
ゲームの約束
キラの新作映画のPRは、ゲーム実況の生配信に決まった。私は彼のファンに一番輝いている彼を見てもらいたいと思う一方で、彼を独占したいと思う自分の存在に気付いていた。
生配信開始前、キラと私は二人きりになった。彼は私に何か「ご褒美」をくれると言ったが、生配信が終わるまで教えるつもりはないらしい。私は不思議に思いつつ、密かな期待を抱かずにはいられなかった。
生配信終了の時刻が近づく。キラは最後までファンを楽しませることを忘れず、また女心をわしづかみにしていた。終了後、私は約束通り「ご褒美」の内容を教えてくれた。それは、忘れられていると思っていた、タイムラインの私のコメントに関することだった。
ようやくキラに休日がやって来た。約束通り彼の家でゲームをして、一緒にクリアを目指す。最後のセーブポイントのところで、私はうっかり電源ケーブルに足を引っ掛けてしまった。画面が真っ暗になっても、彼はまるで気にしていない様子だった。